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MBO(マネジメント・バイアウト)とは?目的やメリットを解説

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MBO
2023年11月10日、ベネッセホールディングスがMBOにより上場廃止し、構造改革を行うというニュースが発表されました。近年このようにMBOを実行する企業が増えており、その背景には株式の非公開化による経営再建、企業価値の向上などが挙げられます。
本記事では、MBOの概要やメリット、デメリットについてご紹介します。

日本M&Aセンターでは、M&Aをはじめ様々な経営課題の解決に向けて専門チームを組成し、ご支援を行っています。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

MBOとは

MBO(Management Buyout)とは、企業の経営陣が自社株を買い取り、既存株主から経営権を取得する行為を指します。

主な目的としては、経営体制の見直しや上場廃止などが挙げられます。また、中小企業では後継者への事業承継を目的に、MBOを通じて経営権を集約するケースもあります。

MBOは高額な買収資金を調達する必要があるため、その後の財務面でのリスクも伴います。また、既存株主と利害が対立するケースも考えられます。そのため、MBOを進める際には、資金調達や将来的な経営計画などを慎重に考慮する必要があります。

MBOによる上場廃止が増えている背景

東京証券取引所の市場再編に伴い、上場基準が厳しくなり、企業の資本収益性が注目されています。
全上場企業の約半数がPBR1倍割れという状況の中、株式の非公開化による経営再建が企業経営の選択肢になっていること、また、アクティビスト(物言う株主)や社外取締役の増加などの外的要因も、非公開化を目指す企業の増加要因に挙げられます。

MBOに関する最新ニュース

MBOに関連する最新ニュースはM&Aニュースからご覧ください。

MBO のメリット


MBOを行うことで得られる主なメリットは、以下の通りです。

独立した経営を実現できる

経営陣が大株主や親会社の影響から独立して経営を行いたい場合、MBOが選択されることがあります。
既存の株主から経営陣が株を買い付け、経営陣=株主となります。そのため、第三者の株主の意見を取り入れることなく、独立した経営を実現することができます。

円滑な事業継続を実現できる

既存の経営陣が株主として経営を行うため、第三者への承継とは異なり、引継ぎに時間を要すことなく円滑に事業承継を行うことができます。また既存の組織風土、文化が分断されることなく、さらにより良く再構築することもできるでしょう。

敵対的買収を防ぐことができる

他の企業からの敵対的な買収のリスクを避けるためにMBOを進めることもあります。
MBOを行えば、経営陣が株を保有するため、第三者が株式を取得できない状況になります。非上場株式であれば譲渡制限株式となる場合が多く、譲渡には株主等の同意が必要になります。そのため敵対的な買収を回避する効果も考えられます。

従業員からの理解を得やすい

また、従業員からも理解が得やすい手法と考えられています。外部の経営陣への交代があることにより、自分が継続して働けるかどうかわからない、と考えるのが従業員には普遍的なことです。しかし、MBOであれば、経営改革を行ってもその確率は低いのではないと考えられます。既存の従業員の理解協力を全面的に得たいケースでは、MBOは経営改革の手段として適しているといえるでしょう。

MBOのデメリット・注意点


MBOを行うことで、主なデメリットとして主に以下の事が挙げられます。

MBOの際に、既存株主と対立する可能性がある

既存株主にもそれぞれ異なる意見があるため、利害対立が既存株主との間で発生する可能性があります。
場合によっては、意図した買い取り価格でMBOを成立させられないことも出てくるでしょう。またMBOに対してTOBで対抗する株主が出てくることも考えられます。

経営に大きな変化が生まれない可能性がある

既存の経営陣が継続することで、経営体質が大きく変わらず、場合によっては悪い面も引き継いでしまい、結果想定したような変化が生じない可能性があります。

入念な資金計画が必要になる

MBOが行われる場合、後述のとおりSPCを設立して、金融機関等から資金調達(借入)が行われます。その後SPCと対象会社が合併し、対象会社には借入金の返済が残るため、資金繰りが悪化する可能性も考えられます。そのため資金調達方法とその実行計画については入念に取り組む必要があります。

資金調達の選択肢が狭まる

上場企業でのMBOは、上場廃止を意味します。つまり株式発行による外部からの資金調達が難しくなります。
MBO後は金融機関からの借り入れ、経営陣による増資が調達手段となります。

MBOと他のスキーム(手法)の違い

そのほかMBOの名称に似た手法との違いについて、それぞれについて見ていきましょう。

MEBO(Management Employee Buyout:マネジメント・アンド・エンプロイ・バイアウト)

経営陣と、従業員が協調してEBOを行うことを指します。MBOのみ、EBOのみでは資金が足りないなどの背景があり、労使が協調して出資をしながら行うものです。

EBO(Employee Buyout:エンプロイー・バイアウト)

マネジメントバイアウトを従業員の主導で行うことです。外部の買収に対抗し、後継者として優秀な従業員に会社の経営を任せ、意図的に行います。ここでもMBOと異なり、経営陣の交代が想定されます。上場企業では、2020年にユニゾホールディングスが初めてEBOを行ったことで注目されました。

MBOを進める流れ


MBOでは、既存株主から株式を買取る際、資金調達が必要になります。
経営陣だけで、資金調達を行うことは難しいケースが多く、特別目的会社(Special Purpose Company:SPC)を設立するケースが一般的です。
SPCを活用した場合のMBOの一般的な流れは、以下の通りです。

1.SPCを設立(経営陣はSPCの株主になる)
2.SPCがMBOに必要な資金をファンどや金融機関から調達(借入)を行う
3.SPCが対象企業の株主から株式を買い付ける
4. SPCが対象企業を子会社化する
5. 子会社とSPCが合併し、MBOが完了する

MBOの企業事例

MBOの概要がわかる企業事例を、解説動画でご覧ください。2022年に米大手ファンドとMBOを行ったトライステージ社の事例をご紹介します。

MBOに関する最新ニュース

そのほかMBOに関するニュースは、M&Aニュースをご覧ください。

終わりに

事業承継・経営改革、その他MBOには企業の課題を解決する目的を達成することができるメリットがある一方、資金調達における留意点もあり、また少数株主との利害調整も問題になります。可能な限り、知見・客観性を持って実行の支援ができる第三者の力を借りることも成功の鍵となります。

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