ドラッグストア業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

ドラッグストア業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、ドラッグストア業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。
更新:
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M&A案件(売却・事業承継案件)
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⽬次
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ドラッグストア業界について
ドラッグストア業界は、医薬品と化粧品を中心に、日用雑貨・食品を取り扱う店舗を運営する事業者から構成されています。
もともとドラッグストアは一般用医薬品を販売する場所でしたが、医薬分業が進み、薬剤師が常駐する調剤薬局を併設する店舗も増加傾向にあります。
この業界の大企業としては、売上高が1兆円を超える最大手のウエルシアホールディングスをはじめ、ツルハホールディングス、コスモス薬品のほか、マツモトキヨシグループとココカラファイングループの大手同士による経営統合で大きな話題を呼んだマツキヨココカラ&カンパニーなどが挙げられます。
マスクや衛生用品などの需要が引き続き高い状態が続くほか、食品部門の売上も好調で、市場を拡大し続けています。また、受診控えが緩和したことで、調剤併設店舗の処方箋受付枚数が回復したことも増収の一因と考えられます。
また、2023年1月から開始される電子処方箋運用に向けて、各社、ECサイトやオンライン服薬指導の体制づくりが進んでいます。DX化が急速に進むドラッグストア業界では、大手チェーンによる新規出店やM&Aが積極的に行われ、年々、大手による寡占化が進んでいます。
ドラッグストア業界における
M&A活用のメリット
ドラッグストア業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
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- 後継者問題を解決できる
- 人材の獲得(薬剤師・登録販売者等)
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
- 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
- 地域の医療体制を守り、顧客を守ることができる
- 譲受け側のメリット
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- 売上規模・シェアの拡大・地域補完が見込める
- 立地のよい店舗を一括取得
- 人材の獲得(薬剤師・登録販売者等)
- シナジーの創出
- 事業多角化・新規事業への参入
- バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
- リスク分散ができる
- コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コストなど)
ドラッグストア業界で
M&Aを実行する際のポイント
ドラッグストア業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 仕入れ先などとの関係
- 有資格者の状況(人数・年齢・給与・継続雇用の可否)
- 在庫管理・評価(過剰在庫を抱えていないか)
- 財務問題
- 労務問題
- コンプライアンス
- ガバナンス・管理体制
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ドラッグストア業界における
M&Aの価格相場
ドラッグストア業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数のギネス世界記録™に4年連続で認定※されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業(2020年~2023年)
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、ドラッグストア業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

株式会社日本M&Aセンター
業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。
ドラッグストア業界の
最新M&A事例を解説
近年に実施されたドラッグストア業界のM&A事例をご紹介します。ドラッグストアの市場規模が年々拡大し、店舗数が増加する一方、競争が激化し、統合や再編などによりプレイヤーは集約されつつあります。大手企業は、M&Aによる規模・エリア拡大を積極的に取り入れ、中小規模のドラッグストアの中には、M&A等によって単独資本経営から大手傘下に入ることで事業再生を行う事例が増えています。薬剤師の需要は増え、とくに地方での薬剤師不足が進んでおり、人材獲得の面でも競合が生じやすくなっています。
ドラッグストア×ドラッグストア
イオン傘下のウエルシアHDとツルハHDが経営統合へ
- 株式交換
- 株式会社ツルハホールディングス(3391)、ウエルシアホールディングス株式会社(3141)
経営統合の概要
スキーム:株式交換、経営統合 実行時期:2025年12月予定
2025年4月11日、イオン株式会社は、傘下のウエルシアホールディングス株式会社(以下:ウエルシアHD)と、約20%を出資する株式会社ツルハホールディングス(以下:ツルハHD)の経営統合を発表しました。
2027年末としていた当初目標を2年前倒しし、2025年12月の統合を予定しています。
ツルハグループは、1929年に北海道旭川市で創業し、「ツルハドラッグ」をはじめとするドラッグストアの運営を行っています。
イオンは、「AEON」などの総合スーパーや食品スーパーを全国展開する会社で、国内流通の大手企業です。
ウエルシアグループは、調剤薬局業界、ドラッグストア業界の大手。「ウエルシア薬局」「HAC」など調剤薬局を併設したドラッグストアチェーンを展開しています。
イオン、ツルハHDおよびウエルシアHDは、本経営統合が、地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスを実現することにつながることになると判断しました。
ツルハHDおよびウエルシアHDの2社を合わせると、売上高は約2兆円、店舗数は約5,500を超えることになります。
今回の経営統合により、日本最大のドラッグストア連合体を創成し、競争力の獲得、アジアNo.1のグローバル企業への成長を目指します。
食料品小売×ドラッグストア
サンドラッグ、子会社の合同会社サンドラッグ酒店を吸収合併
- 譲渡企業
- 合同会社サンドラッグ酒店(東京都府中市)
- 譲受け企業
- 株式会社サンドラッグ(9989)
M&Aの概要
スキーム:吸収合併 実行時期:2025年3月31日
2025年3月31日、株式会社サンドラッグが、完全子会社である合同会社サンドラッグ酒店を吸収合併しました。サンドラッグを存続会社とする吸収合併方式で、本件により、合同会社サンドラッグ酒店は解散することになりました。
サンドラッグは、薬局の経営並びに医薬品の販売・卸売業を行っています。
合同会社サンドラッグ酒店は、酒類販売業を営んでいます。
本合併により、サンドラッグは、酒類販売業の拡大及び経営の効率化を図ります。
親会社が存続会社となって、子会社を吸収合併するメリットには、コストの削減、事業のシナジー効果の創出、経営の効率化、組織再編の促進などが挙げられます。
親会社と子会社の重複する機能や組織を統合することで、管理コストや人件費などの削減効果が見込めます。また、子会社と親会社間の事業連携を強化し、相乗効果による成長を期待できます。そして、複数の事業を統合することで、より効率的な経営体制を構築できます。これらにより、吸収合併は、組織をシンプルにしたり、グループ全体の体制を強化したりする際に役立ちます。
インターネット関連サービス×ドラッグストア
マツキヨココカラ&カンパニー、化粧品メディア「LIPS」運営会社を買収
- 譲渡企業
- 株式会社AppBrew(東京都文京区)
- 譲受け企業
- 株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(3088)、株式会社MCCマネジメント(東京都千代田区)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡 実行時期:2024年12月2日
2024年11月14日、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーの子会社である株式会社MCCマネジメントは、化粧品メディア「LIPS」を運営する株式会社AppBrewの全株式を取得し、100%子会社化することで合意しました。株式譲渡は、2024年12月2日に実行されました。
マツキヨココカラ&カンパニーは、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合してできた会社です。2021年に発足し、現在では日本最大級のドラッグストアグループとして、全国に3,400店舗以上を展開しています。
MCCマネジメントは、グループのマーチャンダイジング戦略の策定と実行を行っています。
AppBrewは、化粧品メディア「LIPS」の運営、及びオンライン広告事業、化粧品販売事業を行う企業です。
マツキヨココカラ&カンパニーグループは、リアル店舗網と「LIPS」の持つ、ユーザーの嗜好、オンライン行動データなどのデジタル技術を融合し、新たな顧客体験を創出することを目指しています。
ドラッグストア業界の
M&Aニュース
ドラッグストア業界のM&Aニュースを表示します。
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2025.4.11
ウエルシアとツルハが12月に経営統合へ
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2025.3.24
マツキヨココカラ&カンパニー、丘の上薬局運営のティー・エム・シーを買収
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2025.2.14
サンドラッグ、子会社の合同会社サンドラッグ酒店を吸収合併
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2024.11.14
マツキヨココカラ&カンパニー、化粧品メディア「LIPS」運営会社を買収
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2024.9.18
アクサス、サプリメントなど製造のGIVERSを買収
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2024.7.5
ウエルシアHD、東京電力HDの子会社で介護事業の東電パートナーズを買収
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2024.6.21
ウエルシアHD、完全子会社のウエルシア薬局、とをしや薬局を合併へ
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2024.2.28
イオン、ツルハHD、ウエルシアHDと経営統合を目指し協議開始
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2024.2.27
スギHD、阪神調剤薬局を運営するI&Hを買収へ
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2024.1.18
マツモトキヨシグループ、ドラッグストア・調剤薬局運営のケイポートを買収
ドラッグストア業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約したドラッグストア業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年3月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年4月~6月分)は2025年7月30日以降の予定です。
譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
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2025年3月 | 調剤薬局・ドラッグストア(東海・北陸) | 介護・福祉(東海・北陸) |
2025年3月 | 調剤薬局・ドラッグストア(北海道・東北) | 調剤薬局・ドラッグストア(九州・沖縄) |
2025年3月 | 調剤薬局・ドラッグストア(関東) | 調剤薬局・ドラッグストア(中国・四国) |
2025年3月 | 調剤薬局・ドラッグストア(中国・四国) | 調剤薬局・ドラッグストア(中国・四国) |
2025年3月 | 医療機器卸(九州・沖縄) | 医薬品卸売(関東) |
2025年1月 | 調剤薬局・ドラッグストア(関東) | 調剤薬局・ドラッグストア(関東) |
2024年12月 | 調剤薬局・ドラッグストア(九州・沖縄) | 調剤薬局・ドラッグストア(九州・沖縄) |
2024年12月 | 調剤薬局・ドラッグストア(中国・四国) | 調剤薬局・ドラッグストア(中国・四国) |
2024年12月 | 調剤薬局・ドラッグストア(九州・沖縄) | 調剤薬局・ドラッグストア(関東) |
2024年11月 | 調剤薬局・ドラッグストア(東海・北陸) | 調剤薬局・ドラッグストア(東海・北陸) |
医薬品卸・小売業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継された事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
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医薬品×食品、異色のM&A。120年以上の歴史にカイゼンの風を吹き込む
譲渡:宮城県白石市 乾麺(白石温麺、うどん、そば、中華めん)の製造・販売
譲受け:青森県八戸市 ジェネリック医薬品の卸売業ジェネリック医薬品の卸売業を営む八戸東和薬品は、異業種のきちみ製麺を譲受けました。約2年経った現在話を伺いました。
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120年以上の歴史を持つ老舗温麺メーカーが医薬品卸売会社に譲渡した理由
譲渡:宮城県白石市 乾麺(白石温麺、うどん、そば、中華めん)の製造・販売
譲受け:青森県八戸市 ジェネリック医薬品の卸売業120年以上温麺の製造を行う「きちみ製麺」が譲渡先に選んだのは、ジェネリック医薬品の卸売業の会社でした。成約から約2年経った現在について伺いました。
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受け継がれる、“地域医療をサポートする”想い
譲渡:静岡県沼津市 調剤薬局
譲受け:東京都 調剤薬局「地域医療のため、薬局を閉店させてはいけない」という信念を持つ調剤薬局オーナー。「本当の限界が来る前に引き継ぎ手を探したい」とM&A決断に至りました。
ドラッグストア業界の
セミナー情報
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