警備業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

警備業界のM&A

警備業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、警備業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。

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⽬次

警備業界の概要とM&A動向

警備業界には、各種施設や個人の身辺における事故発生の警戒・防止や、祭事時の交通誘導整備などの業務を請負う事業が含まれます。
大手企業では、セコム株式会社、ALSOK(綜合警備保障)などが有名です。
警備の種類は、大きく分けて以下のような業務があります。

施設警備 ビルや商業施設などでの出入管理や巡回警備
交通誘導警備 工事現場やイベントなどでの車両・歩行者の誘導
現金輸送・貴重品運搬警備 金融機関や企業の現金・貴重品を輸送・管理
機械警備 センサーや監視カメラなどを使った24時間監視

警備業界の近年の市場動向

警備業界は、コロナ禍を経て観光客が増加し、インバウンド需要の回復が見られます。空港や商業施設、イベント会場での警備ニーズが回復・拡大しています。
一方で、警備業界は、人手不足と警備員の高齢化という課題を抱えています。
たとえば、交通誘導の仕事は基本的に外で働くので、暑さや寒さに影響を受けますし、長時間の立ち仕事や、夜間の仕事が多い傾向にあります。そのため、警備の仕事の需要は非常に高いのですが、その高さと比較して警備員を希望する人はあまり多くありません。
警備員の多くが高齢化しており、若手人材の確保が課題となっています。
総務省統計局の賃金構造基本統計調査によると、警備員の平均年齢は「49.5歳」です。この数字は、他の職業と比較すると警備員の平均年齢は高めだといえます。警備員の約30%が60歳以上と言われており、今後ますます人材不足が深刻化する見込みです。
この人材不足を解決する施策の一つとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展があります。AIカメラやドローン、顔認証システムなどの導入が進んでおり、省人化・効率化が図られています。

警備業界の
最新のM&A動向

警備業界では、中堅・中小警備会社の買収が活発化しています。背景には複数の要因があります。例えば、地方の中小警備会社では、経営者の高齢化や後継者不足が起因となるM&Aが増えています。また、人材確保や教育体制の一元化のためや、DX対応力の強化のため、M&Aを行うケースもあります。また、スケールメリットを活かした全国展開を目指す企業も増えています。
また、拡大する警備ニーズをチャンスと捉えて、異業種から参入するケースもあります。例えば、物流業大手のセンコーグループHDが2023年警備会社3社を買収し、警備業務への参入を果たしました。既存業務とのシナジーを活かしつつ、シェア拡大も意識した警備事業の成長を図っています。

警備業界における
M&A活用のメリット

警備業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット
  • 社員への教育・訓練の強化
  • 後継者問題を解決できる
  • オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
  • 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
  • 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
  • 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
譲受け側のメリット
  • 売上規模・シェアの拡大が見込める
  • 事業多角化・新規事業への参入
  • 人的リソースを獲得できる
  • 関連事業領域の拡大
  • リスク分散ができる
  • 財務力強化・コストの削減(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)

警備業界で
M&Aを実行する際のポイント

警備業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。

  • 許認可の承継(例:警備業認定証)
  • 人材の定着・継承リスク
  • 契約関係の確認
  • コンプライアンス・法令遵守のチェック
  • ガバナンス・管理体制

警備業務を行うためには、警備業法に基づき、都道府県公安委員会の「警備業認定証」が必要です。M&Aの際には、これらの認定が引き継げるかを事前に確認する必要があります。また、警備業は人が主体のサービス業です。買収後に警備員が離職するケースもあります。人員の引き継ぎに際し、処遇や教育体制の整備が重要です。また、契約は多くが施設単位での個別契約となっており、M&A後に契約継続されるかを事前に調査する必要があります。
そして、過去に違法な就労や認定違反がないか、法務・労務のデューデリジェンスが重要です。
警備業は「人」と「信頼」が商品とも言える業界です。M&Aでは、数字だけでなく、現場の雰囲気・人間関係・教育体制まで丁寧に見ていくことが、成功のカギとなります。

ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

警備業界における
M&Aの価格相場

警備業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。

※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定

あなたの会社の評価額はいくら?

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あなたの会社が現在どう評価をされるか、ぜひ見てみませんか?

次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、警備業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。

なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

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業界別M&Aレポート編集部

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業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。

警備業界の
最新M&A事例を解説

警備業×物流業
センコーグループHD、都内警備会社を子会社化

譲渡企業
東宝総合警備保障株式会社(東京都渋谷区)、ネットセキュリティ株式会社(東京都渋谷区)
譲受け企業
センコーグループホールディングス株式会社(9069)

スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年7月1日

M&Aの概要

センコーグループホールディングス(以下:センコーグループHD)は2025年7月1日、首都圏で警備事業を手がける東宝総合警備保障と、その子会社のネットセキュリティを買収したことを発表しました。

センコーグループHDは大手物流会社で、物流・商事・農業・ビジネスサポート・ライフサポートなどのサービスを提供しています。
2023年2月に日制警備保障株式会社、同年7月にアムス警備株式会社・ヒューマンセキュリティ株式会社の3社を相次いでグループ化し、警備事業に参入しました。

東宝総合警備保障は首都圏の1都3県に拠点を置く警備会社です。再開発工事の現場に関わる警備に強みを持っています。
ネットセキュリティは、東宝総合警備保障の子会社で、顔認証システムの設置等を行なっています。

センコーグループHD が2023年にグループ化した3社は、東京・神奈川に拠点を置き、主に住宅メーカー・ゼネコンの建築現場での交通・重機誘導や、列車見張り業務を行っています。今後は東宝警備、ネットセキュリティを加えた5社の首都圏でのシナジー追求を行い、シェア拡大も意識した警備事業の展開を図ります。
交通誘導や施設警備といった警備事業は、トラック運送や倉庫管理など物流事業と共通のポリシーや関連性から、運営上シナジーがある事業と捉えています。また、都心で再開発や新規マンションの開発が相次ぐ中、警備業界は人手不足が続いており、センコーグループ内の外国人材派遣の事業と連携するなど採用の強化も目指します。

警備業×警備業
セントラル警備保障、日本連合警備を買収し事業拡大へ

譲渡企業
日本連合警備株式会社(山梨県甲府)
譲受け企業
セントラル警備保障株式会社(9740)

スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年4月3日

M&Aの概要

セントラル警備保障株式会社(9740)は、2025年4月3日付で、日本連合警備株式会社(山梨県甲府)の発行済株式の全てを取得し、子会社化しました。

セントラル警備保障は、警備・セキュリティサービスを提供する会社です。常駐警備、機械警備、輸送警備、機器販売及び工事など、幅広い分野で事業を展開しています。
日本連合警備は、山梨県内を中心として常駐警備、機械警備、運輸警備等を展開しており、中でも機械警備をメインとしています。

セントラル警備保障は、中期経営計画において「グループ連携の強化」を掲げ、その一環としてM&Aを推進しています。日本連合警備の子会社化により、セントラル警備保障グループの山梨県内の事業を補完するとともに、セントラル警備保障が推進している機械警備事業の強化を図ります。

警備業界の
M&Aニュース

警備業界のM&Aニュースを表示します。

警備業界のM&Aニュース一覧

警備業界の
M&A仲介実績

日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した警備業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。

譲渡・売却企業 譲受け・買収企業
2025年9月 理美容(北海道・東北) セールスプロモーション(関東)
2025年9月 測量・地質調査(中国・四国) 建築工事(中国・四国)
2025年9月 測量・地質調査(中国・四国) 舗装工事(九州・沖縄)
2025年9月 産業廃棄物処理(東海・北陸) 産業廃棄物処理(関東)
2025年9月 産業廃棄物処理(関東) 産業廃棄物処理(関東)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 会計事務所(関東)
2025年9月 エンターテインメント(中国・四国) エンターテインメント(中国・四国)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 自動車小売(関西)
2025年9月 理美容(九州・沖縄) 理美容(関東)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 理美容(関東)

警備業界を含むその他サービス業のM&A仲介実績一覧

サービス業界の
最新のM&A事例インタビュー

当社の仲介によりM&A・事業承継された事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

警備業界のM&A事例インタビュー一覧

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