【大人気セミナー「買収の参観日」開催レポート】日本初のM&A仲介業務に自動付帯する保険サービスがスタート!

広報室だより
更新日:

⽬次

[非表示]

M&Aの買い手企業として知っておきたい考え方やテクニックを紹介する日本M&Aセンターの人気オンラインセミナー「買収の参観日」が2021年12月10日に開催されました。セミナーの様子をお届けいたします。

7回目を迎える今回は、下記の3つのテーマについてお話ししました。

1、実行する前に知っておくべきM&Aの基礎知識
2、当社仲介案件に付与する「表明保証保険」について
3、データが導き出す 買収戦略とマッチング

M&Aの知識をご理解いただき、ぜひM&Aを成功に導いていただければと思います。

1、実行する前に知っておくべきM&Aの基礎知識

現在、M&Aのニーズは高まりを見せています。なぜM&Aをする企業が増えているのか。その背景を知るデータの一つに中小企業庁のデータがあります。

このデータによれば、M&Aを実行している企業(赤)とそうでない企業では、売上高はともに伸びているものの、利益を比べてみるとM&Aを実施している企業は伸びているのに対してそうでない企業ではマイナス成長となっています。
これでは自社単独で成長することは厳しい状況です。つまり、今は“買収しない”がリスクの時代ともいえるのではないでしょうか。

では、どのようにM&Aを進めていけばいいのか、今回は注意点に焦点を当てて解説します。
そもそもM&Aはこのようなプロセスで進んでいきます。

① ビジョン、戦略策定、マッチング――まずはM&Aをしてどこに向かいたいのかという「ゴール」を決めることが大事
② TOP面談――相性を確認
③ 基本合意――条件の大枠の合意のため細かな文言にこだわりすぎない。スピードが大事
④ DD(デューデリジェンス)――DDに慣れた信頼できる専門家に依頼
⑤ 最終契約決済――すべてに法的拘束力あり!弁護士や司法書士に必ず相談
⑥ 従業員発表
⑦ PMI

今回、特に注意していただきたいのは 「TOP面談」 です。
TOP面談はお互いを理解しあう場です。ですから、「相手に選んでもらうにはどうすべきか」という視点が大事になります。一方的な質問攻め、数値的な話に終始する、買収後の計画がないなどはNGです。
たまに、企業概要書上で判断をして、いつまでたっても誰とも会わない経営者の方がいらっしゃいますが、これではM&Aの成功からどんどん遠ざかってしまいます。

実際に会う、という行為自体に多くのメリットがあります。書面上ではわからない売り手の考えを知ることになったり、売り手の考えを受けてあらためて自社の戦略を再確認する事もあります。また、経営者同士の会談ですから、会話からビジネスのヒントを得ることもあるでしょう。
各プロセスでポイントを押さえながら、M&Aを必ず成功させてほしいと思います。

2、当社仲介案件に付与する「表明保証保険」

みなさんは、M&Aに保険があることをご存じでしょうか。日本M&Aセンターは、2021年11月から、日本初のM&A仲介業務に自動付帯する保険サービスを開始しました。
日本M&Aセンターが仲介する案件であれば、審査・保険料負担なしで、保険に加入いただけます。今回は、その「表明保証保険」の概要についてご説明します。

Qどんな保険か
損害保険業界最大手の東京海上日動火災保険株式会社様と業務提携を締結したことにより実現した「これまでになかったタイプの中小企業のための『M&A保険』」です。

これまではM&Aの保険というと大型案件を対象にしていたり、売り手・買い手ごとの保険が一般的でしたが、この保険は「案件そのもの」に対して保険をかけるというところが違います。
こちらの保険は、日本M&Aセンターの仲介案件であれば保険会社の審査なく加入できるほか、保険料は日本M&Aセンターが支払うため企業様の保険料負担もありません。

Q何を保証するのか
株式譲渡契約に記載された表明保証に違反したときの損害を補填します。表明保証の”表明”とは何かというと、例えば下記のような意思表示です。

「開示した決算書に、間違いはありません」
「税務申告書に間違いはありません。税金の未払・支払遅延もありません」
「株主名簿に間違いはありません。未記載の株主はいません」
「労務問題は発生していません。未払の給料・退職金はありません」

もちろん、間違いなく正確に表明できればいいのですが、中小企業のM&Aでは売り手企業様自身が「知らなかった」「気付いていなかった」というケースも多くあります。しかし、その場合でも違反です。そこで、この保険が重要になるのです。

Q「表明保証保険」の付与における3つの条件と注意点

①日本M&Aセンターの仲介案件であること(FA案件は対象外)
②外部専門家によるDDを実施すること(内部・社内でのDDは対象外)
③「買収の参観日」セミナーに参加すること(ご視聴後のアンケート提出までが必要)
どれが欠けても保険に加入できません。保険金請求時には、DDレポートが必要になります。

保険が適用されるもの・されないもの、保険のアップグレードなど詳しい保険内容は保険代理店にお問合せください。

今回の保険は売り手企業・買い手企業ともにより安心してM&Aを進めていただくためのものですが、基本は互いに責任をもって調査、情報開示をすることが大原則です。その上で、問題が発生した際には協議によって解決することが大事です。

3、データが導き出す 買収戦略とマッチング

日本M&Aセンターでは、これまでの成約実績を分析し、日々よりよいマッチングにつなげています。その分析を専門に行うのがデータマーケティング部です。買いニーズ情報をデータ登録し、毎日1,700案件超の譲渡案件とのデータマッチングを実施。1買いニーズあたり平均12案件をレコメンドすることで、お客様に数多くの案件情報を提供しています。

まずは図2をご覧ください。これはコロナ前(2018年度)の買い手・売り手の業種とエリアの組み合わせごとの成約実績をグラフにしたものです。これを見ると、業種もエリアも異なる組み合わせでのM&Aがもっとも多い(53%)という結果が出ています。
ところがコロナ禍の2020年度では同じエリアでのマッチングが12%増えました。M&AではTOP面談やDDなど、買い手企業が売り手企業を訪問するフェーズがありますが、コロナ禍で県をまたいだM&Aが進みませんでした。今年度はまた人の交流が増えてきたという感触があります。

次に、買収目的についてデータを抽出してみます。図をご覧ください。
1位 クロスセリング(42%)
2位 エリア拡大(19%)
3位 周辺事業進出(14%)
この上位3位が全体の75%を占めています。皆様の中でM&Aを検討される際にはまずはこの3つの視点で戦略の立案をされてるのもいいかもしれません。ぜひ参考にしてください。

著者

M&A マガジン編集部

M&A マガジン編集部

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「買収・表明保証」に関連するコラム

M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&A全般
M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&Aの失敗には、投資対効果の未達、のれんの減損損失、デューデリジェンスの不備、人材流出などがあります。原因や失敗事例を通して、対策法を解説します。M&Aは企業成長を加速させる成長戦略の一つですが、必ずしも期待どおりの効果が得られるとは限りません。当初の目標を下回り、失敗とみなされるケースもあります。M&Aを成功に導くには、失敗事例を知って対策を講じることが不可欠です。本記事では、M&Aが失敗とみ

買収とは?合併やM&Aとの違い、種類、プロセスを解説

M&A全般
買収とは?合併やM&Aとの違い、種類、プロセスを解説

買収は、企業の成長や事業承継の手法として広く活用されています。売り手側にも買い手側にもメリットがある一方で、リスクもあるため注意が必要です。本記事では、買収と合併、M&Aの違いをはじめ、買収の種類やプロセスをわかりやすく解説します。この記事のポイント買収とは、対象企業の事業や経営権を取得することで、「事業買収」と「企業買収」に分けられる。買収には「友好的買収」と「同意なき買収」があり、一般的に中小

TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

M&A全般
TOB(株式公開買付け)とは?目的やメリット、手続きをわかりやすく解説

TOB(株式公開買付け)は、市場外において上場企業の株式を直接買い付けるM&A手法の一つです。近年では、経営権の取得や企業再編、グループ化、MBOの手段としても注目されています。この記事では、TOBの基本的な仕組みやほかのM&A手法との違い、メリット・デメリットのほか、TOBの具体的な流れなどについて、わかりやすく解説します。この記事のポイントTOBは、市場を通さずに不特定多数の株主から株式を直接

企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

M&A全般
企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

事業承継や業界再編への対応策として、企業買収の動きは今後ますます加速することが考えられます。本記事では、企業買収の基礎を整理した上で、その種類やメリット・デメリット、具体的な流れなどについて解説します。この記事のポイントM&Aによる企業買収は、経営陣が他社の株式を取得し、経営権を獲得する手法で、目的には競争力強化や事業多角化がある。企業買収には友好的買収と同意なき買収があり、前者は経営陣との合意を

個人でもM&Aはできる?メリット・活用サービス・契約の流れを解説

M&A全般
個人でもM&Aはできる?メリット・活用サービス・契約の流れを解説

経営者の高齢化や後継者不足といった社会背景を受け、近年では中小企業の事業承継が深刻な課題となっています。その中で注目されている個人でのM&Aは、従来の起業と比較して、初期投資や事業リスクを抑えて独立を実現できる点が特徴です。一方で、契約関係のリスクや従業員・取引先との関係構築といった課題も伴うため、適切な知識とサポートが求められます。本記事では、個人M&Aが注目される背景から、具体的なメリット・デ

M&Aのメリット・デメリットは?買い手・売り手別に解説

M&A全般
M&Aのメリット・デメリットは?買い手・売り手別に解説

M&Aは、企業成長や事業承継の有効な手段として注目されていますが、買い手・売り手それぞれにメリットとデメリットがあります。本記事では、M&Aの買い手・売り手双方の視点から、そのメリット・デメリットを詳しく解説するとともに、成功のためのポイントをご紹介します。さらに、M&Aが従業員や取引先、地域社会に与える影響と適切な対策についても触れ、M&Aを検討している経営者の方々が失敗を避けるための実践的な情

「買収・表明保証」に関連する学ぶコンテンツ

買収先の本格検討・分析

買収先の本格検討・分析

買収先の探し方でご紹介したように、買い手はノンネームシート、企業概要書で買収先についてM&Aを進めるかどうか検討します。本記事では、買い手が企業を検討する際流れと、陥りがちな注意点についてご紹介します。この記事のポイント買い手がM&Aを進める際、最初にノンネームシートや企業概要書を通じて対象企業を検討し、提携仲介契約を結んだ後に質疑応答を行う。M&Aの目的を明確にし、買収先にすべての問題解決を求め

買収先の探し方

買収先の探し方

買い手の相談先でご紹介したように、M&A仲介会社などパートナーを選定したら、いよいよ買収先の候補企業を探すステップに移ります。本記事ではM&A仲介会社を通じてお相手探しを行う主な方法について、日本M&Aセンターの例をもとにご紹介します。この記事のポイント買収先の探し方には「譲渡案件型」と「仕掛け型」の2つがあり、譲渡案件型ではノンネームシートや企業概要書を通じて情報を開示し、秘密保持契約を締結する

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手にとってのM&A。目的や留意点とは?

買い手の買収戦略には様々な目的があります。M&Aの成功に向けて、押さえておきたいポイントを確認していきましょう。この記事のポイント買い手がM&Aを行う目的には、市場シェアの拡大、事業領域の拡大、事業の多角化、人材獲得・技術力向上、効率性の向上がある。買収により、企業は迅速に成長を加速し、顧客ベースや販売チャネルを拡大することができる。M&Aにはコストや中長期的な取り組みが必要で、成約後の経営統合計

M&Aのクロージング、押さえておきたいポイント

M&Aのクロージング、押さえておきたいポイント

M&Aのクロージングとは?一般的なビジネスにおけるクロージング(商談成立・案件完了)の意味と同様に、M&Aのクロージングは「M&A取引が成約すること」を指します。最終契約書の締結からクロージングまでは、最終契約に定めたクロージングに必要な条件、手続きをクリアする必要があるため、契約締結から一定の期間を空けるのが一般的です。必要な条件、手続きの主な例としては「主要取引先からの同意の取得」「必要な許認

M&Aにおける最終契約書(DA)の締結

M&Aにおける最終契約書(DA)の締結

M&Aの最終契約書(DA)とは?M&Aにおける最終契約書(DA:DefinitiveAgreement)とは、M&Aの最終段階において締結される、当事者間の最終的な合意事項を定めた最も重要な契約書です。株式譲渡の場合は「株式譲渡契約書」(SPA:SharePurchaseAgreementまたはStockPurchaseAgreement)、事業譲渡の場合は「事業譲渡契約書」などスキームによって名

「買収・表明保証」に関連するM&Aニュース

コクヨ、国内販売6社を子会社に吸収合併

コクヨ株式会社(7984)は、国内販売体制の組織再編を発表した。コクヨは、文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販売、空間デザイン・コンサルテーション等を行っている。概要コクヨは、持分法適用関連会社である国内販売会社6社※の株式を追加取得し、完全子会社とする。(2の合併が前提条件)コクヨの完全子会社であるコクヨマーケティング株式会社(東京都千代田区)は、国内販売会社6社を合併する

コクヨ、ベトナム文具大手Thien Long Group Corporationを約276億円で買収へ 

コクヨ株式会社(7984)は、ThienLongGroupCorporation(ベトナム、以下:TLG社)の普通株式を取得し、子会社化することを決定した。コクヨは、文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販売、空間デザイン・コンサルテーション等を行っている。TLG社は、ベトナムトップの文具製造・販売業者。文房具・事務用品の販売を行っている。概要TLG社の創業者及び関係者が発行済株

ALSOK、ビルメンテナンス事業の平和管財を買収

ALSOK株式会社(2331)は、2025年12月3日付で、平和管財株式会社(東京都中央区)の株式の60%を取得する契約を、株式会社クボタ(6326)と締結した。ALSOKは、国や地方公共団体、各種金融機関、一般事業者向けに、また、個人の顧客向けに多種多様な警備サービスを提供している。平和管財は、ビルメンテナンス事業、警備・保安事業、施設管理事業、修繕・営繕事業、不動産事業を行っている。背景・目的

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース