教育・学習支援業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版
教育・学習支援業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、教育・学習支援業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説します。 なお、学習塾や予備校などのM&Aについては学習塾業界のページをご覧ください。
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教育・学習支援業界の概要とM&A動向
教育・学習支援業界には、学生や社会人を対象として資格取得や能力向上、語学の習得を目的とした教育支援、
教育機関向けの学習教材の企画・制作、児童を対象とした子育て支援サービス、専門学校、大学などの教育機関の運営などが含まれています。
大手企業の中で例を挙げると、TAC、レアジョブ、学研ホールディングス、JPホールディングスなどを本サイトではこの業界に分類しています。
教育・学習支援業界をとりまく環境
教育・学習支援業界は、学校教育(幼児教育・初等中等教育・高等教育)に加え、学習塾や予備校、資格スクール、語学スクール、企業向け研修、eラーニングやEdTechサービス、教材制作・教育系BPO、子育て支援・放課後支援など、多様なサービスから構成される複合的な市場です。
本セクションでは、日本の教育・学習支援業界を取り巻く環境について、市場規模・サービス構造、事業者・学校数、需要側ファクター、制度・規制・教育DX、サプライチェーン、人材、ガバナンス・コンプライアンス、M&A・再編の地合いといった観点から整理します。
市場規模・サービス構造・取引動向
矢野経済研究所「教育産業市場に関する調査(2024年版・2025年版)」によると、主要15分野を対象とした国内の教育産業全体の市場規模(事業者売上高ベース)は、2020年度に2兆6,997億1,000円、2023年度に2兆8,331億7,000円(前年度比0.7%減)、2024年度には2兆8,555億7,000円(同0.7%増)と推計されています。
コロナ禍により2020年度は一時的な減少となりましたが、その後は回復基調が続き、教育産業全体としては長期的に見ると緩やかな拡大トレンドにあると考えられます。少子化による児童生徒数の減少を、社会人向け教育や企業の人材投資、デジタル化関連サービスが下支えしている構図です。
教育産業市場の主な内訳としては、次のようなカテゴリーが挙げられます。
- 学校教育分野:
- 授業料・入学金・施設設備費など(幼児教育から高等教育まで)
・学習塾・予備校・通信教育・家庭教師などの学校外教育サービス
・資格スクール・企業向け研修・リスキリング講座などの社会人教育・企業教育サービス
・英会話・プログラミング・スポーツ・芸術などの習い事・カルチャースクール
・eラーニング、オンライン配信型講座、LMS(Learning Management System)、学習アプリなどのEdTech関連サービス
・教材制作・教育系BPO(採点・運営代行等)・試験運営業務などの周辺サービス
矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査を実施(2025年)」では、2024年度の国内eラーニング市場規模は3,812億円(前年度比2.1%増)と見込まれており、その内訳は法人向け(BtoB)1,232億円(同7.8%増)、個人向け(BtoC)2,580億円(同0.4%減)とされています。オンライン学習は、受講者数ベースではコロナ禍のピークからの反動減があるものの、企業のリスキリング投資などを背景に、全体としては中長期的な成長分野と位置づけられます。
eラーニングに加えて、デジタル教材や学習アプリ、映像授業配信などのデジタル教育コンテンツ市場も拡大しており、特に学校現場のICT環境整備や家庭でのタブレット端末普及を背景に、紙教材からデジタル教材へのシフトが徐々に進展しています。民間調査レポートでは、コロナ禍以降、デジタル教育コンテンツ分野が2桁成長を記録した年もあるとされており、今後も継続的な拡大が見込まれます。
一方、家計側から見ると、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、2人以上の世帯における2023年の「教育」支出は1世帯当たり月平均10,448円で、名目ベースで前年比8.7%減、実質ベースで9.8%減となっています。
このうち「授業料等」が7,857円(前年比6.2%減)、「補習教育」(学習塾や習い事など)が2,397円(同15.9%減)とされており、コロナ禍後の反動増で伸びた2022年からの反動や、物価高・実質所得の伸び悩みを背景に、教育関連支出に慎重な傾向もうかがえます。
ただし、家計調査の長期時系列で見ると、教育支出は景気や受験動向に応じた年次変動を伴いつつも、所得水準の高い世帯を中心に一定の水準が維持されており、特に都市部では中学受験・大学受験を見据えた学校外教育への支出が厚い構造に変化はありません。
取引チャネル別に見ると、学習塾・予備校、語学スクールなどの対面・通学型サービスが引き続き主流である一方、オンライン専業サービスや通学とオンラインを組み合わせたハイブリッド型(OMO)の提供が急速に増えています。大手教育グループでは、対面授業を軸にしつつ、映像授業やオンデマンド教材、学習管理アプリを組み合わせることで、地域を超えたスケールメリットの獲得と、1人当たり単価の引き上げを図る動きが広がっています。 - M&A観点:
- 教育・学習支援業界全体の売上規模は緩やかな成長にとどまる一方で、オンライン学習や法人向け研修、資格・語学、幼児教育など成長率の高いサブセグメントが存在します。自社で新規立ち上げを行うよりも、すでにデジタルプラットフォームやコンテンツ、講師ネットワーク、顧客基盤を保有する事業者をM&Aで取り込むことで、時間とリスクを抑えつつ成長領域への参入やポートフォリオの転換を図る動きが今後も継続すると見込まれます。
- 参考URL:
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矢野経済研究所:2024年版 教育産業白書
矢野経済研究所:2025年版 教育産業白書
矢野経済研究所:eラーニング市場に関する調査を実施(2025年)
事業者・学校数・拠点構造の動向
文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」によると、2024年5月1日現在の在学者数は、幼稚園75万8千人(前年度比8万4千人減)、幼保連携型認定こども園85万8千人(同1万5千人増、過去最多)、小学校594万2千人(同10万8千人減、過去最少)、中学校314万1千人(同3万6千人減、過去最少)となっています。
高等学校は290万7千人(同1万2千人減)、特別支援学校は15万5千人(同3千8百人増、過去最多)、専修学校(高等教育段階の専門学校を含む)は61万人(同1千9百人増)とされており、初等中等教育段階では児童生徒数の減少が続く一方で、認定こども園や特別支援教育、専門学校など一部のセグメントでは在学者数が増加しています。
同調査における高等教育機関では、大学全体の在学者数が295万人(前年度比4千2百人増)と過去最多を更新しており、その内訳は学部262万8千人(同4千5百人減)、大学院27万2千人(同5千7百人増)、専門学校55万8千人(同2千9百人増)などとなっています。
18歳人口は減少傾向にあるものの、進学率の上昇や社会人学生・留学生の増加により、高等教育段階の在学者数は中長期的に高水準を維持している状況です。
学校段階ごとの在学者数の長期推移を見ると、小学校・中学校・高等学校はいずれも第1次・第2次ベビーブーム期をピークに減少傾向が続いており、とりわけ小学校児童数は第2次ベビーブーム期から約半減しています。一方で、特別支援学校や認定こども園、専門学校、大学院などでは在学者数が増加しており、教育ニーズの多様化に対応した学校種・課程へのシフトが進んでいます。
学校外教育の主要分野である学習塾について、東京商工リサーチ「2023年の学習塾倒産 過去20年間『最多』の45件 市場拡大も」では、学習塾の売上高が経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」に基づき2004年の3,078億2,600円から2023年には5,540億6,500円へと約1.8倍に拡大した一方、受講生数も944万5,570人から1,409万2,656人へ約1.5倍に増加したと紹介されています。
少子化にもかかわらず、1人当たり教育投資の増加とサービス多様化により、学習塾市場は長期的に拡大してきたことが分かります。
同レポートによれば、2023年の学習塾倒産件数は45件(前年比28.5%増)と、2004年以降の20年間で最多を更新しており、2024年以降も帝国データバンクの調査(「『学習塾』の倒産動向(2024年1~10月)」や「学習塾の倒産 9月までに37件 過去最多ペースで推移」)において、過去最多水準で推移していることが報告されています。
市場規模自体は拡大しているものの、競争激化と少子化、デジタル投資負担などを背景に、中小規模の学習塾やスクールでは淘汰圧力が強まっています。
事業者構造を見ると、首都圏・大都市圏を中心に多ブランド・多業態を展開する大手教育グループと、地域密着型の中小規模事業者が混在する構図です。学習塾・予備校分野では、直営・フランチャイズを組み合わせた多店舗展開モデルが広がっているほか、完全オンライン型・映像授業専門・自立学習型など、フォーマットの多様化が進んでいます。学校法人分野でも、大学・短期大学・専門学校を束ねる学園グループや、幼稚園・こども園・保育園を一体的に運営するグループなど、統合・連携の動きがみられます。
- M&A観点:
- 学校数・在学者数は総じて減少傾向にある一方で、特定セグメントやエリアでの拠点集約・統合ニーズが高まっています。学習塾や専門学校、幼児教育・保育分野では、後継者問題や規模の経済を背景に、地域内のスクールをグループ化してブランドとカリキュラムを統一する動きや、大手教育グループによる買収・事業譲受が進行しています。 M&Aを通じて一定のエリアドミナンスを確立し、教室あたり生徒数の適正化や講師配置の最適化、広告・教材開発・本部機能の分担などにより、生産性向上を図ることが重要なテーマになっています。
- 参考URL:
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文部科学省:令和6年度学校基本調査(確定値)について
2023年の学習塾倒産 過去20年間「最多」の45件 市場拡大も、多様なニーズで「競争激化」
帝国データバンク:「学習塾」の倒産動向(2024 年1-10 月)
学習塾の倒産 9月までに37件 過去最多ペースで推移
事業者・学校数・拠点構造の動向
総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」によると、日本の総人口は1億2,380万2千人で、前年に比べ55万人(-0.44%)減少し、14年連続の減少となっています。
15歳未満人口は1,383万人で総人口に占める割合は11.2%と過去最低、65歳以上人口は3,624万3千人で29.3%と過去最高となっており、教育・学習支援業界は長期的な人口減少・少子高齢化の中で事業戦略を構築する必要があります。
厚生労働省「人口動態統計 令和5年(2023年)結果の概要」では、2023年の出生数は72万7,277人と、前年から4万3,482人減少し、合計特殊出生率は1.20と低下しています。
出生数は過去最少を更新しており、将来の児童生徒数のさらなる減少が確実視されるなか、教育・学習支援業界全体としては、1人当たり教育投資の拡大やリカレント教育・リスキリングなどの新たな需要開拓が不可欠になっています。
前掲の帝国データバンク「学習塾の倒産動向(2025年1~9月)」では、総務省「人口推計」に基づき、主な学習塾の利用層である6~18歳人口が、コロナ禍直前の2019年約1,405万人から2024年約1,336万人へと5年間で約5%減少したことが指摘されています。
学習塾や学校外教育サービスにとって、対象人口そのものが縮小する一方で、1人当たりの塾通い率や受講単価の向上が収益維持の鍵となっている状況です。
家計の教育支出については、前述のとおり短期的には物価高や実質所得の伸び悩みの影響を受けていますが、中長期的には高学歴志向や私立学校選好、習い事・資格取得などへの投資ニーズが根強く、所得階層や地域による格差が大きいことも特徴です。
とりわけ都市部の中高一貫校受験や海外大学進学を目指す層では、学校外教育への支出が長期にわたり高水準で推移しています。
企業側の人材投資ニーズも教育・学習支援業界の重要な需要源です。eラーニング市場では、前掲の矢野経済研究所の調査が示すように、法人向けBtoB分野が高い成長率を示しており、人的資本情報の開示義務化やデジタル人材・マネジメント人材の育成、リスキリング支援などを目的とした研修需要が拡大しています。
政府もリスキリング支援や職業能力開発を重視しており、厚生労働省の教育訓練給付制度と連携した文部科学省の情報ページ「職業実践力育成プログラム(文部科学省)と教育訓練給付制度(厚生労働省)との連携について」など、公的な補助制度を通じて社会人教育への投資を後押ししています。
さらに、大学や日本語教育機関を中心に、訪日留学生や海外の日本語学習者など国際教育需要も重要なテーマです。コロナ禍で大きく減少した留学生数は、入国制限の緩和とともに回復傾向にあり、日本語教育や専門学校・大学への進学支援、オンラインを通じた海外向け講座など、クロスボーダー型の教育サービスも徐々に拡大しています。
ライフスタイル・価値観の面では、人生100年時代を前提としたリカレント教育・副業・転職を前提としたキャリア形成が一般化しつつあり、社会人向けのオンライン資格講座やビジネススクール、大学院・専門職大学院への進学、自治体・大学等による公開講座など、多様な学び直しの機会が広がっています。
これらのニーズを捉えた教育事業者は、学習の場を「学校外・オンライン・職場内」へと広げることで、新たな売上機会を獲得することが可能です。
- M&A観点:
- 人口・家計・企業ニーズという需要側の構造変化を踏まえると、成長が見込まれるのは「法人向け研修・リスキリング」「高付加価値領域(STEM教育、プログラミング、探究学習など)」「高等教育・専門職教育」「留学生・海外向け教育」などの分野です。
こうした分野で既に顧客基盤やブランド、カリキュラムを有する事業者は、大手教育グループや事業会社からの出資・M&Aの対象となりやすく、買い手側にとっても中長期的な需要成長を取り込む上で有力な候補といえます。 - 参考URL:
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人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐
厚生労働省:令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況
制度・規制・教育DXの動向
教育・学習支援業界は、学校教育法や教育基本法、私立学校法、児童福祉法、職業能力開発促進法など、多数の法令・制度の下にあります。
学校法人や各種学校の設置・運営は、文部科学省および都道府県の認可・監督の対象となり、幼児教育・保育分野では内閣府や厚生労働省の制度とも密接に関連しています。
学習塾や資格スクールなどの民間教育サービスは学校教育法上の「学校」ではないものの、特定商取引法や消費者契約法、景品表示法などの一般消費者保護規制の適用を受けます。
公的支援制度としては、私立学校に対する私学助成や授業料減免制度に加え、社会人教育分野では前述の教育訓練給付制度や、職業訓練・職業能力開発に関する各種助成金・補助金が用意されています。
これらの制度を適切に活用できる教育事業者は、受講者の自己負担を抑えつつ、安定した受講者獲得につなげることが可能であり、ビジネスモデル上の差別化要因となります。
教育DXの全体方針については、文部科学省「教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について」で示されているとおり、教育データの標準化(ルール)、MEXCBT・EduSurvey等の基盤的ツール整備(ツール)、教育データの分析・利活用と留意点整理(利活用)の3本柱で政策展開が進められています。
GIGAスクール構想により1人1台端末とネットワーク環境が整備されたことを前提に、今後は学習データに基づく個別最適化学習や協働的学びの高度化、校務DXなどが加速すると見込まれます。
一方で、教育データの利活用拡大は、個人情報保護やプライバシーの観点から慎重な対応が求められます。学習履歴や成績情報、進路情報等は、個人情報保護法や各教育機関の個人情報保護規程に基づく適切な管理が必要であり、クラウドサービスや学習アプリの導入に際しては、情報管理体制や委託先管理、越境移転の有無などについて事前の検証が不可欠です。
特に未成年者のデータを扱う場合、保護者への説明責任やオプトアウト手続きなども含め、運用面のガバナンスが重要になります。
民間教育サービスにおいては、景品表示法による虚偽・誇大広告の禁止や、特定商取引法によるクーリング・オフ・中途解約ルール、消費者契約法による不当条項の無効など、一般消費者保護法制への適合性が求められます。
合格実績や進学率、就職率などの表示については、根拠となるデータの管理や表示方法に関して、業界団体ガイドラインや消費者庁の指針を踏まえた慎重な運用が必要です。
- M&A観点:
- 教育DXや制度・補助金の活用には、一定規模以上のIT投資・法令対応の知見が必要となるため、単独での対応が難しい中小規模の教育事業者にとって、大手教育グループやシステムベンダーとの資本提携・統合は有力な選択肢となります。
買い手側にとっても、既にクラウド型LMSやオンライン試験プラットフォーム、教育データ基盤を保有するEdTech企業や、各種公的制度を活用した運営ノウハウを持つスクール・研修事業者を取り込むことで、教育DXソリューションをワンストップで提供できる体制を構築しやすくなります。
サプライチェーン・教材・コンテンツ制作とロジスティクス
教育・学習支援業界のサプライチェーンは、教科書・参考書・問題集などの紙教材を供給する出版社・印刷会社と、映像教材・オンラインコンテンツ・学習アプリなどのデジタルコンテンツ提供者が二本柱となっています。
学校教育では検定教科書が中心ですが、学習塾や通信教育、資格スクールではオリジナル教材の比率が高く、自社開発コンテンツを外部印刷会社に委託するケースが一般的です。
近年は、授業映像やオンライン講座、確認テストなどをクラウド上で提供するサブスクリプション型サービスが普及しており、コンテンツ開発会社と配信プラットフォーム事業者、教育機関との役割分担が進んでいます。
海外資格試験や語学試験などでは、海外団体からのライセンス供給を受けて日本向けにコンテンツをローカライズするケースも多く、国際的なライセンス契約や品質管理のノウハウが求められます。
紙教材や試験問題冊子などの物理的な物流については、出版・印刷会社の物流網や大手教材卸を通じた全国配送が一般的ですが、ドライバー不足や燃料価格の上昇を背景とした物流コストの上昇が課題となっています。
採点済み答案の回収・返却や模試会場への問題冊子配送など、時間制約が大きい業務も多いため、地域倉庫の共同利用やデジタル採点への切り替え、試験のCBT(Computer Based Testing)化などを通じた業務効率化が進められています。
コンテンツ供給面では、著作権管理や情報漏えいリスクへの対応も重要です。模試や入試問題、資格試験問題などの機密度の高いコンテンツは、制作・印刷・配送・回収までの各プロセスで厳格なアクセス管理が求められます。
オンライン配信においても、不正コピーや不正アクセス、試験不正の防止などが課題であり、DRM(デジタル著作権管理)や本人認証、監督機能などの技術的・運用的な対策が必要です。
- M&A観点:
- 教材開発力や試験運営ノウハウ、全国規模の物流ネットワークを持つ企業と、学習塾・学校法人・EdTech企業との連携は、教育サービスの付加価値を高めるうえで重要なテーマです。
買い手側が自社でコンテンツ制作や試験運営機能を内製化するよりも、既に確立された教材出版社や試験運営会社、教育コンテンツプロダクションをM&Aで取り込むことで、開発リードタイムの短縮と品質確保を同時に実現できる可能性があります。
人材・教員・講師の需給とスキル変化
教育・学習支援業界では、教員・保育士・講師・インストラクターなど、多様な専門人材が必要とされます。学校基本調査によると、2024年度の初等中等教育機関における教員数は長期的に高水準を維持している一方で、地域や校種によっては教員不足が慢性化しており、臨時的任用教員や非常勤講師に依存するケースも少なくありません。
幼児教育・保育分野でも、保育士確保の難しさが指摘されており、待機児童問題の陰で事業者側の人材確保リスクが顕在化しています。
学習塾や予備校、資格スクールなどの民間教育サービスでは、大学生アルバイト講師や非常勤講師を多く活用するモデルが一般的ですが、少子化・人手不足の進行により、優秀な講師の採用競争が激しくなっています。
オンライン授業の普及により、居住地を問わず全国の生徒を対象とした指導が可能になる一方で、人気講師に受講が集中しやすく、講師のブランド力や動画制作スキル、オンラインでのコミュニケーション能力など、新たなスキルセットが求められています。
教育DXの進展に伴い、教職員や講師にはICTリテラシーやデータ活用スキルも求められています。LMSや校務支援システムの操作、学習履歴データを活用した指導改善、オンライン会議ツールを用いた面談・保護者対応など、従来にはなかった業務が増加しており、現場の負荷につながるケースもあります。
各教育事業者が計画的な研修プログラムやリスキリング機会を提供し、教育DXを支える人材基盤を整備できるかどうかが、中長期的な競争力を左右すると考えられます。
また、長時間労働や休日勤務、感情労働の負荷が大きいことから、教員・講師のバーンアウトや離職も大きな課題です。
働き方改革やICT活用による業務削減、授業と事務の役割分担、ジョブ型雇用や短時間正社員制度など、多様な働き方の導入を通じて、専門人材が持続的に活躍できる環境を整える必要があります。
- M&A観点:
- 人材面では、研修体系や評価制度、人事データベースを整備している大手教育グループに参加することで、採用力・育成力を高めたい中小事業者のニーズが高まっています。
買い手側にとっても、地域で評価の高い教員・講師集団や、特定の専門分野に強みを持つ人材チームを取り込むことは、ブランドの差別化や新規講座開発に直結します。
PMIにおいては、処遇格差の是正や評価軸の統一を行いつつ、既存の教育理念や指導スタイルを尊重し、現場のモチベーションを損なわないバランス感覚が求められます。
ガバナンス・品質・コンプライアンス
教育・学習支援業界では、児童生徒・受講者の安全確保と教育の質保証が事業継続の前提条件です。学校・保育施設・スクールなどでは、通学・送迎時の事故防止、施設内での安全管理、防災・感染症対策に加え、体罰・ハラスメント・いじめ等に関するリスク管理も重要な課題となっています。
近年は、教育現場での不適切な指導やハラスメントが社会問題化し、メディア報道を通じて企業価値やブランドに重大な影響を与える事例も見られます。
民間教育サービスにおける広告・勧誘活動についても、合格実績や就職率、卒業後のキャリア成果などの表示の仕方が景品表示法や各種ガイドラインに適合しているかどうかが問われます。
特にオンライン広告やSNSを活用したマーケティングでは、誇張的な表現や誤解を招く表現が炎上につながるリスクもあり、広告審査プロセスやチェックリストの整備が求められます。
個人情報保護・情報セキュリティについては、学習履歴や成績情報、保護者・受講者の連絡先等を含むデータを扱うため、情報漏えいが発生した場合の影響が大きいことが特徴です。
クラウドサービスや外部ベンダーを利用する場合には、委託契約における安全管理措置の明確化や、アクセス権限管理・ログ監査・脆弱性対応などの技術的・組織的対策が不可欠です。
学校法人や大手教育グループでは、内部監査・コンプライアンス委員会・リスク管理委員会の設置、外部有識者を交えたガバナンス体制の整備が進んでいますが、規模の小さいスクールや塾では代表者個人に依存した運営となっているケースも少なくありません。
M&Aや事業承継を契機として、内部統制やコンプライアンス体制をグループ標準に合わせて引き上げていくことが、中長期的な価値向上につながります。
- M&A観点:
- 教育・学習支援業界におけるM&Aでは、財務指標や受講者数だけでなく、ガバナンス水準やコンプライアンス体制、事故・トラブルの履歴などを含むデューデリジェンスが重要になります。
買い手側にとっては、ブランド毀損リスクの高い案件を避ける一方で、適切なPMIを通じてガバナンス水準を引き上げることで、地域の教育インフラとしての役割を継続しつつ価値向上を図ることが期待されます。
M&A・再編の地合いと今後の方向性
上記のような人口減少・少子化、デジタル化、人材不足、コスト上昇、規制対応などの構造要因を踏まえると、教育・学習支援業界では今後も一定の再編・統合が進むと見込まれます。
特に学習塾・予備校、専門学校、幼児教育・保育、語学スクール、企業向け研修サービスなどでは、ブランド力やカリキュラム、IT基盤を有する大手グループを中心に、地域密着型事業者や特定分野に強みを持つ事業者を取り込む動きが続いています。
一方で、後継者不在や定員割れ、施設老朽化、DX投資負担などを背景に、単独での事業継続に不安を感じる学校法人やスクール経営者も増えています。
東京商工リサーチや帝国データバンクの倒産動向レポートが示すように、学習塾や保育園など教育関連サービスの倒産・休廃業は増加傾向にあり、地域の教育リソースをどのように次世代につなぐかが社会的な課題となっています。
- M&A観点:
- 教育・学習支援業界におけるM&Aは、単なる規模拡大にとどまらず、「地域の教育インフラを維持・発展させるための選択肢」としての性格を強めています。
買い手にとっては、優良な講師・教職員チームやブランド、カリキュラム、立地を一体で承継することで、時間をかけずに新エリア・新セグメントへ参入できるメリットがある一方、売り手・譲渡側にとっては、従業員の雇用と教育サービスの継続性を確保しつつ、事業承継・早期引退を実現する手段となります。
今後は、業界横断でEdTech・教材・物流などの補完アセットを組み合わせる「エコシステム型」のM&Aも増加すると見込まれます。
教育・学習支援業界の今後の課題と展望
教育・学習支援業界の今後3~5年を展望すると、少子化・人口減少の加速、教育DXへの対応、人材確保の難しさ、コスト構造の変化、ガバナンス・コンプライアンス要請の高度化など、複数の課題が同時並行で進行すると見込まれます。
本セクションでは、主要な論点ごとに教育・学習支援業界の課題、対応策、M&A観点を整理しつつ、簡易なシナリオも踏まえた中期的な見通しを述べます。
収益性とコスト構造の圧迫
- 課題:
- 教育・学習支援業界では、人件費や施設維持費、光熱費、教材開発費、IT・DX投資などの固定費が高い一方で、授業料・受講料の値上げには限界があり、収益性の維持が大きな課題となっています。
特に学習塾やスクールでは、講師人件費や広告宣伝費、教室家賃の上昇に加え、オンライン授業やLMS導入に伴うシステム投資が重くのしかかっています。
学校法人においても、教職員給与の改善や施設の耐震補強・老朽化対策、省エネ投資などが必要であり、定員割れリスクが高まるなかでの収支管理が難しくなっています。 - 対応策:
- 収益性の確保に向けては、①授業やカリキュラムの標準化・モジュール化によるスケールメリットの追求、②オンライン授業・ハイブリッド授業を組み合わせた定員効率の向上、③共通教材・共通システムの導入によるバックオフィスコストの削減、④価格戦略・奨学金・分割払い制度の見直しによる単価最適化などが有力な選択肢となります。
また、学校法人・教育グループ内での共同調達や共同広告、共通のコールセンター・事務センターの設置など、間接業務の集約も固定費削減の有効な手段です。 - M&A観点:
- コスト構造の最適化という観点からは、M&Aやグループ化によって一定規模以上の運営体制を構築し、教材・システム・広告・人事・経理などの共通基盤を整備するメリットが大きいと考えられます。
買い手側は、複数のスクールや学校法人を統合することで、教室稼働率の平準化や講師の配置最適化、ITインフラの共通化を進められる一方、売り手側にとっても、単独では難しいDX投資やブランド強化をグループの力を借りて実現できる可能性があります。
PMIでは、授業料体系や奨学金制度、割引・ポイント制度など価格・収益モデルの統合が重要な論点となります。
人材確保・育成・働き方改革
- 課題:
- 少子化により児童生徒数は減少する一方で、教育の質向上や個別最適な学びの実現に向けて、教員・講師一人当たりの負担が増大している現状があります。
長時間労働や休日業務、保護者対応、各種事務負担が重なり、教員・講師の離職やメンタルヘルス不調が問題となるケースも増えています。
民間スクールでは、優秀な講師ほど他社への転籍や独立・オンラインでの個人開業などの選択肢も多く、人材の流動化が進んでいます。 - 対応策:
- 人材面の課題に対しては、①授業と事務の分業や校務支援システムの導入による業務量の削減、②評価制度・処遇制度の見直しによるキャリアパスの明確化、③週休2日確保や変形労働時間制の活用など働き方の柔軟化、④研修制度やリスキリング機会の提供による専門性・DXスキルの向上が重要です。
また、教育アシスタントやティーチングアシスタントの活用、オンライン講師・非常勤講師との組み合わせなど、職種・雇用形態のミックスを最適化する取り組みも有効です。 - M&A観点:
- 人材戦略の観点では、研修プログラムや人事制度、採用チャネルを整備している大手グループと統合することで、人材獲得力と育成力を強化したい中小スクールのニーズが高まっています。
買い手側としても、地域で評価の高い教員・講師集団や、特定の専門分野に強みを持つ人材チームを取り込むことは、ブランドの差別化や新規講座開発に直結します。
PMIにおいては、処遇格差の是正や評価軸の統一を行いつつ、既存の教育理念や指導スタイルを尊重し、現場のモチベーションを損なわないバランス感覚が求められます。
デジタル化・EdTech・データ活用とシナリオ
- 課題:
- GIGAスクール構想や教育DX政策を背景に、学校・塾・企業研修の現場では、オンライン授業、LMS、アダプティブラーニング、AIチューターなどのEdTech活用が急速に進んでいます。
しかし、現場レベルでは、システムの乱立や操作負担、学習データの活用ノウハウ不足、セキュリティ・プライバシー対応への不安などが残っており、デジタル化が十分に学習成果や業務効率の向上につながっていないケースも少なくありません。 - 対応策:
- デジタル活用の効果を最大化するためには、①経営レベルでのDX戦略とロードマップの明確化、②基幹システム・LMS・校務支援システム・CRMなどのアーキテクチャ設計と標準化、③教職員・講師・事務スタッフを対象とした段階的な研修と伴走型サポート、④学習データや顧客データを活用したKPI管理・改善サイクルの構築が重要です。
EdTech企業とのパートナーシップや共同開発により、自社だけでは用意できない技術・人材を補完する戦略も有効です。
教育・学習支援業界において、今後3~5年程度のデジタル化・データ活用の進展として以下のようなシナリオが考えられます。 - ベースシナリオ:
- オンライン授業やLMSが一通り普及し、全授業時間の20~30%程度がオンライン・ハイブリッド型になる一方、対面指導の価値も維持されます。標準的な学習塾・スクールでは、営業利益率は5~8%程度を維持しつつ、講師1人当たり担当生徒数や教室稼働率が徐々に改善すると想定されます。
- 上振れシナリオ:
- AI学習支援やアダプティブラーニングの活用が進み、個別最適化学習の効果が顕在化することで、オンライン比率が40%前後まで高まり、全国展開する事業者では固定費負担が相対的に軽くなります。
この場合、デジタル投資を先行させた事業者の営業利益率は10~12%台まで改善する可能性があり、データドリブンな商品開発・価格戦略が差別化要因になります。 - 下振れシナリオ:
- システム投資や運用負担が重荷となり、現場の受容が進まない場合、オンライン比率は20%未満にとどまり、コロナ禍以前と同様の教室運営に逆戻りするリスクもあります。
この場合、投資回収が進まず減価償却負担が重くなることで、営業利益率が3~5%台へ低下し、設備投資余力の乏しい事業者から順に淘汰リスクが高まる可能性があります。 - M&A観点:
- 上記のようなシナリオを踏まえると、デジタル化・データ活用の成否は事業者間の収益性格差を拡大させる要因となり、EdTech企業と従来型教育事業者とのM&Aや資本提携が一層進むと見込まれます。
ベース・上振れシナリオでは、デジタル基盤を持つ事業者が同業他社や学校法人を取り込んで事業規模を拡大する「攻めのM&A」が中心となる一方、下振れシナリオでは、DX投資負担に耐えられない中小事業者が事業譲渡やスポンサー型M&Aを検討する「守りのM&A」も増加する可能性があります。
PMIの局面では、システム統合やデータ移行、マスタ統合・ID統合などIT面の統合作業がボトルネックとなりやすいため、事前の統合計画とロードマップ策定が重要です。
出店・拠点戦略とフォーマット再設計
- 課題:
- 都市部と地方で教育需要の構造が異なるなか、キャンパスや教室の配置・規模・フォーマットをどのように最適化するかは、今後の経営に直結するテーマです。
地方では生徒数の減少により教室の統廃合やキャンパスの集約が進む一方、都市部では難関校受験や留学志向の高まりを背景に、競争が激化しています。
老朽化した校舎・教室の建て替えやリニューアルには多額の投資が必要であり、遊休教室・余剰スペースの有効活用も課題となっています。 - 対応策:
- 出店・拠点戦略としては、①都市部のフラッグシップ校と地方・郊外のサテライト拠点を組み合わせたネットワーク型モデル、②小規模拠点とオンライン指導を組み合わせたコンパクトスクール、③完全オンライン校や通信制高校・サポート校との連携など、多様なフォーマットの組み合わせが考えられます。
また、他業種との複合施設(商業施設・シェアオフィス・地域交流拠点等)や、自治体・企業との連携による共同利用スペースの活用も、固定資産の有効利用につながります。 - M&A観点:
- 立地や教室網を持つ事業者の取得は、エリア補完や新市場参入にとって効率的な手段です。買い手側は、既存教室の稼働状況や立地優位性、賃貸契約条件などを踏まえつつ、自社ブランドへの切り替えや共同ブランド運営を検討することになります。
売り手側にとっても、遊休教室や老朽化キャンパスを単独で維持するより、グループ内での用途転換や他事業との複合利用を通じて資産の価値を高める選択肢が開けます。
PMIでは、拠点統廃合のスケジュールやテナント・地域との関係調整が実務上の重要論点となります。
ガバナンス・コンプライアンス・レピュテーションリスク
- 課題:
- 教育サービスは「人」と「ブランド」に強く依存する事業であるため、事故・不祥事・不適切な広告表示が発生した場合のレピュテーションリスクが非常に大きいことが特徴です。
体罰やハラスメント、いじめ対応、情報漏えい、SNS上での不適切発言などが報道されると、短期間で入学希望者・受講者の減少や退会につながる可能性があります。 - 対応策:
- ガバナンス・コンプライアンス面のリスク管理においては、①行動規範・倫理規程の整備と定期的な研修、②相談窓口・ホットラインなどの通報体制、③事故・不祥事発生時の危機対応マニュアルと広報体制、④広告表示やSNS運用のガイドライン整備が重要です。
また、第三者評価や認証制度(学校評価、ISO等)の活用により、客観的な品質保証と透明性を高める取り組みも有効です。 - M&A観点:
- M&Aにおいては、対象会社のガバナンス水準やコンプライアンス体制を事前に十分確認することが不可欠です。
買い手側は、過去の事故・クレーム・行政指導の履歴や、内部通報制度の運用状況などを含めたデューデリジェンスを行い、必要に応じて改善計画をPMIの一部として盛り込む必要があります。
一方で、ガバナンス水準の高いグループへの参画は、売り手・譲渡側にとってもコンプライアンス体制の強化やブランド保全につながるため、「防御的M&A」ではなく中長期的な価値向上に資する選択肢となり得ます。
倒産・再編・金融環境と「攻めの事業承継」
- 課題:
- 少子化・定員割れリスクの高まりや人件費・エネルギーコストの上昇、金利環境の変化などを背景に、教育関連事業者の収益基盤は中長期的に厳しさを増しています。
東京商工リサーチや帝国データバンクの倒産動向レポートが示すように、学習塾や保育園など教育・子育て関連サービスの倒産・休廃業件数は増加傾向にあり、とりわけ中小規模事業者では、金融機関からの借入依存度が高いケースも少なくありません。 - 対応策:
- こうした環境下では、①金融機関との対話を通じた資本・負債構成の見直し、②事業ポートフォリオの再構成(不採算事業の縮小・撤退、成長事業への資源集中)、③早期の提携・業務提携・共同事業化を通じたスケールメリットの追求、④事業承継・事業譲渡を前提とした中期計画の策定が重要になります。
特に、創業者経営のスクールや学校法人では、後継者の育成と並行して、第三者承継も含めた選択肢を早期に検討することがリスク管理の観点から有用です。 - M&A観点:
- 金融環境や倒産・再編の地合いを踏まえると、「経営が苦しくなってからのM&A」ではなく、「成長投資・DX投資を行うための攻めの事業承継」としてM&Aを位置づけることが重要です。
買い手側にとっては、地域に根差したスクールや専門性の高い教育事業者を適正なタイミングで取り込むことで、競合他社との差別化とエリア戦略の強化につながります。
売り手側にとっても、財務体質が大きく悪化する前にM&Aを検討することで、より良い条件での承継や従業員・生徒にとって望ましい受け入れ先の選択が可能になります。
日本M&Aセンターのような専門アドバイザリーを活用しつつ、金融機関・税理士・弁護士等と連携した中長期的な承継戦略を描くことが望ましいと考えられます。
総括すると、教育・学習支援業界の中期的な事業環境は決して容易ではありませんが、需要構造の変化や教育DXの進展を踏まえたビジネスモデル変革、地域・業態を超えた連携・M&Aを通じて、新たな価値創造の余地も大きいと考えられます。
各事業者が自社の強みと弱みを客観的に見極め、成長シナリオとリスクシナリオの双方を踏まえた戦略オプションを検討することが、これからの数年間で重要な経営課題になります。 - 出典:
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総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」:日本の総人口・年齢構成・都道府県別人口、対象期間2005~2024年、参照年次2025年
厚生労働省「人口動態統計 令和5年(2023年)結果の概要」:出生数・死亡数・合計特殊出生率など、対象期間2023年、参照年次2025年
文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)について公表します。」:学校数・在学者数・教員数など、調査期日2024年5月1日現在、参照年次2025年
文部科学省「学校基本調査-令和6年度 結果の概要-」:学校基本調査結果へのポータル、対象統計の概要・リンク、参照年次2025年
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」:2人以上の世帯の消費支出・教育関係費など、対象期間2023年、参照年次2025年
矢野経済研究所「教育産業市場に関する調査を実施(2024年)」:2023年度教育産業市場規模2兆8,331億7,000円、前年度比0.7%減など、対象期間2020~2023年度、参照年次2025年
矢野経済研究所「教育産業市場に関する調査を実施(2025年)」:2024年度教育産業市場規模2兆8,555億7,000円、前年度比0.7%増など、対象期間2021~2024年度、参照年次2025年
矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査を実施(2025年)」:2024年度国内eラーニング市場規模3,812億円(BtoB1,232億円、BtoC2,580億円)など、対象期間2020~2025年度、参照年次2025年
東京商工リサーチ「2023年の学習塾倒産 過去20年間『最多』の45件 市場拡大も」:学習塾倒産45件・売上高・受講生数の推移など、対象期間2004~2023年、参照年次2024年
帝国データバンク「『学習塾』の倒産動向(2024年1~10月)」:2024年1~10月の学習塾倒産件数32件の動向、対象期間2010~2024年、参照年次2024年
帝国データバンク「学習塾の倒産 9月までに37件 過去最多ペースで推移」:2025年1~9月の学習塾倒産37件の状況と6~18歳人口推計など、対象期間2019~2025年、参照年次2025年
文部科学省「教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について」:教育データ標準化・MEXCBT・EduSurvey等の教育DX施策の概要、参照年次2025年
文部科学省「職業実践力育成プログラム(文部科学省)と教育訓練給付制度(厚生労働省)との連携について」:教育訓練給付制度の概要と連携方針、参照年次2025年
教育・学習支援業界における
M&A活用のメリット
教育・学習支援業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
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- 価格競争力の強化
- 後継者問題を解決できる
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
- 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- 譲受け側のメリット
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- 立地のよい土地・建物を獲得できる
- 知名度・ブランドの獲得
- 売上規模・シェアの拡大が見込める
- 事業多角化・新規事業への参入
- 人的リソースを獲得できる
- リスク分散ができる
- 財務力強化・コストの削減(管理部門コスト等)
教育・学習支援業界で
M&Aを実行する際のポイント
教育・学習支援業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 取引先等との関係性
- 人的リソース管理
- 財務問題
- 労働問題
- コンプライアンス
- ガバナンス・管理体制
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
教育・学習支援業界における
M&Aの価格相場
教育・学習支援業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、教育・学習支援業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
売却の無料相談
買収の無料相談
株式会社日本M&Aセンター
業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。
教育・学習支援業界の
最新M&A事例を解説
近年に実施されたM&Aから教育・学習支援業界の事例をご紹介します。本業界のM&Aでは、シェアの拡大を見込んで大手事業者が中小事業者を取得するケースや、人材確保の目的でM&Aを行うケースがみられます。
スイミングスクール×経営支援・不動産事業
ファンドライズ、スイミングスクール事業の明光産業を子会社化
- 譲渡企業
- 明光産業株式会社(兵庫県尼崎市)
- 譲受け企業
- 株式会社ファンドライズ(東京都新宿区)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年5月30日
株式会社ファンドライズは、2025年5月30日付で明光産業株式会社の全株式を取得し、完全会社化しました。
ファンドライズは、経営支援事業を中心に不動産事業、リユース事業に関する事業活動を行っています。
明光産業は、スイミングスクール事業を行っています。
ファンドライズは、2024年にも事業承継型M&Aを実現し、業容の拡大を図ってきました。本件についても、事業承継問題を抱える企業の100%株式取得であり、低成長を続ける日本の中小企業を活性化する取組みの一環として株式取得に至りました。
本件により、地域密着型ビジネスへの参入、ファンドライズグループ全体の事業ポートフォリオの多様化、経営支援事業とのシナジー効果発揮による企業価値の向上を図ります。
ビジネススクール(海外)×学校法人
モード学園を運営する学校法人 日本教育財団、仏ファッション系スクールを買収
- 譲渡企業
- エスモード・インターナショナル(フランス)
- 譲受け企業
- 学校法人日本教育財団
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡、クロスボーダーM&A 実行時期:2025年5月29日
2025年5月29日、東京モード学園を運営する学校法人日本教育財団は、フランスのエスモード・インターナショナル(以下:エスモード)を買収したことを公表しました。
学校法人 日本教育財団は、東京都新宿区を拠点とする、国内最大級の学校法人です。東京通信大学やモード学園、HAL(IT・デジタルコンテンツ専門学校)、医専(医療福祉専門学校)などを運営しています。
モード学園は、ファッション、デザイン、ヘア・メイク、グラフィック、インテリアの各分野を学べる専門学校。東京・大阪・名古屋・パリにキャンパスを構えています。
フランスのエスモードは、1841年に創設され、世界で初めてファッション教育を体系化した名門校。フランス国内にファッションデザインスクールを6キャンパス、ファッションビジネススクールを4キャンパス展開しています。
モード学園はこれまでも、パリ大学区庁認定高等教育機関であるCREAPOLE(クレアポール)をパリ校とし、パリのエッセンスとビジネスに昇華させるプロデュース力を学ぶことができる教育環境を提供してきました。
本件M&Aを通じて、モード学園とエスモードが培ってきたフランスと日本の教育を融合させ、国際的な教育環境を整え、グローバルに活躍できる人材育成を加速させる狙いがあります。
商社×介護・福祉・保育
リビングプラットフォーム、テルウェル東日本から高齢者グループホーム事業を譲受け
- 譲渡企業
- テルウェル東日本株式会社(東京都江東区)
- 譲受け企業
- 株式会社リビングプラットフォーム(7091)、株式会社リビングプラットフォームケア(北海道札幌市)
M&Aの概要
スキーム:事業譲渡 実行時期:2025年1月15日
2024年10月30日、株式会社リビングプラットフォームは、連結子会社である株式会社リビングプラットフォームケアが、テルウェル東日本株式会社より、同社が運営する高齢者グループホーム事業を、2025年1月15日付で譲り受けることについて事業譲渡契約を締結しました。
リビングプラットフォーム株式会社は、介護・障がい者支援・保育事業を柱とする、福祉に特化した企業です。
リビングプラットフォームケアは、リビングプラットフォームグループで、介護、障がい者支援、保育事業を展開する企業です。特に介護事業に力を入れており、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などを運営しています。
テルウェル東日本は、不動産事業・建物管理事業・運送事業・通信保守事業・介護事業を行っています。
テルウェル東日本は、不動産事業、建物管理事業などの事業を展開する一方、介護事業についても居宅介護、訪問介護、通所介護、地域包括支援センターを中心に59事業所の事業展開を行っています。
リビングプラットフォームグループは、介護事業分野では、連結子会社であるリビングプラットフォームケア及び他3社において、全国(北海道、宮城県、福島県、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県)にて介護施設91施設を展開しており、出店エリアの拡大と地域に密着したサービス提供体制の強化に努めています。なお、リビングプラットフォームグループの東北エリアにおける介護事業は現状、仙台市内において高齢者グループホーム6施設、有料老人ホーム等5施設、福島県内において高齢者グループホーム7施設の計18施設を運営しています。
今回、承継を予定しているテルウェル東日本の運営施設は、仙台市内において形成されているドミナント戦略を拡大することで、事業拡大を図ります。
幼児教育×学習塾
早稲田アカデミー、幼児教室経営の幼児未来教育を買収
- 譲渡企業
- 株式会社幼児未来教育(東京都渋谷区)
- 譲受け企業
- 株式会社早稲田アカデミー (4718)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡 実行時期:2024年1月31日
株式会社早稲田アカデミーは、2024年1月31 日付で、株式会社幼児未来教育(東京都渋谷区)の全株式を取得し、子会社化しました。
早稲田アカデミーは、小学生・中学生・高校生を対象とする進学塾の経営など、進学塾事業を展開しています。
幼児未来教育は、「ベンチャースクール サン・キッズ」のブランド名で、1歳から6歳までの未就学児を対象とする幼児教室を経営しており、東京都心部の3教室において独自のプログラムによる学びを提供しています。加えて、幼稚園受験や小学校受験への充実した対策プログラムも有しています。
早稲田アカデミーは、幼児未来教育がグループに加わることで、新たな事業領域に進出できるようになります、また、同社が持つ未就学児向けの教育ノウハウの共有、並びにこれまで接点が少なかった顧客層との接点強化により、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めることができ、一層の業容拡大を推進することが可能と捉えています。さらに両社の理念や事業の親和性も高いことから、幼児未来教育を子会社化することにより、女性活躍の場を広げていく取り組みも含め、早期のシナジー創出が実現できるものと考えています。
教育・学習支援業界の
M&Aニュース
教育・学習支援業界のM&Aニュースを表示します。
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2025.12.12
アルー、人材育成事業のフィリピンQUINTEGRAL PHILIPPINESを子会社化
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2025.12.1
学研HD、介護用品の販売・レンタルのパラメディカルをグループ化
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2025.9.20
資格学校運営のTAC、MBOが成立し上場廃止へ
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2025.9.18
アルー、企業内人材育成プログラム実施の子会社エナジースイッチを吸収合併へ
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2025.9.1
LITALICO、子会社プラスワンソリューションズを吸収合併へ
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2025.8.21
レアジョブ、英語教育ビジネスの東京インターナショナルスクールグループを買収
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2025.8.6
資格学校運営のTAC、MBOで上場廃止へ
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2025.5.16
ライトワークス、MBOが成立し上場廃止へ
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2025.3.21
Aoba-BBT、子会社のABSを吸収合併
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2025.3.21
レアジョブ、子会社のK12ホールディングスを吸収合併
教育・学習支援業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した教育・学習支援業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。
| 譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
|---|---|---|
| 2025年9月 | 教育(関東) | ファンド(関東) |
| 2025年9月 | 教育(関東) | ホテル・旅館(関東) |
| 2025年6月 | 出版(海外) | 労働者派遣(関東) |
| 2025年6月 | セールスプロモーション(関東) | 出版(東海・北陸) |
| 2025年3月 | 乳幼児向け教育・施設(関東) | 労働者派遣(関東) |
| 2025年3月 | 畜産加工・卸売(九州・沖縄) | 教育(関西) |
| 2025年2月 | 出版業(関東) | 法人向けサービス(関東) |
| 2025年2月 | 自動車教習所(中国・四国) | 教育(中国・四国) |
| 2025年1月 | 乳幼児向け教育・施設(関東) | 教育(関東) |
| 2024年12月 | アパレル(北海道・東北) | その他(関東) |
サービス業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継された事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
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【TOB事例インタビュー】ウェディング事業と貸会議室事業の意外なシナジー
譲渡:東京都中央区 ブライダル事業 (婚礼プロデュース部門・婚礼衣裳部門・レストラン部門)
譲受け:ウェディング関連事業を運営するノバレーゼは、2024年11月ティーケーピーによるTOBに賛同する意思決定を発表。TOB成立までの経緯を聞きました。
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「事務所をより大きくしていきたい」。あえて変えることを宣言し、PMIにも注力
譲渡:静岡県浜松市 社会保険・労働保険手続き等
譲受け:静岡県のM&パートナーズは、関東エリアの顧客増加を受け、東京の社会保険労務士事務所との吸収合併を行いました。代表にM&Aを通じた成長戦略について伺いました。
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「この先の人生をどう過ごしたいか」。60歳を前に決断した会社の進む道
譲渡:東京都荒川区 社会保険・労働保険手続き等
譲受け:11人のスタッフが在籍する社労士事務所の代表は、60歳を目前に、事務所の存続のためM&Aを選択しました。現在も代表として円滑な引き継ぎに注力する中、話を伺いました
教育・学習支援業界の
セミナー情報
当社では、M&Aや事業承継をはじめ、経営に役立つさまざまセミナーを開催しております。ぜひご参加ください。