岡田 武史氏(株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長/サッカー日本代表元監督)
サッカー日本代表監督としてW杯を戦い、現在は愛媛県今治市でFC今治を運営する株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長。サッカーの型を体系化した著書『岡田メソッド』は経営者にも読まれ、FC今治高等学校では教師を「コーチ」と呼ぶ独自の教育にも取り組む。
「これはビジネスの本ですよ」「いや、サッカーの本ですよ」——著書『岡田メソッド』をめぐる日本M&AセンターHD・三宅社長とのやり取りが、今回の登壇のきっかけになったという岡田武史氏。W杯を戦った名将が、選手育成の現場から導き出した「主体性」の本質と、人と組織を伸ばすリーダーシップを語りました。
『岡田メソッド』が結んだ縁
三宅さん(日本M&AセンターHD社長)が僕の著書『岡田メソッド』を持ってきたときのやり取りが最初のきっかけで、お付き合いが始まりました。僕たちのクラブは日本M&Aセンターさんにスポンサーとして支えられていますから、三宅さんから声をかけられたら、どこへでも飛んでいかなければならない立場なんです(笑)。
最初、三宅さんは僕の本を持って「これビジネスの本ですよ!」と言う。僕は「いや、これはサッカーの本ですよ」「いやこれはビジネスの本です」という掛け合いをしたこともありました。僕は学者でもなんでもありませんが、今日はこれまでの経験から得たお話をさせていただきます。
スランプを脱するのは、本人が「その気」になったときだけ
僕らサッカーの世界では、選手の心に「ぽっと火をつける」という言い方をしますが、プロですから我々は厳しいです。僕はサッカーのコーチによく言います。「選手を育てるなんておこがましい、育つ邪魔をするな」と。
スランプの中で、3分の2ぐらいの選手は必死になって自分でもがいて上がってこようとします。そのときに助けると残ります。残りの3分の1はそのまま沈んでしまう。彼らは僕のことを「ひどい人だ」「自分が苦しんでいるときに何もしてくれなかった」と言います。つまり何が言いたいかというと、本人がスランプを脱してやろうと思っていないのに、スランプなんか脱せない。本人が成長しようと思っていない人に、どんなに教育を与えても絶対に成長しません。
自主性とは、会社や学校がやって欲しいことを自らやること。主体性とは、行く先や目的を自分で決めて、自らチャレンジすること。これは大きく違います。
― 岡田 武史 氏
いま世の中に「主体性」という言葉が氾濫していますが、主体性を持たないと生きていけない時代が来ます。主体性と自主性は違います。これをどう引き出すか——僕が考えるリーダーシップは、単に指示を出すことではなく、共通の目的に向かってチームを導くことです。選手や社員が自らの意志で行動できる環境を整えることが必要です。僕が指導するFC今治高等学校では、教師を「コーチ」と呼び、学生に自己決定を促す教育を行っています。自分の意志で考え、行動できるようにサポートすることが、主体性を育む鍵だと信じています。
勝負の神様は細部に宿る
勝負の神様は細部に宿ります。勝利は小さな行動の積み重ねによって決まることが多いと感じています。選手たちには、全力で取り組むことが勝利につながると伝えています。僕自身も、厳しい状況を乗り越え、主体性を持って行動することが、今後の社会を変える力になると信じています。
最後に。僕は次世代のために何ができるかを常に考えています。地球環境や社会問題に対する意識を高め、次世代により良い社会を残すために行動することが重要です。僕たちの活動が少しでも未来に貢献できるよう、これからも努力を続けていきます。もし共感していただける方がいらっしゃれば、ぜひご支援をお願いしたいと思います。
本人が成長しようと思っていなければ、どんな教育も実らない。リーダーの仕事は、火をつける環境を整えることです。
― 岡田 武史 氏
- セミナー名
- 事業承継セミナー 日本創生2025(ラストライブツアー)
- テーマ
- チームマネージメント
- 登壇者
- 株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長/サッカー日本代表元監督 岡田 武史 氏