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トップ面談の極意とは?買収企業が押さえておきたいポイントを公開!(後篇)

小森 健太郎

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小森健太郎

日本M&Aセンター 西日本事業法人部 部長 

壷井 直貴

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壷井直貴

日本M&Aセンター 東日本事業法人部 部長

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買収企業が押さえておきたい、トップ面談の極意とは
前回の記事に引き続き、買収を検討している企業側の視点で、トップ面談に臨む際に押さえておきたいポイントを経験豊富なコンサルタント2人がお届けします。
※本記事はYouTube動画をもとに編集しています。

<前回の記事>
買収企業が押さえておきたい、トップ面談の極意とは(前篇)

トップ面談の冒頭に相手の心を掴むには

壷井: 小森さん、ちなみにトップ面談の時は手土産とか持参するように伝えますか?

小森: 壷井さんは手土産の話、好きですよねー(笑)

壷井: いや、でも手土産の効果ってスゴイなと思っています。

小森: 各地の名物を皆さん持って来られるから、個性が出て面白いですよね。メジャーどころから「〇〇県〇〇市の銘菓の〇〇です」というニッチなものが出てきて、傍らで我々は楽しんで見てますけど効果は意外と侮れません。

壷井: 手土産があると、一気に相手からの心証が良くなりますよね。

小森: 「気を遣ってもらってるな」というのが売り手の方にダイレクトに伝わるので、良いツールだ思います。もちろん初めて会う相手に対しては、マナーとして持参するべきかなとは思いますね。

壷井: トップ面談が始まって、自己紹介した時に互いの共通点を見つけるのもポイントですよね。「同郷ですね」「共通の取引企業とお付き合いがありますね」などがあると、「この相手とは一緒になっても上手くやっていけそうだな」っていう感覚が生まれるので、共通点を探すことも大事ですね。

小森: 特に同郷効果は心理的に少しホッとするというか、安心につながります。また、「取引先の〇〇さん」という共通点があると、「あの〇〇さんに信頼されてる人なんだな」とイメージできるので、ググっと距離は近くなりますね。友達の友達効果ではないですけども。

売り手と情報量のギャップがあることを認識しておく

壷井: 前回準備が8割という話をしましたが、買い手側は会社のプレゼン資料を準備すべきなんでしょうか。

小森: プレゼン資料の準備は結構しますね。わざわざ買い手の方に用意してもらうというより、客観的な意見を踏まえた資料として我々仲介会社の方で用意することも多いですね。
結局トップ面談の時って、買い手は企業概要書から売り手企業の細かい企業情報を見た上で面談に臨みますが、売り手側は相手企業について詳しく知らない前提で面談に臨むので情報量のギャップはあります。
ですので、会社案内でも問題はないんですけど、買い手企業をちゃんと紹介する資料で、プラスαの情報が売り手側に伝えられると良いなとは常に思っています。相手に質問を重ねるのではなく、まず自分たちをよく知ってもらう姿勢が大切です。

壷井: トップ面談は、価格交渉の場ではありませんが「M&A後に売り手オーナーがどうしたいのか」という条件面の話はできるんでしょうか。

小森: 基本的に交渉に含まれるような具体的な話は避けた方がいいのですが、「M&Aしたらどうしたいですか?」という売り手の思いは聞いておいた方がいいと思います。
例えば売り手オーナーがM&Aを機に退任したいという場合、「退任までの引継ぎ期間をどれくらい考えているか」など、そういう話は聞いておいたほうがいいです。

壷井: 逆にそこを最初に直接聞いておかないと、後で「仲介会社を通して聞いてるけど本当?」というような話になって、お互いかけ違いが出てくる可能性もありますよね。なので、なるべく本音を初期の段階で聞いてもらって、後から意見の相違が生まれないようにすることが大切です。

小森: 退職金など具体的なお金の話には触れずに、売り手オーナーがどうしたいのかを、会話の中で自然に聞き出せると一番スマートですね。

壷井: そうですね。

トップ面談の成功にむけて、まとめ

小森: 企業概要書を読み込んで「M&Aしたい」と言っている会社(買い手)と、譲渡したいという会社(売り手)同士の面談なので、(トップ面談が)上手くいかないことの方が少ないです。つまり、上手くいって当たり前。その中で印象をどれだけ高められるかだと思っています。経験上、やっぱり第一印象の影響は最終的に判断する上でも大きいです。実際に相手の社長は信頼できる、間違いない人だ、と確認できれば交渉が進むことが多いです。なので今日話しながら感じましたが、印象を高めながら、うっかり変な発言など粗相をしない、というのが意外とポイントかなとも思いました(笑)。

壷井: そうですね、ディフェンスを徹底するという(笑)。あとは1回のトップ面談ですべて済ませようとしない、というのもポイントかなとですよね。盛りだくさんになって消化不良になるので、面談が2回くらいある前提で、1回目は柔らかい話で、2回目に具体的な話をするというようなストーリーを持っておくのがいいと思います。

壷井: それでは、最後のまとめに入りたいと思います。

小森: やっぱり「お見合いだと思って臨むこと」が一番大事かなと思っています。お見合いだと思えば、相手の方を配慮できます、準備も怠らないし、手土産は・・あると尚良いですからね(笑)。そして発言に気を付けるということにもつながるかと思います。

壷井: すべては準備によって決まる、ということもよくわかりました。今回はトップ面談についてお届けしました。次回も引き続き楽しみにしてください!

小森: どうもありがとうございました。

本記事の動画はこちらからご覧いただけます。

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プロフィール

小森 健太郎

小森こもり 健太郎けんたろう

日本M&Aセンター 西日本事業法人部 部長 

メーカー、ベンチャーキャピタルを経て、2009年、日本M&Aセンターに入社。一貫して西日本でのM&A支援に携わり、累計100件を超える買収支援実績を持つ。現在、西日本事業法人部長として、日本M&Aセンターの西日本地域のバイサイドのヘッドを務める。

壷井 直貴

壷井つぼい 直貴なおき

日本M&Aセンター 東日本事業法人部 部長

大手福利厚生サービス企業を経て、日本M&Aセンターに入社。一貫して成長企業に対する買収提案を行い、100件を超える買収支援実績を誇る。

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