リフォーム工事業業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

リフォーム工事業業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、リフォーム工事業業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。
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譲渡・売却を希望するリフォーム工事業業界および隣接業界のM&A案件をご紹介します。非公開のM&A案件のご紹介や具体的な投資金額やエリアを絞って案件を探したい方は「M&A買収ニーズ」よりご登録をお願いします。
⽬次
リフォーム工事業業界のM&A動向について
リフォーム工事業界には、既存の建物の改装、あるいは軽微な増・改築工事を行う企業群から成り立っています。株式会社矢野経済研究所の調査によると、2023年の住宅リフォーム市場規模は前年比0.6%増の7.4兆円と推計されています。分野別では、「増改築に関わる費用」が5.2%増、「設備修繕・維持管理費」が0.3%増、「家具・インテリア等」が0.6%減少しました。
2023年は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し、消費者の行動が内向きから外向きにシフトしたため、リフォーム需要は減少傾向にありました。しかし、建築資材費や人件費の上昇、高付加価値リフォーム需要の増加により、1件あたりの工事単価は上昇し、需要の減少分を補いました。
国土交通省の建築物着工統計報告によると、2024年の新設住宅の着工戸数は79万2098戸。80万戸割れとなったのは、リーマン・ショックの影響を受けた2009年以来です。新設住宅のうち、居住専用住宅の着工戸数は40万6976戸(着工床面積5956万1631㎡)で、過去10年で最低でした。一方、工事費予定額は1平米当たり24万9418円と過去10年で最高額を記録。人件費の上昇、物流コストや建築資材費が高騰した影響が見てとれます。
住宅リフォーム市場規模は新設住宅の着工工事費予定額、約14兆円の約半分に相当します。新設住宅市場が縮小する中、リフォームの重要性が増しています。市場は2009年の4.4兆円を底に、2013年以降は6兆円前後で推移しており、住宅エコポイントなどの政府施策やリフォーム工事単価の上昇が要因とされています。
リフォーム事業は参入障壁が比較的低く、異業種からの参入が活発です。また、地場工務店やリフォーム業者が多く存在するため、寡占度は低い状態にあります。上位事業者でも市場シェアは数%にとどまります。大手ハウスメーカーは既存顧客網を活かし、リフォーム事業を強化しています。また、アマゾンや楽天などの大手ECサイトもリフォーム事業に参入しており、情報・見積もり比較サイトも増加しています。
リフォームビジネスは労働集約型の産業であり、営業人員数に比例して売上が拡大しますが、中小企業の採用環境は厳しく人材確保が課題です。そのため、多くの企業がワークライフバランスの向上や多様な働き方への対応を進めています。また、業務効率化や提案力強化を図るため、システム導入や提案ツールの活用が必要とされています。このような場合、規模の経済が働くため、大手中堅企業との有力グループを形成することが有利に働きます。
近年、リフォーム市場の好調を受けて、M&Aや業務提携を通じて事業を拡大する企業も増えています。2017年、ヤマダホールディングスは、リフォーム専業のナカヤマを買収し、リフォーム事業を強化しました。ニトリホールディングスはエディオンと資本業務提携を行い、リフォーム事業でのシナジー創出を目指しています。また、2024年4月には大和ハウス工業が東急不動産ホールディングスの木造リフォーム事業を譲受け、木造住宅リフォーム事業に注力することが明らかになっています。
このように、リフォーム業界は多様な企業が参入し、競争が激化しています。今後も市場の拡大が期待される中、まだまだ当業界におけるM&A、業務提携は盛んになっていくことが予測できます。
M&Aは個別事情を勘案すると大きく変わります。自分の会社を買うような企業はあるのか、いくらで売れるのか、またはこういった会社を買収できないか、経営課題を解決できるような企業はないか、個々の状況によります。
日本M&Aセンターでは秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。全国に拠点を展開しており、地方の経営者様からのご相談も多数お受けしております。また、オンラインでの面談も対応しております。少しでも気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
リフォーム工事業業界における
M&A活用のメリット
リフォーム工事業業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
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- 後継者問題を解決できる
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
- 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
- 譲受け側のメリット
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- 売上規模・シェアの拡大・地域補完が見込める
- 事業多角化・新規事業への参入
- 人材の獲得・技術力の向上
- シナジーの創出
- バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
- リスク分散ができる
- コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コストなど)
リフォーム工事業業界で
M&Aを実行する際のポイント
リフォーム工事業業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 取引先等との関係性
- 優秀な人材の継続雇用
- 財務問題
- 労働問題
- コンプライアンス
- ガバナンス・管理体制
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。
全国に拠点を展開する日本M&Aセンターでは、各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。M&Aの進め方やポイントなど、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
リフォーム工事業業界における
M&Aの価格相場
こちらでは、リフォーム工事業業界におけるM&Aの価格の考え方、相場や算定方法についてお話します。価格の相場を理解していないと、相場より高い金額で買収したり、逆に相場より低い金額で売却したりする可能性があります。このため、M&Aの相場価格の理解を深め、公正な交渉を進めることが重要です。
一般に、M&Aの価格は仲介業者やファイナンシャルアドバイザーなどの専門家による価値算定に基づき、最終的には売り手と買い手の交渉によって決定されます。価格決定の基準となる価値算定では、大企業と中小企業では用いられる方法が異なり、同じ規模でも業界が異なれば評価が変わるため、M&Aの価格に明確な相場は存在しません。
中小企業のM&Aには様々な評価方法があります。ここでは取引事例法をご紹介します。
取引事例法は、過去のM&A事例から、事業内容・地域・財務指標などが似ている企業の売買事例を選定し、その売買実績に基づいて価値算定を行う方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることです。しかし、「他社のM&A実績から価格を参考に知りたい」と思っても、非上場企業のM&Aでは、情報が非公開のため、ほとんど参照することはできません。類似する条件を見つけるために非常に多くの事例の蓄積が必要になります。日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数のギネス世界記録™に4年連続で認定※されるなど、豊富な実績があります。事業内容・地域・財務指標などから似た会社の売買事例を選定し、一定のルールで公正な価値評価を算出することができます。
こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業(2020年~2023年)
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、リフォーム工事業業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
取引事例法(取引事例価額法)
マーケットアプローチの一種で、評価対象の類似企業や類似取引の事例を参考に、現在の株価を評価する手法です。主に、非上場企業の株式評価において用いられます。
一般的に、不動産や車などを売買する際は他の売買実績を参考に取引価格を検討されることが多いと思います。一方で、会社を売り買いするM&Aは、上場会社を除き、そのほとんどが非公開で知りえない情報です。しかし、日本M&Aセンターでは創業以来、中小企業のM&Aの実績が豊富にあります。そのため、評価対象の事業内容・地域・財務指標などから類似する企業の売買事例を選定し、一定のルールで公正な価値評価を算出することができます。
取引事例法による株価算定は、こちらから体験することができます。

株式会社日本M&Aセンター
業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。
リフォーム工事業業界の
最新M&A事例を解説
リフォーム工事業業界の動向を見るために、近年に実施されたM&A事例をご紹介します。
国内の新築戸建て住宅の需要が頭打ちとなっている中、リフォーム事業の成長が期待されています。同じ住宅リフォーム、修繕事業を行う会社同士のM&Aだけでなく、住宅メーカーやホームセンター、家電量販店など、業容を広げるためにM&Aが活発に利用されています。
リフォーム×戸建住宅建設
大和ハウス工業、東急不動産系の木造リフォーム会社を買収
- 譲渡企業
- 株式会社東急Re・デザイン(東京都世⽥⾕区)
- 譲受け企業
- 大和ハウス工業株式会社(大阪府大阪市)
M&Aの概要
スキーム:吸収分割・株式譲渡 実行時期:2024年4月1日
大和ハウス工業株式会社は、2023年10月24日に株式会社東急Re・デザインの子会社であるTRDホームズの全株式を取得する契約を締結したことを公表しました。その後、2024年4月1日にTRDホームズを100%子会社化し、同日をもって商号を「大和ハウスウッドリフォーム株式会社」に変更しました。
東急Re・デザインは、戸建住宅およびマンションのリフォームや新築建築事業工事の企画などを行う、東急不動産HD傘下の会社です。
TRDホームズは、東急Re・デザインが保有する戸建リフォームおよび新築事業を吸収分割するために新設された会社です。
大和ハウス工業は、住宅建設事業、宅地開発、不動産関連事業を展開しています。今回の買収により、特に木造住宅を中心としたリフォーム事業を強化する狙いがあります。また、賃貸住宅における木造商品のラインナップも拡充することを目指しています。
東急Re・デザインの戸建てリフォーム事業・新築事業をTRDホームズへ吸収分割した後、大和ハウス工業がTRDホームズの全株式を取得します。対象事業の売上高は2023年3月期で約80億円ですが、買収金額は公表されていません。
この合併により、大和ハウス工業はリフォーム市場での競争力をさらに高め、顧客ニーズに応えるための体制を整えることが期待されています。具体的には、木造住宅のリフォーム事業の強化とともに、賃貸住宅向けの木造商品を増やすことで、より多様な選択肢を提供する計画です。国内の新築戸建て住宅の需要が頭打ちとなっている中、リフォーム事業のさらなる成長が期待されています。
※引用元:大和ハウス工業株式会社「■東急Re・デザイン社から木造住宅リフォーム事業・新築事業を取得 株式会社TRDホームズの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
リフォーム×小売業
ヤマダ電機、埼玉のリフォームメーカーのナカヤマを完全子会社化し、吸収合併
- 譲渡企業
- 株式会社ナカヤマ(埼玉県上尾市)
- 譲受け企業
- 株式会社ヤマダ電機(群馬県高崎市)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡、吸収合併 実行時期:2018年4月1日
ナカヤマは商品の開発からアフターサービスまでを一貫して行うリフォームメーカーです。ナカヤマは国内に約100店舗の直営店を持ち、5つの物流拠点と国内外に2つの工場を保有しています。
ヤマダ電機は、家電事業をコアに生活インフラとしての住宅まるごと提案を新たな事業の柱の一つと位置付け、新業態店舗の展開を行っており、スマートハウスやリノベーション事業を積極的に展開しています。
2017年11月08日、ヤマダ電機(証券コード9831)は、株式会社ナカヤマ(埼玉県上尾市)の発行済全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。
両社は以前から業務提携関係にありましたが、今回のM&Aにより、ヤマダ電機はナカヤマとの提携をさらに強化し、両社の発展と収益性向上を目指すとともに、消費者のニーズに応える力を拡充する狙いがあります。
また、2018年2月26日には、ヤマダ電機がナカヤマを吸収合併することを発表しました(効力発生日:2018年4月1日)。
今回の合併は、ナカヤマと新業態店舗の融合を図り、本社機能や各種インフラの統合を通じてグループ経営の効率化を目指すものです。ヤマダ電機が存続会社となり、ナカヤマは解散する形で進められます。この合併により、両社の強みを活かし、より一層の事業基盤と営業戦略の強化が期待されます。ヤマダ電機は、今後も変化する市場ニーズに応じたサービス提供を行い、持続的な成長を目指していく方針です。
リフォーム工事業業界の
M&Aニュース
リフォーム工事業業界のM&Aニュースを表示します。
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2024.11.15
ADワークスグループ、地域新聞社の保有株式を譲渡
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2024.9.27
サニックス、持株会社体制への移行などを発表
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2024.5.15
サニックス、環境資源開発事業を新設子会社のサニックス資源開発グループに承継
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2024.3.25
マサル子会社のマサルファシリティーズ、空気設備工業を買収
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2023.7.20
エムビーエス、リグノマテリアとの間で資本業務提携に向けた基本合意書締結へ
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2023.2.14
LAホールディングスの孫会社ファンスタイル、ファンスタイルHDを吸収合併へ
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2022.12.14
ADワークスグループ、完全子会社エンジェル・トーチを通じSiiibo証券と資本業務提携締結
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2022.11.25
LAホールディングス、ファンスタイルHDを子会社化へ
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2022.6.1
あいおいニッセイ同和損害保険、ウエストHDと資本業務提携締結
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2022.4.25
会員・保険サービスを展開するジャパンベストレスキューシステム、連結子会社2社を吸収合併へ
リフォーム工事業業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約したリフォーム工事業業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年3月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年4月~6月分)は2025年7月30日以降の予定です。
譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
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2025年3月 | 土木工事(関東) | 建築工事(北海道・東北) |
2025年3月 | 土木工事(九州・沖縄) | 建築工事(東海・北陸) |
2025年3月 | 土木工事(東海・北陸) | 建築工事(東海・北陸) |
2025年3月 | 内装工事・内装リフォーム(九州・沖縄) | 建築工事(九州・沖縄) |
2025年3月 | 防水工事・屋根工事・外構工事(甲信越) | 建築工事(甲信越) |
2025年3月 | 土木工事(北海道・東北) | 土木工事(北海道・東北) |
2025年3月 | 土木工事(九州・沖縄) | 土木工事(九州・沖縄) |
2025年3月 | 土木工事(関東) | 土木工事(九州・沖縄) |
2025年3月 | 土木工事(東海・北陸) | 土木工事(東海・北陸) |
2025年3月 | 土木工事(北海道・東北) | 土木工事(関東) |
リフォーム工事業業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継されたリフォーム工事業業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
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廃業を決めた業歴75年の塗装店が、存続と成長を同時に手にした異業種M&A
譲渡:神奈川県大和市 塗装工事
譲受け: 神奈川県横浜市 船舶の製造・修理、電気工事創業以来75年にわたり住宅の塗装を手掛けてきた青竜社塗装店は、営業力の課題に直面していました。M&Aで廃業危機を回避した経緯について、話を伺いました。
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娘や従業員への承継は簡単ではない。会社の成長を考えM&Aを決断
譲渡:愛知県豊橋市 戸建建設、リフォームほか
譲受け:顧客第一の家づくりで豊富な実績誇るカスタムハウジングコーポレーション。後継者不在の課題を抱え、顧客、従業員、取引先のために譲渡先を決めるまでを伺いました。
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地元に戻り経営者となった若きサーチャーの挑戦
譲渡:山梨県甲府市 住宅リフォーム・新築住宅事業
譲受け:東京都千代田区地元・山梨県甲府市の企業ミスターデイクを事業承継したサーチャーに、経営者になった現在の様子について伺いました。
リフォーム工事業業界の
セミナー情報
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