2023年の主要トピックス~海外M&A担当者による世界経済予測~

榊原  啓士

執行役員 九州チャネル部長

M&A全般
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2022年は、地政学リスクに振り回された1年と言えるでしょう。
2023年、世界は、日本は、どのような年になるのか。個人的な所感を述べてみたいと思います。
※本記事は2022年12月30日に執筆されました。

地政学リスクに振り回された世界経済

表題の通り、2022年は地政学リスクに大きく左右された1年となりました。
年初にはNYダウ平均は36,950ドル超の史上最高値を更新し、GAFAMやテスラなどのテック企業を中心に世界の時価総額は大きく拡大していました。しかし、2022年2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を始めたことを機に、それまでの拡大傾向は180度転換し、我々の生活を大きく変えました。

ロシアやウクライナには天然資源・食品など、重要なコモディティで世界的に大きなシェアを占めているものが沢山あります。
もともと2021年頃から、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを引き金とした、物価上昇傾向がありました。しかし、このロシアによるウクライナ侵攻で、さらに原油や穀物、魚介類などの価格が上昇し、その結果、2022年の下期から世界的にインフレ傾向が強くなりました。

米国消費者物価指数は2021年頃から上昇してきていましたが、2022年には毎月前年比7~8%の上昇が続き、市民の生活に大きなインパクトを与えるようになりました。このインフレを押さえるため、欧米の中央銀行はそれまでのゼロ金利政策から方針転換をし、歴史的に類を見ない勢いで政策金利を引き上げています。

それに対して日本銀行は金融緩和政策を維持する方針を打ち出したため、年初115円/ドルだったものが一時150円/ドル(約30%上昇)となり、企業の事業環境に大きな影響を与えています。

2023年予測。2023年はどうなるのか

2023年がどうなっていくのか、個人的な予測をしてみます(あくまで個人的な予測である事、ご了承ください)。

やはり注視すべきはロシアと中国の地政学リスクと中央銀行の政策だと思っています。これまでの両国の動きを見る限り、戦争は終結に向かうとしても、暫く対立状況が落ち着くことはないと考えています。

欧米の中央銀行の政策については金利上昇速度が緩やかになるものの、金利を下げることは2023年中には行われないのではないでしょうか。

その中で日本国内の状況ですが、大きなイベントとしては日銀総裁の交代だと思っています。

4月に新総裁の就任予定となりますが、人事については1月下旬から2月上旬ぐらいには見えてくるでしょう。その新総裁を日本政府がどう選ぶのか、金融緩和を継続するのか否か。

2022年12月には、日本銀行から長期金利の変動幅を広げるとのサプライズ発表があったため、為替が大きく動き130円/ドルほどまで大きく円高に振れました。

これまで黒田総裁は金融緩和継続を強い信念として持ってきましたが、新総裁を中心とした政策委員会メンバーの構成次第では、大きな変動の可能性もあるかと予想しています。

皆さんもご承知の通り、日本は世界でもトップクラスの国債発行国となっています。金利上昇は利払いにも影響があるため、日本銀行がどう舵取りをするのか、しっかりと注目していく必要があると思います。

リスク分散でグローバル社会を勝ち抜く

コロナによる移動制限がほぼ撤廃される中、グローバルでのビジネス展開はより加速していくものと考えています。

弊社にも国内外の企業様から海外M&Aに関するお問合せを多数いただいております。

海外ビジネスはリスクが高いと言いますし、それは事実でもあるかと思います。
しかし一方で、これからの世の中、日本だけに留まることも大きなリスクではないかと感じています。

海外進出を行うとしても、いくつかのやり方があります。
オーガニックに新拠点を作る、海外企業を買収してビジネスの基盤を手に入れる、はたまた海外企業やファンドから投資をしてもらい、海外進出のきっかけづくりとサポートをしてもらう等です。


海外M&Aはあくまで経営の選択肢の一つだと思っています。少しでもご関心を頂けましたなら、お気軽に弊社へお問い合わせを頂ければ幸いです。

日本M&Aセンターの海外M&A支援

日本M&Aセンターでは、中立な立場で、譲渡企業と譲受企業双方のメリットを考慮にいれたM&Aの仲介を行っております。また、海外企業の買収(In-Out)、海外企業による日本企業の買収(Out-In)、海外企業同士の買収(Out-Out)も数多く手掛けてまいりました。

海外進出や事業継承に関するご相談・お悩みについて、お気軽にお問い合わせください。

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著者

榊原  啓士

榊原 さかきばら 啓士けいし

執行役員 九州チャネル部長

電機メーカー、IT企業、大手金融機関を経て2012年日本M&Aセンターに入社。入社以来、企業譲受のアドバイザリーを中心に従事。 また、企業の成長戦略の提案について定評があり、多くの企業の業績アップに寄与。国内のみならず海外M&A案件での実績も多数。 証券アナリスト。

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