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シナジー効果を最大にするPMIは譲渡企業との丁寧なコミュニケーションから

広報室だより
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譲受け企業の初動がシナジー効果創出のカギを握ります。日本M&AセンターHDのグループ会社日本PMIコンサルティングは、譲受け企業を対象にM&A後の経営、PMI(Post Merger Integrationの略M&A後の統合プロセス)のポイントを学ぶセミナー「PMI 1日研修会」を2022年12月20日に開催し、日本PMIコンサルティングの竹林信幸代表取締役がPMIの考え方や具体的なアクションを解説。62人がオンラインで参加しました。

M&Aの成功は、譲渡企業と譲受け企業がともに成長すること

M&Aのメリットは、事業の連携により新たな価値が生まれる相乗効果です。これまで以上に企業成長が期待できます。具体的には、譲受け企業の経営資源やノウハウを譲渡企業の事業に応用して生まれる事業シナジーや、製品の製造過程において生産方式や原材料を共有することでコストを削減するなどの効果が挙げられます。シナジー効果を最大化するために重要になるのがM&A後の経営統合、PMIです。PMIは「経営の総合科目」と呼ばれるように、財務会計といった定量的な面だけでなく、人材や企業文化など定性的な面も考慮することでM&Aの成功につながります。譲受け企業の経営陣がリーダーシップを持って進めることが求められています。

方向性の検討は早めに 段取りを踏まえシナジー効果創出を目指す

早めに統合イメージを検討していた企業が、期待通りのシナジー効果を創出しているとのデータを用いて、「M&AとPMIをはっきり区別するのではなく、M&Aの交渉中からもPMIを検討することが成功のカギです」と説明します。両社の経営者が臨むトップ面談からPMIを考えても早すぎることはないといいます。

PMIは3つのステップを踏みます。ステップ1は「維持」で譲渡企業の現状を正確に把握し、これまで通りそれぞれのビジネスを回すことに力点を置きます。次のステップでは「統合」をテーマに、譲渡企業と確固たる信頼関係を構築し、経営資源の統合を進めます。最後のステップは「発展」で、シナジー効果を創出して事業の発展につなげていくことを目標に定めます。「譲受け企業は投資資金を回収しなくてはいけないと焦る方も多いですが、譲渡企業を理解して丁寧に歩み寄ることが、ミスコミュニケーションを減らしPMIをスムーズに進めるポイントです」と陥りやすい注意点を解説します。

M&A成約後に実行する両社の従業員開示においても具体的な方法を説明しました。新体制に対して、従業員の不安を減らす方法として、譲受け企業のトップが従業員開示に同席し、M&Aの目的や今後のビジョンを丁寧に説明することが鉄則と伝えます。取引先にも挨拶状を送付して信頼関係の維持に努め、今まで通りのビジネスを回すためにも初動が大切とまとめました。

陥りがちなミスをカバーするコンサルティング体制

これまで100社以上のPMIを支援してきた日本PMIコンサルティングの支援事例も解説しました。異業種のM&Aにおいて、譲渡企業に経営を頼りすぎる企業が多いことを踏まえて、ビジョンを共有して同じ目標に向かう方法として経営方針発表の資料を作成しました。企業同士が離れた遠隔地の事例では、コミュニケーションが希薄にならないよう、日本PMIコンサルティングが譲受け企業の社員に代わって譲渡企業に毎週訪問して事業状況を伝達するなど、現状理解のためのコミュニケーションを担いました。

竹林代表取締役は「M&Aの成功は譲渡企業と譲受け企業が共に成長することです。そのためにゴールを明確化させる必要があります」と語り、譲渡企業の現状を理解して丁寧にコミュニケーションを取ることがPMIで重要だと締めくくりました。

次回のPMI一日研修は、2023年1月17日です。

著者

M&A マガジン編集部

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日本M&Aセンター

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