製造業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

製造業界のM&A

製造業界は、国内GDPの約20%を占める基幹産業です。自動車産業をはじめとする輸送用機械・部品製造業界、家電・通信機械、業務用・産業用機械、電子部品・加工、化学製品製造など多岐にわたります。経営者の高齢化や事業承継問題が深刻化するなか、製造業では半数以上が後継者不在の課題を抱えています。職人気質の中小製造業では、技術力は高いものの営業力や経営能力に課題を抱える経営者も多く、M&Aによって大手企業の傘下に入る中小メーカーも少なくありません。中堅以上の製造業では、デジタル化への対応を目的にIT企業を買収するケースも増えています。本記事では、製造業界の特徴や最新のニュース、M&A動向などをご紹介します。

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⽬次

製造業界の概要とM&A動向

製造業は日本の経済において重要な役割を果たしており、国内総生産(GDP)の約20%を占める基幹産業です。自動車産業をはじめとするさまざまなセクターが製造業に含まれており、トヨタやソニーなどの大手企業がその代表的存在です。しかし、製造業にはさまざまな課題が存在し、今後の成長戦略を見据える必要があります。

中小規模の事業者の中では、機械部品の製造や金属加工などの分野が重要な役割を果たしています。これらの企業は、大手完成車メーカー(Tier1)やそのサプライヤー(Tier2)に部品を供給するTier3やTier4の位置にあります。売上高数億円規模の企業が多く、主に機械に使用されるネジや電子部品の製造、部品の金型製造などを担当しています。

製造業は外部環境の変化に強く影響を受ける産業です。例えば、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、ロシアによるウクライナ侵攻など、事前の予測が困難な事象が相次いで発生し、国内の製造業においてもサプライチェーンの強靱化は重要な課題となっています。サプライチェーンとは、原材料の調達から製品の製造、最終的な顧客への配送までの一連の流れを指します。このサプライチェーンを強靱化することで、リスクの低減や迅速な対応、コストの最適化が可能となります。また、脱炭素の実現に向けた世界的な気運の高まりにより、自動車業界では、現在ガソリン車から電気自動車への移行が進んでおり、EVシフトが急速に進展しています。ガソリン車には約3万点の部品が使用されていますが、電気自動車では約2万点にまで部品の数が減少します。その結果、使用されなくなる1万点の部品を供給していたメーカーはどのような戦略を取るべきかが課題となっています。

図)製造業に影響を与えるリスク要因
図)製造業に影響を与えるリスク要因

参考:経済産業省「2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」(資料)経済産業省 「第1回デジタル時代におけるグローバルサプライチェーン高度化研究会」(2022年6月)

中小企業のM&A戦略:後継者問題と新たな提携の展開

中小企業のM&Aでは、事業承継、後継者不在問題の解消が主な背景として挙げられます。ほかにも、40代50代のオーナーが継続的な事業運営を行うために大手企業と提携する戦略的なM&Aが増えています。企業の成長戦略を描くためには、現状維持の限界や大きな産業の変化への対応が求められます。また、モノづくりの企業を継承して成長させたいという意欲を持つ企業は、M&Aのパートナーとして、同じ製造業だけではなく商社やIT企業などの非製造業が占める割合が高いことも注目すべき点です。同業他社だけでなく、全国的にはもちろん国内外や異業種との提携の可能性も秘めています。
製造業は技術力に優れている一方で、取引先との関係が固定化されているため、自社を営業して売り込むことに苦手意識を持つ企業が多く存在します。そこで近年のM&Aの傾向としては、比較的若いオーナー社長でも技術力を活かして戦略的な提携を組み、現状を打破するケースが増えています。これからも技術力を持つ企業がM&Aを通じて新たな展開を図り、成長を遂げることが予想されます。

製造業の成長戦略:技術力の活用と時代の変化への柔軟な対応

製造業の成長戦略:技術力の活用と時代の変化への柔軟な対応

製造業は日本の産業の中でも重要な位置を占めており、今後の成長に向けては大きな課題に直面しています。前述した自動車業界のEVシフトのような社会の変化、AIなどの新しい技術、後継者問題、新たな提携戦略の展開など、さまざまな課題に対して積極的な戦略が求められます。たとえば、EV 化の流れは不可逆ですが、すぐにエンジンが不要になるわけではありません。しかし、環境は着実に変化しています。日々の業務に追われ、なにも手を打たずにいれば企業価値を保つことは難しいでしょう。業界の流れを読み、変化する時代にあわせた戦略が求められます。また、中小企業のM&Aが製造業の成長戦略において重要な役割を果たしており、非製造業との提携や技術力の活用が注目されています。製造業は持続的な成長を遂げるために、これらの課題に果敢に取り組み、時代の変化に柔軟に対応する必要があります。

当社が仲介するM&Aでも、製造業が関わる事例はとくに豊富で、得意とする領域です。製造業に特化したチームが、近年のトレンドやエリア別の傾向を踏まえ、貴社の課題にあったご提案をさせていただきます。検討段階の方も、まずはお気軽にご相談ください。

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製造業界をとりまく環境

日本の製造業のマクロ構造

日本の製造業は、名目GDPに占める付加価値額の比率が概ね2割前後と高く、雇用・輸出・研究開発投資のいずれの面でも日本経済を支える中核的なセクターになっています。日本銀行や内閣府の統計を総合すると、2023年時点の製造業の付加価値額はおおむね108兆円規模と推計されており、全産業の中でも高い生産性を維持しているとされています。
経済産業省「2023年経済構造実態調査(製造業事業所の概況)」によれば、2023年の製造品出荷額等は約360兆円であり、2021年の約330兆円から増加傾向が続いています。産業中分類別では「輸送用機械器具製造業」が約70兆円・構成比約19〜20%で最大、「化学工業」が約34兆円・構成比約9〜10%、「食料品製造業」が約32兆円・構成比約9%、「生産用機械器具製造業」「鉄鋼業」がそれぞれ6〜7%台を占めており、自動車・化学・食品・機械関連が日本の製造業の主柱になっていることが分かります。
同調査によると、2023年時点の製造業事業所数は約22万拠点、従業者数は約775万人であり、1事業所当たりの平均製造品出荷額等は約16億円、付加価値額は約5億円とされています。事業所数ベースでは金属製品、一般機械、食料品など中小企業中心の分野が多数を占める一方、金額ベースでは輸送用機械や化学など少数の大企業が大きなシェアを持つ「裾野の広い寡占構造」が特徴です。
地域別には、中部・近畿・関東といった自動車・電機・機械関連の集積地域に製造品出荷額等と付加価値額が集中する一方、地方圏にも金属加工・樹脂成形・食品・木材・紙などの中小・中堅製造業が多数立地しており、地域雇用とサプライチェーンを支える存在になっています。
※従来の「工業統計調査」は2020年調査を最後に廃止され、2021年以降は「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」に引き継がれています。調査名称や対象範囲の違いがあるため、長期の時系列比較を行う際には基準改定や定義変更の影響に留意する必要があります。

M&A観点
製造品出荷額等や付加価値額の規模、主要サブセクターの構成比は、投資テーマやディール選定の前提となるマクロ指標です。輸送用機械・化学・食品・機械といった高シェア分野は、OEMやグローバルサプライチェーンの中核を担う企業への投資余地が大きい一方で、地域に分散した中小製造業は事業承継や機能補完型のM&Aニーズが強い層といえます。企業価値評価の際には、単体の売上・利益だけでなく、属するサブセクターの市場規模・成長性・サプライチェーン上の位置付けを踏まえたプレミアム設定が重要になります。
経済産業省「第1章 業況」
経済産業省「2023年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所」
経済産業省「2022年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所」
経済産業省「工業統計調査/経済構造実態調査の概要」

市場・生産・取引動向

鉱工業生産指数(IIP:2020年=100)を見ると、2020年のコロナ禍で大きく落ち込んだ後、2021〜2023年にかけては回復と一進一退を繰り返しながら概ね100前後の水準で推移しており、2024〜2025年も、生産・出荷・在庫が月次で増減を繰り返す「緩やかな回復局面」が続いています。経済産業省の解説では、2025年10月分時点でも「総じてみれば、生産は一進一退で推移」とされており、外需・内需の変動を受けやすい環境が続いていることがうかがえます。
価格面では、日本銀行の企業物価指数(CGPI)において、2022〜2024年にかけてエネルギー・素材価格の上昇が顕著であり、特に電力・都市ガス・石油・非鉄金属といった製造業のコストに直結する品目の上昇率が高い状況が続きました。2024年秋時点でも国内企業物価は前年比2〜3%台の上昇率を維持しており、原材料・エネルギーの高止まりが多くの製造業企業にとって利益率圧迫要因になっています。
需要面では、財務省「貿易統計」や日本貿易振興機構(JETRO)の分析によれば、2023年の日本の財輸出総額は名目約100兆円規模まで拡大し、その大宗を輸送機器、一般機械、電気機器、精密機器など製造業関連品目が占めています。2024年にかけても、自動車や電気機械を中心に数量・金額ともに増加基調の品目が多く、円安環境も追い風となる一方で、数量面では世界需要減速やサプライチェーン制約の影響から伸び悩む品目も見られます。
国内市場は、住宅・インフラ・耐久消費財などの最終需要が人口減少の影響を受けつつも、老朽インフラ更新や省エネ設備投資、災害対応投資などの構造的需要によって一定の底堅さを保っています。他方、為替や海外景気の変動を受ける輸出比率の高い業種では、外需依存度が高いがゆえに業績の振れ幅が大きくなりやすい状況です。
取引チャネルとしては、完成品メーカー向けOEM供給、Tier1〜Tier3にわたる部品サプライヤーチェーン、エンドユーザーへの直販、専門商社経由のB2B取引などが複層的に組み合わさっており、とりわけ自動車・電機分野ではグローバルなサプライチェーンの一部としてのポジションが企業の中長期競争力を左右します。中小企業の多くは特定大手への依存度が高く、価格交渉力や取引条件の制約が収益性に影響するケースが少なくありません。

M&A観点
生産・価格・需要のボラティリティが高まる中、サイクルの異なる事業ポートフォリオを組み合わせることで、収益の平準化や為替・資源価格変動リスクの分散を図る動きが強まっています。完成品メーカーにとっては、サプライチェーン上の重要部品メーカーを取り込む垂直統合や、成長分野の製品ラインを持つ企業の買収によって、ボリューム確保と付加価値の取り込みを同時に追求することがM&Aのテーマになりやすいです。一方サプライヤー側では、取引先の多様化や製品ポートフォリオ拡充に向けた水平統合型M&Aが有効な選択肢となります。
経済産業省「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
e-Stat「鉱工業生産・出荷・在庫指数(2020年基準)」
日本銀行「企業物価指数(CGPI)公表データ一覧」
日本貿易振興機構(JETRO)「2024年版 世界貿易投資報告 概要」

事業者・設備・拠点動向

経済産業省の調査によると、2023年の製造業の事業所数約22万拠点のうち、従業者数30人未満の小規模事業所が件数ベースで6割超を占めており、特に金属製品、一般機械、プラスチック製品、食料品などの分野で中小企業比率が高い構造になっています。一方で従業者300人以上の大規模事業所は数としては少ないものの、製造品出荷額等・付加価値額ベースでは4〜5割を占めるとされており、多数の中小サプライヤーと少数の大企業による「多段階ピラミッド構造」がみられます。
設備面では、財務省「法人企業統計」や日本銀行「短観」によれば、2023年度の全産業ベースの設備投資計画は前年度比10%超の増加、製造業に限っても5〜7%程度の増加となっており、2024年度計画でもプラス成長を見込む企業が多い状況です。省力化投資や老朽設備の更新、脱炭素対応投資など、構造的な設備需要が積み上がっていることが背景にあり、中小製造業でも設備投資額は27年ぶりの高水準に達したと報告されています。
生産拠点の地理的配置を見ると、1990年代以降の海外直接投資拡大を通じて、中国・東南アジア・欧米などに生産拠点を持つ企業が増えましたが、コロナ禍や地政学リスク、為替変動、物流コストの上昇を背景に「国内回帰」「多拠点化」を進める動きも見られます。政府のサプライチェーン対策補助金や経済安全保障推進法に基づく支援策を活用し、半導体・電池・医薬品・重要部材などの国内生産能力を強化するプロジェクトも増えています。
付加価値の源泉としては、高精度加工・微細加工、難削材加工、表面処理・熱処理などの高度な技能や、少量多品種・短納期対応、試作・共同開発対応力などが挙げられます。これらは設備だけでなく、人材・ノウハウ・品質管理体制と結び付いており、後継者不在や人材流出が生じると、企業価値の毀損につながりやすい領域です。

M&A観点
事業所・設備・拠点の構造を踏まえると、大企業による国内外拠点の最適配置や老朽設備の置き換え、中小企業による設備更新・自動化を目的としたグループ化など、資本政策とオペレーション改革を一体で検討する必要があります。M&Aを通じて、設備稼働率の平準化、設備・拠点の統廃合、共通部品・共通調達の拡大などを進めることで、1事業所当たりの付加価値向上と資本効率の改善が期待できます。デューデリジェンスでは、設備年齢構成・保守計画・環境規制適合状況を詳細に確認し、統合後のキャパシティプランニングを精緻化することが重要です。
経済産業省「2023年経済構造実態調査(製造業事業所の概況)」
日本銀行|統計・短観
日本銀行|短観に関する解説
日本政策金融公庫総合研究所「第132回中小製造業設備投資動向調査」
経済産業省「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」

需要側ファクター

人口動態の観点では、総務省「人口推計」および内閣府「高齢社会白書」によると、日本の総人口は2023年時点で約1億2,435万人、65歳以上人口比率(高齢化率)は29%台に達しており、今後も長期の人口減少と高齢化が見込まれています。これに伴い、耐久消費財や住宅の新規需要は頭打ちとなる一方、医療・介護関連機器、環境・省エネ設備、リフォーム・更新需要などの比重が高まる構造的変化が生じています。
企業の設備投資については、日本銀行「短観」や中小企業白書の分析から、2023〜2024年度にかけて製造業・非製造業ともに設備投資計画が高い水準にあり、とりわけ中小企業でも更新投資・能力増強投資が増加していることが示されています。老朽設備の更新、省力化・省エネ投資、DX投資、環境対応投資などが複合的な需要ドライバーとなっており、機械・電機・FA機器・計測機器などの製造業に追い風となっています。
輸出需要の面では、JETROや通商白書の分析が示すとおり、輸送機器や一般機械、精密機器など高付加価値品を中心に、日本の製造業はなお高い競争力を維持している一方、世界シェア低下や数量ベースの伸び悩みといった課題も抱えています。EVシフト、再生可能エネルギー投資、デジタルインフラ投資などの成長分野では新たな需要獲得の機会がある一方、内燃機関向け部品など構造的に需要が縮小する分野では事業ポートフォリオの見直しが避けられません。
ESG・サステナビリティの観点では、サプライチェーン全体でのCO2排出削減、再エネ利用拡大、リサイクル材活用、脱プラスチックなどに対する顧客・投資家の要求水準が高まっており、とりわけ欧州企業との取引やグローバルサプライチェーンへの参画には、LCA(ライフサイクルアセスメント)やスコープ3排出量管理など高度な取り組みが求められる場面が増えています。

M&A観点
需要構造の変化は、どの事業・製品に資本・人材を再配分するべきかというポートフォリオ戦略と密接に結び付きます。老朽インフラ更新、省エネ・再エネ、医療・介護機器、EV関連など成長期待の高いエンドマーケットに対しては、関連技術・認証・顧客基盤を持つ企業の買収や合弁設立により、参入スピードを高める選択肢があります。一方、構造的に需要が縮小する事業については、カーブアウト・事業譲渡を通じて事業再編を進めることで、グループ全体のROIC向上と経営資源の集中を図ることが重要です。PMIでは、エンドマーケット別に売上・粗利・受注残などのKPIを可視化し、資本配分と撤退・縮小の優先順位を判断することが実務上のポイントになります。
総務省統計局「人口推計」
内閣府「令和6年版 高齢社会白書 第1章 第1節」
中小企業庁「2024年版 中小企業白書 第1部第3章第4節 設備投資」
経済産業省「2023年版 通商白書 第2節 我が国の貿易収支構造の強靱化に向けた課題」

制度・規制・DX

製造業に関連する法令・規制としては、労働安全衛生法、労働基準法、化学物質管理を規定する化学物質管理法(化審法)やPRTR制度、環境基本法・大気汚染防止法・水質汚濁防止法、廃棄物処理法などの環境関連法令、独占禁止法・下請代金支払遅延等防止法(下請法)などの取引関連法令が挙げられます。加えて、製造物責任法(PL法)に基づく製造物責任やリコール対応も、品質・安全に関する重要な法的枠組みです。
政策面では、研究開発税制や中小企業投資促進税制、カーボンニュートラル投資促進税制などを通じて、設備投資や脱炭素投資を後押しする税制優遇・補助金が多数整備されています。また、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の供給確保支援や、サプライチェーン強靭化のための国内投資促進事業費補助金など、地政学リスクやパンデミックリスクを踏まえた支援制度も拡充されています。
DXの観点では、IoT・センサーを活用したスマートファクトリー化、製造実行システム(MES)や生産管理システム、ERP・PLMの導入による工程・コスト管理の高度化、AIによる需要予測・品質検査・故障予知などの取り組みが進んでいます。2023年版・2025年版ものづくり白書では、DXに積極的な製造業企業ほど売上高・生産性が高い傾向が示される一方、人材不足や投資回収への不安から、DXの本格展開に踏み切れていない中小企業も多いと指摘されています。
品質・認証の面では、品質マネジメントシステムのISO9001、環境マネジメントシステムのISO14001、自動車産業向け品質マネジメント規格であるIATF16949、航空宇宙分野のAS9100など、業界特有の国際規格への適合がサプライチェーン参加の前提条件となるケースが多くなっています。これらの認証取得・維持には、文書化されたプロセス、内部監査、是正・予防措置(CAPA)などの体系的な運用が求められます。

M&A観点
規制対応力やDX進展度合いは、企業価値評価とPMIの成否に直結します。環境・労働・化学物質規制への対応が遅れている場合、将来の投資負担やコンプライアンスリスクとしてバリュエーション調整の対象となり得ます。一方で、DXを通じて高い生産性やトレーサビリティを実現している企業は、シナジー創出余地が大きく、プレミアム評価の根拠となります。デューデリジェンスでは、主要法令への適合状況、認証取得状況、DXロードマップ・投資計画を詳細に把握し、ディールストラクチャー(段階取得やアーンアウト条項の設定など)に反映させることが重要です。
経済産業省「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」
内閣官房「サプライチェーン強靱化の取組(経済安全保障推進法)」
経済産業省「2023年版 ものづくり白書(業況・生産性・人材)」

供給・ロジスティクス/サプライチェーン

原材料・エネルギー価格は、2021年以降の資源高・円安の影響を受け、鉄鋼・非鉄金属・プラスチック樹脂・化学品、電力・ガス料金など多くの項目で上昇しました。2024年以降は一部商品でピークアウトの兆しも見られるものの、日本銀行の企業物価指数の分析では、多くの素材・エネルギー関連品目がなお高い水準にあるとされており、調達コスト増加は中長期の構造課題になっています。
サプライチェーンの地政学リスクも高まっており、半導体・電子部品、電池・重要鉱物、自動車部品などで特定国・特定企業への依存度が高い場合、輸出規制・制裁・自然災害・感染症などによる供給途絶リスクが顕在化する可能性があります。政府のサプライチェーン対策補助金や経済安全保障推進法に基づく支援措置は、こうしたリスク分散と国内生産能力の強化を目的とした投資を後押しするものです。
物流面では、いわゆる「物流の2024年問題」として、トラックドライバーに対する年間時間外労働上限960時間や拘束時間規制などの働き方改革関連法制が2024年4月から本格適用され、長距離輸送・深夜輸送を前提としたサプライチェーンの見直しが求められています。国土交通省や厚生労働省の資料では、モーダルシフト(鉄道・内航海運への輸送転換)や共同配送、積載率向上などの取り組みが重要とされています。
製品特性に応じては、コールドチェーン(低温物流)、クリーンルーム対応輸送、危険物輸送など高付加価値・高難度の物流が必要となるケースも多く、物流パートナーや自社物流機能の選定は、品質・サプライチェーンレジリエンスの観点からも重要性を増しています。

M&A観点
サプライチェーン強靭化や物流効率化は、単一企業では対応が難しいテーマであり、調達先・物流事業者・加工業者などを巻き込んだ連携や統合が有効です。原材料・部材の内製化や上流サプライヤーの取り込み、特定地域における共同物流会社への出資・買収などにより、供給リスクの分散とスケールメリットを同時に追求するアプローチが考えられます。PMIでは、調達条件・物流契約・在庫ポリシー(安全在庫水準、発注ロット、リードタイム)の統合設計が重要な論点になります。
日本銀行「企業物価指数(CGPI)公表データ一覧」
経済産業省「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」
国土交通省「物流の2024年問題について」
厚生労働省「トラック運転者の働き方改革 特設サイト」

人材

製造業の従業者数は長期的には減少傾向にあり、総務省「労働力調査」やものづくり白書の分析によれば、若年層の製造業就業者は減少する一方、中高年層・高齢層の比率が高まっています。特に地方の中小製造業では、技能人材の高齢化と若手採用難が同時進行しており、技能伝承や多能工化の仕組みづくりが大きな課題になっています。
日本生産性本部などの統計では、製造業の1人当たり労働生産性は全産業平均を上回るものの、近年の賃上げ圧力や人手不足を背景に、人件費率は上昇傾向にあります。一方で、DXや自動化投資を積極的に進める企業では、生産性上昇率が高く、賃上げと収益性確保を両立している事例も報告されています。
必要な人材像も変化しており、従来の技能工・オペレーターだけでなく、IoT・AI・データ分析を活用できるDX人材、海外拠点をマネジメントできるグローバル人材、品質・安全・環境対応に長けた専門人材など、多様な職種・スキルの組み合わせが求められています。技能検定(機械加工・溶接・電気機器組立など)や電気主任技術者・ボイラー技士・危険物取扱者・安全衛生関連資格といった国家資格も、多くの製造業で重要な役割を担っています。

M&A観点
人材獲得・育成を目的としたM&Aは、製造業においても重要性を増しています。技能伝承が課題となる中小企業を大手グループが承継し、人材・ノウハウをグループ全体で共有するケースや、DX推進に必要なIT・データ人材を持つ企業を買収するケースなどが想定されます。PMIでは、賃金・評価制度、職種別キャリアパス、教育研修体系の統合が成否を左右しやすく、短期的なコスト削減よりも中長期の人材育成・組織文化統合を優先することが望ましいです。
経済産業省「2023年版 ものづくり白書(業況・生産性・人材)」
日本生産性本部「生産性に関する統計・各種データ」

ガバナンス/品質/コンプライアンス

製造業では、品質不正・検査不正・データ改ざんなどの事案が社会的に大きな影響を与えており、品質ガバナンスの強化が重要なテーマになっています。PL法に基づく製造物責任や、リコール対応、是正・予防措置(CAPA)の実効性確保は、顧客・サプライチェーン・規制当局からの信頼維持に不可欠です。品質保証部門と現場のコミュニケーション、内部通報制度の運用、品質監査の独立性など、ソフト面のガバナンスが問われています。
取引面では、独占禁止法や下請法の観点から、優越的地位の濫用や不当なコスト転嫁、過度な値引き要求などの行為が問題視される可能性があります。価格転嫁が課題となる中で、サプライチェーン全体で適正な利益配分を実現することは、持続可能な取引関係の維持にとって重要です。
情報セキュリティ・サイバーリスクの面では、製造現場へのサイバー攻撃やサプライチェーン攻撃、図面・設計情報・機密技術情報の流出などが懸念されており、NISTやISO27001などのフレームワークに基づく情報セキュリティマネジメントや、OT(Operational Technology)領域のセキュリティ対策が求められています。

M&A観点
ガバナンス・コンプライアンス体制の成熟度は、デューデリジェンスにおける重要論点であり、潜在的なリコール・訴訟・制裁リスクはバリュエーションや表明保証・補償条項(R&W)の設計に大きく影響します。買収後は、品質・安全・コンプライアンスに関するポリシー・規程・教育をグループ標準に統一し、内部通報制度や監査機能をグループ全体で整備することで、ガバナンスの一体化とリスク低減を図ることが重要です。
公正取引委員会|法令・ガイドライン等(下請法・取適法)
公正取引委員会|独占禁止法

M&Aリレーション

製造業では、国内外の大手企業グループによる統合・再編が継続しており、自動車・部品、電子部品・半導体、機械・FA、化学・素材など多くの分野で、垂直統合・水平統合・カーブアウトのディールが見られます。グローバル競争の激化や開発コストの増大を背景に、単独企業では賄いきれない規模の研究開発投資・設備投資を分担するための資本提携・ジョイントベンチャー設立も増えています。
一方、地域の中小製造業では、後継者難・事業承継ニーズを背景に、事業承継型M&Aや大手グループへの参画が重要なテーマになっています。帝国データバンクや東京商工リサーチの集計によれば、2024年の企業倒産件数は約1万件と2013年以来の高水準に達しており、そのうち製造業倒産は約1,100件・前年比16%増とされています。こうした環境下で、後継者不在や資金負担から事業継続を断念する前に、第三者承継やカーブアウトによって企業価値を維持・向上させる選択肢の重要性が高まっています。
クロスボーダーM&Aでは、海外工場・販売会社の取得、現地パートナーとの合弁設立、技術ベンチャーへの戦略投資などを通じて、成長市場へのアクセスや新技術の獲得を図る動きが継続しています。半導体・電池・EV・再エネ関連など、経済安全保障やグリーントランスフォーメーション(GX)に関連する分野では、各国の規制や補助金を踏まえた戦略的な拠点構築が求められます。

M&A観点
製造業における有望なディールタイプとしては、①後継者不在企業の事業承継型M&A、②特定技術・プロセス・認証を持つ企業の技術獲得型M&A、③特定市場・顧客基盤を持つ企業のチャネル獲得型M&A、④不採算・ノンコア事業のカーブアウトによるポートフォリオ再構築型M&A、⑤サプライチェーン強靭化・物流効率化を目的とした機能統合型M&Aなどが挙げられます。投資家・経営者にとっては、マクロ環境・需要構造・人材・規制・サプライチェーンリスクなどの要素を踏まえ、自社の戦略目標と整合的な投資テーマを明確にすることが重要です。
帝国データバンク「倒産集計 2024年報(1月〜12月)」
東京商工リサーチ「2024年(令和6年)の全国企業倒産1万6件」

製造業界の今後の課題と展望

今後3〜5年の前提とシナリオイメージ

今後3〜5年程度(2026〜2030年頃)を見通すと、日本の製造業は、人口減少・高齢化、脱炭素・資源制約、地政学リスク、賃上げ・人手不足、金利環境の変化など、多数の構造要因が同時並行で進行する環境に置かれると見込まれます。一方で、EV・再エネ・半導体・DX・インフラ更新などの分野では、世界的な投資需要が継続する可能性が高く、日本企業にとっても新たな成長機会が存在します。
ベースシナリオとしては、実質成長率1%前後、名目成長率2〜3%程度の中庸なマクロ環境を前提とすると、製造業全体の売上高年平均成長率は1〜2%程度、営業利益率は大企業で7〜10%、中堅・中小企業で4〜7%程度を維持しつつ、設備投資額は減価償却費をやや上回る水準で推移するイメージが現実的です。海外売上高比率は、業種にもよりますが、全体で30%前後から徐々に上昇する可能性があります。
上振れシナリオでは、世界景気の安定、円安の持続、技術革新の加速により、売上高年平均成長率が2〜3%、営業利益率がベースシナリオ比で1〜2ポイント程度改善、海外売上高比率が40%近くまで高まる可能性があります。逆に、下振れシナリオでは、世界的な景気後退や地政学的ショック、急激な金利上昇などにより、売上が横ばい〜微減、原材料・人件費・物流費高止まりで営業利益率が1〜2ポイント低下し、設備投資や研究開発投資の抑制が余儀なくされるリスクも想定されます。
こうしたシナリオを踏まえると、個社レベルでは、売上成長率・営業利益率・ROIC・設備投資額・海外売上比率・人件費率・研究開発費比率・CO2排出量(売上高当たり)など、複数のKPIを組み合わせて中期的な目標と許容レンジを設定することが望ましいです。M&A戦略も、これらのKPIを改善・安定化させる手段として位置付けることが実務的です。

経済産業省「2023年版 ものづくり白書」

利益率圧迫要因(人件費・原材料・エネルギー・物流費等)

課題
人件費上昇や最低賃金引き上げ、原材料・エネルギー価格の高止まり、物流の2024年問題に伴う輸送コスト上昇などは、多くの製造業にとって中期的な利益率圧迫要因になります。東京商工リサーチの倒産統計でも、物価高・人手不足・賃金上昇を主因とする倒産が増加しており、価格転嫁が不十分な中小企業ほど影響を受けやすい状況が示されています。
対応策
価格転嫁力を高めるためには、代替困難な技術・品質・納期対応力を持つことで付加価値を高めるとともに、コスト構造を可視化し、原材料・エネルギー・物流など主要コスト項目ごとにKPI(単位当たりコスト、使用量、歩留まり等)を設定して改善活動を継続することが有効です。また、省エネ設備や高効率モーター、インバータ、廃熱回収設備などへの投資、輸送ルートの見直しや積載率向上、共同配送・モーダルシフトの活用などを通じて、中長期的にコストカーブを下げる取り組みも重要です。
M&A観点
コスト構造改善という観点では、①スケールメリットを享受できる同業他社との統合(原材料・物流・ITの共同化)、②上流の原材料・部材・加工企業の取り込みによる垂直統合、③物流会社や3PLとの資本提携・統合による物流効率化といったM&Aが検討余地のある選択肢です。デューデリジェンスでは、対象会社のコスト構造と価格転嫁力を詳細に分析し、統合後に実現可能なシナジー(原材料仕入単価、物流単価、歩留まり改善、人件費効率化等)を定量化した上で、バリュエーションやPMIの優先施策に落とし込むことが実務上のポイントになります。
日本銀行「企業物価指数(CGPI)公表データ一覧」
東京商工リサーチ「2024年(令和6年)の全国企業倒産1万6件」
nippon.com「2024年の企業倒産、11年ぶりに1万件超―東京商工リサーチ」

ロジスティクス再編とサプライチェーン再構築

課題
トラックドライバーの時間外労働上限規制や拘束時間規制の本格化により、従来の長距離幹線輸送・ジャストインタイム納品前提の物流モデルは見直しを迫られています。加えて、豪雨・地震など自然災害、地政学リスク、感染症再拡大などに伴う輸送途絶のリスクも繰り返し顕在化しており、調達・生産・物流のいずれにおいてもサプライチェーンの脆弱性が課題となっています。
対応策
対応策としては、①調達先・生産拠点・在庫拠点の多元化、②在庫適正化と安全在庫の再設計、③鉄道・内航海運へのモーダルシフトや共同配送の活用、④重要部品・重要原材料の国内生産比率を高めるための投資・パートナーシップなどが挙げられます。サプライチェーン全体のリードタイムや在庫回転率、物流コスト、BCP対応時間などをKPIとして設定し、シミュレーションを通じてレジリエンスと効率のバランスを最適化することが重要です。
M&A観点
サプライチェーン強靱化の手段として、重要部品・重要工程を担う企業の買収や、物流機能を持つ企業への出資・統合は有力なオプションです。特に半導体・電池・高機能材料など経済安全保障上の重要分野では、政府補助金や経済安全保障推進法に基づく支援措置を活用しつつ、国内外の拠点ポートフォリオを再構築する動きが想定されます。PMIでは、調達ポリシー・在庫ポリシー・物流ネットワーク設計をグループ全体で統一し、サプライチェーンKPIを共通化することが求められます。
国土交通省「物流の2024年問題について」
厚生労働省「トラック運転者の働き方改革 特設サイト」
経済産業省「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」

人材確保・組織力強化

課題
技能人材・高度専門職・DX人材の不足は、製造業全体の成長制約要因になりつつあります。高齢化と若年層の製造業離れにより、現場の技能伝承や監督者層の確保が難しくなっており、一部の地域・業種では採用活動を続けても必要人員を確保できない状況も見られます。また、IoT・AI・データ分析・サイバーセキュリティなど新たなスキルを持つ人材については、他産業との獲得競争も激しく、賃金水準や働き方の柔軟性が重要な要素になっています。
対応策
対応策としては、①多能工化・標準化・マニュアル整備による業務の属人化解消、②OJTとOFF-JTを組み合わせた計画的な技能伝承・教育プログラム、③リスキリング・DX研修の導入、④勤務地・勤務時間・副業・テレワークなど柔軟な働き方の導入、⑤地域連携による共同研修・産学連携などが挙げられます。また、評価・報酬制度を見直し、技能や改善提案、DX推進への貢献が適切に評価される仕組みを構築することも重要です。
M&A観点
人材確保の観点からは、①技能人材・設計開発人材・DX人材を多く抱える企業の買収、②教育・研修機能を持つ企業や教育機関との資本業務提携、③海外拠点やグローバル人材を持つ企業の取得などが選択肢となります。PMIでは、人事制度・評価制度・報酬体系・キャリアパスを統合する際に、既存従業員と新たに加わる従業員の公平感を確保しつつ、キーパーソンのリテンション(リテンションボーナス・株式報酬等)を設計することが重要です。人的資本開示が重視される中、M&Aを通じた人材ポートフォリオの変化を、投資家へのストーリーとして説明できるかどうかも問われます。
経済産業省「2023年版 ものづくり白書(人材関連)」
日本生産性本部「生産性に関する統計・各種データ」

デジタル/データ活用とスマートファクトリー

課題
製造現場におけるIoT・AI・データ活用の必要性は高まっているものの、現場の人材不足や既存設備のレガシー化、システム投資負担への懸念から、PoC止まりで全社展開に至らないケースも多く見られます。また、現場データの標準化・整備が不十分な状況では、AIや高度な分析の効果が限定的になるという課題もあります。
対応策
対応策としては、①投資回収期間が比較的短い領域(自動外観検査、エネルギー見える化、設備稼働監視など)から優先的にDX投資を行う、②現場起点での小規模な改善とIT部門のプラットフォーム整備を組み合わせる、③データ標準化・マスタ整備を先行させる、④クラウドやSaaSを活用し初期投資を抑える、といった段階的アプローチが有効です。KPIとしては、設備稼働率、不良率、エネルギー原単位、リードタイム、在庫回転率などを設定し、DX前後の改善効果を可視化することが重要です。
M&A観点
DX推進の観点からは、①IoTプラットフォームや製造業向けクラウドサービスを提供するIT企業の買収・出資、②AI検査・シミュレーション・最適化アルゴリズムを持つベンチャー企業への投資、③既にスマートファクトリー化に成功している同業他社との統合によるベストプラクティスの取り込みなどが挙げられます。PMIでは、マスタデータ統合、システム間インターフェースの整理、セキュリティポリシーの統一など、IT統合プロジェクトのマネジメントが重要な論点になります。
経済産業省「2023年版 ものづくり白書(DX関連)」

ガバナンス/コンプライアンス・ESG対応

課題
品質不正・環境規制違反・下請法違反などの事案は、企業ブランドやサプライチェーンへの信頼に深刻な影響を与え得ます。また、TCFDやISSB基準などに基づく気候関連情報開示、人的資本開示、サステナビリティ情報開示の要請が高まっており、製造業においてもガバナンス・リスク・戦略・指標・目標の整理が求められています。
対応策
対応策としては、①取締役会・監査等委員会・指名委員会等の機能強化、②品質・安全・環境・人権・コンプライアンスに関するポリシーとKPIの設定、③内部通報制度や第三者監査の活用、④重要サプライヤーに対するESG調査・コードオブコンダクトの導入などが挙げられます。また、温室効果ガス排出量の算定・削減目標の設定、再エネ調達、サーキュラーエコノミーへの対応など、事業戦略と一体となったESG取組みが重要です。
M&A観点
M&Aにおいては、対象会社のガバナンスやESG対応状況を事前に把握し、重大なコンプライアンスリスクがないか、サプライチェーン上で人権・環境リスクが顕在化していないかを確認する必要があります。ディールストラクチャーとしては、重大リスクが懸念される場合に段階取得や条件付き対価(アーンアウト)を用いる、表明保証保険(W&I)を活用するなどの選択肢もあり得ます。PMIでは、ESGポリシーやKPIをグループ標準に合わせ、サステナビリティレポーティングに必要なデータを統合・整備することが求められます。
環境省/グリーン・バリューチェーンプラットフォーム|各種ガイドライン

拠点・フォーマット戦略と外需・越境展開

課題
国内外の工場・拠点の老朽化や稼働率のばらつき、為替や貿易摩擦・関税、地政学リスクなどを踏まえると、「どこで・何を・どの程度」生産するかという拠点ポートフォリオの見直しが不可欠になっています。国内では人手不足が深刻化する一方、海外では政治的リスクやサプライチェーン分断リスクが高まっており、単純な低コスト国シフトだけでは説明できない複雑な判断が求められます。
対応策
対応策としては、①国内基幹工場+海外地域拠点によるマルチハブ型の拠点配置、②重要部品・重要工程についての国内生産比率の維持・強化、③現地市場向け製品は現地生産・現地調達を基本とする「地産地消」モデルの構築、④為替・関税・規制を踏まえたサプライチェーン分散などが挙げられます。工場ごとのROIC・稼働率・リードタイム・品質指標を踏まえ、統廃合や新設・移転を検討することが重要です。
M&A観点
拠点戦略・外需獲得の観点からは、①特定地域で強い販売ネットワークやサービス拠点を持つ企業の買収、②現地政府の投資優遇策を活用した合弁会社設立、③ノンコア拠点の売却やジョイントベンチャー化による資本効率改善などが選択肢となります。PMIでは、製品ポートフォリオと拠点ポートフォリオの両方を俯瞰し、どの拠点にどの製品・顧客を集約するか、どの拠点を撤退・縮小するかを中期計画と連動させて決定することが重要です。
日本貿易振興機構(JETRO)「2024年版 世界貿易投資報告 概要」

地域・エコシステム連携とイノベーション

課題
中小製造業単独では、研究開発投資やDX投資、人材育成投資に十分な資源を投下することが難しいケースが多く、地域の産業集積としての競争力低下が懸念されています。また、脱炭素・DX・医療機器・ロボティクスなど新領域では、異業種間の連携・協業が不可欠であり、従来型の縦割り産業構造ではイノベーション創出が難しくなっています。
対応策
対応策としては、①産官学連携による共同研究・共同開発、②地域プラットフォームによる共同購買・共同物流・共同受注、③オープンイノベーション・コンソーシアムへの参加、④スタートアップとの協業などが挙げられます。地域金融機関や自治体、商工会議所・業界団体などとの連携を通じて、補助金・税制優遇・専門家派遣などの支援メニューを活用することも有効です。
M&A観点
地域・エコシステム連携の中でのM&Aは、単に企業同士を統合するだけでなく、①地域の中核企業が周辺中小企業をグループ化し、共同受注・共同購買・共同物流を進めるモデル、②大学発ベンチャーや技術スタートアップを取り込むことで、新技術・新事業の立ち上げを加速するモデルなどが考えられます。PMIでは、グループ内での役割分担とガバナンスを明確にしつつ、各拠点・各社の自律性を適度に残すことで、イノベーションのスピードと統制のバランスを取ることが重要です。
経済産業省|地域イノベーションに係る施策について
経済産業省|産業クラスター計画について

倒産・再編環境とリスク管理・BCP

課題
前述のとおり、東京商工リサーチや帝国データバンクの集計では、2024年の企業倒産件数は約1万件と2013年以来の高水準となり、製造業倒産も1,100件超と前年比2桁増となっています。背景には、物価高・人手不足・賃上げ・追加利上げなどによるコスト負担増に加え、コロナ禍での資金繰り支援の反動、価格転嫁の遅れなどが指摘されています。
対応策
個社レベルでは、①資本構成・流動性の健全性を維持するための財務戦略(適切なレバレッジ水準、借入金の分散、コミットメントライン活用など)、②売掛債権・在庫の管理強化、③採算性の低い製品・取引の見直し、④BCP策定と訓練(災害・感染症・サイバー攻撃・サプライチェーン途絶等を対象)などが重要です。また、経営者の高齢化・後継者不在が顕在化している場合には、早期に事業承継・M&Aの検討を開始し、計画的な承継スキームを構築することが望まれます。
M&A観点
倒産・廃業リスクの高まりは、一方で再編・統合の機会でもあります。スポンサー型再生や事業譲渡を通じて、事業そのものは存続させつつ、財務・経営課題をリセットするスキームは、地域雇用やサプライチェーン維持の観点からも重要な役割を果たします。M&Aアドバイザーとしては、早期の動向把握とステークホルダー調整により、廃業ではなく第三者承継という選択肢を提示し、事業価値の毀損を最小化することが求められます。PMIでは、再生計画に基づく不採算部門の整理、財務リストラ、ガバナンス・内部統制の再構築などを、関係金融機関とも連携しながら着実に進めることが重要です。
帝国データバンク「倒産集計 2024年報(1月〜12月)」
東京商工リサーチ「2024年(令和6年)の全国企業倒産1万6件」

製造業界における
M&A活用のメリット

製造業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット
  • 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
  • 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
  • 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
  • 後継者問題を解決できる
  • オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができ、必要に応じて、役員等として継続してかかわることも可能
譲受け側のメリット
  • 商品・サービスの拡充、商圏の開拓
  • 売上規模・シェアの拡大が見込める
  • 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
  • 新たな流通経路を獲得することでクロスセルが見込める
  • 事業多角化・新規事業への参入
  • 人的リソースを獲得できる
  • コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)
  • 垂直統合により、製造から流通までを一括化できる
  • バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
  • リスク分散ができる

製造業界で
M&Aを実行する際のポイント

製造業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。

  • 金型技術の有無
  • 過去の溶剤・化学薬品の使用歴
  • 在庫の評価(デッドストック)
  • 売掛金・受取手形勘定の毀損
  • 与信管理体制
  • 元請提出用帳簿の存在
  • 取引先等との関係性、一社偏重の度合い
  • 人的リソース管理
  • 財務問題
  • 労働問題
  • コンプライアンス、ガバナンス・管理体制

ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。
全国に拠点を展開する日本M&Aセンターでは、各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。M&Aの進め方やポイントなど、気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

製造業界における
M&Aの価格相場

製造業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。

※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定

あなたの会社の評価額はいくら?

無料で診断(かんたん60秒

あなたの会社が現在どう評価をされるか、ぜひ見てみませんか?

次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、製造業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。

なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

株式会社日本M&Aセンター

業界別M&Aレポート編集部

株式会社日本M&Aセンター

業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。

製造業界のM&A動向を動画で解説

当社のM&Aコンサルタントが、製造業界の特徴とM&Aの動向を分かりやすく解説します。

製造業界における
最新のM&A事例

近年に実施されたM&Aから製造業界に関する事例をご紹介します。製造業は、GDP、就労人口、国内生産額において、いずれもその割合が高い重要な基幹産業です。事業者数も多く、M&Aが積極的に行われています。買い手企業は、売り手企業の顧客や販路を引き継ぎ、開発スケジュールを短縮できるなど、多くのメリットを享受できます。売り手企業は、事業承継や事業の成長を目的としてM&Aを検討するケースがあります。

医薬品製造×製造業
トクヤマ、JSRの医薬関連事業を買収

譲渡企業
JSR株式会社(東京都港区)
譲受け企業
株式会社トクヤマ(4043)

M&Aの概要

スキーム:吸収分割、株式譲渡 実行時期:2025年10月1日予定

株式会社トクヤマ(4043)は、JSR株式会社(東京都港区)の体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業(以下、対象事業)を取得することを公表しました。
JSRは、デジタルソリューション事業、ライフサイエンス事業、合成樹脂事業をおこなっています。
トクヤマは、最先端の半導体製造を支える電子工業用高純度薬品や放熱材料、メガネ関連材料や歯科器材などのライフサイエンス分野、廃棄物の再資源化を含む環境分野を主な事業として展開しています。

JSRは2024年、産業革新投資機構(JIC)によるTOBの成立で上場を廃止しました。半導体回路を描くために必要なフォトレジストで世界シェア首位を握っています。しかし、ライフサイエンス事業は赤字が続いていました。今回のM&Aにより、不採算事業を整理し、半導体材料事業に経営資源を集中させる狙いがあります。
譲受け企業であるトクヤマは、対象事業について、同社の「健康」分野の中核を担う事業であるとしています。トクヤマの子会社において、体外診断事業を展開するとともに、新規体外診断薬の創出に向け、研究開発を進めていますが、今後、健康分野の成長を加速するためには、新たな事業領域への進出により持続的に高収益を生み出すことが現状の課題であるとしています。
本件M&Aにより、粒子や抗体を用いた免疫試薬を製品化する能力を補完することで、開発期間の大幅な短縮と、トクヤマの基礎技術とのシナジーにより、グループにおいて高収益の試薬ビジネスを早期に構築することに繋げます。

鉄鋼製品製造業×製造業
日本製鉄による山陽特殊製鋼へのTOBが成立、上場廃止へ

譲渡企業
山陽特殊製鋼株式会社(5481)
譲受け企業
日本製鉄株式会社(5401)

M&Aの概要

スキーム:TOB、株式譲渡 実行時期:2025年4月23日

2025年1月31日、日本製鉄株式会社は、山陽特殊製鋼株式会社の普通株式を、公開買付け(TOB)により取得することを決定しました。
山陽特殊製鋼は、TOBに対して賛同を表明していました。買付期間は2025年2月3日(月)から2025年3月18日(火)までの30営業日です。

本件公開買付は2025年3月18日をもって終了し、TOBが成立したことをうけ、2025年3月28日付の取締役会において、山陽特殊製鋼の特別支配株主である日本製鉄による山陽特殊製鋼株式に係る株式売渡請求の承認を受けました。
山陽特殊製鋼の株式は、株式会社東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、2025年4月23日をもって、東京証券取引所プライム市場において上場廃止となりました。

日本製鉄グループは、製鉄事業を主体に、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業、システムソリューション事業を行っています。
山陽特殊製鋼は、鋼材事業、粉末事業、素形材事業等を営んでいます。

M&Aの目的

日本製鉄は、山陽特殊製鋼を完全子会社化することで、特殊鋼棒線事業の一体化・最適化を通じた収益機会の拡大や事業戦略の強化、グローバル戦略の強化、カーボンニュートラルの取り組みの加速を図ります。

製造業(工作機械)×製造業
ニデック、工作機械のTAKISAWAを買収

譲渡企業
株式会社TAKISAWA(岡山県岡山市)
譲受け企業
ニデック株式会社(6594)

M&Aの概要

スキーム:TOB、株式譲渡 実行時期:2024年2月2日

ニデックは、2024年2月2日、工作機械メーカーのTAKISAWAが同社の完全子会社となったことを公表しました。また、TAKISAWAは同年1月31日に東証スタンダードからの上場を廃止。これは、ニデックによる株式公開買い付け(TOB)の結果、TAKISAWAが同社の子会社となり、株式併合により上場維持基準を満たさなくなったためです。

TAKISAWAは、工作機械の製造販売業を営む会社です。旧社名は滝澤鉄工所。CNC旋盤などの旋盤に強みを持つメーカーです。
ニデックは、精密小型モータの製造販売業等を営む会社で、旧社名は、日本電産株式会社。世界No.1の総合モーターメーカーとして様々な製品を展開しており、多くの製品でシェアNo.1を獲得しています。

ニデックは、2023年7月にTAKISAWA経営陣からの同意なしでTOBを提案しました。「同意なきTOB」として、注目されていましたが、TOB直前の9月13日にはTAKISAWA経営陣が賛同し、株主に応募を推奨していました。
ニデックによるTOBは2023年9月14日から同年11月14日まで実施。TOBが終了したあと、ニデックは同年11月20日付のプレスリリースにて、TAKISAWAがニデックの子会社となり、さらに完全子会社化するためにスクイーズアウト(株式併合)手続きを進めることを公表していました。
ニデックがTAKISAWAを傘下に入れようとした狙いは、工作機械事業を強化するための戦略の一環であると考えられます。もともとは主要事業の精度向上を目的としていましたが、三菱重工工作機械とOKKを立て続けに買収し、業績を回復させたことで、ニデックは戦略を転換し、2030年までに売上高を約4倍である約10兆円に引き上げる構想を描いています。そして、その柱として工作機械事業を位置付けています。工作機械の中で最も市場規模が大きい旋盤に強みを持つTAKISAWAをグルームに迎え入れることで、製品分野や地理的なカバー範囲を広げられると考えています。

製造業界の
M&A仲介実績

日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した製造業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。

譲渡・売却企業 譲受け・買収企業
2025年9月 アパレル原料製造・縫製(関西) ファンド(関東)
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(甲信越) 鉄筋・鉄骨加工(関東)
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(北海道・東北) 建築材料卸売(北海道・東北)
2025年9月 金型製造(東海・北陸) 金属部品加工(東海・北陸)
2025年9月 金型製造(北海道・東北) 樹脂部品加工(関西)
2025年9月 産業用機械製造(関東) 樹脂部品加工(東海・北陸)
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(中国・四国) 金属部品卸売(中国・四国)
2025年9月 電子部品製造(東海・北陸) 産業用機械製造(東海・北陸)
2025年9月 電子部品製造(九州・沖縄) 電子部品製造(関東)
2025年9月 その他機械製造(九州・沖縄) ファンド(関東)

製造業界の
最新のM&A事例インタビュー

製造業界は、後継者不在の課題を抱えていらっしゃるケースが多く、また、優れた技術を持ちながら営業力や経営能力に課題を抱える企業も少なくありません。当社がお手伝いする中でもM&Aの件数が多い業界です。当社がM&Aをお手伝いさせていただいた事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

M&A事例インタビュー一覧

製造業界の
セミナー情報

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