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「人材さえ確保できれば、赤字の企業でも買いたい」~人材不足に悩む社長の選択~

M&A全般

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先日、弊社開催の座談会で、中堅企業の社長の皆様とお会いしました。この座談会は数名程度の少人数で開催しているものです。 東京だけでなく、関西、東北、中部、北陸と全国各地からご参加いただき、業種もメーカー、卸、飲食、建設、運送と様々だったのですが、ある共通した悩みをお持ちでした。 「人材不足が年々ひどくなっている。育成したくても、人材がいなくて。」 「採用に力を入れているのですが、本当に人が採れないんです。」 「人材さえ確保できれば、もっと売上を伸ばせるのに。」 IT化によって人間の仕事が奪われる日が迫っている、という話が世間を賑わせていますが、いまのところ有効求人倍率は右肩上がりです。売り手市場のいま、大手企業もあの手この手で人材確保に躍起になっています。 中堅・中小企業がいい人材を採用するには、大手企業以上にアピールしなければなりません。 でも、そのアピールのノウハウも、大手企業と中堅・中小企業では差があるのが実情です。 「竹内さん、人材を確保するために、赤字の企業でもいいから買収したい。体力のあるいまのうちに。」 座談会終了後に、ある社長にそう話しかけられ、その言葉の真意をお聞きするために私は社長の会社を訪問しました。

優秀な人材を確保したいけれど…

深刻な人材不足

「ヘッドハンティング会社も使っているし、提示している給与も決して安くない。でも、なかなか決まらないんだ。」 「通常のやり方では無理だと思う、会社ごと人を買いたい。」 最近、そうおっしゃる社長が増えた気がします。 それだけ、中堅・中小企業における人手不足は深刻なのが現状です。売上も利益も純資産も問題のない、いわゆる優良企業でも、人材確保にはとても苦労されているそうです。 人がいないから事業が拡大できない、事業が拡大できないままだから人が採れない。 負のループからはなかなか抜け出せません。

本当に欲しい人材を確保するには

「“会社を買う”ことで人材は獲得できますが、本当に欲しい人材を確保するには、自社でちゃんと選定して採用したほうがいいと思うのですが。」 「そんなことは分かっている。採用はがんばってきたつもりだ。それでもダメだから、相談しているんだ。」 「だったら、もっと別の方法も考えてみませんか。人が欲しいというだけで買収しても、うまくいくとは思えません。買われる側の社員からしたら、仕事が変わるのですから。 それに、もっと長期的な視野で考えてください。これから人が足りなくなる度に会社を買収していくのですか?社長、本当にそれでいいんでしょうか。」 買収によって単純に人を増やすやり方もありますが、それ以外にもいろいろと方法はあります。 例えば、 ・ファンドを活用し、人を送り込んでもらう ・大手企業の傘下に入ることで、ブランドの力を借りる などです。 社長にも、選択肢の一つになればと思い、それぞれの方法について紹介させていただきました。 はじめは「買収しかない」とおっしゃっていた社長も、今はフラットに全ての選択肢を検討されています。

人材不足を解決する方法はひとつだけではない

成長戦略型M&Aとは

今、中堅・中小企業における成長のボトルネックの多くが“人材不足”です。そしてその人材不足という経営者の悩みは慢性化・深刻化しつつあります。自社の努力だけでは打破しにくい問題です。 人材不足という課題解決のひとつの手段として、“売っても買っても”M&Aは有効なのです。

竹内の書籍『どこと組むかを考える成長戦略型M&A』

Think Owner's

著者

竹内 直樹

竹内たけうち 直樹なおき

日本M&Aセンター 常務取締役 営業本部長

当社内最大件数(年間100件超)を成約させる事業法人部の責任者として5年間牽引し、上場後の当社の業容拡大に大きく貢献。事業法人部は主にマッチングを行う部署であるが、買い手と売り手との双方の成長戦略を描くなかで、譲渡案件のソーシングにも従事。昨今はミッドキャップ案件(売買金額20~100億円程度)を中心に、ソーシングからクローズに至るまでの全てのフェーズにて陣頭指揮をとっている。買収も売却も実行できるミッドキャップ企業をターゲットとした「成長戦略セミナー」を2015年からスタートさせ、2019年10月で同セミナーは10回を数え、累計参加者は3,000名を超える。 著書に『どこと組むかを考える成長戦略型M&A──「売る・買う」の思考からの脱却と「ミニIPO」の実現』がある。

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