ゴム・プラスチック製品製造業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版
ゴム・プラスチック製品製造業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、ゴム・プラスチック製品製造業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。
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ゴム・プラスチック製品製造業界の
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⽬次
ゴム・プラスチック製品製造業界の概要とM&A動向
ゴム・プラスチック製品製造業界には、タイヤ、建設資材、ゴムベルトやホースなどのゴム製品および、プラスチック板・棒・管製品、プラスチックシート・合成皮革製造、発泡・強化プラスチック製品、プラスチック成形材料の製造事業が含まれています。
大手企業の中で例を挙げると、ブリヂストン、積水化成品工業、昭和ホールディングス、日東化工、ニチリンなどを本サイトではこの業界に分類しています。
ゴム・プラスチック製品製造業界をとりまく環境
本セクションでは、ゴム・プラスチック製品製造業界をとりまく環境を、直近(2024~2025年公表)と5~10年の傾向をもとに整理・分析しています。
※基準年の更新: 鉱工業指数(IIP)は2020年=100への基準改定が行われ、2024年3月の速報公表から新系列へ切り替えられました。過去系列は2018年1月以降で新基準系列が作成されています。企業物価指数(CGPI)も2020年基準・連鎖方式で公表されています。基準・品目見直しにより、改定前系列との単純比較には注意が必要です。
市場・生産/出荷/在庫・価格の動向
- 生産(IIP):
- 2025年8月の出荷は「プラスチック製品工業」が前年同月比-3.3%でした。在庫は同+7.5%と積み上がり、フィルム・シート等の滞留が確認されます。
- 出荷/在庫(IIP):
- 2025年8月の業種別では「プラスチック製品工業」の生産指数が前年同月比-3.3%、前月比-3.2%と弱含んでいます。「無機・有機化学工業」(合成ゴム等を含む)は前年同月比-3.0%でした。一方、「自動車工業」は前年同月比-0.6%にとどまり、川下の動きが総じて鈍い月でした(いずれも2020年=100の指標)。
- 全体基調(IIP):
- 鉱工業全体の生産指数は2024年の年平均で101.2(前年比-2.6%)でした。足元の循環に振れがあるなかで、在庫調整の長期化が背景にあります。
- 価格(CGPI):
- 2025年9月の国内企業物価指数(2020年=100)では、「プラスチック製品」の指数117.7(前年同月比+2.5%)でした。一方、「化学製品」は113.0(同-3.9%)、「石油・石炭製品」は156.6(同-1.8%)で、樹脂・添加剤の仕入れ価格は分野により方向感が異なります。
- コスト接続:
- ナフサ・原油などエネルギー価格の動向はCGPIの「石油・石炭・天然ガス」等に反映され、樹脂価格に遅行・連動します。電力・ガス料金の調整も川上コスト転嫁の重要な前提です。
- M&A観点:
- 生産は弱含み・在庫は高止まり、価格は分野間で非対称という局面では、①製品ミックスの入替(高付加価値フィルム・医療材へのポートフォリオ転換)、②需要が安定する顧客基盤の獲得(食品・医療のQMS対応サプライヤー)をM&Aで同時達成する意義が大きくなります。さらに、在庫循環の長期化に備え、統合後は需給モニタリングとフォーミュラ契約(ナフサ連動)の導入を標準化したい点です。
- 参考URL:
-
鉱工業指数 2020 年基準改定の概要
2025年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)
企業物価指数(2025年9月速報)
生産動態統計(化学工業統計)・品目別の概況
「生産動態統計(化学工業統計)」は合成樹脂、合成ゴム、中間材料から最終製品までの生産・出荷・在庫を把握可能で、2025年10月15日までの月次確報が公表済みです。直近年の総量把握としては、2023年のプラスチック生産量887万t、国内消費量843万t、廃プラスチック総排出量769万tの水準(推定)で、2018年比では総排出量が縮小しています。
廃プラの循環率や輸出入の動向と併せ、ABSやPP、PET等の樹脂ファミリー別に歩留・在庫日数を連動管理する必要があります。
- M&A観点:
- 品目別に需要の季節性・在庫負担が異なるため、統合先の成形方式(射出/押出/ブロー/発泡等)と品目の相互補完、金型・二次加工(印刷・塗装)内製化の有無を踏まえたサプライチェーン設計が価値の源泉になります。データ統合によりSKU別貢献度の見える化を早期に実施したい点です。
- 参考URL:
- 経済産業省生産動態統計調査
事業者・設備・製品ラインの構造
事業者の多くは中小規模で、射出成形(多型・短サイクル)と押出成形(パイプ・シート)、ブロー(容器)、発泡(自動車・建材)、押出ラミネーション(包材)など多様な設備構成となっています。金型の内製・保守や版下データ管理はQCDを左右するボトルネックになりやすい要素です。
最終需要は医療(ディスポ、医療グレード材)、自動車(軽量化・内外装)、電機(絶縁・機構部品)、食品容器(耐熱・耐薬品・Barrier)、建材(配管・サッシ等)に広がり、品質文書(材料適合、トレーサビリティ、RoHS/REACH等)への適合が取引条件化されています。
- M&A観点:
- 製品/成形方式のポートフォリオが補完的な相手ほど、①金型・段取り時間の最適化、②購買スケールの享受、③二次加工の歩留改善による粗利引上げが実現しやすくなります。特に医療・車載のQMSを持つ企業との統合は、価格交渉力と解約耐性を同時に高める効果があります。
需要側ファクター・外需
- 外需・輸出入:
- HS第39類(プラスチック及びその製品)、第40類(ゴム及びその製品)は川上から川下まで裾野が広く、財務省「貿易統計」の主要品別表で年次・数量・金額を確認可能です(2024年1~12月確々報が公開)。
- 川下の業況:
- IIPでは2025年8月の「自動車工業」前年同月比-0.6%、「電気・情報通信機械工業」同-5.7%など、主要川下が弱含んだ月でした。これが工業用樹脂・ゴム部材の生産・出荷に波及しています。
- 原材料・エネルギー:
- CGPIの「プラスチック製品」指数は2025年9月に117.7(前年比+2.5%)で、製品価格には円安や副資材の影響が残存しています。一方「化学製品」は113.0(同-3.9%)、「石油・石炭製品」は156.6(同-1.8%)で、原材料とエネルギーの価格差が拡大しています。
- M&A観点:
- 価格と需要の非対称性が強い局面では、①輸出入比率の異なる企業の統合による為替・価格の自然ヘッジ、②原材料式価格(ナフサ連動フォーミュラ等)の普及、③在庫日数・受注残の早期アラート化(S&OP)を、買収後100日で仕組化する価値が大きくなります。
- 参考URL:
-
2025年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)
企業物価指数(2025年9月速報)
制度・規制・サステナ/循環経済・DX
- プラスチック資源循環促進法(「プラ新法」):
- 2022年4月施行。設計(3R+Renewable)、排出抑制、回収、再資源化までを包含し、対象製品の設計指針や自主回収・再資源化計画の枠組みを規定しています。
- PRTR制度:
- 2023年度データから第一種指定化学物質が515物質に拡大されました。事業者は排出量・移動量の届出が義務付けられています。
- 食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度:
- 2020年6月1日施行。2025年6月1日に経過措置満了、合成樹脂に用いるモノマー・添加剤はポジティブリスト適合が前提です。
- 品質・安全:
- JIS/ISOの適合、FDA/EU規制対応(食品接触材・医療材)、化学物質管理(SDS・GHS、安衛法)が求められます。デジタル面ではQMS・トレーサビリティ、PLM/BoM統合、エネルギー・CO2e管理の実装が進展しています。
- M&A観点:
- 規制・管理要件の高度化に単独で追随しづらい中小では、①適合プラットフォーム(PL文書・工程FMEA・トレーサ)を保有する企業の取り込み、②海外規制(EU包装規則/EPR等)対応ノウハウの獲得が統合の主要目的になりえます。
- 参考URL:
-
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
2023年度PRTRデータを取りまとめました
食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について(2025年5月31日まで)
循環・リサイクルの実態
2023年の国内廃プラスチック総排出量は769万t、有効利用率は89%(内訳:マテリアル22%、ケミカル3%、サーマル64%)でした。マテリアル回収品の約7割が輸出向けである実態も継続しています。
政府白書も同数値を引用し、国内消費843万tとのバランスから、マテリアル比率の引上げ・再生材の内製利用拡大が政策課題となっています。
- M&A観点:
- 再生材(PCR)やケミカル・マテリアル回収のハブ機能をもつ企業、または食品接触対応の再生材コンパウンド企業との垂直統合は、①調達コスト低減、②EPR/Scope3対応、③差別化(採用要件の強い顧客)に資する効果があります。
- 参考URL:
-
2023年廃プラスチック総排出量は769万t、有効利用率は89% 「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)」を公表
第3章 循環型社会の形成(環境省)
人材
2技能人材の採用・定着は構造課題となっています。成形条件最適化、金型メンテ、保全、二次加工(印刷・塗装)や品質保証(工程能力・CPk)など実務スキルの平準化が鍵です。労務・賃金は「賃金構造基本統計調査」「労働力調査」等で製造業全体の動向を参照して、人材ポートフォリオ(高スキル×少数精鋭+自動化)に設計する必要があります。
- M&A観点:
- 人材・スキルのミスマッチはPMIの核心です。中核オペレーターのリテンション設計(技能手当・多能工化)と、工程データ可視化(標準条件DB)で属人度を低下させる統合投資が有効です。
ガバナンス/コンプライアンス
化学物質管理(PRTR・SDS・安衛法)、食品接触材適合、意匠・表示・広告、PL(製造物責任)、情報セキュリティを横断管理する必要があります。川下の監査負荷(トレーサ要求、工程監査、サイバー要件)も増加傾向にあります。
- M&A観点:
- 買収前DDでの化学物質・PL・労務・セキュリティの網羅確認、買収後のマニュアル・帳票類の共通テンプレート化が、事故・回収・クレーム費用の初期低減に直結します。
M&Aリレーション(統合の経済合理性)
高機能材(医療・車載・電子・高機能フィルム)へのポートフォリオ転換、金型・コンパウンド・二次加工・リサイクルを含む補完統合、PCR樹脂・資源循環の垂直統合は、①付加価値率の改善、②歩留向上、③原材料スケール効果、④規制適合コスト分散により、再投資余力を生みます。
- M&A観点:
- 統合ストーリーは「顧客・設備・配合・資源循環・品質文書」を一本でつなぐことです。成形条件×配合×金型のナレッジ移管、受注選別(粗利・在庫回転基準)、価格式契約の標準化は、統合後12〜18か月でEBITDAを押し上げる実務レバーとなります。
ゴム・プラスチック製品製造業界の今後の課題と展望
本セクションでは、3~5年スパンで、ゴム・プラスチック製品製造業界の課題とその対応策、今後の展望について整理・分析していきます。
利益率圧迫:原燃料・エネルギー・物流・円安・価格転嫁
- 課題:
- 原料(ナフサ・モノマー・添加剤)と電力・ガスのコスト波動が続き、値上げ転嫁の遅れと在庫評価差損が粗利を圧迫しています。2025年9月のCGPIで「プラスチック製品」は前年同月比+2.5%、「化学製品」は-3.9%、「石油・石炭製品」は-1.8%と、品目間の価格ギャップが継続しています。
- 対応策:
- 価格フォーミュラ(ナフサ・電力連動)の適用拡大、月次改定の自動化、在庫日数のKPI化(例:製品20〜30日、原料15〜25日を目標レンジ)、スクラップ率(歩留)改善、工程内滞留の縮減が必要です。
- M&A示唆:
- 購買統合による価格スケール(同系列で月間樹脂購買500〜1,000t規模の確保)、電力のPPA/共同調達、物流の共同幹線化(ミルクラン)が有効です。
- KPI例:
- 営業利益率+1.0〜1.5pt、エネルギー原単位(kWh/kg)-3〜5%/年、スクラップ率-1.0〜1.5pt/年、在庫回転日数-5〜10日
- 参考URL:
- 企業物価指数(2025年9月速報)
サプライチェーン再編:国内回帰・マルチソース・需給モニタ
- 課題:
- 半導体・自動車の在庫循環影響で需要振幅が大きくなっています。単一ソースのモノマー/添加剤や海外金型のリード長期化がリスクとなっています。IIPでは2025年8月に化学・自動車が弱含み、川上〜川下のタイムラグが顕著でした。
- 対応策:
- サプライヤ/材料の二重化(マルチソース)、安全在庫のレンジ運用、S&OP体制強化(IIP・CGPI・受注情報を週次で可視化)、金型と重要治工具の内製・保全計画の前倒しが必要です。
- M&A示唆:
- 原料コンパウンド会社・金型メーカー・二次加工の補完買収でリードタイム短縮が可能です。国内外の代替生産拠点の取得によりBCPを強化できます。
- KPI例:
- 調達リードタイム-20〜30%、重要金型稼働率+5〜8pt、欠品率-30%
- 参考URL:
- 2025年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)
人材・スキルミックス:自動化・成形最適化・品質技術
- 課題:
- 熟練者依存の条件出し・段取り替えにボトルネックがあります。
- 対応策:
- 成形条件自動最適化(メタパラメータ自動チューニング)、予知保全(振動・温度・電力データ)、段取り時間のSMED化、クリーン/医療グレードの品質技術(無菌・パーティクル管理)が求められます。
- M&A示唆:
- 自動化エンジニアリング会社やMES/QMSベンダの取り込みで、工程標準とスキル継承を加速できます。
- KPI例:
- 段取り替え時間-30〜50%、設備総合効率(OEE)+5〜10pt、医療グレード新規顧客数+5〜10社/年、CPk≥1.67の工程比率+20pt
デジタル/データ:生産DX・トレーサビリティ・LCA/CO2e
- 課題:
- 顧客・規制の文書要求(材料証明、PL文書、RoHS/REACH、食品接触)は増加しています。工程・配合・金型・版下・検査のマスタが分断し、変更管理が属人的です。
- 対応策:
- PLM/BoM・MES連携、タグ付きトレーサ(ロット〜金型〜条件)、LCA/CO2e自動集計(材料原単位×エネルギー原単位×歩留)が必要です。
- M&A示唆:
- データモデルと運用ノウハウを持つ企業の買収で、標準マスタと帳票テンプレートを導入できます。
- KPI例:
- トレーサバック時間-80%、工程変更の承認リードタイム-50%、CO2e原単位-5%/年
サステナ/循環:設計段階のリデュース・単一素材化・PCR/バイオ材
- 課題:
- 国内廃プラの有効利用率は89%ですが、マテリアル比率は22%にとどまっています。食品接触・医療等で再生材の適合性・安定供給が障壁となっています。
- 対応策:
- 単一素材化(ラミ構成の見直し)、剥離・洗浄の工程内統合、PCR/PIRやバイオ由来樹脂の適合性評価(物性・移行・匂い)、回収・再資源化スキームの構築が求められます。
- M&A示唆:
- 再生材コンパウンド、ケミカル/マテリアルリサイクル、品質評価(食品接触)の技術・認証をもつ企業との垂直統合が有効です。
- KPI例:
- 再生材配合率(%)目標:汎用品20〜40%、食品接触材は用途限定で10〜20%、材料原価-5〜10%
- 参考URL:
- 2023年廃プラスチック総排出量は769万t、有効利用率は89% 「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)」を公表
外需・規制対応:EU/米州の化学規制・包装規則・EPR
- 課題:
- EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)やEPR制度の強化は、設計・表示・再資源化適合の要求を高めています。
- 対応策:
- EU/米州の食品接触材・化学規制の参照ベースを整備し、顧客・用途別の適合証明(DoC)テンプレートを標準化する必要があります。
- M&A示唆:
- 海外適合の知見・顧客を持つ企業の取り込みにより輸出比率を拡大できます。
倒産/再編の地合い
- 課題:
- 人手不足・電力コスト・単価改定の遅れで資金繰りが圧迫されています。地域単位での再編ニーズが顕在化しています。
- 対応策:
- 早期の事業再編(拠点統合・共同物流)、収益性の低い長期取引の是正が必要です。
- M&A示唆:
- 地域クラスター内での統合により、固定費逓減と共同受注でボラティリティを抑えることができます。
リスク管理:化学物質、異物・品質不良/回収、情報セキュリティ、BCP
- 課題:
- PRTR・SDS・安衛法・食品接触材への不適合はリコール・クレームの直接リスクとなります。停電・災害・感染症による操業停止も継続リスクです。
- 対応策:
- 化学物質台帳・PL文書の一元管理、異物検知(外観AI・金属検出・X線)のライン内実装、IT/OT分離と脆弱性管理、停電時の優先工程・人員の事前割付が必要です。
- M&A示唆:
- 品質保証・サイバー・BCPに強い企業との統合で、監査対応・顧客要求のスピードを底上げできます。
PMIの勘所(実務チェックリスト)
- マスタ統合:品目・樹脂・金型・版下を一意IDで連結し、変更履歴を残す
- 原料購買のスケール化:銘柄別のフォーミュラ契約と市況連動の設定
- 配合・条件の知見移管:DOEで標準条件を再定義し、暗黙知をデジタル化
- 品質KPIの共通化:CPk、不良率、顧客クレーム率を月次で統合管理
- エネルギー原単位・歩留のベンチマーク:ライン別・製品別に見える化し、改善PJを設置
- 環境/PL文書の統合:PRTR・SDS・食品接触・RoHS/REACH・PL文書の統合リポジトリを構築
- 簡易シナリオ(3〜5年)
前提: - IIP(プラスチック製品工業)は2025年時点で弱含んでいます。CGPIの「プラスチック製品」は緩やかな上昇傾向です。廃プラ有効利用率は高水準(89%)です。
- ベース: 価格転嫁の仕組化と購買統合で営業利益率+1.0pt、在庫回転日数-7日、エネルギー原単位-4%/年
- 上振れ: 医療・高機能フィルムの比率引上げ、再生材内製の拡大で営業利益率+2.0pt、CPk≥1.67工程比率+25pt
- 下振れ: 在庫調整の長期化・電力高止まり・円安進行で利益率▲0.5pt、受注残の劣化、品質コスト増
- M&A観点:
- 上振れシナリオの実現には、①高付加価値製品・規制対応の獲得、②購買・物流の統合、③データ基盤の導入が不可欠です。下振れ時は赤字案件の救済型統合で操業度を維持し、共通化で固定費逓減を急ぐことが求められます。
- 参考URL:
- 2025年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)
ゴム・プラスチック製品製造業界における
M&A活用のメリット
ゴム・プラスチック製品製造業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
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- 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- 後継者問題を解決できる
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができ、必要に応じて、役員等として継続してかかわることも可能
- 譲受け側のメリット
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- 商品・サービスの拡充、商圏の開拓
- 売上規模・シェアの拡大が見込める
- 規模の拡大による交渉力の向上、収益性の改善が見込める
- 新たな流通経路を獲得することでクロスセルが見込める
- 事業多角化・新規事業への参入
- 人的リソースを獲得できる
- コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)
- 垂直統合により、製造から流通までを一括化できる
- バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
- リスク分散ができる
ゴム・プラスチック製品製造業界で
M&Aを実行する際のポイント
ゴム・プラスチック製品製造業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 金型が内製か否か
- 金型が自社保有か元請からの預かりなのか
- 成形機の出力
- 油圧か電動か
- 在庫の評価(デッドストック)
- 売掛金・受取手形勘定の毀損
- 与信管理体制
- 元請提出用帳簿の存在
- 取引先等との関係性、一社偏重の度合い
- 人的リソース管理
- 財務問題
- 労働問題
- コンプライアンス、ガバナンス・管理体制
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ゴム・プラスチック製品製造業界における
M&Aの価格相場
ゴム・プラスチック製品製造業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、ゴム・プラスチック製品製造業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
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株式会社日本M&Aセンター
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ゴム・プラスチック製品製造業界の
M&Aニュース
ゴム・プラスチック製品製造業界のM&Aニュースを表示します。
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2025.10.31
豊田合成、芦森工業へのTOBが成立
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2025.10.30
住友電気工業、住友理工の完全子会社化に向けTOBを実施
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2025.10.8
NOK、OA機器用ロール製品事業のシンジーテックとその子会社を譲渡
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2025.8.29
パッケージメーカーのザ・パック、子会社の日幸印刷を吸収合併
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2025.8.8
豊田合成、芦森工業の完全子会社化に向けTOB実施へ
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2025.7.29
製菓食材・食品包装資材販売のcotta、インターネット通販サイト運営のTUKURUを吸収合併
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2025.7.25
昭和パックス、子会社の昭友商事を吸収合併
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2025.6.11
タイガースポリマー、マレーシア子会社のTigers Polymer (Malaysia)からTiger Asian Trading (Malaysia)を買収
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2025.4.14
丸東産業、子会社の丸東印刷を吸収合併
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2025.3.25
昭和パックス、子会社の山陰パックを吸収合併
ゴム・プラスチック製品製造業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約したゴム・プラスチック製品製造業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。
| 譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
|---|---|---|
| 2025年9月 | 窯業・土石製品製造(甲信越) | 窯業・土石製品製造(九州・沖縄) |
| 2025年9月 | 樹脂部品加工(関東) | 不動産開発・売買(関東) |
| 2025年9月 | 製缶板金(東海・北陸) | 樹脂部品加工(東海・北陸) |
| 2025年9月 | 金型製造(北海道・東北) | 樹脂部品加工(関西) |
| 2025年9月 | 産業用機械製造(関東) | 樹脂部品加工(東海・北陸) |
| 2025年9月 | 生活雑貨小売(関西) | 日用雑貨製造・卸売(関東) |
| 2025年9月 | トラック運送(中国・四国) | 日用雑貨製造(関東) |
| 2025年8月 | 樹脂部品加工(関西) | セールスプロモーション(関西) |
| 2025年7月 | 家具・什器インテリア製造(関東) | 樹脂部品加工(東海・北陸) |
| 2025年6月 | 化粧品企画・製造(東海・北陸) | 化学品製造(中国・四国) |
ゴム・プラスチック製品製造業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継されたゴム・プラスチック製品製造業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
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シェア7割のニッチトップ企業。会社の永続と人生設計を考え55歳で決断
譲渡:千葉県習志野市 食品用機械のゴムパッキン、靴底用ゴム等の工業用ゴム製品の製造販売
譲受け:大阪府堺市 工業用ゴム・樹脂製品の製造販売、金型販売創業70周年を迎える高木ゴム工業の3代目社長は、55歳を契機に譲渡を実施。現在も経営に携わる同社取締役社長と譲受け企業の社長にM&Aの経緯と今後について伺いました。
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後継者への株式の贈与問題をM&Aで解決。移住先で充実のセカンドライフを満喫
譲渡:千葉県成田市 プラスチック製品の製造・販売
譲受け:プラスチック製品の製造を手掛けるケー・アイ・ピーは、事業承継で株式贈与や成長戦略の課題にぶつかります。M&A後に第二の人生を歩む創業者に話を伺いました。
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技術も事業も異なる製造業2社が手を組み 他社にない強みを得て顧客拡大を目指す
譲渡:
譲受け:茨城県常総市 ゴム成型事業、製造受託事業、物流支援事業、新規素材開発事業新規顧客獲得、加工技術の多角化を目的に企業の譲受けを検討していたハリガイ工業。最終的に選んだお相手は、同じ製造業で異なる技術と事業をもつ企業でした。
ゴム・プラスチック製品製造業界の
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