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【海外M&A】経営者がASEAN進出を想像しながら読む本

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今日の日本は、人口減少や生産性の低さ、スタートアップの支援体制の未熟さなど、国内の市場の規模は縮小が予測されるため、海外進出により成長を図る企業は少なくはないです。しかし、「海外へ自社のマーケットを広めたいが、一から拠点を築き従業員を送り込めるほどの資金やノウハウがない」と海外進出のハードルを高く感じている経営者も多いのではないでしょうか。

中堅・中小企業こそ海外進出にM&Aを

実は、このように一から拠点を築くほど資金やノウハウが無い中堅・中小企業こそ、M&Aによる海外進出がおすすめなのです。M&Aによる海外進出は今あるマーケットに直接参入でき、一からノウハウを集める必要がないため【スピードのある事業拡大、成長】を実現できるのです。つまり、成長するための「時間を買う」という戦略です。

とくに成長・拡大が著しいASEANは、地理的に日本に近く親日派の国も多いので、人材マネジメントが行いやすいことが利点です。中堅・中小企業こそ、ASEAN地域にM&Aによって進出していくべきということです。世界がアジアの時代に突入していく中、すぐ隣にある成長市場に進出しない手はありません。さらに、ASEANの中堅・中小企業も日本と同様に後継者難が深刻な地域が多く事業の譲渡先を探しており、その相手先として人気なのが日本企業なのです。
そういった背景から、日本M&Aセンターは海外進出によって成長を目指す中堅・中小企業を応援するべく、地理的にも近く日本と友好関係であるASEANを中心に、2013年に海外支援室を設立、2016年シンガポール2019年インドネシア、2020年ベトナムとマレーシア、2021年にタイへ進出したのです。

海外だからと身構える心配はいらない

海外進出における一番の懸念事項は、違う言語で従業員を管理し売り上げを伸ばすことができるのかという点です。実は、ASEANの企業とは、経営者も従業員も気質が似ており、利害が一致しやすいので海外だからと肩ひじを張る必要はありません。どちらの経営者も従業員を大切にして会社の未来を一番に思っており、従業員は勤勉な性格の場合が多いです。そのため両者は意気投合しやすく、合併後もスムーズに運営できる例が多いのです。
さらに、コロナ禍の影響でリモートワークになじんだ人々にとって、距離や国境というハードルが低くなりつつあり、中堅・中小企業がM&Aによって海外進出しやすい環境が整ってきていると言えます。

実際にM&Aで海外進出することを想像しながら読むASEAN M&A本

中堅・中小企業の経営者の皆様にM&Aによる海外進出を身近に感じていただくために、出版したのが書籍『ASEAN M&A時代の幕開け-中堅・中小企業の成長戦略を描く-』(日本M&Aセンター 海外事業部著)です。
従来、欧米の大企業のM&Aについて専門家向けに解説する内容が中心だった海外M&Aに関する書籍ですが、本書は中堅・中小企業の“M&A によるASEAN進出”を経営者の皆様にとってより身近なものとするために執筆しました。ストーリー形式の事例や実際にM&Aで海外進出した企業のインタビューを取り入れ、読みやすさを重視しています。

書籍「ASEAN M&A時代の幕開け 中堅・中小企業の成長戦略を描く」

いきなり社員を海外に送ることは不安という経営者もいらっしゃると思います。本書では実際の成功事例に基づき、多様な方法で合併したケースや、それによって予想されるシナジー効果など具体的に紹介しています。また、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムといった国別の企業情報に加え、人柄や気候、宗教といった面からも解説しているため、実際に海外進出を行った時のことを想定して読むこともおすすめです。海外進出に悩まれている中堅・中小企業や今後の成長戦略を検討する経営に携わる方必見の書籍です。

書籍「ASEAN M&A時代の幕開け 中堅・中小企業の成長戦略を描く」はこちら

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M&A マガジン編集部

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