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トップ面談の極意とは?買収企業が押さえておきたいポイントを公開!(前篇)

小森 健太郎

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小森健太郎

日本M&Aセンター 西日本事業法人部 部長 

壷井 直貴

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壷井直貴

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買い手企業が押さえておきたい、トップ面談の極意
日本M&Aセンターでは、毎月買い手企業の方に向けて「どのように買収を進めていけばいいのか」「買収後どのように統合作業を行っていくのか」といったテーマで「買収の参観日」というセミナーを行っています。本記事では、そのセミナーのスピンオフであるYouTube動画の内容をお届けします。

トップ面談は準備が8割

壷井: 今回は当社の中でもM&A業界での経験が豊富な小森さんと、「トップ面談」をテーマにお送りします。ちなみにトップ面談というのはM&Aのプロセスの中では、売り手企業さんの企業概要書を見て、 売り手・買い手の経営者同士が初めて顔を合わせる重要な場面 です。小森さんはトップ面談に何回ぐらい立ち会ってるんですか?

小森: さっきちょっと数えてたんですけど、自分のお客様では確実に200回以上、部下の担当しているお客様も含めると約300回はあるんじゃないでしょうか。

壷井: 300回?(絶句)・・いやー、300回経験してる人は業界の中でもなかなかいないと思いますが、小森さんが考える「トップ面談で重要なポイント」はズバリ何でしょうか。

小森: 結局「 第一印象をどれだけよくできるか 」という話に尽きるかなと思っています。

壷井: 第一印象というと「お見合い」みたいなものですよね。

小森: そうそう。

壷井: 自分からいろいろ情報を探りにいくというよりも、いかにお相手(売り手オーナー)に好印象を与えられるかが重要ですよね。

小森: 譲り受ける買い手企業さんは不安が先行してどうしても質問しがちになるんですけど、 お相手の売り手企業さんからも様子を見られている、という意識 が必要です。いかにお互い聞きつつ、聞いてもらいつつ、アピールしつつと、バランスをとったやりとりが求められますね。

壷井: トップ面談に入る前は、相当準備が必要だと思うのですが?

小森: そうですね、 準備で8割決まる と思っています。買い手企業さんの中には、質問を十分に用意しないで「とりあえず、まず会おうか」と臨もうとする方もいらっしゃるので、我々仲介会社としては、きちんとそのあたりを準備・調整して進める必要があると考えています。

壷井: 何を質問するかって重要じゃないですか。事業の細かい話を聞くのはもちろん重要なんですけど、会社の成り立ちだとか、なぜこの場に来てくれたのか、という話を丁寧に聞いてあげると、お相手からは良い印象に映りますよね。

小森: それは間違いないですね。売り手オーナーの思いとか、なぜ譲渡の決断に至ったのかというのは重要で、単純に「後継者不在」って一言でいっても、会社ごとにいろいろな理由があると思います。 会社を譲渡する決断ってすごく重いので、買い手企業さんに対しては「自分が譲渡する方だったらどう思いますか、どうしますか」という話は、常にしていますね。

壷井: 売り手オーナーさんは不安を持ってトップ面談に来られる方がほとんどです。なのでトップ面談でのやりとりを通じて「この会社だったら譲りたい、お渡ししたい」と安心して思っていただけたら、そのあとの条件交渉もしやすくないですか?

小森: 第一印象が好感触であれば、その後のプロセスもスムーズに進む 場合が多いですよね。

壷井: 最終的な価格交渉の場面でも、そうした相手への印象、安心感、信頼感は少なからず影響すると個人的には思っています。繰り返しになりますが、最初のトップ面談では「いかに売り手オーナーさんによい印象を与えられるか」が重要ですね。

トップ面談に参加するのはトップだけじゃない!?

壷井: 買い手企業さん側は社長以外にもトップ面談に参加するケースがあるじゃないですか。トップ面談は、どういう顔ぶれで行けばいいですか?

小森: 3人以内 が良いですね。興味ない人は連れて行かない方がいい(笑)。

壷井: よくある「とりあえず連れて行こうか」というのは止めておいた方がいいですよね。

小森: たくさんの人と会わせたいなら、2回、3回にわけて会うことを勧めます。

壷井: 初回面談で買い手企業さんの関係者が4~5人出席すると、圧迫感がすごいですよね。

小森: 買い手側6名:売り手オーナー1名というトップ面談を経験したことありますけど、なかなかインパクトがありました(笑)。ひたすら売り手オーナーが質問をされて答え続けるという・・

壷井: そういうところも、売り手さん側からすると「この会社に譲渡したら、このメンバーに囲まれるのか」という印象につながってしまいますよね。第一印象で「なんかちょっと不安だな、大変そうだな」という印象が残ってしまうと、ディールの最後までそれが引っ張られてしまうので、トップ面談のメンバーの揃え方は重要ですよね。

小森: 結構そこは大事ですね。社長さん同士であれば心配はいらないことが多いんですけど、 周囲の方も参加する場合は、その方々にも面談の重要性をきちんとお話した上で臨みましょう ね、と伝えています。

買い手企業が無意識にやってしまいがちなこと

壷井: トップ面談で買い手企業さんの事務所に見学に行く事もあるじゃないですか。その時、事務所に入ったときにあまり整理整頓されてないとか、従業員さんが挨拶してくれないとか、そういう印象で決まっちゃうこともありますよね。

小森: それはありますね。挨拶は本当に大事だと思います。 会社の印象を決めるのって「挨拶と整理整頓」 といっても過言ではない(笑)。

壷井: 買い手側の社長さんがネクタイをしてこなかったとか、話し方が丁寧ではなかったとか、上から目線で話しているように感じたとか。買い手側にはそんなつもりは無くても、そういう風に見られてしまうことがあると認識しておくことが重要です。トップ面談は「 お互い信頼関係を構築する、最初の一歩 」ともいえますね。

小森: 特に意図なく買い手企業さんがやってしまうのが「ついで感」を出してしまうこと。例えば東京の買い手企業さんが福岡の会社さんとトップ面談します、という時に「どうせ福岡行くんだったら他に予定をいれよう」と面談後に予定を入れるんですよね。そうすると、終わりの時間が決まっていて・・

壷井: あぁ、トップ面談あるあるですね・・

小森: 他の予定を入れていただくのはもちろん悪いことではないんですけどね。それを事前にちゃんと相手に伝えておかないと、盛り上がっているところで終わってしまうので注意した方がいいですよね。そういう 細部にわたる確認を含めて事前準備はものすごく大事 なんです。

(気になるトップ面談の話は後編に続きます、お楽しみに!)

本記事の動画はこちらからご覧いただけます。

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プロフィール

小森 健太郎

小森こもり 健太郎けんたろう

日本M&Aセンター 西日本事業法人部 部長 

メーカー、ベンチャーキャピタルを経て、2009年、日本M&Aセンターに入社。一貫して西日本でのM&A支援に携わり、累計100件を超える買収支援実績を持つ。現在、西日本事業法人部長として、日本M&Aセンターの西日本地域のバイサイドのヘッドを務める。

壷井 直貴

壷井つぼい 直貴なおき

日本M&Aセンター 東日本事業法人部 部長

大手福利厚生サービス企業を経て、日本M&Aセンターに入社。一貫して成長企業に対する買収提案を行い、100件を超える買収支援実績を誇る。

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