リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版
リネンサプライ・クリーニング業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、リネンサプライ・クリーニング業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。
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⽬次
リネンサプライ・クリーニング業界の概要とM&A動向
リネンサプライ・クリーニング業界は、衣料品や繊維製品の洗濯・仕上げサービスを提供する業界であり、事業内容により「リネンサプライ業」と「クリーニング業」に大別されますが、広義では同じ「洗濯業」に分類されます。
主に一般消費者(個人)を対象に、衣類や布製品の洗濯・シミ抜き・保管などのサービスを提供する個人向け(BtoC型)のサービスと、ホテルや病院、飲食店などの事業者向けに、リネン類(シーツ、タオル、ユニフォームなど)の洗濯・管理・リースなどを行う法人向け(BtoB型)のサービスがあります。
個人向けでは、駅前や住宅街にある店舗型のクリーニング店が一般的ですが、近年は宅配・ネット注文型の「宅配クリーニング」も台頭しています。法人向けでは、一般的なクリーニング業と異なり、定期的かつ大量のリネン管理を必要とする業務用ニーズを担っています。
大手企業では、ダスキン、白洋舎、ナックなどが有名です。
| 項目 | 個人向け(BtoC) | 法人向け(BtoB) |
|---|---|---|
| 対象顧客 | 一般消費者(家庭) | ホテル・病院・飲食店・工場などの法人 |
| 取引単位・頻度 | 不定期・小口の取引(都度利用) | 定期的な大量取引(契約型) |
| 価格帯・単価 | 単価は安いが高付加価値化が可能 | 安定的だが価格競争が激しい |
| 納品・回収 | 店舗または宅配(個別) | 専用車両・ロジスティクスを使用 |
| 設備規模 | 中小規模の店舗または地域工場 | 大型工場・ライン処理 |
| 法規制・衛生基準 | 主に家庭用、衛生基準は任意レベルが多い | 医療・食品などの厳格な規制に対応 (例:HACCP) |
| 労務体制 | 店舗対応やパートタイムが多い | 工場勤務、ルート配送など組織的 |
| 収益モデル | 単発・季節要因に左右されやすい(フロー型) | 継続的な契約ベース(ストック型) |
| 主な業務内容 |
• 衣類の一般クリーニング • 特殊素材・高級衣料のクリーニング • 靴・バッグ・布団のクリーニング • 季節保管サービス • 宅配・アプリ注文による集配サービス |
• リネン・タオル類のレンタル・洗濯・回収 • 医療機関向け白衣や患者衣のクリーニング • 飲食店・食品工場向けユニフォームの衛生管理 • クリーンルーム用特殊衣類のクリーニング |
リネンサプライ・クリーニング業界の近年の市場動向
本業界では、人手不足と設備投資の負担が課題となっています。リネンサプライ業は多くの人手と設備を要する業種であり、深刻な人手不足が課題です。また、省人化・自動化に向けた設備更新が必要ですが、初期投資が重く、中小企業にとっては経営の重荷となっています。
また、法人向けのリネンサプライ業は、宿泊・医療需要に左右される構造になっています。ホテル・観光業や医療機関の稼働率と密接に関連しているため、コロナ禍の影響で観光業が落ち込んだ2020〜2021年には業績が一時的に悪化しました。その後はインバウンド需要の回復とともに徐々に持ち直しつつあります。
そして、医療・食品業界向けの法人サービスでは、国際的な衛生基準(ISO13485やHACCPなど)に対応する必要があり、こういった衛生基準の厳格化が負担になるケースがあります。対応できない中小企業は市場からの撤退やM&Aの対象となるケースが増えています。
リネンサプライ・クリーニング業界の
最新のM&A動向
リネンサプライ・クリーニング業界では、市場の成熟や後継者不足を背景に、M&Aによる業界再編が活発です。大手が中小企業を吸収することで、スケールメリットやエリア拡大を図る動きが加速しています。
また、地域密着型の中小事業者が、BtoCとBtoBを両立しているケースが増えています。たとえば、店舗での個人受付と、飲食店向けの業務用クリーニングの両方を受託するなど。大手企業も、個人宅配と法人契約を同じ物流・工場で効率運用することで、スケールと利益率の向上を狙っています。M&Aは、確立された企業やビジネスモデルを取り込むことで、イチから事業開拓する必要性がなくなり、短期間での事業拡大やシェア拡大が可能です。リネンサプライ・クリーニング業界のような市場において、自社単独での成長だけでは限界があるため、M&Aは競争力を維持し成長を加速させるための有効な経営戦略となります。
リネンサプライ・クリーニング業界をとりまく環境
本節では、日本国内のリネンサプライ・クリーニング業界を取り巻くマクロ環境について、市場規模、事業者構造、需要側要因、制度・規制、サプライチェーン、人材、ガバナンス、M&Aの観点から整理します。短期的なコロナ禍からの回復局面と、中長期的な人口減少・人手不足・コスト上昇といった構造要因を併せて把握することが重要です。
市場・販売/生産・取引動向
リネンサプライ業は、ホテル・旅館、病院・介護施設、外食・レジャー施設などに対してリネン類をレンタルし、回収・洗濯・再納品までを一貫して提供するBtoBサービスです。矢野経済研究所の調査によると、2023年度の国内リネンサプライ市場規模(事業者売上高ベース)は4,551億円、前年度比108.5%と推計されており、コロナ禍から3年連続で回復基調にあります(「リネンサプライ市場に関する調査を実施(2024年)」)。
同じ調査系列や業界レポートでは、2024年度の国内リネンサプライ市場について、インバウンド需要の本格回復を背景に前年度比104%台の伸びとなり、約4,760億円規模に達したとの民間推計も示されています(業界解説記事「4760億円市場の覇権争い。ワタキューの牙城を崩すのは誰か」等)。コロナ禍で大きく落ち込んだ宿泊需要が戻りつつあることが、ホテル・旅館向けリネン需要の押し上げ要因になっていると考えられます。
一方、一般家庭向けクリーニング(BtoC)は、ワイシャツやスーツなどビジネスウェア需要の減少や、家庭用洗濯機の高機能化・カジュアル化などの影響を受け、長期的には市場縮小傾向にあります。矢野経済研究所「クリーニング関連市場に関する調査を実施(2023年)」によれば、2022年の国内クリーニング関連市場(家庭向けクリーニング店、コインランドリー、無店舗・宅配型を合算)は事業者売上高ベースで2,713億5,000万円、前年比105.9%とされています。販路別では、店頭型クリーニング店が1,600億円、コインランドリーが約1,009億円、無店舗・宅配型が約104億円と推計されており、コインランドリーと宅配型は微増傾向です。
チャネル別にみると、BtoCでは駅前・住宅地の店舗型クリーニングが依然として主力ですが、共働き世帯の増加やECリテラシーの向上を背景に、宅配・ネット注文型サービスやサブスクリプション型保管サービスなどが拡大しています。BtoBでは、病院・介護施設向けのメディカルリネン、外食・食品工場向けの衛生ユニフォーム、ホテル向けリネンなど、用途別に専門化が進み、特定分野に特化した事業者と、総合受託型の大手グループとの二極化が進行しています。
価格動向に目を向けると、燃料・電力・資材価格の高止まりや最低賃金の上昇により、クリーニング・リネンサプライ関連のコストは総じて上昇傾向にあります。その一方で、BtoB取引では長期契約が多く、価格改定のタイミングが限られるため、短期的には「増収減益」となるケースもみられます。実際、クリーニング店の業績調査では、2024年度に「増収ながら減益」となった事業者が一定数存在し、洗剤・ハンガー・包装材・ボイラー燃料の高騰と人件費上昇が収益を圧迫したと報告されています。
取引数量面では、リネンサプライ各社が取り扱うリネン枚数・回転回数は、宿泊者数や入院患者数、店舗の営業状況などに連動するため、コロナ禍前後の変動が大きくなっています。2020〜2021年は宿泊者数の急減によりホテルリネンが大きく落ち込みましたが、2023年以降は回復基調であり、客室稼働率の上昇とともにリネン需要も増加していると考えられます。
- M&A観点
- 市場全体としては、BtoBリネンサプライは回復・拡大、BtoCクリーニングは長期縮小とコインランドリー・宅配型の成長というコントラストが鮮明になっています。設備投資や物流網の維持に一定規模が必要であることから、規模の小さい事業者が単独で競争力を維持することは難しくなりつつあり、成長分野への参入やエリア拡大、商品ラインの補完を目的としたM&Aの合理性が高まりやすい環境です。
事業者・設備・拠点動向
国内のクリーニング所・リネンサプライ事業所は、長期的には減少傾向にあります。厚生労働省「衛生行政報告例」に基づく統計では、クリーニング所施設数や無店舗取次店営業者数が2000年代以降低下を続けており、従事クリーニング師数も減少傾向にあります。一方で、大型工場を複数拠点展開するチェーン企業や、特定地域に集中出店するドミナント戦略をとる事業者の存在感は高まっています。
設備面では、業務用洗濯機・乾燥機・仕上げラインの大型化、自動搬送・自動仕分け設備の導入など、省人化・省力化を目的とした投資が進んでいます。特にメディカルリネンや食品関連ユニフォームを扱う工場では、ゾーニングや自動仕分け設備、バーコード・RFIDによる管理などにより、品質とトレーサビリティを両立させる工場設計が増加しています。これらの設備投資は初期負担が大きいため、中小規模の事業者にとっては単独投資が難しく、共同利用やM&Aによるスケールメリットの追求が重要なテーマになっています。
拠点配置については、リネンサプライ業では大規模工場と地域拠点の組み合わせが一般的です。大都市近郊の産業団地に主力工場を置き、その周辺および地方都市にサテライト工場や集配デポを配置することで、輸送効率とサービスレベルのバランスを図るモデルが多くみられます。人口減少地域や需要が頭打ちのエリアでは、老朽工場の統廃合や共同配送センターへの集約も検討されています。
バリューチェーン上の位置づけとしては、「部品加工主体」「ユニット組立主体」「装置一貫製造」「エンジニアリング・EPC(設計・調達・建設)主体」など、企業ごとに役割が大きく異なります。一貫生産体制を持つ企業は品質・納期面でのコントロール力が高い一方、固定費負担や設備投資負担も大きくなります。逆に、組立主体やエンジニアリング主体の企業は、外部パートナーとの連携力が競争力の源泉となり、サプライチェーン上の関係性が極めて重要になります。
- M&A観点
- 事業所数の減少と設備投資負担の増大は、業界再編を促す要因です。買い手側にとっては、既存工場・車両・人材・顧客基盤をまとめて取得できるM&Aは、グリーンフィールド投資に比べて立ち上がりリスクを抑えやすい手段です。一方、売り手側にとっては、老朽設備更新や人手不足を背景に、一定の企業価値を確保したうえで事業を託す選択肢としてM&Aが選ばれやすい環境と言えます。
需要側ファクター
日本の総人口は長期的な減少局面にあります。総務省「人口推計」によれば、2024年10月1日時点の総人口は1億2,380万2千人であり、前年から約55万人(▲0.44%)減少し、14年連続の減少となっています。人口減少・高齢化は中長期的には衣類クリーニング需要の縮小要因となりますが、高齢者向け介護施設・医療機関でのリネン需要は一定以上の水準で維持される可能性があります。
家計のクリーニング代支出は、総務省「家計調査」を基にした各種分析によれば、2010年代以降、スーツ着用機会の減少やカジュアル化の進行とともに緩やかな減少傾向にあります。一方で、コロナ禍後は外出機会の回復やオフィス出社の増加により、一部で反発的な増加もみられており、テレワークと出社勤務のミックスが定着するなかで、新しい需要パターンが形成されつつあります。
インバウンド需要は、業務用リネンサプライにとって重要な外的変数の1つです。日本政府観光局(JNTO)の統計では、2023年の年間訪日外客数は2,506万6,100人と推計されており、水際措置撤廃後に急速な回復を示しました。観光庁「宿泊旅行統計調査」によると、2023年の客室稼働率は全体で57.0%とされ、2019年水準に近い水準までの回復が確認されています。これらはホテルリネンの需要増加を通じて、リネンサプライ各社の売上・稼働率向上に寄与しています。
ライフスタイル面では、共働き・単身世帯の増加、在宅勤務の定着、衛生意識の高まりなどが、洗濯・クリーニングサービスの利用形態に変化をもたらしています。日常着の多くは自宅洗濯が主流である一方、布団・カーペットなど大型品や、オフィスカジュアルであっても自宅洗濯が難しい衣類については、専門店・コインランドリー・宅配クリーニングの利用が続いています。また、医療・介護・食品関連では、感染症リスクを踏まえたリネン交換頻度の増加や、より厳格な衛生基準が求められており、業務量の底上げ要因となっています。
海外需要の面では、産業機械輸出や工作機械受注のデータから、アジア(特に中国・韓国・台湾・インド)および北米が引き続き主要な市場であることが確認できます。2024年の工作機械外需は1兆436億円と4年連続で1兆円を超え、地域別ではアジアが約半分、北米が約3割、欧州が約2割という構成です。こうした地域別の需要構造は、機械メーカーにとってグローバルな販売・サービス体制の整備を不可欠なものにしています。
- M&A観点
- 需要側の構造変化は、単にボリュームの増減だけでなく、チャネル・サービス内容・品質要件の変化を伴います。需要が伸びるインバウンド関連エリアやメディカル・食品関連分野へのポジション構築には、既存プレーヤーの買収による一括参入が有効な手段となり得ます。また、縮小が見込まれる地域・業態については、M&Aを通じた統合・撤退整理により、残存事業の採算を確保する動きが今後も進む可能性があります。
制度・規制・DX
リネンサプライ・クリーニング業は、「クリーニング業法」に基づく営業許可や衛生管理義務の対象となるほか、生活衛生関係営業として厚生労働省および自治体の監督を受ける業種です。また、医療機関向けのメディカルリネンや食品関連ユニフォームなどを取り扱う場合には、医療法、感染症法、食品衛生法、HACCP対応、各種ガイドラインなど、関連業種の規制・基準への適合が求められます。
近年は、電子帳簿保存法改正やインボイス制度の導入など、会計・税務関連のデジタル化要請が強まっており、BtoB取引においても電子請求書・電子契約・EDIを通じた受発注の電子化が進んでいます。これにより、請求事務の効率化や入金管理の高度化が可能になる一方、IT投資と運用体制の整備が中小事業者の負担となる側面もあります。
個人情報保護法やマイナンバー制度、個人データの越境移転に関する規律も、顧客ID・会員情報・決済情報を扱うBtoCクリーニングやアプリサービスには影響します。特に、宅配・集配サービスでは、住所・連絡先・決済情報に加え、衣類や生活パターンに関する情報も取り扱うため、情報管理体制やサイバーセキュリティ対策の整備が重要な経営課題となっています。
- M&A観点
- 制度・規制対応やDX投資は、規模が大きいほどコストを分散しやすいため、コンプライアンス対応力を備えた企業がM&Aの買い手として選好されやすい傾向があります。買収時には、クリーニング業法に基づく許可・届出の承継、衛生管理マニュアルや品質認証の統合、電子帳票・会計システムの標準化など、PMIフェーズで解決すべき論点が多く存在します。
供給・ロジスティクス/サプライチェーン
リネンサプライ・クリーニング業のコスト構造においては、洗剤・包装資材・ハンガーなどの原材料費、ボイラー燃料・電気・ガスといったエネルギー費、車両および運転手を含む物流費が大きな比率を占めます。資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2024年度版」によれば、燃料輸入価格高騰の影響で2022年度に電気料金が上昇した後、2023年度はやや低下したものの、震災前水準に比べれば高い水準が続いています。エネルギーコストの水準は、ボイラー稼働の多い本業界の収益性に直接影響します。
輸送については、工場と顧客施設(ホテル・病院・店舗等)を結ぶルート配送が事業の生命線です。トラックドライバーの不足や時間外労働規制の強化を背景に、長距離輸送・夜間配送の制約が強まりつつあり、幹線輸送を外部委託しつつ、地域内集配を自社で担うなど、役割分担の見直しが進んでいます。複数事業者による共同配送や、中継拠点への集約なども検討されており、物流網の再設計が中長期のテーマとなっています。
リネン・ユニフォームの在庫管理では、紛失・破損・滞留などのロス管理に加え、衛生・品質基準を満たす洗濯回数・交換サイクルの設計が求められます。RFIDタグやバーコードを用いたトレーサビリティシステムの導入により、1枚単位の履歴管理・ロット管理を行う事例も増えており、データを活用した在庫最適化・紛失防止が競争力の一要素になっています。
- M&A観点
- サプライチェーンの再設計には、一定規模の物量とエリアカバレッジが必要なため、近接エリアの事業者同士を統合してルートを統廃合する、幹線輸送を共通化するなど、M&Aを前提とした物流最適化が有効です。PMI段階では、仕入先・燃料調達条件・車両リース条件などの統一により、スケールメリットを早期に顕在化させられるかが重要なポイントになります。
人材
リネンサプライ・クリーニング業では、工場オペレーター、検品・仕上げスタッフ、配送ドライバー、店舗スタッフなど、多様な職種の人材が必要です。少子高齢化の進行と、他産業への人材流出を背景に、多くの現場で慢性的な人手不足が生じています。特に、早朝・夜間のシフトや肉体的負荷の高い作業が多い工程では、人材確保が難しい状況が続いています。
賃金面では、全国平均最低賃金が2018年の874円から、2024年には1,055円、2025年には1,121円と引き上げられており、 人件費率の上昇は避けられない状況です。一方で、BtoB取引の単価やBtoCの料金改定には限界があり、採算確保のためには、生産性向上・省人化投資・業務プロセスの見直しが重要になっています。
人材確保の手段としては、外国人材の活用やシニア人材の再雇用、時短勤務・柔軟シフトの導入などが行われています。また、DX・自動化設備の導入に伴い、機械操作・保守、データ分析、工程設計など、従来とは異なるスキルセットを持つ人材も必要になっており、社内教育・OJT・外部研修が重要な投資領域になっています。
- M&A観点
- 人材難は、後継者不在や経営者の高齢化と相まって、M&Aによる事業承継ニーズを高めています。買い手側にとっては、現場管理者や営業担当者を含む熟練人材の獲得が大きな価値となる一方、PMIでは人事制度・評価制度・賃金体系の統合や、カルチャーフィットの確保が重要な課題です。人材の定着を優先したPMI設計ができるかどうかが、統合後のサービス品質と収益性を左右します。
ガバナンス/品質・コンプライアンス
クリーニング業では、衣類の取り扱い方法を示すJISマークや品質表示、料金表示など、消費者保護の観点からの表示ルールが存在します。表示や広告が実態と乖離した場合には、景品表示法などの規制対象となる可能性があるため、表示内容の適切な管理が必要です。また、紛失・変色・破損などの事故発生時の補償方針や苦情対応体制も、ガバナンス上の重要なテーマです。
法人向けリネンサプライでは、品質・衛生基準の遵守が契約上の重要条項となります。医療・介護分野では、感染症対策や感染性廃棄物の扱いを含めた衛生管理体制が求められ、食品関連ではHACCP対応や異物混入防止などのリスク管理が必須です。品質事故が発生した場合のリコール・回収プロセスや、是正・予防措置の仕組みを整備しているかどうかは、大手顧客からの信頼獲得に直結します。
情報セキュリティ面では、顧客情報・契約情報・決済情報の保護に加え、工場設備・配送車両・事務システムをつなぐネットワークへのサイバー攻撃リスクも増大しています。ランサムウェア攻撃などにより工場の稼働が止まれば、顧客への納品遅延・契約違反につながるため、バックアップ体制やBCPを含めたガバナンス強化が求められます。
- M&A観点
- 買収対象企業の品質管理・コンプライアンス体制は、デューデリジェンスにおける重要なチェックポイントです。統合後にコンプライアンスリスクが顕在化すると、損害賠償やブランド毀損につながる可能性があるため、PMIでは品質マニュアル・教育体系・内部通報制度などを含めたガバナンスの統一が重要です。大手グループのガバナンス基準を中小企業にも展開することで、業界全体の品質水準を底上げする効果も期待できます。
M&Aリレーション
リネンサプライ・クリーニング業界では、国内大手および地域有力企業によるM&Aが継続的に行われています。背景には、設備更新負担の増加、ドライバー・工場人材の不足、オーナー経営者の高齢化、地域別需要の二極化などがあり、単独経営の限界を感じる中小企業が増えていることが挙げられます。
買い手側の目的としては、次のようなものが一般的です。
- 対象エリアでのシェア拡大・ドミナント化による物流効率向上
- ホテル・病院チェーンとの取引実績・入札資格の獲得
- 特定分野(メディカルリネン、クリーンルーム、食品工場等)に強みを持つ人材・ノウハウの取得
- コインランドリー、宅配クリーニングなどBtoC新業態への参入
- M&A観点
- 本業界のM&Aは、単なる規模拡大ではなく、設備・人材・顧客基盤・認証・ノウハウといったアセットをパッケージで取得し、拠点統廃合や設備更新投資と組み合わせてシナジーを出すことがポイントです。買収後には、価格体系・仕入条件・在庫ポリシー・与信管理・ITシステムをどこまで共通化するかを慎重に設計し、地域性や顧客関係を損なわない形でのPMIを行うことが成功要因となります。
リネンサプライ・クリーニング業界の今後の課題と展望
本節では、今後3〜5年程度を想定したリネンサプライ・クリーニング業界の課題と展望について整理します。ベースシナリオに加え、インバウンド・コスト・人材などの前提が変化した場合の上振れ・下振れも意識しながら、経営・投資・M&A戦略の方向性を検討していきます。
利益率圧迫要因(人件費・エネルギー・物流・資材)
- M&A観点
- リネンサプライ・クリーニング業界では、最低賃金の継続的な引き上げ、電力・燃料価格の高止まり、トラック運賃や車両コストの上昇、洗剤・包装資材の価格上昇など、複数のコスト要因が同時進行で利益率を圧迫しています。料金改定により一定程度の価格転嫁が行われているものの、BtoB契約の多くは中長期の固定単価であり、短期的なコスト上昇を完全に吸収できていない事業者も少なくありません。
- 対応策
- 利益率改善に向けては、単純な値上げだけでなく、工程設計・設備投資・商品設計を含めた総合的な収益構造の見直しが求められます。具体的には、工程ごとの作業時間とコストを可視化したうえで、高負荷工程への自動化設備導入、標準工程の統一による作業の平準化、ロット編成の見直し、燃費効率を考慮した配送ルート再設計などが挙げられます。また、メニュー・料金体系についても、付加価値サービスの明確化とオプション料金の設定により、顧客の納得感を保ちながら単価向上を図る余地があります。
- M&A観点
- M&Aを通じてスケールを拡大することで、資材・エネルギー仕入れ、車両リース、保守契約などの調達条件を改善しやすくなります。買収後のPMIにおいては、価格体系・仕入条件・在庫ポリシー・調達先を統一し、共同購買による仕入単価の引き下げや、工場統合によるエネルギーコスト・人件費の削減をいかに早期に実現できるかが重要なKPIとなります。
ロジスティクス再編と拠点戦略
- 課題
- トラックドライバー不足や時間外労働規制の強化、都市部の交通混雑・駐車制約などにより、従来前提としていた配送スキームの維持が難しくなりつつあります。特に、広域に分散した小規模工場やデポを持つ事業者では、非効率な空車走行や重複ルートが発生しやすく、燃料費・人件費の増加が収益を圧迫しています。
- 対応策
- 幹線輸送と地域内配送を分けて設計し、幹線部分は3PLや共同配送を活用しつつ、地域内はドミナント拠点からの集配に特化させるなど、ネットワーク全体の再設計が必要です。また、需要予測と連動した配車・積載最適化、AIによるルート自動生成などのデジタルツールを活用することで、走行距離を削減しつつサービスレベルを維持することが可能です。中長期的には、工場統廃合と同時に、主要幹線道路沿い・インターチェンジ付近への拠点移転を検討するケースも増えると見込まれます。
- M&A観点
- ロジスティクス最適化の観点からは、隣接エリアに拠点を持つ事業者を買収し、配送ルートと工場キャパシティを一体で再設計することに大きなメリットがあります。PMIでは、配送拠点の統廃合計画や工場ごとの品目・顧客割り当ての再編を早期に設計し、シミュレーションに基づいてKPI(1台あたり配送売上、走行距離、積載率など)を設定することが重要です。
人材確保・育成と働き方改革
- 課題
- クリーニング工場や配送現場は、体力的負荷の高さや勤務時間帯の制約から、若年層の応募が集まりにくい傾向があります。最低賃金の上昇に伴い賃金水準を引き上げても、飲食・小売・物流など他サービス業との競合が激しく、採用・定着に苦戦する事業者が多くなっています。また、ベテラン従業員の高齢化が進む一方で、技能伝承や管理職候補の育成が追いつかないという課題もあります。
- 対応策
- 採用面では、勤務時間帯の柔軟化や短時間勤務の導入、週休2日・連休取得の仕組みなど、労働条件の見直しと「働きやすさ」の明確な打ち出しが重要です。教育面では、ラインマニュアルの標準化やeラーニングの活用により、未経験者でも一定期間で戦力化できる仕組みづくりが求められます。また、設備自動化や搬送機器の導入により、作業負荷を軽減しつつ、管理・監督業務や品質管理など、より付加価値の高い業務へのシフトを進めることが有効です。
- M&A観点
- M&Aでは、対象企業に在籍する工場長・リーダー層・営業担当者などのキーパーソンの確保が重要な価値ドライバーになります。PMIでは、人事制度・評価制度・キャリアパスを丁寧に統合し、既存社員と買収先社員が公平に評価される枠組みを設計することで、離職リスクを抑制することができます。また、多拠点を束ねるスーパーバイザー層を育成・配置することで、グループ全体のオペレーション品質を平準化しやすくなります。
デジタル・データ活用とサービスモデルの進化
- 課題
- 多くの中小事業者では、受発注・請求・設備稼働・在庫管理などが紙やエクセルに依存しており、実績データの集計や分析に時間を要しているケースが少なくありません。この結果、工場ごとの生産性や顧客別採算をタイムリーに把握できず、改善余地や不採算案件の特定が遅れるという課題につながっています。
- 対応策
- BtoBでは、受発注ポータルやEDI、電子請求書システムの導入により、受注・請求・入金管理の一体化を進めることが重要です。工場内では、機械ごとの稼働データやラインごとの処理枚数を取得し、日次・シフト別の生産性を見える化することで、残業削減やボトルネック解消につなげることができます。BtoCでは、アプリ・Webを通じた注文・決済・集配管理を導入し、顧客IDベースで利用履歴を把握することで、リピート施策や単価向上施策に生かすことが可能です。需要予測や配車最適化にAIを活用することで、稼働率とサービスレベルの両立を目指す取り組みも広がると考えられます。
- M&A観点
- デジタル基盤の整備には初期投資とノウハウが必要なため、すでにデータ活用を進めている企業がプラットフォーム役となり、周辺の中小事業者をグループ化して共通システムに乗せる戦略が有効です。PMIでは、マスタ(顧客・商品・料金・拠点)統合、業務プロセスの標準化、データ定義の統一などを進めつつ、段階的にシステム移行を行うことで、現場の混乱を抑えながらスケールメリットを引き出すことが重要です。
ガバナンス・コンプライアンスとレピュテーションリスク
- 課題
- リネンサプライ・クリーニング業は、表面的には「洗濯サービス」である一方で、医療・介護・食品・宿泊など、人命や健康・衛生に直結する領域を支えるインフラでもあります。品質事故やコンプライアンス違反が報道された場合、短期的な取引停止だけでなく、中長期的なレピュテーションリスクにも直結します。特に、感染症関連の報道などに敏感な医療・介護分野では、単一の事故が複数施設への連鎖的な契約見直しにつながるリスクも想定されます。
- 対応策
- 品質・衛生管理マニュアルの整備と教育徹底、内部監査や第三者認証の活用、トレーサビリティ確保、事故発生時の報告・是正・再発防止プロセスの整備が不可欠です。また、労働時間・安全衛生・下請法・独占禁止法などの一般的な法令遵守に加え、個人情報保護や情報セキュリティポリシーの整備も求められます。ガバナンス体制を取引先へ可視化することは、大手顧客との取引継続や新規入札獲得における差別化要因にもなります。
- M&A観点
- 買収側は、デューデリジェンスにおいて品質・コンプライアンス・労務・環境対応に関するリスクを丁寧に洗い出す必要があります。PMIでは、グループガバナンス基準を買収先に展開する際、現場の実情に合わせた段階的な適用と、教育・サポートを通じた定着が重要です。内部通報制度や監査体制を共通化することで、グループ全体でのリスクの早期発見・是正につなげることができます。
外需・観光需要とマクロ環境リスク
- 課題
- インバウンド観光や国際イベントに伴う需要の増減は、ホテルリネンを中心とした業務用リネン需要に大きな影響を及ぼします。訪日外客数が2023年に2,500万人超まで回復した一方で、地政学リスクや為替変動、世界的な景気後退など、外的要因による需要変動リスクは引き続き存在します。
- 対応策
- 需要変動リスクへの対応としては、宿泊以外のセグメント(医療・介護、食品工場、産業用ユニフォーム等)とのポートフォリオバランスを意識した営業・投資戦略が有効です。また、宿泊分野においても、国内出張・レジャー需要とインバウンド需要のバランスを意識し、特定国・地域への依存度を下げることがリスク分散につながります。為替や海外情勢の変化をモニタリングしつつ、需要急増局面では一時的な外注活用や契約見直しを通じてキャパシティを柔軟に調整できる体制を整えることが望まれます。
- M&A観点
- 外需連動度の高いエリア(大都市圏・観光地)と、比較的安定的なメディカル・介護需要が見込めるエリアを組み合わせたポートフォリオを構築するために、M&Aを活用する戦略が考えられます。買収対象の顧客ポートフォリオを分析し、グループ全体として景気・観光需要の変動に対する耐性を高める方向での統合を設計することが、長期安定的な収益確保につながります。
地域・エコシステム連携とサステナビリティ
- 課題
- 環境負荷低減や地域包括ケアの推進など、社会的要請が高まるなかで、単独企業だけでは対応が難しいテーマも増えています。特に、CO2排出削減・水使用量削減・洗剤の環境負荷低減などの環境対応は、設備投資や技術開発を伴うため、中小企業単独での対応には限界があります。
- 対応策
- 地域の病院・介護施設・宿泊施設・清掃事業者などと連携し、共同配送・共同購買・共同処理設備の活用などを通じて、環境負荷とコストの双方を抑制する取り組みが考えられます。また、産官学連携による省エネ型設備・再生可能エネルギー活用・低環境負荷洗剤の開発・実証に参加することで、補助金や公的支援を活用した投資負担軽減も期待できます。サステナビリティ対応は、大手顧客からの評価軸の1つとして、入札・取引継続の条件になる可能性が高まっています。
- M&A観点
- 環境認証の取得やサステナビリティの情報開示に先行している企業をグループに取り込むことで、全体としての環境対応力とブランド価値を引き上げることができます。PMIでは、環境目標・KPI(エネルギー原単位、水使用量、CO2排出量など)をグループ共通で設定し、工場ごとの改善余地を「見える化」することが有効です。
倒産・再編の地合いとリスク管理
- 課題
- 利幅の薄い価格競争とコスト上昇、設備更新負担、後継者不在などを背景に、クリーニング店やリネンサプライ事業者の倒産・廃業は増加傾向にあると報告されています。特に、老朽化したボイラーやライン設備の更新期を迎えた事業者では、十分な内部留保・金融支援を確保できない場合、事業継続が困難になるリスクがあります。
- 対応策
- 財務面では、設備投資計画とキャッシュフロー計画を早期に策定し、銀行・リース会社・公的金融機関からの資金調達手段を多様化することが重要です。また、利益水準と借入負担のバランスを踏まえ、必要に応じて事業ポートフォリオの整理(不採算店舗・工場の閉鎖、賃貸物件の見直しなど)を進めることも検討されます。BCPの観点からは、工場火災・自然災害・感染症・サイバー攻撃などのリスクシナリオに対し、代替拠点・協力会社とのネットワークを整備しておくことが望まれます。
- M&A観点
- 倒産・廃業局面に至る前段階での「前向きな事業承継」としてM&Aを活用することにより、オーナー経営者のリタイアと従業員の雇用維持、顧客へのサービス継続を両立できる可能性があります。買い手側にとっては、ターンアラウンド前提の案件についても、工場・人材・顧客基盤などのアセットを適切な条件で取得できれば、PMIでの構造改革を通じて中長期的なリターンを期待できます。
3〜5年のシナリオと主要KPIイメージ
- 課題
- 不確実性の高い環境下では、単一の予測に依存するのではなく、複数シナリオを前提とした経営・投資計画が求められます。リネンサプライ・クリーニング業界では、インバウンド・国内宿泊需要、人件費・エネルギー・物流コスト、人材確保難度などが主要な変動要因です。
- 対応策
-
例えば、3〜5年の視点で以下のようなシナリオを想定することが考えられます。
- 対象エリアでのシェア拡大・ドミナント化による物流効率向上
- ホテル・病院チェーンとの取引実績・入札資格の獲得
- 特定分野(メディカルリネン、クリーンルーム、食品工場等)に強みを持つ人材・ノウハウの取得
- コインランドリー、宅配クリーニングなどBtoC新業態への参入
- ベースシナリオ:インバウンド・国内宿泊需要は2019年比同程度〜やや上回る水準で安定、人件費・エネルギーは緩やかな上昇、設備投資は更新中心。売上年平均成長率(CAGR)2〜3%程度、営業利益率は現状水準を維持。
- 上振れシナリオ:観光需要が想定以上に回復し、ホテル向けリネン需要が拡大。デジタル化・自動化投資とM&Aシナジーが奏功し、売上CAGR3〜5%、営業利益率も1〜2ポイント改善。
- 下振れシナリオ:世界的な景気減速や地政学リスクにより外需が落ち込み、人件費・エネルギーコストの高止まりが続く。売上成長が横ばい〜微減、営業利益率が低下し、設備更新余力が制約される。
-
各シナリオにおいては、少なくとも以下のKPIを継続的にモニタリングすることが重要です。
- 売上高(市場セグメント別:ホテル向け、メディカル向け、一般クリーニング、コインランドリー等)
- 設備稼働率(工場・ライン別)、1ライン当たり処理枚数
- 人件費率・エネルギーコスト比率・物流費比率
- 1拠点当たり売上・1車両当たり売上・1人当たり付加価値
- M&A後のシナジー創出状況(工場統合によるコスト削減額、共同購買による仕入単価低減など)
- M&A観点
- M&A戦略は、これらのシナリオとKPIを踏まえて位置付ける必要があります。ベースシナリオでは、強みのあるエリア・分野を軸に隣接領域を取り込むボルトオン型M&Aが有効です。上振れシナリオでは、成長期待の高い観光地やメディカルリネン分野での先行投資として、より大型の案件も検討対象になります。下振れシナリオを想定した場合でも、防衛的な意味合いでの統合・共同化(工場・配送・システムなど)を通じて、業界全体の再編を主導するポジションを取ることが、長期的な競争優位につながる可能性があります。
- 参考URL
-
総務省統計局「人口推計(2024年10月1日現在)」
総務省統計局「家計調査 2023年」
国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査(2023年・年間値(確定値))」
日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2023年12月および年間推計値)」
厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」
厚生労働省「衛生行政報告例」
資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2024年度版『3.経済性』」
資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2024年度版『3.経済性』」
矢野経済研究所「リネンサプライ市場に関する調査を実施(2024年)」
矢野経済研究所「クリーニング関連市場に関する調査を実施(2023年)」
帝国データバンク|クリーニング店が苦境、「倒産・廃業」最多ペース…
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リネンサプライ・クリーニング業界における
M&A活用のメリット
リネンサプライ・クリーニング業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
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- 価格競争力の強化
- 後継者問題を解決できる
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
- 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- 譲受け側のメリット
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- サービスの広域化
- 売上規模・シェアの拡大が見込める(規模の経済)
- 事業多角化・新規事業への参入
- 人的リソースを獲得できる
- バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
- リスク分散ができる
- 財務力強化・コストの削減(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)
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リネンサプライ・クリーニング業界で
M&Aを実行する際のポイント
リネンサプライ・クリーニング業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- リース契約の有無(設備関連)
- 売上の構成比(特定顧客依存度)
- フランチャイズ契約やテナント契約の条件
- 事業所や工場の許認可状況
- 衛生認証の有無(医療・食品など)
- 労務状況(非正規比率、外国人雇用など)
- ガバナンス・管理体制
注意点の一例を上げると、リネンサプライ・クリーニング業の機械設備の多くはリースで導入されており、バランスシートに現れにくい債務があります。そのため、リース契約の内容を確認する必要があります。
また、売上の構成比をチェックし、特定の取引先への売上依存度が高い場合、契約継続リスクを精査する必要があります。
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
リネンサプライ・クリーニング業界における
M&Aの価格相場
リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、リネンサプライ・クリーニング業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
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株式会社日本M&Aセンター
業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。
リネンサプライ・クリーニング業界の
最新M&A事例を解説
リネンサプライ・クリーニング×バス・鉄道
JR西日本、ジェイアール西日本リネンの全株式を鉄道リネンサービスに譲渡
- 譲渡企業
- 西日本旅客鉄道株式会社(9021)、株式会社ジェイアール西日本リネン(大阪府大阪市)
- 譲受け企業
- 鉄道リネンサービス株式会社(大阪府大阪市)
スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年3月31日
M&Aの概要
2024年5月29日、西日本旅客鉄道株式会社(以下:JR西日本)は、 鉄道リネンサービス株式会社との間で、JR西日本が保有する株式会社ジェイアール西日本リネンの全株式を鉄道リネンサービスに譲渡することに合意し、株式譲渡契約を締結したことを公表しました。本件の株式譲渡契約は2024年5月15日に締結され、株式譲渡は2025年3月31日に実施されました。
JR西日本は、西日本を中心として旅客鉄道等を運営する日本の鉄道事業会社。流通業、不動産業も行っています。
ジェイアール西日本リネンは、JR西日本のグループ会社。リネン類、寝具類、作業衣等のリネンサプライ事業等を行っています。
鉄道リネンサービスは、ホテル、JR旅客車及び交通機関全般のリネンサプライ事業等を行っています。近畿圏を中心にリネンサプライ事業を長年にわたり展開しており、グループのリネンサプライ業務の最大委託先として、豊富な実績とノウハウを有しています。
ジェイアール西日本リネンと鉄道リネンサービスとの連携により、 両社のノウハウを結集し、より質の高いリネンサプライ事業を展開していくことが、顧客や従業員、地域・社会にとって価値向上に繋がると判断したため、今回のM&Aに至りました。
リネンサプライ・クリーニング×リネンサプライ・クリーニング
白洋舍がグループ内再編を実施
- 譲渡企業
- 共同リネンサプライ株式会社(東京都大田区)
- 譲受け企業
- 株式会社白洋舍(9731)
スキーム:会社分割、合併 実行時期:2023年10月1日
組織内再編の概要
2023年4月26日、株式会社白洋舍、およびその連結子会社である共同リネンサプライ株式会社は、会社分割と吸収合併による組織内再編を決定しました。
白洋舍は、衣類や水周りなどのクリーニングサービスを行っています。
共同リネンサプライは、東京と大阪の2拠点で、リネンサプライ事業、ユニフォームレンタル事業、クリーニング事業を行っていました。
共同リネンサプライの東京支店と大阪支店とを会社分割(新設分割)し、2023年7月3日、大阪支店を新設会社(新設「共同リネンサプライ株式会社」)へ承継しました。
白洋舍が共同リネンサプライ株式を追加取得することにより、共同リネンサプライを完全子会社化した後、白洋舍を吸収合併存続会社、共同リネンサプライを吸収合併消滅会社とする吸収合併を2023年10月1日に実施しました。これにより、東京支社は白洋舎に統合されました。
白洋舍はグループの組織再編を通じ、関西圏における競争力強化を図るとともに、白洋舍と商圏が重複する東京事業を白洋舍に集約し、経営資源の集中と業務効率化の実現を図ります。
リネンサプライ・クリーニング×調剤薬局
総合メディカル、東京リネンサービスを子会社化
- 譲渡企業
- 東京リネンサービス株式会社(東京都板橋区)
- 譲受け企業
- 総合メディカル株式会社(東京都千代田区/福岡県福岡市)
スキーム:株式譲渡 実行時期:2023年3月6日
M&Aの概要
2023年3月6日、総合メディカル株式会社は、東京リネンサービス株式会社の全株式を取得し、完全子会社化しました。
総合メディカルは、医業経営コンサルティング、医療モールの開発・運営、医療機関への医師紹介、医師の転職・開業支援等を行っています。
東京リネンサービスは、医療機関、介護・福祉施設およびその入居者向けの各種リネンサービス提供、福祉用具・紙おむつ等の販売を行っています。
病院や施設で使用するシーツやタオルなどのリネン製品を提供・管理するリネンサービスは、衛生管理が重要な医療分野で欠かせない存在です。本件M&Aにより総合メディカルは、東京リネンサービスが持つリネンサービスの強みを、グループの既存事業へ組み合わせていきます。また、グループの営業基盤を東京リネンサービスと共有することで、シナジー効果創出を図ります。
リネンサプライ・クリーニング業界の
M&Aニュース
リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aニュースを表示します。
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2023.11.30
ダスキン、イタリアンレストラン等を運営するボストンハウスの持株会社を買収へ
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2023.10.27
ダスキン、JPホールディングスと業務提携、及び同社を持分法適用関連会社化へ
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2021.4.28
ダスキン、洋服等のレンタルサイト「EDIST.CLOSET」を運営するEDISTの全株式取得、子会社化へ
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2020.6.10
ダスキン(4665)、新会社設立、いちごHDおよびストロベリーコーンズより宅配ピザ関連事業を譲受へ
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2016.12.1
フジオフードシステム(2752)、ダスキン(4665)傘下の「ザ・どん」運営会社を子会社化
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2016.6.8
ダスキン(4665)、マレーシアのドーナツチェーン運営会社を子会社化
リネンサプライ・クリーニング業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約したリネンサプライ・クリーニング業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。
| 譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
|---|---|---|
| 2025年9月 | 理美容(北海道・東北) | セールスプロモーション(関東) |
| 2025年9月 | 測量・地質調査(中国・四国) | 建築工事(中国・四国) |
| 2025年9月 | 測量・地質調査(中国・四国) | 舗装工事(九州・沖縄) |
| 2025年9月 | 産業廃棄物処理(東海・北陸) | 産業廃棄物処理(関東) |
| 2025年9月 | 産業廃棄物処理(関東) | 産業廃棄物処理(関東) |
| 2025年9月 | 法人向けサービス(関東) | 会計事務所(関東) |
| 2025年9月 | エンターテインメント(中国・四国) | エンターテインメント(中国・四国) |
| 2025年9月 | 法人向けサービス(関東) | 自動車小売(関西) |
| 2025年9月 | 理美容(九州・沖縄) | 理美容(関東) |
| 2025年9月 | 法人向けサービス(関東) | 理美容(関東) |
リネンサプライ・クリーニング業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継されたリネンサプライ・クリーニング業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
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互いを尊重し合いながら経営ビジョンを作成。社会的使命を追求し、共に全国展開を目指す
譲渡:大阪府大阪市 患者等搬送事業、訪問介護事業
譲受け:大阪府岸和田市 リネンサプライサービス、レンタルコスチュームサービスリネンサプライ業のエスオーシーは、「民間救急」事業のアンビュランスを譲受けました。異業種2社がM&Aに至った背景、PMIについて話を伺いました。
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同じような境遇で悩んでいる経営者の方々に、M&Aの有効性を知ってもらいたい
譲渡:山形県米沢市 リネンサプライ業
譲受け:リネンサプライ業を受け継いだオーナーは「事業の柱が1つしかない」と大きな経営リスクを感じていました。起死回生の施策を求め、辿り着いた答えはM&Aでした。
リネンサプライ・クリーニング業界の
セミナー情報
当社では、M&Aや事業承継をはじめ、経営に役立つさまざまセミナーを開催しております。ぜひご参加ください。