自社パッケージソフト開発業界のM&A

こちらでは、自社パッケージソフト開発業界に関する2023年のM&A動向をご紹介します。本業界は、社会全体のデジタル化の影響を受け、急成長している業界です。従来アナログだった分野や中小零細企業までソフトウェア需要の裾野が拡大している例が多くみられます。コロナ禍においても、M&A活動が活発に行われている業界のひとつです。

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自社パッケージソフト開発業界の
M&A案件(売却・事業承継案件)

譲渡・売却を希望する自社パッケージソフト開発業界および隣接業界のM&A案件をご紹介します。非公開のM&A案件のご紹介や具体的な投資金額やエリアを絞って案件を探したい方は「M&A買収ニーズ」よりご登録をお願いします。

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自社パッケージソフト開発業界の
M&A買収ニーズ

買収・譲受け企業からの要望の一部をご紹介します。具体的な買い手候補企業のご提案は、会社売却先シミュレーションから、無料でお試しいただけます。

  • 2023 ソフトウェア開発 関西 規模は問わない

    主業種の商圏拡大が目的。

  • 2024 ソフトウェア開発 関東 規模は問わない

    主業種の商圏拡大が目的。

  • 2025 ソフトウェア開発 全国 規模は問わない

    開発分野、事業規模ともに幅広く検討可能。主業種の商圏拡大。の他、周辺業種も含めて幅広く検討。

  • 2026 ソフトウェア開発 関東 規模は問わない

    セキュリティ系、データ分析系、データベース系、AI関連のソフトウェア開発を行っている企業を希望。主業種の商圏拡大を図りたい。

自社パッケージソフト開発業界を含むIT・情報通信業界のM&A案件(譲受け・買い案件)一覧

自社パッケージソフト開発業界について

自社パッケージソフト開発業には、各種ソフトウェアサービスの開発・提供を行う事業者が含まれます。具体的には、各業界の業務に最適化して業務を支援するソフトウェア、業務効率化を目的に広い業界で導入されるソフトウェア、インフラ系のソフトウェアなどがあります。また、受注、販売、物流、購買、会計等の基幹業務機能をコンピュータソフトウェアの機能上に統合するパッケージシステム(ERP*)やソフトウェアを開発・提供する事業も含まれます。
ERPは、独立したそれぞれのシステムをパッケージ化したシステムで、各部門が扱う独立したシステムを一元管理し、稼働状況などを同一のプラットフォームで可視化することによって、全社の情報や資源を一元管理し、経営効率化を実現する目的があります。各部門をまたいだ大規模なシステムになる傾向があり、大企業の導入が中心でしたが、近年はSaaS形式のサービスが増加したことで中小企業への導入も進み、市場は拡大傾向が続いています。
本業界は、社会全体のデジタル化の影響を受け、急成長している業界です。従来アナログだった分野や中小・零細企業まで、ソフトウェア需要の裾野が拡大している例が多くみられます。2020年のコロナ禍でも、本業界では活発にM&Aが行われました。とくに、大手テック系の業界横断型ソフトウェア企業は、自社の既存ソリューションで業界に特化したニーズにも対応するため、業界特化型ソフトウェア企業を買収する動きが見受けられます。

*ERP(Enterprise Resource Planning、統合基幹業務システム):直訳すれば「企業資源計画」となります。受注・生産・販売・物流・会計・人事などさまざまな基幹業務を一元的に管理し、経営の効率化を図る手法や概念、そのためのシステムやソフトウェアを指します。

パッケージソフト開発業界のトレンドと課題

パッケージソフト開発事業は、標準的な機能を持ったソフトウェアを開発し、そのまま利用できる形で提供する事業を指します。パッケージソフトはカスタムソフトと比べて導入が容易であり、また一度開発したソフトウェアを多くの企業やユーザーに提供することが可能です。導入後は、システムの運用に必要な保守やサポートを提供する必要があり、アップデートの提供、障害対応などを行います。

業界のトレンド

  1. クラウド化: ソフトウェアは従来、DVDなどの物理的なメディアで提供されていましたが、現在ではデジタル配信・クラウドサービスで提供されることが増えました。これにより利便性が向上し、メンテナンスやアップデートも容易になっています。
  2. SaaS化: ソフトウェアを一度購入するのではなく、必要な期間だけ利用するサブスクリプションモデルが主流となってきています。これにより、利用者は初期費用を抑えつつ必要な機能を利用することができます。
  3. AIの活用: AI技術の進化により、パッケージソフトにもAI機能が組み込まれるようになってきています。これにより、ユーザーはより効率的に作業を行うことが可能になっています。

業界の課題

  1. 競争の激化: クラウド化やSaaS化により、ソフトウェアの開発・販売が容易になってきており、競争が激化しています。これに対応するためには、優れたユーザー体験を提供することや、差別化する機能の開発が求められます。
  2. セキュリティ: クラウドサービスやAIの活用により、ユーザーのデータを扱う機会が増えています。これに伴い、セキュリティ対策の重要性が増しており、これを確保することが求められます。
  3. 技術の進化への対応: IT技術は日進月歩で進化しています。そのため、新しい技術への対応や、古くなったソフトウェアの更新、リニューアルが必要となります。

これらの課題を解決するためには、一貫したセキュリティ対策の強化、ユーザーエクスペリエンスの向上、技術の最新トレンドに対する迅速な対応が求められます。また、顧客ニーズに応じた柔軟なパッケージ開発やサポート体制の構築も重要となります。
M&A活動はコロナ禍でも活発で、業界各社は合併や提携などによる事業効率化や事業規模の拡大を積極的に戦略にとりいれています。

ERPパッケージ事業者の事業内容と課題

ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、企業の財務・会計、人事・労務、営業・製造など、多岐にわたる企業の業務プロセスを統合的に管理するソフトウェアのことをいいます。ERPパッケージ事業者は、この企業の業務を統合的に管理するためのシステムを提供する事業者のことを指します。ERPパッケージの開発と提供をはじめ、導入支援、保守・サポートまでが含まれます。
ERPパッケージの導入は、企業の業務プロセスに大きな影響を与えるため、導入計画の策定から設定・カスタマイズ、教育・研修まで、一連の導入支援が必要です。また、導入後もシステムの運用に必要な保守やサポートを提供する必要があります。アップデートの提供、障害対応、使用方法の問い合わせ対応などを行います。

一方、ERPパッケージ事業者が直面する課題は以下のようなものがあります。

  1. 導入の難しさ: ERPパッケージは企業の業務プロセス全体に影響を与えるため、その導入は時間とコストを要する大規模なプロジェクトとなります。そのため、導入に二の足を踏む企業が多く、事業者はそうした顧客をどう説得するかが課題となります。
  2. カスタマイズの複雑さ: 一方で、パッケージ製品であるため、顧客企業の具体的な業務プロセスや要望に完全に対応するためにはカスタマイズが必要となります。しかし、カスタマイズは導入コストや保守コストの増加、アップデートの困難さなどの問題を生じます。
  3. 新技術への対応: クラウド技術の進化やAIの普及など、新しい技術への対応も求められます。しかし、そのためには新技術の習得やシステムの全面的な改修が必要となることがあります。

上記の課題を解決するためには、ERPパッケージの開発・提供だけでなく、導入支援や教育・研修など、顧客の抱える問題解決に向けたサービスの提供が重要となります。また、新技術の導入や業務プロセスの再設計など、先進的な取り組みも求められます。

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株式会社日本M&Aセンター

M&A 業界別レポート

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M&A 業界別レポートは、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。M&Aや事業承継に関する情報を、業界・業種別の動向などとあわせてわかりやすくお伝えします。

自社パッケージソフト開発業界の
最新M&A事例を解説

自社パッケージソフト開発業界の動向を見るために、近年に実施された自社パッケージソフト開発業界のM&A事例をご紹介します。同じ業界同士のM&Aだけでなく、業容を広げるためにM&Aが活発に利用されています。

ソフトウェア(業務支援)×ソフトウェア(ERP)
テスク、輸出入管理ソフト開発のサンプランソフトを子会社化

譲渡企業
株式会社サンプランソフト(愛知県名古屋市)
売上高2億200万円、営業利益2400万円、純資産1億3800万円(2022年2月期)
譲受け企業
株式会社テスク(愛知県名古屋市/4349)
売上高23億8400万円、営業利益2億8600万円(2023年3月期)

M&Aの概要

スキーム:株式譲渡/完全子会社化 実行時期:2023年7月

2023年4月、株式会社テスクは、株式会社サンプランソフトの株式を取得し、子会社化することを発表しました。

株式会社サンプランソフトは1994年に設立し、自社開発の業務パッケージソフトウェア(輸出入在庫販売管理システム)の開発・カスタマイズ・販売・保守・メンテナンスを手がけています。
株式会社テスクは、流通業の業務システム構築に特化したシステムベンダーで、小売業向け基幹システムと卸売・メーカー向け販売管理システムの開発を行っています。量販型の流通業全体に対応するため、既存オリジナル製品の強化や開発プロセス標準化、新規サービスの創出などに取り組んでいます。

テスク社は、同社がソフトウェア開発事業を伸長させてきた経験とノウハウを活かすことで、更なる業容拡大ができると考え、サンプランソフトの全株式取得を行い、子会社化することを決定しました。サンプランソフト社の参画により、テスク社は新たな顧客層を獲得することができ、また既存顧客へのサービス提供の幅を広げることが可能になりました。より価値のある IT サービスを提供する体制を整えることにより、更なる企業価値の向上を図っていくとコメントしています。

受託システム開発×IT機器商社
内田洋行、子会社スマートインサイトを吸収合併へ

譲渡企業
スマートインサイト株式会社
売上高2億6500万円、営業利益△8100万円、純資産2億6500万円(2022年6月期)
譲受け企業
株式会社内田洋行(東京都中央区)(8057)
売上高2218億5600万円、営業利益78億9000万円、純資産461億1800万円(2022年7月期)

M&Aの概要

スキーム:吸収合併 実行時期:2023年6月

株式会社内田洋行は、100%出資子会社であるスマートインサイト株式会社を、2023年6月末をもって吸収合併することを発表しました。
株式会社内田洋行は、情報システム、教育システム、オフィス構築を手がける専門商社。教育機関へのICTシステム構築および機器の販売、自治体や官公庁へのICTシステム構築および機器の販売など公共関連事業を主軸に展開する企業です。
スマートインサイト株式会社は、2013年にウチダスペクトラム株式会社より新設分割されて設立。クラウドやIoT、ビッグデータ処理に必要とされる技術開発、製品開発を積極的に行い、拡大、多様化する情報の有効活用を図るエンタープライズソフトウェアを提供していました。 株式会社内田洋行は、本合併の目的を、経営資源の集中と管理の合理化を図るためとコメントしています。

ソフトウェア(医療)×ソフトウェア(ERP/医療)
インフォコム、医療用画像診断システム開発のジェイマックシステムを子会社化

譲渡企業
株式会社ジェイマックシステム(北海道札幌市)
売上高21億7700万円、営業利益2億2500万円、純資産6億8400万円(2022年6月期)
譲受け企業
インフォコム株式会社(東京都港区/4348)
売上高703億4200万円、営業利益85億2600万円、純資産451億9400万円(2022年3月期)

M&Aの概要

スキーム:株式譲渡/完全子会社化 実行時期:2022年4月

インフォコム株式会社は、東証プライム上場のユーザー系システムインテグレーター。帝人グループのIT戦略企業であり、医療・企業・公共機関向けにシステム構築やパッケージ製品を提供するITサービス事業、一般消費者向けの配信サービス等を提供するネットビジネス事業を主軸に展開しています。また、ベンチャー投資・M&A・海外事業を通じ新規事業創出を見据えた取り組み、AI/IoTをはじめとする新規技術の研究を実施しています。
譲渡企業のジェイマックシステムは、北海道に本社を置くシステム開発企業。診療放射線部門技師が多数所属し、クラウド及びAI画像解析技術を用いた医用画像診断支援システム(Computer Aided Diagnosis: CAD)を自社で開発・提供しています。

譲受け企業のインフォコムは、今回の株式取得により、製品ラインナップ拡充とともに中小規模医療施設市場への展開を加速し、既存事業の成長を図るとともに、M&A等による業容の拡大を継続するとコメントしています。

ソフトウェア開発×人材関連サービス
ビジョナル、経費精算クラウドシステムのイージーソフトを子会社化

譲渡企業
イージーソフト株式会社(東京都町田市)
譲受け企業
株式会社ビズリーチ(東京都渋谷区)
※ビジョナル株式会社(4149)の連結子会社

M&Aの概要

スキーム:株式譲渡/完全子会社化 実行時期:2022年3月

2022年3月、ビジョナル株式会社は、傘下のビズリーチを通じて、経費精算クラウドシステムを提供するイージーソフトの全株式を取得し、子会社化しました。
譲渡企業のイージーソフトは、2000年に設立したシステム開発会社です。20年以上にわたって経費精算領域に特化したパッケージソフトの開発・販売・保守、および経費精算クラウドシステムの提供・運営を行っています。
譲受け企業のビズリーチは、ビジョナルの連結子会社で、主にHR領域でビジネスを展開していました。インターネットを活用したサービス事業、人財活用クラウド「HRMOS(ハーモス)」シリーズを提供しています。

ビジョナルは、本件M&Aを通じて、イージーソフトとシナジー効果創出を目指すとともに、「HRMOS」の中期的な成長戦略であるHCMエコシステムの構築促進を目指すとコメントしています。
2022年11月、イージーソフト社が提供していたクラウド経費精算システム「eKeihi」は「HRMOS(ハーモス)経費」として、リニューアルされています。

自社パッケージソフト開発業界の
M&A仲介実績

日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した自社パッケージソフト開発業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2023年3月までの実績を掲載しています。次回の更新(2023年4月~6月分)は2023年7月28日以降の予定です。

譲渡会社
企業様
譲受け会社
企業様
2023年6月 受託開発ソフトウェア
(関東)
自社ソフトウェア開発
(関東)
2023年6月 自社ソフトウェア開発
(関東)
受託開発ソフトウェア
(関東)
2023年3月 自社ソフトウェア開発
(関東)
自社ソフトウェア開発
(東海・北陸)
2023年2月 自社ソフトウェア開発
(関東)
自社ソフトウェア開発
(関東)
2023年2月 受託開発ソフトウェア
(関東)
自社ソフトウェア開発
(関東)

自社パッケージソフト開発業界を含むIT・情報通信業界のM&A仲介実績一覧

自社パッケージソフト開発業界の
最新のM&A事例インタビュー

当社の仲介によりM&A・事業承継された自社パッケージソフト開発業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

自社パッケージソフト開発業界のM&A事例インタビュー一覧

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