土木・舗装工事業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

土木・舗装工事業界のM&A

土木・舗装工事業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、土木・舗装工事業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。

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⽬次

土木・舗装工事業界の概要とM&A動向

土木・舗装工事業界には、地盤改良工事や鉄道工事、道路舗装工事などの分野において活動する企業が含まれています。国土交通省の「建設投資見通し」によれば、土木工事の市場規模は2024年度には25.8兆円に達する見通しです。国全体の建設投資額はGDPの約1割を占めており、土木工事の政府投資と民間投資の比率は7:3とされ、公共工事の重要性が浮き彫りになっています。1990年代後半からは減少傾向にありましたが、2012年を底に東日本大震災や東京2020オリンピックによる大規模開発に支えられ、最近では政府投資も増えており、長期的な拡大に期待が寄せられています。土木工事の受注は約7割が政府向けであり、民間投資の増加も見られます。また、インフラ老朽化に伴う維持・補修・改修が重要な課題となっています。
本業界は重層的な下請構造を持ち、下請け完成工事高が半数以上を占めています。元請け業者から専門的な工事が下請け企業に発注される構造であり、近年では就労環境や品質管理に関する課題が指摘されています。
公共工事においては橋梁や高架構造物工事が多く、民間工事では鉄道工事が最も多い傾向があります。さらに、道路舗装工事では、高速道路や一般国道の舗装を主要業務としており、アスファルト舗装が中心です。2022年度の日本道路建設業協会の受注実績は0.9兆円に達し、官公庁からの発注が4割、民間は6割を占めています。民間事業者が官庁から受注した工事を他の事業者に再委託することもあります。道路舗装業界は公共工事が中心であり、都道府県や国土交通省、NEXCOなどが発注元です。そのため、業界の業績は公共投資の動向に大きく影響されます。公共工事が主体となるため、業界の将来は公共投資の動向次第とも言えるでしょう。
このように、土木工事業界は公共投資の影響を大きく受けるため、今後の公共投資の動向が業績に強く影響します。また、道路工事は年間を通じて行われることが一般的ですが、舗装工事は、工程の最終段階にあたるため、第4四半期に集中する傾向があります。繁忙期の偏重を避けるために、M&Aによって事業の多角化・リスクの分散を目的とするケースもあります。

インフラの老朽化が課題

日本のインフラは高度経済成長期の1960年代に集中的に整備されたものが多く、今後急速に老朽化することが懸念されています。
道路や橋梁、上下水道などのインフラは経済活動の基盤ですが、これらの点検・診断・修繕の重要性とコストが増しています。日本では2012年の笹子トンネル崩落事故を受け、「インフラ長寿命化基本計画」が策定されましたが、インフラの劣化状況は多くがCやDの評価を受けています。
今後数年でさらにインフラの老朽化が加速すると予測され、2030年には道路橋の約55%、トンネルの約36%が経年50年を超える見込みです。インフラ老朽化は経済活動を阻害し、持続可能な成長に影響を与えます。そのため、インフラの適切な維持管理が求められています。

土木工事の需要が高まる一方で、保守を行う技術者が減少し、作業が追い付かない大きな要因となっています。国土交通省が発表する労働力調査年報では、建設技能者の多くが10年後には引退する一方、若年層の入職が進んでおらず、熟練作業員の人員不足が懸念されています。若手入職者の確保や育成、長時間労働の是正や建設技能者の処遇改善などの問題が、建設業界全体で課題となっています。このような状況下で、後継者不足に伴いM&Aを選択されるケースが増加しています。特に地方都市では、下請け先が確保できず成長が見込めないため、M&Aに頼る企業が多くなっています。また、地方では道路や橋梁、トンネルなどのインフラ老朽化が進行しており、維持・修繕の重要性は今後ますます高まるでしょう。

図:建設業就業者の高齢化の進行
図:建設業就業者の高齢化の進行

参考:総務省「労働力調査」、国土交通省「建設業及び建設工事事従事者の現状」

土木・舗装工事業界をとりまく環境

本セクションでは、土木・舗装工事業界をとりまく環境を、直近と5~10年の傾向をもとに整理・分析しています。

なお、建設工事受注動態統計は2021年度以降、推計方法の見直しに伴う系列の変更・復元が行われています。建設総合統計は2022年5月の検討会決定に基づき遡及改定が実施されています。年次・時系列の前後比較にあたっては、出典公表の注意事項に従い慎重に解釈してください。

市場・受注/出来高・投資動向

受注
建設工事受注動態統計の2024年年計は、受注高総額121兆5,371億円(前年比+9.9%)となっています。内訳は元請78.4兆円(+7.7%)、下請43.2兆円(+14.1%)です。建築・土木ともに増勢で、物価転嫁の進展も寄与したとみられます(いずれも2025年2月公表資料に基づく)。
大手動向
大手50社調査の2024年計では、建築12.6兆円(前年比+7.0%)、土木6.1兆円(+12.9%)となっています。国内受注は18兆円(+7.6%)で、土木は5.6兆円(+8.7%)と公共・更新案件が下支えしています。
投資
建設経済研究所の「建設投資の見通し(2025年度)」では、名目建設投資75.4兆円(前年度比+2.5%)と見込んでいます。短期的には資材・労務コスト上昇下でも更新・防災投資が底堅い構図です。
出来高
建設総合統計(出来高)は公表ごとに年次改定を伴います。地域別では公共主体の地方と民間主体の都市圏で波形が異なり、平準化・通年化の取組が継続しています(参考:統計の留意事項)。
道路ストック
道路統計年報(2024/2025版関連資料)によれば、一般道路計の実延長は1,221,850km、改良率63.0%、舗装率60.9%(いずれも2023年3月31日時点)となっています。一般国道の改良率93.3%、都道府県道71.3%など、更新・改良需要は引き続き高位にあります。
M&A観点
受注・投資・出来高の3系列(受注動態統計/建設総合統計/建設投資見通し)を統合的にトラッキングし、地域ドミナント×工種補完(例:舗装×河川×下水)でポートフォリオ分散を図る買収が有効です。受注の年計・四半期平準化に資する施工領域の組み合わせ(舗装最終工程の季節偏重に対する年間稼働化)をPMIのKPIに組み込むことが重要です。
政府統計の総合窓口
国土交通省:建設工事受注動態統計調査報告(令和6年計分)
建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果
建設総合統計 グラフポータル by GD Freak!
24年建設工事受注高 前年比9.9%増の121兆円 物価高を反映

事業者・拠点・装備

事業者数
受注動態統計の対象母集団は建設業許可業者約47万社のうち約1.2万社(月次調査)です。市場は多層・多数事業者で構成され、地域・工種別に大手・準大手・地場の分業が進んでいます。
合材サプライ
日本アスファルト合材協会の年報等によると、2024年度のアスファルト合材製造数量は3,552万3,000t(前年度比▲2.3%)で4年連続減、稼働率は34.5%(対象1,009工場)となっています。地区差が顕著で、地域連携や共同利用の重要性が増しています。
公共工事設計労務単価
2025年3月適用の全国全職種加重平均は24,852円(前年同月比+6.0%)です。13年連続の引上げで、主要職種でも+5%前後の上昇が続いています。地域差も残存しています。
M&A観点
合材・骨材・運搬・重機の垂直補完(合材工場×施工×輸送)や、同一ブロック内のヤード・拠点統合で固定費逓減が見込めます。PMIでは合材配車の統合(積込時刻平準化)、重機共用の稼働率KPI、資格者配置の共有化を初期100日プランに設定することが効果的です。
国土交通省:建設工事受注動態統計調査報告(令和6年計分)
全国製造数量過去最少3552万t/稼働率も34.5%で最低/日合協・24年度統計

需要側ファクター(防災・更新・民間投資)

防災・減災/国土強靭化
激甚化する風水害・地震対応で、河川・道路の耐災害化、盛土・斜面対策の更新需要は継続しています。地方圏では防災・維持補修が土木ボリュームのベースとなっています。
維持更新
道路統計年報の改良率・舗装率推移(一般道路計の舗装率60.9%)は高水準ながら、老朽化ストックの維持更新サイクルが拡大しています。舗装の打替え周期や橋梁補修、トンネル覆工更新の平準化が進んでいます。
民間
物流・工場、再エネ(太陽光・風力)開発の造成・接続工事、都市再開発関連の外構・ライフライン付帯土木が一定水準にあります。
M&A観点
官需偏重リスクを補うため、民需の造成・外構・維持の比率を高める買収(造成/ラインマーキング等)や、災害対応力の高い企業の統合で入札加点・緊急対応力の改善を狙うことが重要です。

制度・規制・DX

主要法令の要点
建設業法(許可・経審・下請保護・施工体制台帳等)、入札契約適正化法(入札・契約手続の透明化、ダンピング対策等)、公共工事品質確保法(発注者責務・担い手確保・品確)が主要な法令です。電子入札・電子調達は国土交通省電子入札システム(e-bisc)や入札情報サービス(統合PPI)、政府の調達ポータル(GEPS)により普及しています。
BIM/CIM・i-Construction
2025年(令和7年)3月の「BIM/CIM取扱要領」等の改定により、直轄土木での適用方針・標準類(J-LandXML Ver.1.7等)が更新されています。数量算出・電子納品との連携が進展しています。
働き方改革
建設業の時間外労働の上限規制は2024年4月適用となりました。原則は月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間、時間外・休日の合計は複数月平均80時間以内・単月100時間未満等(災害復旧等に一部例外)となっています。
CCUS
建設キャリアアップシステムの2025年8月末登録は技能者171万人・事業者30万社、累積就業履歴2,200万超となっており、現場活用が拡大しています。
M&A観点
電子入札・BIM/CIM・CCUS対応度は買収先選定の重要指標です。PMIではBIM/CIMの標準テンプレ統合、CCUSの現場運用(入退場・能力評価)統一、電子契約/保存法への一斉対応で監査耐性を確立することが効果的です。
国土交通省電子入札システム
国土交通省:技術調査
厚生労働省:建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

供給・ロジスティクス/資機材

2024年問題
自動車運転の業務にも上限規制が適用され、合材・骨材・アスファルト乳剤等の輸送で配車効率・積込時間の厳格化が進行しています。夜間施工との整合・共同配送・モーダルシフトの模索が続いています。
合材
前述の通り2024年度合材製造3,552万t(▲2.3%)となっています。需要の地域偏在と工場稼働率34.5%はサプライチェーン設計の前提となっています。
骨材・セメント
運搬制約・在庫確保・温度管理(合材の品質確保)等、施工時品質を左右する要素です。
M&A観点
拠点相互のバックアップ・中継ヤード共用・共同配送網の統合による輸送拘束時間の最適化がシナジー源泉となります。
厚生労働省:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)
全国製造数量過去最少3552万t/稼働率も34.5%で最低/日合協・24年度統計

人材について

年齢構成
熟練技能者の高齢化と若年入職の伸び悩みが構造課題となっています。CCUSで就業履歴の可視化・評価軸標準化が進行しています。
賃金動向
公共工事設計労務単価の全国平均は2025年3月に24,852円となり、13年連続上昇しています。現場管理・警備等も伸長しています。原価反映と適正工期・適正な労務管理が不可欠です。
M&A観点
統合後は資格者(1・2級施工管理技士等)配転の全社最適化、安全教育とOJT標準化、技能伝承プログラム(CCUSと連動)で人材投資のROIを可視化することが重要です。

ガバナンス/安全・品質・コンプライアンス

入札・契約の適正化(入契法)、下請法・独禁法の遵守、出来形・品質管理の標準類、情報セキュリティ・電子契約の留意、安全衛生・交通安全の徹底が求められています。

M&A観点
PMIデイ1でのコンプライアンス・監査観点の統合(反社・談合・下請適正化・情報セキュリティ)と、品質・出来形・原価の三位一体ダッシュボード化が効果的です。

土木・舗装工事業界の今後の課題と展望

本セクションでは、3~5年スパンで、土木・舗装工事業界の課題とその対応策、今後の展望について整理・分析していきます。

近年の主要課題とその対応策

利益率圧迫(人件費・資機材・運搬費)

現状認識
公共工事設計労務単価は2025年3月時点で+6.0%(全国平均24,852円)となっています。賃上げ継続の中、下請単価転嫁・適正工期の確保が生命線です。合材製造は縮小傾向で固定費負担が残っています。
対応策
・総価契約でも単価内訳の見える化で労務・燃料のスライド条項明確化
・工期平準化(夜間×昼間分散、舗装工程の分包見直し)
・協力会社との価格転嫁の協定化
M&A示唆
合材工場・輸送・舗装施工の垂直補完で原価の「川上〜川中〜川下」を一体最適化できます。購買一元化・共同配送・ヤード共用で粗利率の下支えを図ることが可能です。

ロジ再編(2024年問題対応)

現状認識
運転時間上限で長距離・夜間の搬送余力が制約されています。積込・荷降ろしの待機削減が重要です。
対応策
・共同配送/中継拠点の構築
・現場の段取り(合材温度・転圧時機)と配送計画の統合最適化
・モーダルシフトの実証
M&A示唆
地域内で輸送・倉庫・資材ヤードを持つ企業の買収で「配送窓」を拡張し、設備投資を分散できます。PMIで配車・工程マスターを統合し拘束時間KPIを共通管理することが効果的です。
厚生労働省:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)

人材確保・技能継承

現状認識
熟練者の退職波、若手流入の鈍化が課題です。CCUS登録(2025年8月末:技能者171万人、事業者30万社)で履歴・能力の見える化が進んでいます。
対応策
・等級・職能に連動した賃金テーブル整備
・施工管理DX(出来高・原価・安全のリアルタイム集約)
・ジョブ型配置と多能工化のリスキリング
M&A示唆
統合で教育機能を集約(技能研修センター・eラーニング)し、資格保有者のプールを広域に再配置できます。CCUSと人事評価の連携で昇格・配置の客観性を担保することが重要です。

デジタル(BIM/CIM・電子入札・電子契約・電帳法・インボイス)

現状認識
2025年3月のBIM/CIM基準改定(取扱要領、J-LandXML1.7)で3D成果の標準化が一段進んでいます。電子入札・PPI・GEPSで入札〜契約〜請求の電子化が普及しています。
対応策
・統合モデルで出来形・品質・安全データを連関(デジタルツイン)
・積算・数量算出の自動化と監査ログ管理
・電子契約・電帳法対応のワークフロー共通化
M&A示唆
BIM/CIM・電子契約の成熟度が高い企業をハブに据え、標準をグループ内に水平展開できます。データ連携(J-LandXML/原価・出来高DB)の統合がPMIの肝となります。
国土交通省:技術調査:BIM/CIM関連基準要領等(令和7年3月)

ガバナンス/コンプラ(入契法・品確法・下請法、長時間労働上限)

現状認識
2024年4月から時間外上限規制が罰則付きで適用されています。入札・契約の適正化、担い手確保と品質確保が要件化されています。
対応策
・工期・価格・仕様の適正化交渉を体系化
・協力会社への下請適正化/36協定指導
・稼働・残業の見える化
M&A示唆
統合後にリスク管理・監査チームを共通化し、入札・契約・下請・労務に跨る統合コンプライアンス基準を一本化することが効果的です。
厚生労働省:建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

フォーマット/"出面"最適化(大型土木×維持補修のポートフォリオ)

現状認識
大型新設の波と維持補修の定常ボリュームが地域で非同期となっています。
対応策
・舗装(最終工程)と法面・河川等の分散工種を抱えて通年稼働率を向上
・JV・共同企業体で大型土木の受注力を補完
M&A示唆
地域密着の維持系と広域の大型対応力を持つ企業の補完買収で、受注力・稼働率・原価の三立を実現できます。

倒産/再編の地合い(信用情勢)

現状認識
2025年上半期の建設業倒産は986件で4年連続増、上半期として過去10年で最多ペースとなっています。2024年度の全業種倒産は1万70件(+13.4%)で11年ぶり1万件超です。人手不足・物価高が背景にあります。
対応策
・資金繰り指標(運転資金回転日数、完成工事未収金)管理強化
・価格転嫁・設計変更の書面化
・工事別損益の月次モニタリング
M&A示唆
サプライチェーン維持を目的としたスポンサー型M&Aや、地域ドミナント形成による入札競争力の維持を検討することが重要です。
「建設業」の倒産動向(2025年上半期)

リスク管理(災害BCP・品質・情報セキュリティ)

現状認識
広域災害時の合材供給・ヤード確保、施工時の温度・締固め品質、電子契約・図面データの保全が論点となっています。
対応策
・代替プラント・中継ヤードの事前協定
・品質IoTと出来形連動の温度・密度トレーサビリティ
・BCPとSOC連携のサイバー対策
M&A示唆
広域プラント網・BCP体制を持つ買収先の統合で事業継続性を高めることができます。

2026〜2028年の見通し

ベース
建設投資は年+1〜2%程度の伸び、受注高は横ばい〜微増、労務単価は年+2〜4%の上昇レンジを前提としています。KPI=①受注高前年比②粗利率③稼働率(重機・人員)④CCUS活用率⑤合材製造と出荷回転となります。
上振れ
国土強靭化・維持更新の重点化、BIM/CIMの生産性寄与が進展することで、M&Aで供給網・人材・デジタルを同時に強化できれば営業CFとROICの改善が加速します。
下振れ
人手不足倒産・資材高止まり・運搬制約の長期化が懸念されます。TDB動向で倒産増勢が続く場合、案件選別と固定費の変動費化が急務となります。
建設総合統計 グラフポータル by GD Freak!
「建設業」の倒産動向(2025年上半期)

PMIのチェックリスト

  • 工事マスタ統合(JV・単体・下請種別/工期・歩掛・出来高)
  • 原価・出来高・出来形の一体管理と月次着地差異分析
  • 合材/骨材購買の統合入札・単価表統一
  • 重機・車両・計測機の共用台帳
  • 資格者・配置技術者の全社最適化(経審・入札加点の最大化)
  • 契約・設計変更・出来形検査の電子ワークフロー
  • BIM/CIMデータ(J-LandXML)・写真電子納品・CCUSの統合運用
国土交通省:技術調査:BIM/CIM関連基準要領等(令和7年3月)

土木・舗装工事業界における
M&A活用のメリット

土木・舗装工事業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット
  • 後継者問題を解決できる
  • 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
  • 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
  • オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
  • 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
譲受け側のメリット
  • 民間分野進出の足がかりを作ることができる
  • 売上規模・シェアの拡大・地域補完が見込める
  • 事業多角化・新規事業への参入
  • 人材の獲得・技術力の向上
  • シナジーの創出
  • バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
  • リスク分散ができる
  • コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コストなど)

土木・舗装工事業界で
M&Aを実行する際のポイント

土木・舗装工事業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。

  • 過去の受注調整
  • 重機は自社かリースか
  • 経審の評点と実際の違い(二重帳簿の存在有無)
  • 労務問題
  • 財務問題
  • コンプライアンス
  • ガバナンス・管理体制

ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

土木・舗装工事業界における
M&Aの価格相場

土木・舗装工事業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。

※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定

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あなたの会社が現在どう評価をされるか、ぜひ見てみませんか?

次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、土木・舗装工事業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。

なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

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業界別M&Aレポート編集部

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業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。

土木・舗装工事業界の
最新M&A事例を解説

近年に実施されたM&Aから土木・舗装工事業界の事例をご紹介します。建設業は、GDP、就労人口、国内生産額において、いずれもその割合が高い重要な基幹産業です。事業者数も多いため、M&Aが積極的に行われています。

土木工事×建築工事・ゼネコン
インフロニアHD、三井住友建設の完全子会社化に向けTOB実施へ

譲渡企業
三井住友建設株式会社(1821)
譲受け企業
インフロニア・ホールディングス株式会社(5076)

M&Aの概要

スキーム:TOB 実行時期:2025年7月頃

2025年5月14日、インフロニア・ホールディングス株式会社(以下、インフロニアHD)は、三井住友建設株式会社の普通株式を、公開買付け(TOB)により取得すると発表しました。三井住友建設は、TOBに対して賛同を表明しています。TOBが成立すれば、三井住友建設は上場廃止となる見通しです。

インフロニアHDは、前田建設工業や前田道路を傘下に持つ持株会社です。傘下子会社及びグループ経営管理並びにこれに付帯又は関連する事業を行っています。
三井住友建設は、建設事業(土木・建築・プレストレストコンクリート工事の設計・施工及びこれらに関する事業)、開発事業(不動産の売買、賃貸及び管理に関する事業)を行っています。

インフロニアHDは、三井住友建設を完全子会社とすることで、両社グループが一体となって建設業界全体の課題解決を図ることを目的としています。また、国内建設事業の一層の強化の実現、海外事業の事業規模の拡大、経営資源共有による経営効率の向上と経営環境の変化に対する対応力の強化などのシナジーを狙っています。

株式の公開買付は、2025年7月上旬頃に開始する予定で、30営業日を予定しています。取得額は、約940億円の見通し。両社の単純合算した合計売上高は約1兆2700億円。本件TOBが成立すれば、土木売上高で大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の大手4社に比肩するグループが誕生することとなります。

土木・舗装工事×建築工事・ゼネコン
麻生フオームクリート、TOB成立で上場廃止

譲渡企業
麻生フオームクリート株式会社(1730)
譲受け企業
日特建設株式会社(1929)

M&Aの概要

スキーム:TOB 実行時期:2025年1月28日

2024年12月9日、日特建設は、麻生フオームクリートの普通株式を、公開買付け(TOB)により取得することを決定しました。麻生フオームクリートは、TOBに対して賛同を表明しており、2025年1月28日には、日特建設による麻生フオームクリートの公開買付けが終了し、TOBが成立。2月13日には取締役会で麻生フオームクリートの特別支配株主としての日特建設による株式売渡請求が承認されました。その結果、麻生フオームクリートは3月17日に東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、スタンダード市場から上場廃止となりました。

日特建設は、基礎、地盤改良など特殊土木工事を主力とする総合建設企業。
麻生フオームクリートは、気泡コンクリートの現場施工、地盤改良工事の施工、その他工事の施工及び工事用資材(起泡剤等)の商品の販売等を行っています。
同社とも麻生傘下の上場企業で、グループ内再編の一環として行われます。

日特建設株式会社と麻生フオームクリート株式会社を取り巻く国内建設業界は、気候変動や豪雨災害、地震対策に対応する「防災・減災・国土強靭化」政策のもと、公共工事の発注が継続的に行われる見込みです。しかし、資材価格の高止まりや賃金上昇、少子高齢化に伴う技能労働者不足といった課題が浮き彫りになっています。これにより、国内建設業界は大きな変化を迎えています。
このような環境の中、日特建設は麻生フオームクリートを完全子会社化することを決定しました。これにより、業界環境の変化に柔軟に対応できる経営体制を構築し、成長施策を推進することが可能となります。両社は情報収集網や採算性試算のノウハウを共有し、案件情報の獲得効率を高めることを目指しています。また、技術者の交流を通じて施工理解度の向上、技術レベルの向上、さらに新工法の開発などを進めることを狙っています。

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土木・舗装工事業界の
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日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した土木・舗装工事業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。

譲渡・売却企業 譲受け・買収企業
2025年9月 土木工事(北海道・東北) 建築工事(九州・沖縄)
2025年9月 土木工事(東海・北陸) 建築工事(東海・北陸)
2025年9月 土木工事(東海・北陸) 土木工事(関西)
2025年9月 電気通信工事(東海・北陸) 電気通信工事(関西)
2025年9月 管工事(北海道・東北) 電気通信工事(関東)
2025年9月 プラント関連(九州・沖縄) プラント関連(九州・沖縄)
2025年9月 建築工事(関東) 内装工事(東海・北陸)
2025年9月 内装工事(関東) 内装工事(関東)
2025年9月 外装工事(関東) 外装工事(関東)
2025年9月 建設設計(関東) 建設設計(九州・沖縄)

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最新のM&A事例インタビュー

当社の仲介によりM&A・事業承継された土木・舗装工事業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

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