コラム

観光業のコロナ禍における経営意識調査

調査データ
更新日:

⽬次

[表示]

日本M&Aセンターは、2021年4月に観光業の経営層98名を対象に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う観光業界(ホテル・旅館)の経営実態とM&Aに関する意識調査を実施しました。

意識調査の結果、8割を超える観光業経営者がコロナ禍の影響を受け、売り上げが減少したと回答しました。また、そのうち5割近くが売り上げ改善のために「何もすることができない」と回答。今回のコロナ禍による人の移動の制限や自粛、渡航制限によるインバウンド需要の激減など、影響が直撃した観光業において、事業を継続するための資金繰りに窮する中、自助努力で危機を脱するための施策を実施することが難しく、手立てを打つことができていないことが分かりました。

M&Aを検討している観光業経営者は13.3%という結果となりました。M&Aを選択肢の一つとして考えている観光業経営者は少数で、M&Aは危機脱却の選択肢として観光業の経営者に十分に認知されていないことが分かりました。また、M&Aに対するイメージとして、マッチングや自社の企業価値の評価についての不安が上位に入り、コロナ禍の影響で売り上げが下がる中、譲渡先とのマッチングや企業価値の評価に悪影響を及ぼすのではないかと危惧されていることが分かりました。
一方で、M&Aを検討している観光業経営者のうち、「良い譲渡先が見つかった場合、事業譲渡したい」と84.6%が回答しており、良い譲渡先とのマッチングが他企業とパートナーを組むにあたって重要であると認識されていることが分かりました。

【調査概要】

調査概要:観光業界(ホテル・旅館)の経営実態とM&Aに関する意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年4月16日~2021年4月23日
有効回答:観光業(宿泊業、娯楽業、旅行業)の経営層98名

【調査結果概要】

81.7%の観光業経営者がコロナ禍で売上が落ちたと回答

「Q.コロナ禍前(2020年2月以前)と比較し、あなたの会社の現在の経営状態を教えてください」(n=98)と質問したところ、「大幅に売上が減少」が60.3%、「やや売り上げが減少」が21.4%という回答となりました。

81.7%の観光業経営者がコロナ禍で売上が落ちたと回答

・大幅に売上が減少:60.3%
・やや売上が減少:21.4%
・売上は変わらない:12.2%
・やや売上が向上:6.1%
・大幅に売上が向上:0.0%

45%が売り上げの減少に対して「何もすることができない」

「新型コロナ前(2020年2月以前)と比較し、あなたの会社の現在の経営状態を教えてください」の質問で「売上が下がっている」と回答した方に対し「Q.業績改善のために取り組んでいること、または取り組む予定のものを教えてください(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「自社HPの作成、リニューアル」が18.8%、「マーケティング・PRの強化(観光場所や旅行の魅力発信)」が15.0%、「新サービスの開発(オンライン観光プランの作成や日帰りプランの作成)」が10.0%という回答となりました。一方で、「何もすることができない」という回答が最も多い45.0%となりました。

45%が売り上げの減少に対して「何もすることができない」

・自社HPの作成、リニューアル:18.8%
・マーケティング・PRの強化(観光場所や旅行の魅力発信):15.0%
・新サービスの開発(オンライン観光プランの作成や日帰りプランの作成):10.0%
・経営改善コンサルティングの導入:6.2%
・大手企業との業務提携(M&A):3.8%
・その他:15.0%
・何もすることができない:45.0%
・答えたくない:7.5%

現在、M&Aを検討しているのは13.3%

「Q.あなたは現在M&A(事業承継や事業売却)を考えていますか。」(n=98)と質問したところ、「かなり考えている」が7.2%、「少し考えている」が6.1%という回答となりました。

現在、M&Aを検討しているのは13.3%

・かなり考えている:7.2%
・少し考えている:6.1%
・あまり考えていない:21.4%
・全く考えていない:61.2%
・答えたくない:4.1%

M&Aに興味がある観光業経営者のうち、53.8%がすでに情報収集を開始している

「Q.M&A(事業承継や事業売却)を考えていますか。」の質問で「かなり考えている」「少し考えている」と回答した方に対し、「Q.実際に『M&A(事業承継や事業売却)』情報収集を始めていますか。」(n=13)と質問したところ、「始めている」が53.8%、「始めていない」が30.8%という回答となりました。

M&Aに興味がある観光業経営者のうち、53.8%がすでに情報収集を開始している

・始めている:53.8%
・始めていない:30.8%
・答えたくない:15.4%

M&Aに興味がある観光業経営者の相談相手は、「親族・知人」続いて「M&A専門会社」

「M&A(事業承継や事業売却)を考えていますか。」の質問で「かなり考えている」「少し考えている」と回答した方に対し「Q.M&Aを検討する場合、誰に相談しますか。(複数選択)」(n=13)と質問したところ、「親族・知人」が53.8%、「M&A専門会社」が38.5%、「顧問税理士」が30.8%という回答となりました。

M&Aに興味がある観光業経営者の相談相手は、「親族・知人」続いて「M&A専門会社」

・親族・知人:53.8%
・M&A専門会社:38.5%
・顧問税理士:30.8%
・金融機関:23.1%
・公的機関:23.1%
・その他:30.8%
・誰にも相談しない:0.0%

M&A専門家の存在は、1割程度の観光業経営者にM&A検討を後押しする

「M&A(事業承継や事業売却)を考えていますか。」の質問で「あまり考えていない」「全く考えていない」と回答した方に対し「Q.手厚いアフターフォロー」や「多くの選択肢を提案してくれる」、「気軽に相談できる」M&Aの専門家がいれば、M&Aを検討したいと思いますか。」(n=81)と質問したところ、「かなりそう思う」が1.2%、「ややそう思う」が9.9%という回答となりました。

M&A専門家の存在は、1割程度の観光業経営者にM&A検討を後押しする

・かなりそう思う:1.2%
・ややそう思う:9.9%
・あまりそう思わない:22.2%
・全くそう思わない:45.7%
・わからない:21.0%

M&Aに対する不安「マッチングできなさそう」「譲渡先が現れなさそう」など

「Q.M&A(事業承継や事業売却)に対する不安や、イメージを教えてください。(複数選択)」(n=98)と質問したところ、「簡単にマッチングできなさそう」が30.6%、「コロナ禍の経営状況では、譲渡先が現れなさそう」が14.3%という回答となりました。

M&Aに対する不安「マッチングできなさそう」「譲渡先が現れなさそう」など

・簡単にマッチングできなさそう:30.6%
・コロナ禍の経営状況では、譲渡先が現れなさそう:14.3%
・自社の価値を適切に理解してくれなさそう:14.3%
・アフターフォローがなく、譲渡後が心配:7.1%
・その他:10.2%
・誰に相談したらいいかわからない:9.2%
・特にない/答えたくない:42.9%

良い譲渡先が見つかった場合、84.6%が事業承継したいと回答

「M&A(事業承継や事業売却)を考えていますか。」の質問で「かなり考えている」「少し考えている」と回答した方に対し、「Q.良い譲渡先が見つかれば、事業承継を積極的に進めたいと思いますか。」(n=13)と質問したところ、「かなりそう思う」が38.4%、「ややそう思う」が46.2%という回答となりました。

良い譲渡先が見つかった場合、84.6%が事業承継したいと回答

・かなりそう思う:38.4%
・ややそう思う:46.2%
・あまりそう思わない:15.4%
・全くそう思わない:0.0%
・わからない:0.0%

株式会社日本M&Aセンター ダイレクトマーケティング1部 部長

竹賀 勇人 コメント

多くの業界がコロナ禍の影響で苦しい経営を続ける中、観光業界は特に厳しい環境での経営を強いられています。地域のランドマークとなるような老舗旅館がコロナ禍による業績悪化のため廃業する事例も少なくなく、それぞれの地域の文化の一部が失われていってしまう事態となっています。

本調査結果でも、8割を超える観光業経営者が売り上げが下がったと回答しており、そのうち半数弱の経営者が「何もすることができない」という結果となりました。この未曾有の危機による厳しい経営環境によって、売り上げが減少し、資金繰りが難しい中、自助努力で新たな取り組みを行うことが難しい傾向があるということが明らかになりました。一方で、M&Aを検討している観光業経営者は13.3%と低い結果となり、M&Aがこの危機を乗り切る施策となることが認知されていないことが分かりました。

日本M&Aセンターは、自助努力での対策が難しい今だからこそ、観光業経営者の皆様にはM&Aを含めたパートナー戦略を選択肢の一つに入れていただきたいと考えています。M&Aによって他企業とのパートナーを組むことで自助努力だけでなく他社と手を取り合ってこの危機を乗り切り、成長を目指していくという選択肢があることを多くの観光業経営者に啓発し、経営のご支援をしていきたいと考えています。

本リリース内容の転載に際しては、「日本M&Aセンター調べ」とご記載ください。
本件に関するお問合せ:日本M&Aセンター 広報担当
mail:pr@nihon-ma.co.jp TEL:03-5220-5454

著者

M&A マガジン編集部

M&A マガジン編集部

日本M&Aセンター

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「M&A・事業譲渡・アンケート調査・経営者・With コロナ」に関連するコラム

5年以内の事業承継を考えている中小事業者が30% ~コロナ禍で広がる事業継承という選択肢~

調査データ
5年以内の事業承継を考えている中小事業者が30% ~コロナ禍で広がる事業継承という選択肢~

全国の中小事業者へ事業承継に関する調査を実施(エキテン×Batonz共同調査)経産省の発表によると、後継者不在の70歳以上の経営者が245万人、10年間でその半分の127万社廃業してしまい、さらにその半分の60万社が黒字であるという数字が出ています。企業の黒字廃業を回避し、存続、発展させる一つのツールとしてのM&A(事業承継)がテレビや新聞等のマスコミで大きく取り上げられるようになりました。さらに

モーニングサテライト出演で、大きな反響をいただきました!

広報室だより
モーニングサテライト出演で、大きな反響をいただきました!

ちょうど1週間前の2020年10月7日(水)5:45~7:05放映のテレビ東京「Newsモーニングサテライト」に当社代表取締役三宅卓が出演。広報チームも同行いたしました!番組では「コロナ後の日本のM&Aはどうなる」をテーマにした「点検コロナ後の世界」のコーナーで三宅が生出演し、コロナ禍におけるM&Aの状況や中堅・中小企業のM&A仲介のリーディングカンパニーとしての取り組みなどを紹介。特に、地域金融

withコロナで注目を集めるM&Aプラットフォームとその将来展望

調査データ
withコロナで注目を集めるM&Aプラットフォームとその将来展望

大型M&Aが激減する一方、中小M&Aは過去最高に世界的な新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、クロスボーダーを中心とする大型M&Aが大幅に減少する一方、中小規模のM&Aは急激に増加している実態が各種調査会社の調査結果で明らかとなりました。調査会社によると日本の2020年上半期(1~6月期)のM&A総額は2兆9111億円にとどまり、これは半期ベースで実に16年半ぶりの低水準となりました。また、金融

【アンケート調査】コロナ禍、「生き残り」のためのM&A

調査データ
【アンケート調査】コロナ禍、「生き残り」のためのM&A

新型コロナウィルスは、これまで誰も経験したことのない恐怖やいつ収束するのか、第二波、第三波はいつ起こるのかという不安を生んでいます。4月~6月の間は、未曾有の危機に右往左往していた経営者も、7月に入り今後の経営戦略や次の危機をどう乗り切るか、考えている方も多いかと思います。Withコロナ時代に、企業は自社の経営をどのように考え、どのような戦略で次の危機を乗り切るか。会社・事業の売却もしくは買収につ

著者インタビュー!『社長の決断から始まる 企業の最高戦略M&A』

広報室だより
著者インタビュー!『社長の決断から始まる 企業の最高戦略M&A』

日本M&Aセンターは、書籍『社長の決断から始まる企業の最高戦略M&A』を東洋経済新報社より発売しました。著者の柴田彰さんに、発刊の経緯と本書に込めた想いを聞きました。M&Aしかないとわかっていても、踏み出せない理由――本書は、経営者が押さえておくべき経営戦略の一つとして、M&Aの特に「譲渡」に特化した書籍です。なぜこのテーマで本を出そうと思われたのですか。日本には二つの大きな課題があります。一つ目

事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

M&A全般
事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

複数の事業を展開する中で、不採算部門を整理し、主力事業へ経営資源を集中するなど、事業戦略の見直しを迫られる場合があります。このような場面で活用されるのが、事業売却です。事業売却は組織再編において有効な方法ですが、その特徴を十分に理解しておかなければ、かえってマイナスの効果を生みかねません。本記事では、事業売却の概要、メリット・デメリットなどをご紹介します。日本M&Aセンターでは、事業売却をはじめ、

「M&A・事業譲渡・アンケート調査・経営者・With コロナ」に関連する学ぶコンテンツ

「M&A・事業譲渡・アンケート調査・経営者・With コロナ」に関連するM&Aニュース

栄光堂ホールディングス、王様製菓より経営権を譲り受け

栄光堂ホールディングス株式会社(岐阜県大垣市俵町)は、王様製菓株式会社(東京都台東区千束)の経営権を譲り受けた。栄光堂ホールディングスは、菓子の製造販売・海外向けの輸出等を行うお菓子イノベーションカンパニーである。王様製菓は、大正13年(1924年)創業、100年の歴史を持つおかき・あられの製造・販売会社。背景おかしは嗜好品のため、たくさんの中からお気に入りを見つけることも楽しみのひとつ。だからこ

スマレジ、リグアから「レセONEプラス事業」を譲り受け

株式会社スマレジ(4431)は、株式会社リグア(7090)が営むレセONEプラス事業を譲り受ける。スマレジは、クラウドPOSレジシステム「スマレジ」事業やWebサービスの企画運営などを手掛けている。リグアは、接骨院・ヘルスケア産業の経営コンサルティング、支援を行っている。事業譲受の理由スマレジは、2023年9月13日に中期経営計画を更新し、「VISION2031」達成に向けた新たに市場細分化戦略を

クイック、キャリタスからキャリタス看護の事業を譲受

株式会社クイック(4318)は、株式会社キャリタス(東京都文京区)の「キャリタス看護事業」を譲り受ける。クイックは、人材サービス及び求人広告の取り扱いを中核事業として展開している。キャリタスは、就職情報の提供、求人・採用活動に関する企画提案、進学情報の提供、高等教育機関の学生募集広報に関する企画提案等を行っている。事業譲受の目的クイックは、人材サービス事業において、看護師紹介を通じて医療・福祉施設

M&Aで失敗したくないなら、まずは日本M&Aセンターへ無料相談

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース