M&Aを学ぶ

PMIとは?M&Aとの関係や注意事項、実施プロセスについて解説!

福田 敦子

日本PMIコンサルティング

竹林 信幸

日本PMIコンサルティング/代表取締役

M&Aの流れを学ぶ

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PMIのイメージ

PMIとは

PMI(=Post Merger Integration)とは、M&A成立後の「経営統合プロセス」のことです。新経営体制の構築・経営ビジョン実現のための計画策定・両社協業のための体制構築・業務オペレーション、ITシステム統合といった一連の取り組みのことを指し、M&Aによるリスクの最小化と、成果の最大化を目的としています。 成約後、M&Aにより目指す未来を実現させるまでに必要不可欠なプロセスとも言えます。

M&Aに欠かせないPMI

M&Aで大切なことは、「成約すること」そのものではなく、成約後、両社が期待していた未来を実現していくことです。両社に関わるすべての人が、「M&Aをして良かった」と心から感じられる未来、売上拡大やコストシナジーのための取り組みが成功し、数字上も両社が成長していく未来、といったものが実現できて初めてM&Aが成功したと言えます。

M&Aにはたしかにリスクもありますが、それでも実行するのは、その先にある未来にリスク以上の期待をしているためです。しかしそうした未来は、成約さえすれば自然と実現できるわけではありません。

果樹を育てる時のことを想像してみてください。苗を植えてあとは果実が成るのを待つだけ、ということはないと思います。果実を実らせる前に枯れてしまうことがないように、また、大きく立派な果実を実らせることができるよう天気に気を配りながら、土の様子をうかがったり、根付くまで頻繁に水をあげたり、様々なことに気を遣いながら “栽培”というプロセスをすすめていくことと思います。

M&Aによる成長の実現を目指す際も同様です。M&A成約時点とは、ある意味で、両社が目指す未来を実現するための「希望の苗を植えた」状態であるといえます。成約後、キーパーソンの退職や顧客離れなどのM&Aによるリスクを最小化すると同時に、売上拡大やコストシナジー等による企業の成長・従業員満足度の向上などのM&Aによる成果を最大化できるよう、戦略をたてて様々な取り組みを行っていくプロセスそのものが、PMIなのです。

【PMIとは、M&Aによるリスクの最小化・成果の最大化のための取り組みです】

想定されるリスク(例) 対応のための取り組み(例)
オーナー様退任による混乱 十分な引継ぎ期間の確保、オーナー様から社員へのM&A実施理由の説明
従業員の不安 譲渡企業社員と譲受企業社長との個別面談の実施、全社員向け説明会の実施
取引先との関係毀損 取引先へのあいさつ回りの徹底、取引先との関係維持のためのポイントの把握
想定される成果(例) 対応のための取り組み(例)
売上拡大 両者間でのクロスセルの実施、両者製造ラインの共有による受注ロスの削減
コストシナジー 共通仕入れによるコストカット、業務オペレーション・ITシステム統合による業務効率化
従業員満足度の向上 福利厚生制度の充実、両者間での人材交流による社員の成長機会の増加

なお、M&Aを実行する経営者は一般的にM&Aによる成果の最大化には熱心に取り組まれます。しかし、成果を最大にするためには、現場担当者の前向きな協力や取引先との良好な関係の維持が欠かせません。そのためPMIにおいては成果の最大化のための取り組みだけでなく、リスクの最小化のための取り組みにも十分に配慮することが重要です。

PMIの重要性

「M&Aをしたが当初の期待通りに成果が出せていない」という報道や噂は、M&Aを検討している方に「M&Aを行っても本当に“成功”させられるだろうか」と不安を抱かせる要因になっているのではないでしょうか?
たしかに“成約しただけ“では当初期待していたような華々しい成果を出すことはできません。M&Aの実行やその後の譲受企業の対応に不安を感じ沢山の人が退職してしまったり、社内の雰囲気が険悪になってしまうこともあるかもしれません。または、売上拡大のためにクロスセル(抱き合わせ販売)を始めても、実際に営業を行う現場担当者の積極的な協力を得られず、思うような成果をあげられないこともあるでしょう。
しかし、成約後の様々な取り組みの中で、どのようなトラブルが発生しそうか・どのような成果を期待できるかをしっかりと洗い出し、リスクの最小化・成果の最大化のための戦略を検討・実行していくことで、M&A”成功“の確度は上げることができるのです。PMIには少なからず「定石(セオリー)」というものがあり、正しく取り組むことでM&Aに対する不安は払拭していただくことができます。
“世界一のM&A巧者“といっても過言ではない日本電産の永守重信氏も「登山に例えれば、M&Aは契約の時点で2合目までしか上っていない。残りの8合分は企業文化の違いをすり合わせる『PMI』という手間のかかる作業で、これがまた難しい(2012年8月10日 日本経済新聞 朝刊)」と語っていることからも、いかにPMIが重要か、お分かりいただけるのではないでしょうか。

【M&Aを“成功“させるための3つの要素】
         
M&Aを“成功“させるための3つの要素

PMIのタイミング

PMIはM&Aの検討を始めると同時に準備を始めるのが望ましく、M&Aによる成長を持続させるためには終わりのない取り組みと考えてよいでしょう。
ここで重要なのは、「PMIは成約する前から準備が必要である」点です。果樹を育てる時のことを思い描いてください。種をまいたり苗を植える前に、適切な栽培方法を確認したり、土づくりなどの事前の準備を行うことと思います。M&Aにおいても同様です。例えば、高齢の譲渡企業オーナー様が事業承継の目的でM&Aを実行する場合、オーナー様退任後に譲渡企業の経営を担うことができる人材が譲渡企業内にいるのか、いない場合は譲受企業から派遣することができるのか否か、退任されたオーナー様にはどのような役割をどのくらいの期間担っていただくのか、成約前にしっかりと確認し、M&Aのプロセスを進めていく必要があります。
成約前の買収監査(=デューデリジェンス)では、財務や法務的な観点から問題点の有無を確認しM&Aの実行を検討します。その際に、成約後PMIを進めるうえで問題になりそうな事柄も洗い出してしておくことが、成約直後から円滑にPMIを推進していくための重要なポイントとなります。

PMIの期間

PMIは成約前から準備を始める必要があります。また、期待していたシナジー効果が創出できるまで、平均でも成約から1年はかかるため、PMIは長期的な取り組みであるといえるでしょう。
長期的な取り組みであるがゆえに、ごまかしが効きません。両社の経営者同士はもちろん、譲受企業の経営者⇔譲渡企業の担当者や、両社の担当者同士での強固な信頼関係や、両社現場担当者のモチベーションを高く維持しつづけるといった土台が重要です。そのため、M&A実行の意義や目指す未来を繰り返し伝えることや、双方向でのコミュニケーションを継続したり、できるだけ初期に結果を出すための取り組みを考えるなど、様々な工夫が必要となります。

譲受企業が意識しておくべきポイント

M&Aには2つと同じ案件はありませんが、失敗するPMIには必ず共通点があります。ここでは、とくに譲受企業のPMI担当者が陥りがちな3つのワナと対策について解説していきます。

自社の“当たり前”の強要

一般的に譲受企業は譲渡企業と比べて企業規模も大きく、組織としての経営体制も整備されている場合が多いです。そのため、買収監査の結果報告を受けたり、成約後に実務の現状を目にした際、自社と比較して譲渡企業が組織として未熟であるように感じることがあるかもしれません。そしてつい、「~くらいするのが普通だ」「これではダメですよね」と無意識に発言してしまうことがあるのですが、これこそM&Aの成功を妨げる要因となりますので注意が必要です。中小企業においては、例えば業務が属人的に行われていることも、管理会計が導入されていないことも、現金の取り扱いルールが定められていないことも多く、むしろ全て完璧に対応できているケースはほとんどありません。また、譲渡企業の方が「このままではダメなのではないか」と自ら気がついている場合でも、信頼関係の構築できていない相手からいきなり「それではダメだ」「すぐに当社のやり方に合わせてください」と言われてしまっては、上から目線で否定されているように感じ、嫌悪感を抱いてしまうことにもつながります。
もちろん企業の成長のためには必要な改革もありますが、「なぜそれを行う必要があるのか」「その改革を行うことで、どのようなメリットがあるのか」をしっかりと譲渡企業の方に伝えるなど、十分なコミュニケーションを取りながら進めていくことが大切です。

投資回収への“焦り”

M&Aは「成長に向けた投資」であるため、投資の回収や資本効率をなしに語ることはできません。譲受企業の担当者であれば、成約後に投資回収への責任感や緊張感を感じるのは当然のことです。上場企業であれば株主への説明責任がありますし、非上場企業の場合でも地元で相当に注目されていたり、譲渡金額を借り入れた銀行からの返済のプレッシャーを感じることともあるでしょう。しかしながら、焦って拙速な改革を行うことは得策ではありません。「投資回収はする、しかし焦りは禁物」なのです。PMIにおいては、業績向上などの定量的な成果をあげることはもちろん重要ですが、それだけでなく、M&Aに関わる全ての人が「提携してよかった」と心から感じられることも大切なのではないでしょうか。そのためには、信頼関係が浅いPMIの初期段階で焦って拙速な変革活動に取り組むことや、過剰なマネジメントを行い完璧なコントロールを行おうとするなど、譲渡企業の方から反発を招くような行為は控えるのが賢明です。譲渡企業の方から信頼され、前向きな協力を得ることができなければ、一時的にはコストカットなどの改革で成果が出たとしても、継続的な成長を期待することはできず、元の木阿弥となってしまうのです。
なお、PMIの適切な進め方については、「4章PMIのプロセス」にて詳しく解説していきます。

“気遣い”という名の放任

「相手を尊重する」姿勢はもちろん重要です。とはいえ、譲渡企業単体としても、またグループ全体としても、成長していくために取り組まなければならない課題もあるはずです。そうした課題への対応について話し合うことをせず放任していては、株主が変わっただけで結局何も良くならず、一体何のためにM&Aを実行したのだろうか…という状態になってしまいます。気を遣いすぎて放任になってしまうのでもなく、また上から目線で一方的に変革を押し付けるのでもなく、対応して欲しい事柄やその進め方、スピード感については両社で話し合いを重ねながら、適切な距離感で進めていくことがPMI成功のポイントです。

譲渡企業が意識しておくべきポイント

ポイントのイメージ

PMIは譲受企業が単独で実行できるものではありません。譲渡企業の方の積極的な協力なしには、PMIを円滑に進め両社の成長を早期に実現させることはできないのです。ここでは譲渡企業のオーナー様や従業員の方に意識していただきたいポイントを3つご紹介していきます。

提携の理由を“オーナー様がみずから発信”

まずは譲渡企業のオーナー様がみずから「M&Aを実行した理由」を、しっかりと全従業員に説明することが重要です。M&Aを実行したと聞くと、「乗っ取られたのではないか」と不安に感じたり、または「社長が会社を見捨てた」というような不満を感じる従業員の方も中にはいらっしゃいます。そのようなネガティブな感情を抱いたままでは、譲受企業の担当者に心を開き、両社が一枚岩となってPMIの取り組みを進めていくことは難しく、結果として当初期待していた両社の成長を実現することも困難になってしまいます。
そのため、譲渡企業のオーナー様が自ら「会社を成長させるための決断である。譲受企業とはビジネス上のシナジー効果も見込めるし、社長の人柄も魅力的で、安心して任せられると感じたからこそ提携を決めた。どうか理解してほしい。そしてPMIに協力してほしい」という内容を発信していただくことが、なによりも重要なのです。

不安やリクエストは“臆せず発信”

譲渡企業の皆さんの感じている不安や譲受企業へのリクエストは臆せず発信することが大切です。
コンサルタントとしてPMIの現場に携わっていると、譲渡企業の方から「譲受企業へ提案・リクエストしたいことがあるが、買われた立場であるし、あまり色々と言ってはいけないのではないか。立場をわきまえろ、と言われてしまうのではないか」と相談を受けることが多々あります。またM&Aの発表直後は少なからず不安を感じていらっしゃいます。しかし、リクエストやアイディアを譲受企業の方に発信せずに自分の中で飲み込んでしまったり、または不安な気持ちを相談せずに1人で抱え込んでしまっては、いつまでもお互いに心を開き、信頼関係を構築することができません。
譲受企業としても、譲渡企業の方々が感じられている不安に対して、できる限りの説明を行いながら信頼関係を構築していきたいと考えています。また、リクエストやアイディアについても、両社の成長につながったり、従業員の皆さんの働きやすさにつながるアイディアは、積極的に実現していきたいと考えています。そのため、譲渡企業の皆さんが抱く不安や様々なリクエストは、臆せず発信いただくことが両社にとって重要なことなのです。

“変わる勇気”を持つ

企業の成長のためには、譲渡企業の“良いところ”は当然残しながらも、改善すべき点は改善する必要がありますし、多少なりとも「従来と変わる」場面が発生します。例えば業務フローが変更になる場合、短期的には不慣れなためミスが発生したり、慣れない分手間に感じることもあるでしょう。しかし長期的な視点で考えたときに企業の成長に必要な取り組みなのであれば、従来の対応方法に固執するのではなく、“変わる勇気”を持って変化を前向きに捉えていただくことも大切なのです。

PMIのプロセス

PMIに取り組むことはもちろん重要ですが、誤った方法での取り組みは様々なトラブルを引き起こし、シナジー効果の発現を遅らせる要因となります。ここでは、成約後にどのようにPMIを進めていけば良いのか、PMIのプロセスを具体的に解説していきます。

プロセスのイメージ

PMI推進の<鉄則>

PMIを推進する際には、「守ってから攻める」の順番で進めていくのが鉄則です。
そもそも成約直後は、M&Aに反発したキーパーソンが退職してしまったり、キーパーソンの退職の影響をうけた他の従業員の士気が低下してしまうことがあります。他にも、取引先との関係が毀損してしまったり、商品やサービスの劣化による顧客離れなど様々なトラブルが発生するリスクが高い時期です。そのため、まずは譲渡企業の方の不安や懸念点を解消できるようコミュニケーションを重ねることや、譲渡企業のお取引先や顧客との関係性を維持するためのポイントを把握していきながら、譲渡企業のビジネスが従業通りに回るよう“守りを固める”ことが重要です。
そして、「守り」の取り組みが完了したのち、「攻め」の段階に移行します。「攻め」の段階では、譲渡企業単体として、またはグループ全体としての業績向上のための取り組みを、売上拡大/コストシナジーの観点から検討し、実行していきます。
M&Aの実行による期待感や投資回収などへの焦りから、早期に「攻め」の取り組みを始めたくなるのは当然です。しかし、攻めの取り組みを行うためには正確な現状把握や、譲渡企業の従業員と本音で話し合える信頼関係が不可欠です。そのため、PMIにおいては「急がば回れ。」の精神で進めていくことが、結果として早期のシナジー創出・成果の最大化につながるのです。

PMIのプロセス

PMIは、マッチング⇒成約前準備⇒(成約)⇒ディスクローズ⇒現状把握⇒100日プランの作成⇒施策の実行⇒モニタリング、というステップで進めていきます。ここでは、各ステップの概要や注意点について解説していきます。

ステップ0:マッチング

M&Aは「目標(ゴール)」ではなく、「目標(ゴール)」に到達するための「手段(ツール)」です。M&Aによってどのような未来を実現したいのか、そのビジョンが明確であればあるほど、適切なマッチングが可能になり、また、成約後のシナジー創出の確度が高くなります。そのため、「M&Aによって実現したい将来のビジョン」を明確にしたうえでマッチングを行うことが重要です。

ステップ1:成約前準備

マッチング完了後は、成約後にPMIを進めるうえで論点となりうる事柄について、成約前から対応を検討し必要な準備を開始します。
特に、PMI推進チームに参加する人材の見極めやキーパーソンの離職リスク、管理会計の導入状況や稟議制度の整備状況は成約直後から論点となりやすいテーマですので、あらかじめ確認し、成約直後の混乱の発生を最小限に抑えることが重要です。
上記のような事柄への確認を始めるタイミングとしては、Top面談や買収監査(=デューデリジェンス)の時点を目途にするとよいでしょう。

ステップ2:ディスクローズ

成約後は、両社の関係者へM&Aの実行について発表を行います。
特に譲渡企業の従業員への発表においては、譲渡企業に対して感じている魅力や一緒になった理由、両社で一緒に目指していきたいと考えている “バラ色の未来”を伝えることはもちろんですが、それだけでなく、従業員の雇用の維持など、「M&A後も変わらないこと」も明言することが重要です。また、発表のタイミングや言葉選び、参加者について事前に両社で打ち合わせを行い、従業員へ不信感を与えないよう細心の注意をはらって行うことが大切です。
なお、PMIにおいては譲受企業担当者の協力も不可欠ですので、譲受企業担当者に対しても提携の経緯や目的を十分に伝えるとともに、譲渡企業担当者とのコミュニケーションを重視するあまりに譲受企業内でのコミュニケーションが疎かにならないよう、注意しましょう。

ステップ3:現状把握

従業員発表後は、成約前には接触することができなかった譲渡企業の役員や実務担当者へインタビューを行い、譲渡企業の現状をより詳細に把握していきます。このステップは「買収後監査」と言うこともあり、目指す姿と現状とのギャップを把握するための大変重要なプロセスです。
PMIの初期段階において大切なことは、M&Aによる混乱の発生を防ぎ、譲渡企業のビジネスを従来通り動かすことです。そのため、役員や実務担当者へのインタビュー等を通じて「譲渡企業における現在のビジネスがどのような仕組みや役割分担によって動いているのか?」を正確に把握し、譲渡企業におけるビジネスの肝を見極めていくことが重要です。
同時に、M&A実行の発表を聞いた際の率直な思いや不安に感じていること、両社がグループとなったことで期待していること・挑戦してみたいことなどをヒアリングし、双方向でのコミュニケーションを続けながらお互いの理解を深め、信頼関係を構築していきましょう。

ステップ4:100日プランの作成・実行

100日プランとは、成約から3か月間でのPMIの実行スケジュールのことです。
お取引先への挨拶や社員との個人面談の実施など、取り組みの優先順位が高いテーマを「100日プラン」としてスケジュール設定・実行していきます。
成約後実際に成長が実現できるまで1~2年はかかりますので、特に最初の100日間では、緊急度の高いテーマに取り組むことと、その後の長期的な取り組みを支える体制づくりが重要となります。
なお、多くの企業ではPMI専任担当者はおらず従来業務に加えてPMIの業務を行うことになりますので、譲渡企業・譲受企業ともに実務担当者の業務負荷も考慮に入れ無理のないスケジュール設定を行うよう注意しましょう。

ステップ5:実行計画の作成・実行

100日プランの取り組み完了後は、100日プランに盛り込むことができなかった施策を中心とした実行計画を作成し、取り組んできます。
ステップ3の現状把握の段階で、譲渡企業の経営課題や、売上拡大・コストシナジーのための取り組みを一覧にして整理しておくと、100日プラン完了後にスムーズに対応を始めることができます。
なお、対応すべきテーマや優先順位はそれぞれのプロジェクトによって異なりますが、いずれの場合もPMIは長期的な取り組みとなりますので、担当者のモチベーションを高く維持しつづける工夫が必要です。例えば、両社のPMI担当者に対して今回の提携の意義や目指す将来像を繰り返し伝え、「自分たちで必ず成長を実現させよう」という強い当事者意識を引き出すことや、成果の出しやすい取り組みを優先して行い、M&Aによる企業の成長を少しずつでも実感してもらうことも有効です。

ステップ6:モニタリング

作成した実行計画について、進捗状況をモニタリング(成果の測定)していきます。同時に、各取り組みを行う現場担当者のモチベーションや両社担当者同士の関係性についても確認し、対応が必要であれば打ち手を検討することが重要です。
また成約から1年の節目を目安に、その時点での両社の関係性や各施策の取り組み応状況について振り返りを行い、さらなる成長に向けて対応方針や実行計画のブラッシュアップを行うとよいでしょう。

PMIにおける実施事項

実施事項のイメージ
ここではPMIにおける5つのテーマについて、その取り組み方法やポイントを解説していきます。

新経営体制の構築

提携後は新しい意思決定者や意思決定のプロセスを明確にする必要があります。
もちろん、提携後は譲受企業側が最終的な意思決定権を持つことになるため、譲受企業から新経営者として派遣された人材が譲渡企業に常駐し、譲渡企業の意思決定を行うケースが一般的です。しかし、譲渡企業のオーナー様が退任せず残られる場合や、譲受企業として人を派遣し常駐させられるだけの人員の余裕がない場合は、譲受企業の経営人材が譲渡企業に常駐するのではなく、定期的な訪問や会議により状況を把握し意思決定を行うという方法をとることになります。
なお経営体制を検討・構築するうえでは、一度決めた体制にこだわることなく、状況に応じて随時適切な体制にアップデートしていくなど柔軟な姿勢で対応することが重要です。

経営ビジョンの作成と実現のための計画策定

中小企業においては、経営ビジョンや経営戦略は「社長のみぞ知る」という状態になっており、言葉にして社員に共有されているケースは多くありません。そんななかで、ある日突然M&Aの実行や社長の退任を知らされた社員は、「これから会社はどうなっていくのか」「これから何が起こるのだろうか」と不安や疑問に感じることも当然です。
そうした社員の不安や疑問を解消し両社が一枚岩となって施策に取り組んでいくためにも、「これからどのような未来を目指すのか。目指す未来を実現するために、どのような取り組みを行うのか」を全員に共有し、「一緒に頑張っていこう」と共感してもらうことが必要です。
そのためにまず、両社のトップ同士で「10年後や5年後の会社の理想の姿」を話し合い、経営ビジョンを作成します。その後、ビジョン実現のためにできること・やらなければならないことを、両社の現場担当者の意見もヒアリングしながらまとめ、計画を作成していくことになります。
なお、会社の将来像を作成する際には、どうしても現在の延長線上で考えてしまうことが多いです。しかし、あえて現状にとらわれずに、両社のリーダー自身が“心からワクワクできる“未来・理想を語り、「その実現のためにみんなで力を合わせて頑張ろう」と従業員の心を1つにすることで、理想を夢物語で終わらせず、実現させることが可能になるのです。

両社協業のための体制構築

成約後にシナジー効果を創出するためには、両社の現場担当者同士での密な連携が欠かせません。もちろん、人と一緒に仕事をする以上、お互いに気を遣いながら円滑に仕事を進めていこうとするでしょう。しかし、両社で大切にしている価値観が異なる場合、「お互い気を遣っているつもりが逆効果」ということになる場合がありますので注意が必要です。
両社の現場担当者同士で協業していく際には、「お互いの大切にしている価値観や働き方を尊重したうえで、新しいルールを作ること」また、「取り組みを進める際は、5W1Hを明確にする」ことを意識し、両社の“すれ違い”を防ぎながら、信頼関係を構築していくことが重要です。

業務オペレーション・ITシステムの統合

業務オペレーションやITシステムの統合はPMIにおける数多くの取り組みの中でも難易度の高い取り組みと言えます。というのも、業務効率化=自分の仕事がなくなってしまうのではないか、と不安に感じたり、業務フローを変更する=慣れるまでは従来よりも業務に時間がかかる・慣れるまでミスのリスクが高くなる、など特に実務担当者にとっては不安に・ネガティブに感じられてしまい、協力を得るのが難しい場合が多いからです。また、オペレーションの変更にともない、組織体制の変更も必要になるなど、全社を巻き込んでの改革となる可能性もあります。そのため両社での信頼関係が構築できるまでは拙速な取り組みは行うべきではありません。しかしいつまでもオペレーションやシステムを統合しないままでは、(明らかに非効率にもかかわらず)顧客によって業務フローを使い分ける必要がある、同じ情報を2つのシステムに入力する手間が発生する等、様々な“無駄”が生じる要因になりますので、焦らずにじっくりと・しかし確実に進めていく必要があります。
そのように取り組みの難易度が高い業務オペレーションやITシステムの統合ですが、ポイントを以下3つ解説していきます。

ポイント①徹底したヒアリング

どのような役割分担で、どのような流れで実務を行っているのか。システムに関しては、誰がいつ、どのような情報をインプットし、アウトプットしているのか。そもそもなぜその業務フローで行っているのか。その業務フローにおける、譲渡企業の強みや弱点はどこなのか、という内容を、現場の実務担当者にヒアリングし徹底的に確認していく必要があります。

ポイント➁あるべき姿の設計

単に譲受企業のオペレーションやシステムに統一することをゴールにするのではなく、両社が今後成長していくうえで適切なオペレーションは何か、必要なITシステムは何か、既存のあり方にとらわれずに「あるべき姿」を根本から検討し、設計することが重要です。

ポイント➂担当者の心理的ケア

従来の業務オペレーションやシステムに慣れ親しんでいた人にとっては、従来と変わる、特に譲受企業に統合する、ということは多少なりとも精神的な負担が発生します。取り組みの意義や重要性を伝え理解を得ると同時に、担当者の不安な気持ちや、「頭ではわかっているけれど…」という複雑な感情にも理解を示す姿勢が重要です。

経理・財務の統合

経理・財務の統合は、グループ全体としての適切な経営判断を行うために早急に行うべき重要な取り組みです。とくに上場企業とのM&Aの場合には、待ったなしで対応を進めていく必要があります。
ここでは、中小企業のPMIにて取り組むことの多い、以下5つのテーマについて解説していきます。

①経理体制の構築

中小企業においては、社長の奥様が経理業務を一手に担われているケースがよく見られます。その奥様がM&Aと同時に退任される場合、支払業務や給与計算、会計データへの入力等、日常業務に支障を来す恐れがあります。そうした事態を防ぐため、退任される方の業務を見える化(業務棚卸リストや業務フロー、マニュアルの作成)し、しっかりと後任に引継ぐことで円滑に業務が回るように対応することが重要です。

➁決算早期化・決算期統一

中小企業においては、月次決算が実施されているケースは多くはありません。また、実施されていたとしても、月末に締めて翌々月に試算表が完成する、などタイムラグが生じていることもあります。
しかしながら、迅速かつ適切な財務分析、意思決定を行うためには、タイムリーに決算内容を把握することは不可欠です。そのため、経理担当者へのヒアリングなどを通じて月次決算が遅れてしまうボトルネックを特定し、決算の早期化を目指します。
なお決算の早期化というと、経理部門のみの取り組みのように思われるかもしれませんが、関連する多くの部署の業務プロセスを見直す必要がある全社的なプロジェクトです。そのため、取り組み当初は関係者から反発をうけることもありますが、決算早期化の必要性を伝えながら粘り強く進めていくことが必要となります。
また、譲渡企業と譲受企業の決算日が異なる場合、決算日の統一のための手続きが必要となる場合があります。

➂連結決算体制の構築

譲受企業が上場企業であった場合、譲渡企業の決算数値を取り込んで連結決算を行う場合があります。その際、単純に両社の財務諸表を合算するだけでは内部取引が含まれた財務諸表になってしまうため、内部取引を相殺しなければなりません。(中小企業同士のM&Aであったとしても、グループとしての業績を把握する目的で連結決算を行うこともあります。)
なお連結決算を行う際は、譲渡企業・譲受企業ともに連結決算のための特別な対応が必要になります。今まで連結決算を行ったことがない譲渡企業の経理担当者からすると、業務量としても・精神面でも負担となってしまう可能性がありますので、連結決算を行う際は必要に応じて担当者を増やすなどのフォローが重要です。

④管理会計

M&Aを機に、新たな会計方針の設定や会計方針の見直しに伴い、KPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicators)、業績管理、中期経営計画の策定、予算策定等を見直す、もしくは新たに整備する必要があります。
整備後は、計画数値と実績数値の差異の把握、原因分析及びその後のアクションの検討など、PDCA管理を実施する必要がありますが、今まで行っていなかった業務をいきなり実施するとなると、担当者の負担となってしまう可能性がありますので、譲渡企業にすべて委ねるのではなく、必要に応じて譲受企業主導もしくは譲受企業と譲渡企業の協力のもと実施することが重要です。

⑤内部統制の構築

中小企業においては、経費精算、勤怠管理、各種申請に関わるルールや制度が未整備であり、都度オーナー社長が判断していることが少なくありません。しかしM&Aにより上場企業のグループとなった際には、財務諸表監査、内部統制監査対象となることがありますので、内部統制上の3点セット(フローチャート、業務記述書、リスクコントロールマトリックス)を作成し、不正行為の防止、業務ミスの防止や効率化を図るための社内体制を譲受企業の監査レベルに合わせて、新たに構築する必要があります。
また、非上場企業同士のM&Aであっても、M&Aを機に社長が退任する場合、判断基準が明文化されていなければその後の組織運営に支障をきたす可能性がありますので、ルールや制度を整備・明文化することが望ましいでしょう。

PMIのQ&A

成約前は、どのような項目を確認すべきでしょうか?

確認が必要な項目は案件によって異なりますが、以下の5つはいずれの案件においても重要な確認ポイントです。
①オーナー様が退任される場合、後継者は社内にいるのか?
➁経理業務は、オーナー様の奥様が担当されているのか。奥様が担当している場合、オーナー様と一緒に退任されるのか?
➂管理会計は導入されているか?
④適切なKPIが管理されているか?
➄経営ビジョン・中期経営計画はあるか?
確認すべき項目や、確認結果にもとづく対応についてより詳しくお知りになりたい場合は、個別にお問い合わせください。

PMIはコンサルタントに依頼しなくても、両社だけで対応できますか?

もちろんコンサルタントに依頼せず、両社のご担当者のみで進めていただくことも可能です。
一方で弊社がご支援させていただく場合には、PMIを効率的に・効果的に進めていくためのアドバイスの提供や、両社の橋渡し役としてのコミュニケーションサポート、シナジー創出のための取り組みサポートなど、幅広くサポートをさせていただきます。ご支援内容・期間、ともにお客様のご要望に応じたご提案が可能ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

PMIについて個別に相談したいのですが、どこに問い合わせたらよいですか。

日本M&Aセンターの営業担当者へご連絡ください。
営業担当者がご不明の場合は、株式会社日本PMIコンサルティングに直接お問い合わせください。

株式会社日本PMIコンサルティング

【お問い合わせ先】
・代表電話:03-5218-6150(平日9:00-17:30まで)
・代表アドレス(担当:福田):info@jpmic.co.jp

日本M&Aセンター以外で成約した案件でも、PMIを依頼できますか?

日本M&Aセンター以外でご成約された案件についても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

既に成約しPMIの取り組みを行っている場合でも、途中からサポートしていただくことは可能ですか?

PMIの取り組みフェーズに関わらずご支援可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

著者

福田 敦子

福田ふくだ 敦子あつこ

日本PMIコンサルティング

大手金融機関、コンサルティングファームを経て日本PMIコンサルティングに入社。入社後は、両社間での信頼関係構築支援やシナジー創出のための取り組み支援、上場企業と非上場企業のPMIにおけるプロジェクトマネジメント業務に携わるなど、M&A成約前後のPMI準備から両社成長の実現までをトータルでサポートしている。

監修

竹林 信幸

竹林たけばやし 信幸のぶゆき

日本PMIコンサルティング/代表取締役

国内外コンサルティング会社にて経営コンサルティング業務に従事。オペレーション改善、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、M&A支援、企業再生、経営者向けのコーチングなど、豊富なコンサルティング経験を有する。株式会社日本M&Aセンター入社後、2018年に日本PMIコンサルティング設立時に取締役就任、2020年4月より現職。

STEP1

M&Aの基礎知識を学ぶ

STEP2

M&Aの流れを学ぶ

STEP3

M&Aの専門知識を学ぶ

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M&Aにおける基本合意書の締結

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基本合意書とは中小企業M&Aでは譲渡側(売り手)、譲受側(買い手)双方の意思決定者が顔合わせをするトップ面談で両者の意向が一致すると、M&A対価の概算や対象企業の役員の処遇など基本的な条件のすり合わせが行われます。そして、ある程度条件が固まってくると、その時点での譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)の合意事項を確認し、いくつかの基本事項について合意するために契約が書面により締結されます。それが基本合

譲渡側(売り手)からみた、譲渡先の選定ポイント

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自社の詳細情報(概要書)など必要書類が整ったら、いよいよ次は譲渡先、つまり譲受企業(買い手)探しです。まず思い浮かぶのは同業の大手企業かもしれません。一方で、必ずしもそれだけとは限りません。ここでは、どんな譲受企業(買い手)が候補の選択肢として挙げられるかをふまえ、自社にとって最適な譲渡先企業を選定するポイントを整理します。一般的な譲渡先企業(買い手)の類型上場企業か、未上場企業か上場企業とは、そ

M&Aのディスクロージャーとは?押さえておきたいポイント

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M&Aは「秘密保持に始まり、秘密保持に終わる」と言われるほど、秘密保持を重視しています。一般的には最終契約書にサインされるまで、たとえ身近な自社の従業員であってもその事実は公表されることはありません。情報漏洩により、M&Aの予定を第三者に知られては会社の存続に関わる問題となりうるからです。本記事ではあらかじめ押さえておきたいポイントをご紹介します。対象者別の対応譲渡側(売り手)オーナーは、M&Aの

M&A仲介とは。その役割・メリットについてご紹介

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自社の売却、あるいは他社の買収について具体的に検討を進める際に、相談先として複数の選択肢があること。複雑な手続きを一気通貫でサポートできる大手M&A仲介会社に相談することが、円滑なM&A実行にあたって不可欠であることをこれまでご紹介してきました。本記事では「M&Aの仲介」について、その果たす役割や中堅・中小企業のM&Aにおける相談先としてお勧めする理由を、一つひとつ解説してきます。M&A仲介の役割

「M&Aの流れ・PMI」に関連するコラム

中小企業庁が中小PMIガイドラインを初策定

広報室だより
中小企業庁が中小PMIガイドラインを初策定

事業承継の方法として増加する中小企業のM&Aの効果を発揮するために新指針が打ち出されました。中小企業庁は2022年3月17日、中小PMIガイドラインを初策定しました。PMIとは「PostMergerIntegration」の略語で、M&A後の統合プロセスを表す言葉です。M&Aの目的を実現するための統合の効果を最大化するために必要なプロセスですが、これまで中小企業のM&Aは企業選びのマッチングばかり

「中小PMIガイドライン」初策定へ 中小企業庁

広報室だより
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中小企業において増加するM&Aの効果を高めるために中小企業庁は現在、「中小PMIガイドライン(仮称)」の策定を進めています。PMIとはPostMergerIntegrationの略語でM&A後の統合プロセスを表す言葉です。M&Aによる譲渡企業と譲受企業の相乗効果を発揮するためには円滑な統合プロセスが重要となります。ガイドライン策定には、M&A経験のある経営者やPMIを支援する実務者、学者らによる策

25社譲受して成長するハシダ技研工業の「M&Aは人助け」の凄み

広報室だより
25社譲受して成長するハシダ技研工業の「M&Aは人助け」の凄み

「M&Aは人助け」を信条に2008年から2022年までの間、買い手企業として計25社を譲受した大阪市のハシダ技研工業株式会社。火力発電所に使用されるガスタービン部品は高い技術力から、ゼネラル・エレクトリック(GE)社や三菱重工業など名だたる企業を取引先に持ち、自動ドアの自社ブランドも好調な製造業のグループ企業です。後継者のいない製造業を譲り受けながら成長を果たしています。事業はグループ売上高200

「本当にM&Aでこんなことできるのか」 わずか1年足らずで経営者の悩みを克服した住宅メーカー「サンオリエント」

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多くの中小企業の経営者は会社の発展と従業員の雇用の安定を常に考えながら、一人で重責を背負い込み、先行き不安のなかで事業の舵取りを担っています。岡山市の住宅メーカー「サンオリエント」の創業者である磯﨑慎一取締役社長は2022年2月、日本有数の高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市で成長する住宅メーカー「髙翔」のグループ入りを選びました。磯﨑社長は50代前半ながらM&Aを決断した背景にも、事業の発展と雇

同業・異業種のM&Aで成長スピードを加速 グループ年商150億円を目指す西和物流の挑戦

広報室だより
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M&Aの経験豊富な経営者から経営哲学やM&Aの狙いを聞くインタビューコーナー「巧者に学ぶM&A戦略」が始まりました。初回は奈良県に本社を構える総合物流企業の西和グループです。これまで6度の同業・異業種のM&Aを実行し、グループを拡大させて成長を続けてきました。地元メディアや業界誌で注目企業に選定されるなど地域と業界の発展にも貢献されています。西和グループの中核企業である株式会社西和物流の萩原良介代

2021年のM&A件数は過去最多、2022年トレンド予測

広報室だより
2021年のM&A件数は過去最多、2022年トレンド予測

2021年のM&A件数は2020年に比べて14.7%増加し、4,280件(レコフデータ調べ)と2019年の4,088件を上回り、過去最多を記録しました。大きな要因は、コロナ禍によるM&Aの後倒しと金融緩和が考えられます。右肩上がりだったM&A件数は2020年こそ2019年に比べてM&A件数は減少しましたが、延期されていた案件が21年に成約した例も少なくありませんでした。世界中でM&A件数が増加して