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譲渡企業(買収先)の探し方。ロングリスト、ショートリストとは

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譲渡企業(買収先)の探し方。ロングリスト、ショートリストとは
M&A仲介会社などパートナーを選定したら、次は買収先、つまり譲渡企業(売り手)を探すステップに移ります。お相手探しは主に2つの方法で行われます。それぞれについて詳しく見てまいりましょう。

譲渡企業の探し方① 譲渡案件型

1つ目は、M&A仲介会社が既に保有している譲渡企業(売り手)の情報を閲覧し、検討する方法です。最初は譲渡企業の社名が伏せられた「ノンネームシート」を見て、より詳細情報を「企業概要書」で把握し検討を行います。

ノンネームシートとは

秘密保持契約を行うことなく、初期の段階で提案される匿名の資料が「ノンネームシート」です。あくまで買い手側の譲受意思の有無を確認する資料であるため、「業種/エリア/企業規模」など譲渡企業(売り手)が特定されないよう概略情報が記載されています。匿名性を確保するため、社名だけでなく全体的に抽象度を上げた表現が用いられます。
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企業概要書とは

「ノンネームシート」を見て譲渡企業(売り手)に関心を持った場合、次のステップとしてさらに詳細な企業情報が記載された「企業概要書」の開示が行われます。
「企業概要書」とは、譲渡企業(売り手)が譲受企業(買い手)候補に対して自社の内容を正しく知ってもらうために、企業概要をまとめた30ページ程度の詳細資料を指します。定量的な情報だけではその企業の特徴や魅力が伝わり切らないため、多くのM&A仲介会社ではインタビューなど通じて、企業自身が気づいていない自社の強みや魅力を引き出し、資料に反映していきます。
譲受企業(買い手)候補は、企業概要書の情報を元に「M&Aを実行したらどんなメリットがあるか」より具体的に検討を行い、M&Aを進めるかどうかを判断します。
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企業概要書について詳しくはこちら

秘密保持契約の締結

「企業概要書」の開示にあたっては、必ず事前にM&A仲介会社との間で秘密保持契約を締結します。譲渡企業(売り手)にとって、万が一情報漏洩等が起きた際には企業の存続に関わる問題となりえるため、企業概要書の開示は非常にセンシティブなプロセスとなります。
そのため、M&A仲介会社から企業概要書の開示を受ける前に、秘密保持の徹底について十分な説明を受けます。過去に該当の仲介会社を通じて他社の譲受の経験がある場合も、再度その重要性について喚起されるほど情報管理に細心の注意が払われます。

譲渡企業の探し方② 仕掛け型

もう一つは仕掛け型です。一口で買収戦略と言っても「売り上げ規模の拡大」「事業の多角化」「技術力の向上」など、その目的は会社ごとに様々です。譲受企業が主体となって自社ニーズにあった候補企業を絞込み、具体的な検討へ歩みを進めます。

ロングリスト/ショートリストとは

「ロングリスト」とは、譲受企業(買い手)の買収ニーズにもとづいた候補企業を一元的にリストアップした資料を指します。
候補企業の中から業務内容、業種、エリア、売上規模、従業員人数などを確認し、より譲渡可能性が高く、自社のニーズによりマッチした候補企業を、譲受企業(買い手)側によって絞り込みが行われます。そうして絞り込まれたリストは「ショートリスト」と呼ばれ、さらに具体的な検討資料として用いられます。

終わりに

以上、買収先となる譲渡企業の探し方、用いられる資料についてご紹介しました。自社のニーズにあったお相手を見つけられるかは、候補企業に関する情報の量だけでなく質が重要になります。そうした観点でM&A仲介会社を選定されることもお勧めします。

日本M&Aセンターは全国の金融機関、会計事務所との提携ネットワークを持ちます。質の高い情報保有とあらゆるお客さまの課題に対応できる体制で譲渡、譲受双方のニーズに合わせて的確なマッチングを行い、国内最多累計6,500件というM&A成約件数を実現してまいりました。詳しくは専任のコンサルタントまでお気軽にお尋ねください。
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著者

川畑 勇人

川畑かわばた 勇人はやと

日本M&Aセンター東日本事業法人チャネル統括部長

キーエンスにて製造業を中心とした中堅中小企業向けのコンサルティングセールスに従事した後、2014年4月、当社へ入社。中堅・中小企業から上場企業まで、様々な企業に対して、買収戦略~M&A実行~PMI(企業結合)を総合的にサポートしている。理論と経験に基づいたハードスキルと中小企業のM&Aに必要なソフトスキルを兼ね備え、数多くのリピーターをかかえている。

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