理想の買い手候補を即時提案 会社売却先シミュレーション「M-Compass」に込めた想い

広報室だより
更新日:

⽬次

[非表示]

日本M&Aセンターは、M&Aを検討する経営者が自社の買い手候補企業をその場で簡単に調べられる新サービス、会社売却先シミュレーション「M-Compass(エムコンパス)」を2021年9月にリリースしました。開発責任者である、日本M&Aセンター上席執行役員(CDO)九鬼 隆剛に新サービス開発の背景と狙いを聞きました。

九鬼隆剛(日本M&Aセンター/上席執行役員/CDO)

他社に真似できない高精度のマッチング

ーサービス開発の背景について教えてください

九鬼:今回リリースした会社売却先シミュレーション「M-Compass」は日本M&Aセンターの強みであるマッチング力をデジタル化したサービスです。当社の累計6,500件超のM&A成約実績と、10,000社を超える買い手候補の買収ニーズに裏付けられた膨大な情報を掛け合わせ、同業他社には簡単に真似のできない高い精度のマッチングを実現しました。

現在多くの中小企業経営者が、後継者不在による廃業の危機に立たされています。その解決策の一つとしてM&Aによる事業承継の機運が高まる一方で、自社の譲渡を検討したものの「本当に納得できる相手が見つかるのか」「納得できる条件で譲渡が実現するのか」などの不安から思いとどまってしまう経営者の方も少なくないのが実情です。

そうした経営者の不安を取り除き、一社でも多くの会社を廃業の危機から救えるよう「M-Compass」を開発しました。経営者にとっては心理的ハードルの高い具体的な問い合わせや相談を行う前に手元のスマートフォンやパソコンから簡単・簡潔にその場で買い手候補企業一覧を確かめることができます。必要な情報入力から候補企業の提案まで約1分程度で完結します。

M-Compassイメージ画像

シンプルな操作性とスピーディーな提案表示を実現

ー今回のシステムは社内で開発されたそうですね

九鬼:2021年春から10人強のチームで開発に着手しました。「M&Aは秘密保持に始まり、秘密保持に終わる」と言われるほどM&Aの世界では秘密保持が最重要項目とされています。そうした事業のサービスである性質上、データへのアクセスなどセキュリティー対策を万全に講じ、高度なアルゴリズムを構築して完成させました。本サービスはユーザーがシンプルに操作できる使いやすさと、その場でスピーディーに行われる提案などUI/UXを徹底的に追求し設計されています。

「M-Compass」のMはマッチング(Matching)の頭文字です。多くの悩める企業に対し進むべき未来を指し示すコンパス(Compass)と掛け合わせました。日本M&Aセンターグループである企業評価総合研究所が提供する、自社の売却価格を算出できる企業評価シミュレーション「V-Compass」の関連サービスとして親和性のあるネーミングとして「M-Compass」が採用されました。

さらなるM&AプロセスのDX化を推進

ー今後の「M-Compass」、DX推進の取り組みについて教えてください

九鬼:「M-Compass」は無料で気軽にお使いいただけるサービスですので、まだM&Aによる譲渡や事業承継を検討されていない経営者の方やご関係者にも、ぜひ試していただければと考えています。候補企業の一覧から、今後の経営戦略のヒントにつながりますし、他社と組むことで得られる相乗効果を知る機会にもなるのではないでしょうか。

M&Aの実行まで、様々な手続きや複雑なプロセスが存在します。そうしたプロセスの中で人の手に頼っていた部分をデジタル上で完結し、その分をさらに高品質なサービスに還元できる仕組みづくりを進めていきたいと考えます。「M-Compass」はそのための布石になるはずです。今後もM&AプロセスにおけるDX化を積極的に進めて、当社がミッションに掲げる企業の存続と発展に貢献してまいります。

M-Compassイメージ画像 会社売却先シミュレーション「M-Compass」はこちらから

プロフィール

九鬼 隆剛(くき・たかよし)

九鬼くき 隆剛たかよし

日本M&Aセンター/上席執行役員/CDO

アビームコンサルティングにて、国内外の業務改革・戦略案件に従事。カカクコムへ入社後は、東南アジアでメディア事業を立ち上げ、月間1700万人に利用されるサービスへと成長を牽引。2020年から当社にてDX戦略の責任者として、全社のDX戦略を推進・実行している。

著者

M&A マガジン編集部

M&A マガジン編集部

日本M&Aセンター

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「事業譲渡・マッチング」に関連するコラム

事業譲渡とは?メリットやデメリット、手続きをわかりやすく解説

M&A全般
事業譲渡とは?メリットやデメリット、手続きをわかりやすく解説

企業の事業譲渡は、経営戦略の一環として注目される手法です。事業の一部または全てを他社に譲渡することで、資源の最適化や新たな成長機会を創出することが可能です。近年、経済環境の変化や競争の激化に伴い、事業譲渡の重要性が増しています。本記事では、事業譲渡の概要について詳しく解説します。どんな会社が譲渡先候補になるのか、シミュレーションしてみませんか?日本M&Aセンターでは、10,000社を超える買い手候

事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

M&A全般
事業売却とは?会社売却との違い、メリット・デメリットを解説

企業が不採算部門を整理し、主力事業へ経営資源を集中するなど、事業戦略の見直しを行う場面で活用されるのが、事業売却です。本記事では、事業売却の概要、メリット・デメリットなどをご紹介します。この記事のポイント事業売却は不採算部門の整理や経営資源の集中を目的とする。売り手にとっては、売却後も経営権を残せるという点が大きなメリットに挙げられる。買い手にとっては、譲受ける事業範囲を指定できる一方、事業に必要

M&A業界〝最後の砦〟 マッチングのエキスパートが伝える お相手探しのコツとは?

M&A実務
M&A業界〝最後の砦〟 マッチングのエキスパートが伝える お相手探しのコツとは?

さまざまな事情からお相手を探すのに時間がかかっている譲渡企業を専門にマッチングを行う精鋭チーム、日本M&Aセンター「特務法人部」。どうすれば最良のお相手に巡り合う確率を高めることができるのか。同部部長の後藤俊介が解説します。※本記事は「広報誌MAVITAVol.042024」の特集から抜粋・編集してご紹介します。最後の砦である「特務法人部」とは?日本M&Aセンターの特務法人部は2021年4月に設立

会社を売りたい。会社を売る際に知っておきたいポイントを解説

事業承継
会社を売りたい。会社を売る際に知っておきたいポイントを解説

事業を継いでくれる後継者が見つからない場合、残される選択肢は廃業、そして会社の売却です。本記事では、会社を売る際に知っておきたいポイントについて解説します。この記事のポイント2025年には70歳以上の経営者が245万社に達し、約127万社が後継者不在。M&Aによる会社の譲渡が成長加速の選択肢として注目されている。会社を売る主なメリットは存続、経営者の負担軽減、廃業コスト削減が挙げられる。一方で条件

会社売却後の役員退職金、従業員退職金はどうなる?

M&A全般
会社売却後の役員退職金、従業員退職金はどうなる?

会社売却後に退職する場合、退職金はもともとの規定が引き継がれるのでしょうか。支払われる金額や方法、時期などに変化が生じるのでしょうか。本記事では、会社売却にともない退職者が出た場合の従業員や役員の退職金、注意すべきポイントについて解説します。@sitelinkこの記事のポイント会社売却に伴う退職金は、売却方式によって異なり、株式譲渡では雇用契約が引き継がれ、退職金制度も継続されるが、事業譲渡では従

会社売却後どうなる?会社、社長、社員への影響を解説

M&A全般
会社売却後どうなる?会社、社長、社員への影響を解説

中小企業のオーナー経営者が会社売却を検討する際「売却した後、関係者に与える影響が一番気がかり」と考える人は少なくありません。本記事では、中小企業が会社売却をおこなう際、会社関係者、取引先などそれぞれのステークホルダーに与える影響、メリット、注意点についてご紹介します。この記事のポイント中小企業が会社売却を検討する際、売却後の関係者への影響が懸念される。売却後、会社は存続し、オーナー経営者は引き続き

「事業譲渡・マッチング」に関連するM&Aニュース

長瀬産業、米SACHEM社からアジア地域における半導体用高純度化学品事業を取得

長瀬産業株式会社(8012)は、SACHEM,Inc.(米国、以下:SACHEM社)のアジア地域における半導体用高純度化学品事業(以下:本事業)の取得について決定した。取得価額は101百万US$を予定している。本事業には、SACHEM社の子会社5社が含まれている。取得対象は、SACHEM社の台湾支店ならびに无锡三开高纯化工有限公司、SACHEMKoreaLtd.、セイケムジャパンホールディング合同

オプティマスグループ、オーストラリアのMcCarroll Motorsから自動車販売事業を買収

株式会社オプティマスグループ(9268)は、オーストラリア子会社であるAutopactPtyLtd.(オーストラリア、以下:Autopact)の子会社であるWesternPlainsPtyLtd.(オーストラリア)が、McCarrollMotorsMudgeePtyLtd.(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州、以下:McCarrollMotors)の事業を譲り受けることを決定した。Autop

オートバックス、オートバックスカーズ直営店舗の中古車買取・販売事業を新設子会社オートバックス・スクエアカーズへ承継

株式会社オートバックスセブン(9832)は、会社分割により、オートバックスカーズ直営店舗の中古車買取・販売事業を、2025年4月1日に設立予定の完全子会社「株式会社オートバックス・スクエアカーズ」(千葉県柏市)へ継承させることを決定した。オートバックスセブンを分割会社とし、オートバックス・スクエアカーズを承継会社とする簡易吸収分割方式。オートバックスセブンは、オートバックスグループ店舗のフランチャ

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース