物流業界のM&A

日本M&Aセンターは物流業界のM&A支援実績が豊富です。

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本記事では、物流業界ならではの特徴から現在の市場環境、M&Aの前に検討すべきポイントなどをご紹介します。

公開日:

物流業界の
概要

「物流」とはモノを消費者までに運ぶ過程このことを指します。
文字通り「モノを運ぶ」というイメージが先行しがちですが、物流は、単なる運送業務にとどまらず、広くは、商品の整理や検品作業など出荷に伴う作業全般が含まれます。
「輸送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」をあわせた「物流の五大機能」が連携してはじめて、消費者のもとにモノを届けることができるのです。

また、物流の形態は企業の活動や実態に応じて「販売物流」「調達物流」「生産物流」「回収物流」「リサイクル物流」などの領域に分けられます。
とくに、物流のメインになる要素は「輸送」「配送」「運送」です。このうち、輸送の手段によって、「トラック輸送」「海運輸送」「航空輸送」「鉄道輸送」などさらに細分化されていきます。
一消費者にモノを届けることも重要ですが、製品を生産している企業には正しくモノが動くかどうかで大きな影響を及ぼす事態にもなります。そのため物流は、私たちの生活の中で生命線であり、血液のような役割を担っています。

このような中で、モノを運ぶ流れを指す「物流」と、それを一元管理してより効率的な物流を可能にする概念として「ロジスティクス」があります。
ロジスティクスとは元々軍隊用語で、ナポレオンの時代から用いられていた言葉です。戦争を遂行するために必要な人的・物的資源などを維持・増強して提供することを意味し、ロジスティクスが十分に機能しなければ戦争で良い結果を出すことができず、兵士の命も危うくなることから、とても重要なものと位置付けられていました。これを物流の新たな概念として適用し、在庫の適正化や無駄な生産の回避、物流コストの削減等に役立てています。
昨今では通販サイトやインターネットオークションなどEC(電子商取引)が一般化しており、単に時間通りに運ぶことだけではなく、多品種を小ロットかつ多頻度で運ぶということが大切です。多様化する物流に対応するためには、ロジスティクスの考え方が欠かせないものとなっています。

物流業界における
M&A・事業承継の動向

物流業界の再編が海外より遅れている日本でありますが、その再編の兆しは確実に出始めていることがM&Aの歴史をたどれば把握できます。ある調査によると、国内物流企業が絡むM&A件数は2009年の52件から増加傾向にあり、2020年では91件となりました。

物流企業は、従来からM&Aが経営手法の一つとして利用されていました。2桁回数以上のM&A経験を持つ企業が7社もあり、積極的に業界に対して手を打ち業界内の自社のポジションを確保してきました。業界全体の合計値を見ても毎年のM&A件数は2桁回数以上を推移しています。これに加え先の話の通り中堅中小企業のM&Aは増加傾向にあります。上場企業のM&Aは安定した件数を推移しており、中堅中小企業の件数は増加しているため、物流業界全体としてはM&Aが活発に行われていると解釈できます。
中堅中小企業においてはオーナーの高齢化と後継者不在による事業承継問題、ドライバーの確保難と先行き不安、さらには2024年問題への対応の限界などといった譲渡理由が多くみられます。
他方で、譲受企業側は積極的に規模を拡大し成長を目指す準大手企業、成長戦略の一環としてM&Aによる拡大を目指す上場企業の譲り受けニーズが増加。さらには譲渡側と同様2024年問題への対応のために中間拠点を増やしたいなどのニーズがあり、双方のニーズが合致しているため、第三者による事業承継が増加しているものと思われます。

そのような中、コロナウイルスが猛威を振るう2020年以降も様々な動きがありました。
公表されたM&A案件の中で、物流企業が絡む案件数は2019年に88件、2020年で91件でありました。コロナ禍で食品やアパレル関係、イベント業界など、多くの業界がM&Aに消極的になっている状況でありますが、物流業界は昨年と同等、むしろ増加していました。また、当社での物流業界の成約実績も2019年にくらべ1.5倍のペースで件数が伸びており、物流業界のM&Aは活況だったと言えるのではないしょうか。
新型コロナウイルスに直接関係のあるM&Aや、コロナ禍を好機と考え、積極的に攻めの姿勢を見せた企業が現れたのも特徴的でありました。

物流業界における
M&Aの特徴(2020年)

1. 新型コロナウイルスの影響による先行き不安

物流業界で大きな影響を受けたのはタクシー業界や観光バス等の業界でありましょう。例えば物流業・IT関連事業を営むナオヨシ株式会社は、バス需要の急減で経営環境が悪化していた海部観光を2020年10月30日付で譲受けました。
それまでナオヨシは観光事業を営んではいなかったのですが、観光産業に新たに参入し、高速路線バスに徳島県産品の物流機能を持たせる「客貨混載」事業も新たに始めることで経営の立て直しをはかり、グループ全体として新たな拡大を目指しています。単体では経営資源も限られている中、様々なネットワーク、つながりを有している2社が組むことによって、今までにない新たな成長路線に舵を切りました。
そのほかタクシー事業は顧客が減少したために経営不安に陥った企業が、同エリアの企業と手を組む事例が目立ちました。コロナ禍によって影響を受けた企業はさまざまでありますが、譲渡する側も譲受ける側もこのタイミングで実行に移すことができたことは大きな英断といえましょう。

2. 「集中と選択」による子会社切り離し

物流業界は数年前からソニーの物流子会社(三井倉庫ホールディングスが2015年に譲受)やリコーの物流子会社(SBSホールディングスが2018年に譲受)などのように、大手メーカーからの物流子会社の切り離しが起きています。
2020年はそれに拍車をかけて多くの企業が子会社の切り離しに動きました。中でも大きな注目を浴びたのは東芝ロジスティクスとSBSホールディングスの事例でしょう。東芝は経営資源の選択と集中を進める一環として、物流子会社の切り離しを決断しました。東芝ロジスティクスは近年東芝グループの製品以外の取扱量が増加しており、さらには東芝の海外ネットワークやサービスラインナップをSBSが取り込むことによって、強固なサプライチェーンの構築に寄与できると考えたようです。
大手企業の子会社の切り離しは公表されているものだけでも他に4件あり、1年間での数としては過去最多でありました。世の中の移り変わりや新型コロナウイルスの影響もあり、どこに経営資源を集中させるか、そういった選択を迫られている状況の中で大手の動きが目立った事例でありました。

3. ITやベンチャー企業への投資

物流企業はこれから新たなステージに向かうために先進的な分野への投資を始めています。異業種参入やIT化の促進が業界再編の起きるきっかけとなることが往々にしてありますが、まさに今がそれであります。
IT企業が参入し、それを内部に取り込む動きは他の業界でも起こっています。例えば、すでに業界再編が起きている調剤薬局業界は、近年、大手企業がIT企業を積極的に譲り受けています。調剤薬局は国内には約6万軒存在し、人口に対して店舗数が飽和状態に達していると言われています。そのため、限られた患者のパイを奪い合う構図になっており、他社との差別化をはかることが今後の生き残りをかける大事なポイントとなっています。そのような中、時代のニーズに合わせて、薬を受け取るのに薬局へ行かなくても済むようにオンラインで服薬指導を行えるようにシステムが開発されるなど、業務効率をあげるためのITシステムが多く導入されています。大手調剤薬局はスピード感をもってシステム投資に対応できており、それが結果的に患者のニーズに合致するため、新規患者を獲得し売り上げを伸ばしています。中小企業ではスピード感やそもそもの投資対効果が少ないために、足踏みをしてしまう企業が多く、IT格差での企業格差が如実に表れているのが現状です。
物流業界にも、この波が今来ようとしています。物流は効率的な経営があらゆる面で必要な業界です。これまでは人力や拠点網などで何とか対応をしてきましたが、これからはITを駆使した戦いが始まろうとしています。

物流業界の
M&A・事業承継の事例

2020年に大きな動きを見せたのが、静岡県の物流会社である鈴与株式会社でした。6月に企業請けAIサービスを提供しているアライズイノベーションを買収、さらには同月にビックデータ取得・解析・分析ベンチャーのデータビークルにも第三者割当増資を引き受け、資本参加をしました。AI技術を利用して各種業務の効率化や自動化をはかり、ビックデータなどを利用してサービスレベルの拡充や営業の効率化を高めようとしています。非上場企業ながらとても積極的な動きといえましょう。

その他にも、新潟県三条市を中心に長年物流業に携わるマルソー株式会社が業区管理システム・アプリ開発のトラステックを譲り受けされ、倉庫業のダイワコーポレーションがデリバリープラットフォーム「ポスケット」を開発しているベンチャー企業であるレスティルに資本参加しました。また、北海道・東日本エリアを中心に輸送・倉庫サービスを行っている株式会社合通ジェイトラは、物流系IT企業のハコビーヤからトラック予約サービス事業を譲り受けています。
このように規模の大小問わず、様々な物流企業がIT投資に踏み切っています。あらゆる業界がITを取り込み、それまでの固定概念を覆してまいりましたが、今後は物流業界にもその風が吹き荒れることが予想できます。

物流業界の
M&Aまとめ

これまで述べたように、現在の物流業界のM&Aの特徴は

  • 新型コロナウイルスの影響による先行き不安
  • 「集中と選択」による子会社切り離し
  • ITやベンチャー企業への投資

が挙げられます。

物流業界はまさに変革の最中にあり、これまで以上に、変化をしないことが通用しない時代となっています。もちろん、これまでも多くの企業があらゆる局面で困難を乗り越えてこられたことでしょう。ただ、これまでのようにゆっくり時間をかけて変化をするのではなく、時代に追いつくために大切なのは、すぐに変化を起こすことが大切です。そのために、もっとも効果的な方法の一つがM&Aという手法にあります。
将来的な承継問題だけでなく、資本力や人材の確保など、物流・運送業者同士のM&Aはもちろん、異業種と手を取り合うことで将来性が広がる可能性があります。

当社がM&A業界で最多の実績を築くことができたのは、地域・業界・企業規模にとらわれない圧倒的なマッチング力によって、ベストなパートナーをおつなぎできたことにあるといえます。また、M&Aだけでなく成約後を見据えたPMIサービスなど、最高のM&Aを実現するためグループ全体でサポートしています。
ウェブでご紹介できる情報には限りがあるため、当社では個別相談を無料でお受けしております。物流業界のM&Aや事業承継に関して、ご不明点やご要望などがありましたら、お気軽にご相談ください。

山本やまもと 夢人ゆめひと

株式会社日本M&Aセンター
業界再編部 部長 / 物流業界支援室 室長

東京大学工学部卒。野村證券株式会社、土木資材メーカーの副社長として経営に参画後、日本M&Aセンターに入社。経営者としての経験をもとに中小企業オーナーの立場に立ったM&Aを提案。2019年度全社MVP・全社最高売上を記録。

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