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M&Aにおける基本合意書の締結

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基本合意書とは

中小企業M&Aでは譲渡側(売り手)、譲受側(買い手)双方の意思決定者が顔合わせをするトップ面談で両者の意向が一致すると、M&A対価の概算や対象企業の役員の処遇など基本的な条件のすり合わせが行われます。そして、ある程度条件が固まってくると、その時点での譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)の合意事項を確認し、いくつかの基本事項について合意するために契約が書面により締結されます。それが基本合意書です。
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本稿では、基本合意書がどういった内容のもので、なぜ締結する必要があるのか、また、実際に基本合意書を作成するにあたり注意すべき点について解説します。*なお、本文では中小企業M&Aにおいて全体の8割程度を占める、100%株式譲渡スキームを想定した解説とさせていただきます。

概要・目的

基本合意書とは、主にデューデリジェンス(買収監査)の実施前において、売り手と買い手が合意したM&Aの基本的な条件について定めた契約書です。基本合意書を締結する目的は案件によって様々ですが、主に交渉内容やスケジュールなどの認識を明確にし、スムーズに交渉を進めることを目的として締結されます。英語ではLetter of IntentやMemorandum of Understandingと呼ばれ、頭文字をとってLOIやMOUといった略称が用いられることもあります。

基本合意書に記載される事項一覧

基本合意書の内容は案件ごとに異なりますが、多くの場合、下記のような条項が定められています。
(各事項の詳細は「基本合意書の内容」をご参照ください。)

  • スキームの概要
  • 譲渡価格の概算
  • スケジュール
  • 買収監査の実施・役員の処遇
  • 保証債務の解消等
  • 独占交渉権の付与
  • 秘密保持義務の設定
  • 一般条項

基本合意書の法的拘束力

原則として、契約を締結するとその合意には法的な拘束力が生じます。法的拘束力のある条項に違反した場合には、損害賠償責任を負う可能性があります。基本合意書は譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)で合意した内容を書面にした契約なので、何も規定しなければ法的拘束力が生じます。しかし、基本合意の段階では、法的拘束力をすべての条項に及ぼすことはまれであり、一部の条項にのみ法的拘束力を限定します。

法的拘束力を付与する条項

基本合意書の中で、法的拘束力を付与すべき条項で特に重要なものは、①独占交渉権の付与と、②秘密保持義務の設定です。(「基本合意書の省略」にて詳細記載しております。)
その他、③解除、④合意書の効力等に関する条項(有効期限・譲渡禁止・法的拘束力)、⑤一般条項の一部(費用・合意管轄等)に法的拘束力を付与することが多いですが、どの条項に法的拘束力を付与するかは、案件の内容により異なります。

法的拘束力を付与しない条項

基本合意書はデューデリジェンス(買収監査)の前に締結されるため、譲受側(買い手)からすると、デューデリジェンス(買収監査)によって対象企業の内部情報を把握する前に、条件面について法的な義務が生じる約束をすることは通常困難です。そのため、法的拘束力を付与すべき事項以外は、法的拘束力を付与せず柔軟に記載することになります。
なお、法的拘束力を付与しない条項がある場合、契約書に規定する必要がありますが、具体的には下記のような条項を入れることになります。

(法的拘束力)
第●条 売主及び買主は、本合意書のうち第●条乃至第●条についてのみ法的拘束力を有し、その他の条項については法的拘束力を有しないものであることを確認する。

基本合意書の省略

基本合意書は最終契約書に先立つ前座的な立ち位置であるために、比較的小さな規模のディールが多い中小企業M&Aでは、「すぐに最終契約書を締結するのに、短期間に2度の契約が必要なのか」「ほとんどの条項に法的拘束力がない基本合意書を締結することにそもそも必要性を感じない」などの声が譲渡側(売り手)から上がるケースも少なくありません。
結論から申し上げますと、原則として基本合意書を省略するべきではありません。
その理由は、①独占交渉権と②秘密保持義務にあります。

独占交渉権

M&Aを検討する際、譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)はかなりの時間と労力と費用を費やします。特に譲受側(買い手)は、基本合意書を締結後にデューデリジェンス(買収監査)のステップに入ります。対象企業のリスクや資産価値を正確に把握するために、譲受側(買い手)が公認会計士や弁護士等の専門家に依頼して現実の実査やレポーティングが行われ、数百万~一千万単位の費用がかかることもあります。
デューデリジェンス(買収監査)が始まってから一方的に交渉が打ち切られると、譲受側(買い手)としては監査費用が無駄になり、多大な損害を被ることになります。基本合意書に規定していなければ、譲渡側(売り手)が第三者と交渉しても契約違反には問えず、法的拘束力を付与していなければ損害賠償請求もできません。(契約締結上の過失などの理論に基づいて一定の損害賠償請求が認められる可能性はありますが、かなり難しいと思われます)。そのため、譲受側(買い手)はデューデリジェンス(買収監査)に進むために独占交渉権の付与を受ける必要があります。

秘密保持義務

一般的にM&Aを検討するにあたり、基本合意の前段階で秘密保持契約を締結していますが、譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)間の契約でない場合や秘密情報の内容に変更が必要な場合もあるため、改めて基本合意書において秘密保持条項を定め、基本合意が秘密保持契約を兼ねるケースが多くあります。
M&Aに関する情報の漏洩は、従業員や取引先の不信感を招き、最悪の場合は従業員の退職や取引の打ち切り等、譲渡企業の経営に深刻な影響を与えることになります。デューデリジェンス(買収監査)で多くの秘密情報を提供する譲渡側(売り手)は、秘密が守られる保証がなければ安心して情報を提供することはできません。
譲受側(買い手)としても、譲渡側(売り手)を安心させることができればデューデリジェンス(買収監査)に積極的な協力を得られ、リスクの把握がしやすくなることから、秘密保持義務について明確にしておきます。
上記の2点は基本合意書の中で最重要項目になるため、法的拘束力を付与した形で合意することが一般的です。中小企業M&Aにおいて、上記2点を約束せずにデューデリジェンス(買収監査)に進むことは実務上ほとんどなく、原則として基本合意書を省略するべきでないとする理由です。

基本合意書の内容

基本合意書の内容としてはスキーム、株価、スケジュール、対象会社の役員についての処遇や、辞任する場合の退職慰労金の有無について定めます。その他、従業員の雇用維持、辞任役員の引継ぎ、取引先からの承諾の取得、不動産の売買、役員借入金の返済などケースに応じて任意に定めます。基本合意の段階で、詳細な条件まで詰めて決定できた案件はM&Aの実行がスムーズに進む傾向にあります。詳細をそれぞれ解説していきます。

スキームの概要

本文で解説している株式譲渡の他に事業譲渡、合併、会社分割等の企業提携の形態(スキーム)を定めます。ただし、スキームは買収監査の結果、具体的なリスクの指摘内容により変更される可能性がありますので、協議の上で変更ができるようにしておくケースが多いです。

譲渡価格の概算

譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)が基本合意の時点で合意した金額または算出根拠を定めます。役員への退職慰労金を含めた価格とする場合は、その旨も明記しておきます。譲渡側(売り手)、譲受側(買い手)ともに譲渡価格は交渉を進めるかどうか検討するにあたっての重要な考慮要素であり、基本合意に記載の譲渡価格が最終契約の交渉のベースになるため、金額はできる限り特定して記載すべきです。
「スキームの概要」と同様、デューデリジェンス(買収監査)の結果を踏まえて調整が必要な場合もありますので、変更ができるようにしておくことが一般的です。

スケジュール

デューデリジェンス(買収監査)実施の日程や最終契約締結及び株式譲渡実行等に係るスケジュールが定められますが、あくまでこの日程で進めたいという譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)双方の確認の意味合いであり、法的拘束力はもたない条項とするケースが多くあります。案件によっては、決算や連結処理にあわせるために譲渡日が限られることがありますので、早めのスケジュールをたてて、関係者全員で理由とともに共有しておくことが円滑に進めるキーとなります。

デューデリジェンス(買収監査)の実施・役員の処遇

デューデリジェンス(買収監査)は対象企業のリスクや資産価値を正確に把握するために、譲受側(買い手)が公認会計士や弁護士等の専門家に依頼して行われます。譲受側(買い手)は監査に多くの時間と費用をかけることになるため、基本合意書には譲渡側(売り手)がこれに協力するよう定めます。
また、後継者不在を理由とする事業承継型M&Aでは、譲渡側(売り手)が早期の引退を希望しているケースも多く、役員の処遇は非常に重要な規定になります。対象企業の役員について留任か辞任か、辞任する場合は退職慰労金の有無についても定めます。

保証債務の解消等

譲渡側(売り手)の債務に関わる個人保証の解除は、中小企業のM&Aでは対価に近い性質を持ち、必ずと言ってよいほど定められる条件です。まれに、保証債務がないという理由で削除したいという要望が上がるケースもありますが、保証債務の有無については慎重に確認する必要があります。原則として監査前の基本合意段階で保証債務がないという判断はすべきではなく、譲受側(買い手)に保証債務解除の必要性を認識していただくためにも入れておくべき条項になります。

独占交渉権の付与

前述の「独占交渉権」にて、独占交渉権付与条項の必要性を記載しておりますが、一方で、譲渡側(売り手)からすると独占交渉権を付与することにより、譲渡側(売り手)は期間中、他の譲受側(買い手)候補と自由に交渉することができなくなります。譲渡側(売り手)としては、できるだけ多くの譲受側(買い手)候補から最も有利な条件を提示する企業と交渉をしたいと考えるため、譲渡側(売り手)をあまりに長期間拘束することがないよう、独占交渉期間は2か月~6か月程度にすることが多いでしょう。

秘密保持義務の設定

譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)双方がM&Aに関して知りえた一切の情報を企業提携以外の目的に利用したり、第三者に開示したりすることを禁止します。秘密保持義務の必要性については、「秘密保持義務」をご参照ください。通常は、契約終了後も一定期間は秘密保持義務が継続すると規定します。

一般条項

契約書の最後に置かれる一般条項は定型的な内容となり、交渉の対象となることは多くありません。例えばデューデリジェンス(買収監査)や投資銀行などのファイナンシャル・アドバイザーへの報酬等の費用は、費用を支出した当事者が各自それぞれに負担するという費用負担の規定や、基本合意に関する紛争について第一審の専属的管轄裁判所を合意する規定等を置きます。

基本合意書・意向表明書・最終契約書の違い

基本合意書と意向表明書の違い

意向表明書は、譲渡側(売り手)、譲受側(買い手)双方が合意して締結する基本合意書と異なり、譲受側(買い手)が譲渡側(売り手)に対し、一方的に譲受けの意思と希望条件を伝える差入形式の書面です。通常、基本合意書では独占交渉権の規定が置かれているため、基本合意書の締結後は譲受側(買い手)を1社に絞って交渉を進めていくことになりますが、譲受側(買い手)候補者が複数競合している場合は、意向表明書にて条件をそれぞれ提示してもらい、交渉を進める買い手を絞り込んでもらう目的で意向表明書が用いられています。
また、中小企業M&Aの場面でも、譲受側(買い手)が上場企業の場合には、金融商品取引所の規則に基づく適時開示義務の関係で、基本合意書でなく意向表明書が活用されています。適時開示義務とは、上場企業等がM&Aを業務執行機関で決定した場合は、軽微基準に該当する場合を除き、直ちに内容を開示することを求めるものですが、会社情報適時開示ガイドブックによれば、「単なる準備行為」や「成立の見込みが立つものでないとき」にまで開示を求めるものではないとされています。
M&Aは従業員や取引先、株価等に大きな影響を与えるため、取引が成立するか分からない初期の段階で公表することは避けたいと考えるのが通常なので、上場企業にとって適時開示義務の対象となるか否かは極めて重要な問題です。この点、意向表明書は譲渡側(売り手)が秘密保持義務と独占交渉権についてのみ約束する場合はあるものの、その他の条件については合意していないので、取引成立の見込みは低いとして適時開示が不要と解される可能性があります。このため、上場企業では、基本合意書ではなく意向表明書を用いて交渉を進めていくというケースも見られますが、形式的に意向表明書であれば開示が不要とされるのではなく、実質的な判断を伴いますので案件に応じて慎重に検討していく必要があります。

基本合意書と最終契約書の違い

最終契約書にはデューデリジェンス(買収監査)の結果を反映して、譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)が最終的に合意したすべての条件を定めます。基本合意書は条件面については法的拘束力を付さないことが一般的ですが、最終契約書では譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)双方に契約を履行させるため、違反した場合には損害賠償請求をできるようにしておく必要があるので、法的拘束力を付しています。

意向表明書 基本合意書 最終契約書
締結時期 基本合意前 買収監査前 買収監査後
形式 差入形式 両者押印 両者押印
法的拘束力 なし 一部あり あり

終わりに

基本合意書作成に当たっては、一部の法的拘束力を付与するべき条項に注意することはもちろんですが、法的拘束力を付与しない諸条件、特に譲渡対価算定の根拠となる条件や譲渡の前提条件についてもしっかり記載すべきです。デューデリジェンス(買収監査)前の段階での譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)の合意事項を再確認することで、その後の交渉がスムーズに進みやすくなりますし、当該合意が最終契約の交渉の際のベースになることから内容が詳細であればあるほど、譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)双方に心理的な拘束力が生じ、成約する確率が高まります。
他方で、基本合意段階で詳細に全ての条件を決定しようとすると基本合意段階で交渉が止まってしまう可能性がありますので、取捨選択がされたメリハリのある合意書を作成することが望ましいでしょう。

詳しくは数々のM&Aを成功に導いた、経験・実績豊富な専門のコンサルタントまでお気軽にお尋ねください。
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著者

齋藤さいとう 千恵ちえ

日本M&Aセンター法務室/司法書士

2012年司法書士試験合格。他士業が多数在籍するグループ内の司法書士法人において不動産登記、商業登記、債務整理等の実務を経験後、機械メーカーにて契約審査を中心とした企業法務の他、内部通報窓口や株主総会事務局を担当。2020年より日本M&Aセンターへ入社し、M&Aコンサルタントを法務面からサポートしている。

池田いけだ 瑞季みずき

日本M&Aセンター法務室/司法書士

2013年司法書士試験合格。司法書士事務所にて主に不動産登記業務に従事。その後、2021年日本M&Aセンターに入社し、M&Aコンサルタントを法務面からサポートしている。

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