電子部品・機械器具製造業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

電子部品・機械器具製造業界のM&A

電子部品・機械器具製造業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、電子部品・機械器具製造業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。

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電子部品・機械器具製造業界の概要とM&A動向

電子部品・機械器具製造業界には、半導体やその原材料、パネル、ICカード・チップ、LED素子といった電子機器・機械を構成する各種受動部品、接続部品、機構部品を製造する事業や、テレビ、カメラ、家事・台所用家電製品、照明器具、時計といった最終消費者向けの電子機器・機械の製造事業、電話機、PC、家庭用プリンタ、防災・防犯機器といった情報通信機械器具の製造事業が含まれています。
大手企業の中で例を挙げると、TDK、日本電産、パナソニック、ノーリツ、ブラザー工業、キーエンス、村田製作所、キヤノン、象印マホービンなどを本サイトではこの業界に分類しています。

電子部品・機械器具製造業界をとりまく環境

市場・販売/生産・取引動向

世界市場の観点では、電子情報技術産業協会(JEITA)の「電子情報産業の世界生産見通し2024」によると、2024年の電子情報産業の世界生産額は3兆7,032億USDと見込まれており、前年比約9%増とされています。半導体、電子部品、電子デバイスに加え、データセンター向けサーバーやネットワーク機器、EV(電気自動車)向けパワーエレクトロニクスなどが成長ドライバーとなる一方、スマートフォンやPCなど一部民生用途は成熟局面にあり、需要の二極化が進んでいると整理できます。

日本企業のポジションを見ると、JEITAの「電子情報産業の世界生産見通し2023」によれば、日系企業の世界生産額は2023年に39兆6,843億円(前年比1%減)、2024年は41兆5,638億円(同5%増)と見通されています。国内生産額は2023年に10兆8,536億円、2024年は11兆5,119億円(同6%増)が見込まれており、国内の伸びが世界全体より高いとされています。これは、車載・産業用途向けの高付加価値部品や装置を日本国内で生産する比重が高いことを反映した動きと考えられます。

国内の電子工業全体に目を向けると、JEITA「調査統計ガイドブック2024-2025」によれば、2023年の日本の電子工業(電子部品・デバイス、情報通信機器、民生用電子機器などを含む)の国内生産額は10兆6,992億円で、前年比0.4%減となりましたが、3年連続で10兆円台を維持しています。分野別では、AV機器部門が前年比113.4%増、情報通信機器部門が同104.2%増と伸長する一方、電子部品・デバイスはスマートフォン・PC向け需要の調整の影響を受けマイナス成長となっています。

経済産業省「2023年経済構造実態調査(製造業事業所調査)」では、製造業全体に占める各中分類の位置づけが示されています。同調査によると、2023年時点で「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の従業者数は414,872人で製造業全体の5.4%、「電気機械器具製造業」は513,626人で6.6%を占めており、いずれも前回調査から増加しています(それぞれ前年比0.2%増、1.7%増)です。また、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の製造品出荷額等は、2022年から2023年にかけて約3.4%増加し、製造業全体に占める構成比は4.7%となっています。量・金額両面で一定の成長が維持されていることがうかがえます。

同じ調査において、「はん用機械器具製造業」の製造品出荷額等は2022年比4.6%増、「生産用機械器具製造業」は同9.9%増とされています。EV向け生産設備、半導体製造装置、FA(ファクトリーオートメーション)機器などの投資が堅調であり、電子部品・機械器具製造業界への設備投資需要を下支えしています。

需要サイドでは、自動車(特にEV・ハイブリッド車)、産業用ロボットや工作機械などの産業機械、5G/クラウドサービスを支える情報通信インフラ、データセンター向けサーバー・ストレージ、スマート家電・住宅設備などが主要な市場です。車載向け半導体やパワー半導体、ADAS・自動運転用センサー、設備のIoT化に用いられる産業用ネットワーク機器など、電子部品と機械器具の境界が曖昧になっている領域も増えつつあります。

輸出入の面では、電子部品・デバイスはアジア向け輸出が大きく、自動車・情報通信機器向けの中間財としてグローバルサプライチェーンに組み込まれています。一方、工作機械や産業用ロボットなどの機械器具は、北米・欧州を含む幅広い地域に輸出されており、為替変動や各国の投資サイクルの影響を受けやすい構造です。
※「2023年経済構造実態調査(製造業事業所調査)」における製造品出荷額等や付加価値額は、2022年1年間の金額が集計対象となっており、従業者数などと時点が異なります。また、従来の「工業統計調査」とは調査範囲や集計方法が異なるため、過去の工業統計との単純比較には注意が必要です。

M&A 観点:
市場規模が世界的に拡大する一方、分野間で成長率に差が出ていることから、企業の事業ポートフォリオ再構築が重要になっています。車載・産業用途など成長分野に強みを持つ企業のバリュエーションは相対的に高くなりやすく、技術・顧客基盤を獲得するための戦略的M&Aでは、成長性プレミアムをどう評価するかが論点になります。一方で、成熟・縮小分野の事業売却やカーブアウトを通じて、資本と経営資源を高成長分野に再配分する動きも想定されます。過去の取引事例や事業別収益性を踏まえ、分野ごとのリスク・リターンを丁寧に織り込んだバリュエーションが求められます。
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「電子情報産業の世界生産見通し2023」:日系電子情報産業の世界生産額・国内生産額の実績と2024年見通し
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「電子情報産業の世界生産見通し2024」:電子情報産業全体の世界生産額の見通し(2024年3兆6,868億USD、前年比9%増など)
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「調査統計ガイドブック2024-2025」:日本の電子工業国内生産額(2023年10兆6,992億円、分野別伸び率等)
経済産業省「2023年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所調査」:製造業事業所数・従業者数・製造品出荷額等の産業中分類別データ

事業者・設備・拠点動向

電子部品・機械器具製造業界は、大手電機・機械メーカーの主力工場から、特定工程・特定部品に特化した中小の専業メーカーまで、事業者の規模・機能が多様です。経済産業省「2023年経済構造実態調査」によると、2023年時点で「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の事業所数は4,518事業所(製造業全体の2.0%、前年比0.6%増)、「電気機械器具製造業」は10,036事業所(同4.5%、前年比0.9%増)となっており、事業所数ベースでは緩やかな増加傾向が続いています。

従業者数で見ると、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」が414,872人(製造業全体の5.4%)、「電気機械器具製造業」が513,626人(同6.6%)で、いずれも前回調査から増加しています。1事業所当たりの従業者数は平均でおおよそ100人前後と推計され、典型的な中堅規模の工場が多いことがうかがえます。一方、半導体前工程やディスプレイ、二次電池などの分野では大型クリーンルームや専用設備を備えた巨大工場も多く、資本集約度の高い「装置産業」としての性格が強まっています。

設備投資の面では、JEITAや各社決算の開示からも、半導体製造装置やパワー半導体向けの投資が続いている一方、民生用機器向けの組立ラインは需要調整に応じた再編・統廃合が進んでいることが読み取れます。EV、再生可能エネルギー、データセンターなど新規需要に対応するための生産ライン増設と、老朽化設備の更新・統廃合が同時並行で進行している状況です

生産拠点の地理的な分散も特徴です。高い技術・品質管理が求められる工程は国内主力工場に集約し、労働集約的な工程や標準品の量産は中国・東南アジアなど海外拠点で行う「マザー工場+海外拠点」の体制を採用する企業が多く見られます。最近では、地政学リスクや為替変動リスクへの対応として、北米・欧州・インドなどへの生産拠点分散や、国内回帰(オンショアリング)を検討する動きもみられます。

また、EMS(Electronics Manufacturing Services)やODM(Original DesignManufacturing)に代表される外部委託生産の活用も広がっています。自社は設計・開発や中核部品に集中し、量産組立や一部工程を外部パートナーに委託することで、固定費の抑制と市場変動への柔軟な対応を図るモデルです。この結果、垂直統合型の大手メーカーと、特定工程に特化した中小企業、EMSなど受託専業企業との間で役割分担が進んでいます。

M&A 観点:
事業所・設備・拠点の構造を踏まえると、M&Aによるスケールメリットと生産ネットワーク再編の余地は大きいと考えられます。例えば、同一地域・同一顧客向けに類似製品を生産している中小企業同士を統合することで、設備稼働率の平準化や間接部門の統合によるコスト削減が期待できます。また、先端クリーンルームや特殊工程設備を有する企業を取得することで、単独では難しい高付加価値領域へ一気に参入するケースも想定されます。拠点再編を伴うM&Aでは、生産移管リスク(立ち上げ期間の不良率上昇や納期遅延)をどう最小化するかがPMIの重要テーマになります。
経済産業省「2023年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所調査」:製造業事業所数・従業者数・製造品出荷額等の産業中分類別データ

需要側ファクター

日本のマクロ環境としては、総務省統計局「人口推計」によると、2024年10月1日現在の日本の総人口は1億2,380万2千人で、前年同時点から55万人減少し、14年連続の減少となっています。一方、内閣府「令和6年版高齢社会白書」によれば、2023年10月1日時点の65歳以上人口は3,623万人で総人口の29.1%を占めており、高齢化が進行しています。家電・AV機器など一部コンシューマ向け市場では人口減少・高齢化が需要の頭打ち要因となる一方、医療・介護・インフラ更新など高齢社会向け投資は増加が見込まれ、精密機器やセンシング機器、医療機器向け電子部品・機械器具への需要を押し上げる要因となっています。

経済産業省や内閣府の統計によると、名目民間企業設備投資額は2020年前半に新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に落ち込んだ後、2021年以降は持ち直し、2023年にはコロナ前の水準を回復したとされています。特に製造業では、老朽設備の更新に加え、生産性向上や省人化、脱炭素対応、DXを目的とした投資が増加しており、工作機械・産業用ロボット・計測機器・制御機器などの需要が底堅く推移しています。需要の構造変化という観点では、以下のようなトレンドが電子部品・機械器具製造業界に影響を与えています。

  • 自動車分野では、EV・プラグインハイブリッド車(PHV)、自動運転・ADASの普及に伴い、パワー半導体、モーター、バッテリーマネジメントシステム、各種センサー、車載通信機器などの需要が拡大しています。
  • 産業分野では、FA、産業用ロボット、AGV(自動搬送車)、スマートファクトリー向けの制御機器・センサーが増加しており、製造業全体の省人化・自動化需要が継続しています。
  • 情報通信分野では、5G基地局やデータセンター向けの通信機器、サーバー、ストレージなどが伸長しており、AI・クラウドサービスの拡大に伴い高性能半導体の需要が増えています。
  • 民生分野では、スマート家電、スマートメーター、住宅設備機器などIoT対応製品が広がる一方、テレビ・レコーダーなど従来型AV機器の台数成長は限定的です。

インバウンド需要との関係では、家電量販店向けAV機器・デジタルカメラなどは観光客需要の影響を受けやすい一方、産業向け・車載向けなどBtoB中心の領域は世界全体の設備投資動向の影響が相対的に大きくなります。地政学リスクや貿易摩擦が強まる中で、特定地域への依存度が高い需要構造は、中長期的なボラティリティ要因となり得ます。

M&A 観点:
需要構造が変化する中で、企業は成長領域に経営資源をシフトさせる必要があります。EV・自動運転、FA・ロボット、データセンター向けなど成長分野で強みを持つ企業の取得は、売上成長とポートフォリオの高度化につながる一方、需要変動リスクも伴います。そのため、単に売上規模を拡大するのではなく、自社の既存事業との補完関係(顧客・用途・技術の相性)を踏まえたM&A戦略が重要です。また、成熟分野の事業を切り出して専門プレーヤーに譲渡することで、キャッシュを成長投資に振り向けるカーブアウト型M&Aも有効な選択肢となります。
総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」:日本の総人口・年齢別人口・人口増減の概要
内閣府「令和6年版高齢社会白書第1章高齢化の状況」:65歳以上人口・高齢化率の推移

制度・規制・DX

電子部品・機械器具製造業界は、多岐にわたる法規制・基準の対象となる産業です。製造現場の安全面では「労働安全衛生法」に基づく機械設備の安全基準や、有機溶剤・粉じんなど有害物質の管理が求められます。製品面では、電気製品について「電気用品安全法(PSE)」に基づく適合性評価・表示義務、無線機能を有する製品については「電波法」に基づく技術基準適合認証などが必要になります。また、化学物質管理に関しては、「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」や欧州のRoHS・REACH規制等、海外の環境規制にも対応する必要があります。

輸出関連では、「外国為替及び外国貿易法(外為法)」に基づく安全保障貿易管理に加え、米国の輸出管理規制の域外適用など、先端半導体関連の製品・技術を扱う企業にとってはコンプライアンス上の負担が増しています。対象品目に該当する可能性がある場合、社内の輸出管理体制や顧客・エンドユーザーの確認プロセスを整備することが不可欠です。品質管理・マネジメントシステムの面では、ISO9001(品質マネジメント)、ISO14001(環境マネジメント)などの国際規格に加え、自動車産業向けではIATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)が広く採用されています。これらの認証は、顧客からの取引条件となるケースも多く、M&A後のPMIにおいても、品質マネジメントシステムをどのように統合するかが検討課題になります。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点では、CAD/CAE/PLMによる設計のデジタル化、MES(製造実行システム)やSCADAによる生産ラインの可視化、IoTセンサーによる設備稼働データの収集・分析などが進展しています。また、請求書・契約書の電子化、インボイス制度への対応、電子帳簿保存法への対応など、バックオフィス領域での電子化も重要なテーマです。一方で、中小企業では「どこから手を付けるべきか」「IT人材が不足している」といった課題が残っています。

データ利活用の面では、製品に組み込まれたセンサーから取得される利用データや、製造工程データを活用した予知保全・品質改善が注目されています。ただし、個人情報保護法や取引先との契約条件、サイバーセキュリティ対策など、データの取り扱いに関するルール整備も不可欠です。

M&A 観点:
規制対応やDXの推進は、中小企業単独では負担が大きくなりがちです。IATF16949など高度な品質・環境認証を既に取得している企業や、スマートファクトリー化に強みを持つ企業をグループに迎え入れることで、ノウハウと仕組みを一気に取り込むことができます。また、電子帳票・基幹システムなどのプラットフォームをグループ全体で共通化することで、PMIの過程で業務プロセスを標準化しやすくなります。一方で、M&A後に品質・環境・輸出管理などのコンプライアンス水準をどのレベルで統一するかは、統合計画段階で明確化しておく必要があります。
経済産業省「2023年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所調査」:製造業事業所数・従業者数・製造品出荷額等の産業中分類別データ

供給・ロジスティクス/サプライチェーン

電子部品・機械器具製造業界は、銅・アルミ・レアメタルなどの金属材料、レアアース、シリコンウエハー、樹脂、電子材料、ガスなど多様な原材料・部材に依存しています。近年は、地政学リスクや資源価格の変動により、一部材料の調達が不安定になる局面も見られました。特にレアアースや高純度ガスなど特定国・特定企業への依存度が高い材料については、代替材の開発や調達先の多様化が重要なテーマになっています。

エネルギーコストも重要なファクターです。資源エネルギー庁が公表する資料によると、2010年度と比較した2023年度の電気料金平均単価は、家庭向けで約35%、産業向けで約74%上昇しており、製造業の電力コスト負担は大きく増加しています。高電力を使用するクリーンルームや真空装置、焼成炉などを多数保有する電子部品・機械器具製造業にとって、電力単価の動向は収益性に直結する要素です。

物流面では、トラックドライバーの人手不足や働き方改革関連法による時間外労働の上限規制(いわゆる「物流2024年問題」)により、輸送能力の制約や運賃上昇が懸念されています。部品や完成品の輸送だけでなく、試作・評価品の短納期輸送なども多い業界のため、地域共同配送やモーダルシフト(鉄道・海運への切り替え)、在庫拠点の再配置などを通じて、物流網の再構築が求められています。

品質・トレーサビリティの要求水準も年々高まっています。特に自動車・医療機器・産業機械向けでは、部品のロットトレースや工程履歴の管理、温度・湿度など環境条件の記録、CO2排出量の見える化などが求められる場面が増えています。サプライチェーン全体での環境負荷低減(Scope3排出量の把握・削減)に対応する必要性も高まっています。M&A観点:調達・サプライチェーンの強靭化という観点から、原材料サプライヤーや部品メーカー、物流事業者との垂直統合や戦略的提携が検討されるケースが増えています。例えば、重要材料の安定確保を目的にupstreamの素材メーカーを取得したり、特定地域に強いEMS・部品メーカーをグループ化して「中国+1」体制を構築するなどの動きが想定されます。また、統合後には調達条件の見直しや、輸送ルート・倉庫拠点の統合を通じて、スケールメリットをどこまで享受できるかがPMIの重要なテーマになります。

資源エネルギー庁「2024―日本が抱えているエネルギー問題(前編)」:電気料金平均単価の推移(2010年度比で家庭向け約35%増、産業向け約74%増)
資源エネルギー庁「日本のエネルギー2024年度版『エネルギーの今を知る10の質問』」:日本のエネルギー需給・電力料金の国際比較などの概要

人材

電子部品・機械器具製造業界では、設計・開発エンジニア、生産技術者、品質保証・信頼性評価担当者、熟練の技能工、設備保全要員など、多様な専門人材が必要とされます。前述のとおり、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」「電気機械器具製造業」で合計約90万人超の従業者が働いていますが、少子高齢化や理工系人材の争奪戦の激化により、中長期的な人材確保は大きな課題になっています。

賃金動向として、厚生労働省の資料によれば、2024年度の地域別最低賃金の全国加重平均は時給1,055円とされており、2023年度から51円の引き上げとなりました。労働市場の逼迫と賃金上昇は、人件費負担の増加という形で収益を圧迫する一方、優秀な人材の確保・定着には一定の処遇改善が不可欠であり、各社は省人化投資と人材投資のバランスを模索しています。

DX・データ活用の進展に伴い、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、ICTインフラに詳しい人材へのニーズも高まっています。しかし、多くの中小企業ではこうした人材を単独で採用・育成することが難しく、製造現場のノウハウとITスキルを兼ね備えた「ブリッジ人材」の不足がDX推進のボトルネックとなるケースも見られます。地方工場では、人口減少や若年層流出の影響を受け、人材採用が一層難しくなっています。外国人技能実習制度や特定技能制度を活用して人材を確保する企業も増えていますが、言語・文化・技能レベルの違いを踏まえた教育・評価制度の整備が課題です。

M&A 観点:
人材確保の観点からは、優秀な技術者・管理職・技能工を多数抱える企業をグループに迎え入れるM&Aが有力な選択肢になります。特に、創業者高齢化により事業承継を検討している中小企業には、熟練の技能とローカルな顧客基盤を有する企業が多く、買い手にとって魅力的なターゲットとなり得ます。一方で、PMIにおいては、報酬制度・評価制度・キャリアパスをどの程度統一するか、キーマンのリテンションプラン(ストックオプションやインセンティブ)をどう設計するかが、人材流出防止の重要な論点になります。
厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安」:2024年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,055円(前年度比51円増)等

ガバナンス/品質・コンプライアンス

電子部品・機械器具製造業界では、品質不良やリコールが社会的なインパクトを持つケースが少なくありません。自動車・産業機械・医療機器向けの部品では、一つの不具合が大規模なリコールや操業停止につながる可能性があるため、ISOやIATF16949等に基づく品質マネジメントシステムの整備、工程FMEAやPPAPなどのプロセス管理が求められます。

ガバナンス・コンプライアンスの面では、下請代金支払遅延等防止法(下請法)や独占禁止法に基づく優越的地位の濫用規制、贈収賄防止、インサイダー取引規制などへの対応が必要です。特に、大手メーカーと中小サプライヤーとの取引関係では、単価改定や仕様変更時の適切な協議・書面化、支払サイトの適正化など、取引慣行の是正が社会的な関心を集めています。

情報セキュリティの観点でも、工場・設備がIoT化される中で、制御システム(OT)へのサイバー攻撃リスクが高まっています。製品の設計データや顧客情報、サプライチェーン情報が外部に流出した場合の影響は大きく、ISMS(ISO/IEC27001)などの情報セキュリティマネジメント体制の構築が重要です。

ESG・人権の観点では、サプライヤー行動規範の策定や人権デューデリジェンスの実施が求められる場面が増えています。強制労働や児童労働、過剰な長時間労働、差別的な処遇などがサプライチェーン上で問題化した場合、取引停止やレピュテーションリスクが発生する可能性があります。

M&A 観点:
M&Aに際しては、財務・ビジネス面だけでなく、品質マネジメント、コンプライアンス、情報セキュリティ、ESG対応などガバナンス面のデューデリジェンスが重要です。買収後に品質不正やコンプライアンス違反が発覚した場合、レピュテーションや補償コストの観点から大きなダメージとなり得ます。PMIにおいては、グループ全体での行動規範・内部通報制度・リスク管理プロセスを整備し、監査・モニタリングを通じて統合後のガバナンス水準を維持・向上させることが求められます。
経済産業省「2023年経済構造実態調査二次集計結果製造業事業所調査」:製造業事業所数・従業者数・製造品出荷額等の産業中分類別データ

M&Aリレーション

電子部品・機械器具製造業界では、大手電機メーカー・自動車部品メーカー・精密機器メーカーなどを中心に、国内外でM&Aや事業ポートフォリオの再編が継続しています。例えば、一部の大手メーカーは、コモディティ化した民生機器事業を売却し、車載・産業機器・電子部品・半導体材料など高収益分野への集中を進めています。また、村田製作所がレーダー関連技術を持つ海外企業を買収するなど、高度なセンシング・通信技術を獲得するための技術補完型M&Aもみられます。

一方、中堅・中小企業の間では、後継者不在や経営者高齢化を背景とした事業承継型M&Aが増えています。帝国データバンク「全国企業倒産集計2024年報」によれば、2024年の企業倒産件数は9,901件と、前年から16.5%増加しており、人手不足や物価高を背景に中小企業の経営環境が厳しさを増していることが示されています。製造業でも、原材料高や人件費上昇、設備更新負担に耐えられず廃業・倒産に至るケースが増えており、早期の第三者承継によって技術や雇用を次世代につなぐニーズが高まっています。

M&A 観点:
大手企業にとっては、技術・製品ポートフォリオの拡充、地域・顧客基盤の獲得、サプライチェーン強化などを目的とした戦略的M&Aが重要なツールとなります。中堅・中小企業にとっては、後継者問題の解決や成長戦略の一環として、同業・周辺業種との水平・垂直統合、グループ入りによる資本・人材・ITリソースの獲得がM&Aの主なメリットになります。いずれの場合も、技術者・技能工のリテンション、顧客・仕入先との関係維持、品質・ガバナンス水準の統一といったPMI上の論点を早期に整理することが、M&A成功の鍵になります。
帝国データバンク「全国企業倒産集計2024年報・12月報」:2024年の企業倒産件数9,901件(前年比16.5%増)など
株式会社村田製作所「Sensoride Corporationの買収に関するお知らせ」:レーダー信号処理技術を有するSensoride社買収の概要

電子部品・機械器具製造業界の今後の課題と展望

電子部品・機械器具製造業界の今後3~5年程度を展望すると、世界的な電子情報産業の成長トレンドの恩恵を受けつつも、コスト上昇、人材不足、地政学リスク、規制強化など複数の課題に直面することが見込まれます。本セッションでは、簡易的なシナリオと主要論点ごとの「課題」「対応策」「M&A観点」を整理します。

今後3〜5年のシナリオの整理

ここでは、電子部品・機械器具製造業界の典型的な中堅企業を想定し、売上高100億円規模、営業利益率5%前後、海外売上比率30%程度の企業像を仮定します。実際の数値は企業ごとに大きく異なりますが、経営計画やM&A戦略を検討する際の目安として、以下のような3つのシナリオを考えることができます。

ベースシナリオは、世界経済が緩やかな成長を続け、車載・産業向けを中心に電子部品・機械器具需要が堅調に推移するケースです。この場合、売上高の年平均成長率は2~3%程度、営業利益率はコスト上昇を価格転嫁と効率化で吸収しつつ5~7%程度を維持し、設備投資額は減価償却費と同程度もしくはやや上回る水準を継続するイメージです。海外売上比率は、現状から数ポイント上昇し、35~40%程度まで高まる可能性があります。

上振れシナリオは、EV・再エネ・データセンターなど成長分野への集中投資が奏功し、高付加価値製品の比率が高まるケースです。売上高の年平均成長率が4~5%、営業利益率が7~10%水準まで改善する一方、先端設備への投資や研究開発投資が増加し、投資キャッシュフローは一時的に大きくマイナスになる可能性があります。M&Aやアライアンスを積極的に活用することで、技術・人材・顧客基盤を短期間で獲得するシナリオです。

下振れシナリオは、世界経済の減速や地政学リスクの顕在化、過剰投資の調整などにより、需要のボラティリティが高まり、価格競争が激化するケースです。売上高が横ばい~年率マイナス成長となり、営業利益率が3%前後まで低下するリスクがあります。設備投資を抑制せざるを得ず、老朽化設備の更新が遅れることで競争力が低下する可能性もあります。この場合、事業ポートフォリオの整理や不採算事業の売却、コスト構造の抜本的な見直しを前提とした再編が必要になると考えられます。

以下では、特にインパクトが大きいと考えられる論点について、「課題」「対応策」「M&A観点」の順に整理します。

コスト上昇と利益率の維持

課題:
原材料価格やエネルギーコスト、人件費の上昇は、電子部品・機械器具製造業界の利益率を継続的に圧迫しています。日本銀行の企業物価指数などによれば、エネルギー・資源価格の変動は鈍化しつつあるものの、絶対水準はコロナ前と比べてなお高い状態にあります。先述のとおり、電気料金は2010年度比で産業向けが約74%上昇しており、電力多消費型の工場では固定費の増加が顕著です。また、最低賃金の引き上げにより、労務費のベースラインも年々切り上がっています。こうしたコスト要因は、価格競争が激しい製品や輸出比率が高い企業ほど収益への影響が大きくなります。
対応策:
コスト上昇への対応としては、①付加価値の高い製品へのシフトと価格戦略の見直し、②生産性向上・自動化による単位コストの削減、③調達・エネルギー契約の見直しの3点が重要です。具体的には、標準品の単価競争から脱し、顧客ごとのカスタマイズやモジュール化を通じて「代替されにくい価値」を提供すること、歩留まり改善や設備稼働の最適化、ラインの自動化・省人化によって労務費・間接費を吸収することが求められます。また、電力会社・ガス会社との料金メニュー見直しや、省エネ設備導入(高効率モーター、インバーター、空調更新など)により、エネルギーコストの中長期的な低減を図る余地もあります。
M&A 観点:
コスト構造の改善を目的としたM&Aでは、生産効率の高い工場や、原材料・エネルギー調達に強みを持つ企業との統合が有効です。例えば、同一製品をより低コストで生産できる企業を買収し、製造拠点を集約することで、スケールメリットと設備稼働率の向上を同時に実現することが考えられます。また、エネルギー管理や省エネソリューションに強みを持つ企業をグループ化し、既存工場への横展開を図るケースもあります。PMIでは、原価計算の前提や採算管理の単位が企業ごとに異なることが多いため、共通の原価管理指標とKPIを早期に設定し、統合後のコスト削減効果を可視化することが重要です。
資源エネルギー庁「2024―日本が抱えているエネルギー問題(前編)」:電気料金平均単価の推移(2010年度比で家庭向け約35%増、産業向け約74%増)

サプライチェーン再構築と地政学リスク

課題:
半導体や電子部品の分野では、米中対立を背景とした輸出管理強化や、特定国への過度な依存に対する懸念から、サプライチェーンリスクへの注目が高まっています。特定地域に集中した生産拠点や単一サプライヤーへの依存は、地政学リスク・自然災害・感染症流行などが顕在化した際に、供給途絶やリードタイム急伸のリスクを伴います。また、物流2024年問題に象徴される輸送能力の制約は、Just in Time型の部品供給モデルの見直しを迫っています。
対応策:
対応策としては、①調達先・生産拠点の多元化(China+1、Near-shore化)、②在庫ポリシーの見直しとサプライチェーン全体でのリードタイム短縮、③重要品目に対するBCP(事業継続計画)の策定が挙げられます。特に、車載・産業向けなどサプライチェーンが長く複雑な分野では、Tier1・Tier2サプライヤー間での共通BOM・共通部番運用や、デジタルプラットフォームによる需要・供給情報の共有が有効です。さらに、グローバルでの貿易・税制・輸出規制の変化をモニタリングし、対象品目やエンドユーザーの属性に応じて迅速に対応できる体制を整備することが重要です。
M&A 観点:
サプライチェーン強化のためのM&Aとしては、①主要市場近傍で生産・物流機能を持つ企業の取得による拠点分散、②重要部材・材料メーカーの取り込みによる垂直統合、③物流・倉庫事業者との連携強化が考えられます。例えば、欧米市場でのサービス拠点・在庫拠点を持つ現地企業を取得することで、リードタイム短縮とサービスレベル向上を同時に達成するケースが想定されます。PMIでは、サプライチェーン全体の可視化と、調達条件・在庫基準・物流ネットワークの統合設計が重要となり、ITシステム(ERP・SCMシステム)の統合計画と並行して進める必要があります
経済産業省「2023年経済構造実態調査 二次集計結果製造業事業所調査」:製造業事業所数・従業者数・製造品出荷額等の産業中分類別データ

人材確保・スキル転換

課題:
少子高齢化と製造業離れの影響により、設計・開発エンジニア、生産技術者、品質保証担当者、熟練技能工など、あらゆる職種で人材不足が顕在化しています。前述のとおり、電子部品・電気機械関連の就業者は増加しているものの、ベテラン層の退職が進む一方で若手人材の補充が追いつかず、技能伝承が課題となっている企業も多く見られます。また、DX・データ活用の進展により、従来の電気・機械工学に加え、ソフトウェアやデータ解析の知識を持つ人材のニーズが高まっていますが、需要に対して供給が不足している状況です。
対応策:
人材面の対応としては、①採用力の強化(処遇・ブランディング・働き方の柔軟性)、②教育・リスキリングの体系的な整備、③業務プロセス・組織構造の見直しによる省人化・高度化が挙げられます。具体的には、新卒・中途採用における職種別採用やリモートワーク・フレックスタイムの活用、技能・スキルを可視化した人事制度の導入、社内外研修やeラーニングによるDX・データ活用スキルの習得などです。また、「自動化できる業務は自動化し、人間は付加価値の高い業務に集中する」という方針のもと、製造現場のデジタル化やバックオフィスのRPA活用を進めることも重要です。
M&A 観点:
人材・組織の観点でM&Aを見ると、特定技術に強みを持つ少数精鋭の企業や、優秀な若手エンジニアが集まるベンチャー・スタートアップをグループに迎え入れることで、短期間で技術・人材ポートフォリオを拡充できる可能性があります。また、地方の優良中小企業を承継することで、地域に根ざした技能集団と顧客基盤を獲得することも有効です。PMIにおいては、被買収企業側のカルチャーや就業慣行を尊重しつつ、報酬・評価制度やキャリアパスをグループ全体でどう設計するかが、人材流出を防ぐうえで重要なポイントになります。
厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安」:2024年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,055円(前年度比51円増)等

デジタル・データ活用とビジネスモデル変革

課題:
多くの企業がスマートファクトリーやデジタル化に取り組んでいるものの、「個別ライン・個別工場では一定の成果があるが、全社レベルでのデータ活用につながっていない」「ITシステムがサイロ化しており、生産・販売・設計・調達などのデータが連携していない」といった課題が指摘されています。中小企業では、投資余力やIT人材の不足から、基幹システムの更新やクラウドサービスの導入が遅れるケースも見られます。
対応策:
対応策としては、①全社DXロードマップの策定と優先順位付け、②標準化・共通化を前提としたシステム刷新、③データガバナンスとサイバーセキュリティ体制の整備が重要です。短期的には、現場の課題感が強い領域(不良削減、段取り時間短縮、在庫削減など)を起点にPoCを行い、中期的には基幹システム(ERP)や製造実行システム(MES)との連携を進めることで、投資効果を可視化しつつ段階的にスコープを広げていくアプローチが現実的です。また、AIによる需要予測・生産計画最適化や予知保全、図面・文書の自動分類なども、今後の実装余地が大きい分野です。
M&A 観点:
DX推進の観点からは、製造業向けITソリューションやIoTプラットフォームに強みを持つ企業、SCMや生産管理のコンサルティング会社などとのM&A・資本提携が有効です。こうした企業をグループ内に取り込むことで、自社・グループ各社のDXプロジェクトを内製的に推進しやすくなります。PMIでは、マスタデータの統合方針(品目コード・取引先コードなど)や、セキュリティポリシー・アクセス権限設計の統一が重要な論点となるため、IT・業務双方のキーメンバーを巻き込んだ統合プロジェクトを立ち上げることが推奨されます。

ガバナンス・リスク管理と業界再編の地合い

課題:
前述のとおり、2024年の企業倒産件数は、帝国データバンクの集計で9,901件(前年比16.5%増)となり、2014年以降で最多となりました。「人手不足倒産」「物価高倒産」など、構造的要因に起因する倒産が増加しており、製造業も例外ではありません。電子部品・機械器具製造業界では、設備投資負担が重い一方で、市場の変化が速く、品質・安全・環境規制への対応コストも増大しています。これらの負担に耐えられない企業が増えた場合、業界再編の圧力が一段と強まる可能性があります。
対応策:
個々の企業レベルでは、財務体質の強化(自己資本の充実、適切なレバレッジ管理)、リスクベースの経営管理(事業ポートフォリオの定期的見直し、不採算事業の早期整理)、品質・コンプライアンス・サイバーセキュリティなど非財務リスクの管理強化が求められます。また、災害・感染症・地政学リスクを踏まえたBCPの策定・訓練も重要です。サプライチェーン全体でのリスク共有・情報連携を進めることで、単独では対応しきれないリスクへの備えを高めることができます。
M&A 観点:
業界再編の地合いが強まる中で、財務基盤とガバナンス体制のしっかりした企業が、周辺企業をグループ化していく動きが想定されます。買い手側にとっては、競合・サプライヤー・販売代理店などとの水平・垂直統合を通じて、シェア拡大とコスト構造の改善を同時に図る機会となります。一方で、売り手側にとっても、倒産・廃業に至る前の早期M&Aによって、従業員の雇用や取引先との関係を維持しながら事業を次世代につなぐことが可能です。PMIでは、財務・内部統制・コンプライアンスの統合とともに、現場レベルでの「決裁権限」「リスク報告ルート」をどう設計するかが、グループとしてのガバナンス品質を左右するポイントになります。
帝国データバンク「全国企業倒産集計2024年報・12月報」:2024年の企業倒産件数9,901件(前年比16.5%増)など

まとめ

電子部品・機械器具製造業界は、世界的な電子情報産業の成長と、EV・再エネ・データセンター・DXといった構造的な追い風を受ける一方で、コスト上昇、人材不足、地政学リスク、規制強化など多面的な課題を抱えています。今後3~5年の経営においては、成長分野への選択と集中、コスト・人材・サプライチェーンの強靭化、DXとガバナンスの高度化を同時に進める必要があります。

その際、オーガニックな施策だけでは時間とリソースに制約がある場合も多く、M&Aや資本提携を組み合わせることで、技術・人材・拠点・顧客基盤を一体として獲得することが有効です。一方で、M&Aはゴールではなくスタートであり、PMIにおいて業務プロセス・IT・人事制度・ガバナンスをどのように設計・実行するかが、中長期的な価値創造を左右します。電子部品・機械器具製造業界の企業にとっては、自社の強みと課題、外部環境の変化を冷静に見極めたうえで、オーガニック成長とM&Aを組み合わせた「戦略的な成長シナリオ」を描くことが重要になると考えられます。

資源エネルギー庁「2024―日本が抱えているエネルギー問題(前編)」:電気料金平均単価の推移(2010年度比で家庭向け約35%増、産業向け約74%増)
資源エネルギー庁「日本のエネルギー2024年度版『エネルギーの今を知る10の質問』」:日本のエネルギー需給・電力料金の国際比較などの概要
厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安」:2024年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,055円(前年度比51円増)等
帝国データバンク「全国企業倒産集計2024年報・12月報」:2024年の企業倒産件数9,901件(前年比16.5%増)など
株式会社村田製作所「Sensoride Corporation の買収に関するお知らせ」:レーダー信号処理技術を有するSensoride社買収の概要
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電子部品・機械器具製造業界における
M&A活用のメリット

電子部品・機械器具製造業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット
  • 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
  • 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
  • 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
  • 後継者問題を解決できる
  • オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができ、必要に応じて、役員等として継続してかかわることも可能
譲受け側のメリット
  • 商品・サービスの拡充、商圏の開拓
  • 売上規模・シェアの拡大が見込める
  • 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
  • 新たな流通経路を獲得することでクロスセルが見込める
  • 事業多角化・新規事業への参入
  • 人的リソースを獲得できる
  • コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)
  • 垂直統合により、製造から流通までを一括化できる
  • バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
  • リスク分散ができる
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電子部品・機械器具製造業界で
M&Aを実行する際のポイント

電子部品・機械器具製造業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。

  • 元請向け提出用帳簿の有無
  • 溶剤等化学薬品使用歴
  • 最終製品の市場成熟度
  • 元請提出用帳簿の存在
  • 取引先等との関係性、一社偏重の度合い
  • 人的リソース管理
  • 財務問題
  • 労働問題
  • コンプライアンス、ガバナンス・管理体制

ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

電子部品・機械器具製造業界における
M&Aの価格相場

電子部品・機械器具製造業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。

※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定

あなたの会社の評価額はいくら?

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あなたの会社が現在どう評価をされるか、ぜひ見てみませんか?

次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、電子部品・機械器具製造業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。

なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

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業界別M&Aレポート編集部

株式会社日本M&Aセンター

業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。

電子部品・機械器具製造業界の
最新M&A事例を解説

近年に実施されたM&Aから電子部品・機械器具製造業界に関する事例をご紹介します。電子部品メーカーのM&Aは、技術の獲得や市場シェア拡大、新たな流通経路の確保など、様々な目的に行われています。特に、技術革新の進む半導体業界では、企業間の合併や買収が目立っています。

医薬品製造×製造業
トクヤマ、JSRの医薬関連事業を買収

譲渡企業
JSR株式会社(東京都港区)
譲受け企業
株式会社トクヤマ(4043)

M&Aの概要

スキーム:吸収分割、株式譲渡 実行時期:2025年10月1日予定

株式会社トクヤマ(4043)は、JSR株式会社(東京都港区)の体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業(以下、対象事業)を取得することを公表しました。
JSRは、デジタルソリューション事業、ライフサイエンス事業、合成樹脂事業をおこなっています。
トクヤマは、最先端の半導体製造を支える電子工業用高純度薬品や放熱材料、メガネ関連材料や歯科器材などのライフサイエンス分野、廃棄物の再資源化を含む環境分野を主な事業として展開しています。

JSRは2024年、産業革新投資機構(JIC)によるTOBの成立で上場を廃止しました。半導体回路を描くために必要なフォトレジストで世界シェア首位を握っています。しかし、ライフサイエンス事業は赤字が続いていました。今回のM&Aにより、不採算事業を整理し、半導体材料事業に経営資源を集中させる狙いがあります。
譲受け企業であるトクヤマは、対象事業について、同社の「健康」分野の中核を担う事業であるとしています。トクヤマの子会社において、体外診断事業を展開するとともに、新規体外診断薬の創出に向け、研究開発を進めていますが、今後、健康分野の成長を加速するためには、新たな事業領域への進出により持続的に高収益を生み出すことが現状の課題であるとしています。
本件M&Aにより、粒子や抗体を用いた免疫試薬を製品化する能力を補完することで、開発期間の大幅な短縮と、トクヤマの基礎技術とのシナジーにより、グループにおいて高収益の試薬ビジネスを早期に構築することに繋げます。

電子部品・機械器具製造業界の
M&Aニュース

電子部品・機械器具製造業界のM&Aニュースを表示します。

電子部品・機械器具製造業界のM&Aニュース一覧

電子部品・機械器具製造業界の
M&A仲介実績

日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した電子部品・機械器具製造業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。

譲渡・売却企業 譲受け・買収企業
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(甲信越) 鉄筋・鉄骨加工(関東)
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(北海道・東北) 建築材料卸売(北海道・東北)
2025年9月 金型製造(東海・北陸) 金属部品加工(東海・北陸)
2025年9月 金型製造(北海道・東北) 樹脂部品加工(関西)
2025年9月 産業用機械製造(関東) 樹脂部品加工(東海・北陸)
2025年9月 鉄筋・鉄骨加工(中国・四国) 金属部品卸売(中国・四国)
2025年9月 電子部品製造(東海・北陸) 産業用機械製造(東海・北陸)
2025年9月 電子部品製造(九州・沖縄) 電子部品製造(関東)
2025年9月 その他機械製造(九州・沖縄) ファンド(関東)
2025年8月 鉄筋・鉄骨加工(中国・四国) 建築工事(中国・四国)

電子部品・機械器具製造業界を含む機械・金属部品製造業界のM&A仲介実績一覧

電子部品・機械器具製造業界の
最新のM&A事例インタビュー

当社の仲介によりM&A・事業承継された電子部品・機械器具製造業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

電子部品・機械器具製造業界のM&A事例インタビュー一覧

電子部品・機械器具製造業界の
セミナー情報

当社では、M&Aや事業承継をはじめ、経営に役立つさまざまセミナーを開催しております。ぜひご参加ください。

電子部品・機械器具製造業界向けセミナー一覧

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