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その他 2019年2月7日

テストでは測れない“生きる力”を育てる、限界集落の挑戦

日本M&Aセンターは2018年9月に高知県と提携しました。

今回インタビューしたのは、高知県土佐町という人口4000人の町で教育支援などを行うNPO法人SOMAの代表理事 瀬戸昌宣さんと、副代表理事 大辻雄介さん。

お二人とも県外出身で土佐町とは縁もゆかりもないとのことですが、なぜ土佐町に移住し、何を目指しているのかお伺いしました。


ニューヨークから4,000人の町に移住

―ニューヨークのコーネル大学で10年間、農業昆虫学の研究と教育に携わっていた瀬戸昌宣さん。世界最高峰の大学から、なぜ土佐町に来たのですか?

SOMA

(写真左から)代表理事の瀬戸昌宣さんと、副代表理事の大辻雄介さん

瀬戸:アメリカにいるとき、研究に打ち込む傍ら、現地の学校で出張授業をするなど学びの場を整えることにも関心を持っていました。
自分でも学びたいと思う教育環境について考えた時、旧来の日本型の画一的な教育だけでは違うと思ったんです。

もっと少ない人数、18歳以下の子供が400人くらいの場所で、彼らの学びにじっくり寄り添ったら、おもしろいことが起こるんじゃないか。つまり、毎年20人くらいのこどもが生まれる人口4000人規模の自治体がちょうどよいと考えていたときに、土佐町の教育人材の募集告知を見つけました。

この規模の自治体で教育に力を入れようというところはそう多くありませんから、こんなチャンスはめったにないですよね。すぐに応募しました。
町役場の当時の総務企画課課長がとても特徴的なアイデアマンで、この人とともに働きたいと思い移住を決めました。その後土佐町役場の総務企画課で1年3か月働き、独立してNPO法人SOMAを立ち上げることにしました。


― 4000人の自治体というのはかなり具体的な条件ですね。都市部の人口が多いところで教育に携わることは考えなかったのでしょうか。

瀬戸:4000という数字にはこだわりがあります。
人数が多すぎると顔と名前がわからなくなり、画一的な教育になりがちです。少なすぎても学校や自治体自体の存続が危ぶまれます。

勉強のできる子は、ある枠組みの中では非常に優秀ですが、官僚的に優秀な人だけを育成したいわけではありません。発想の柔軟さや 感受性を刺激し、将来の選択肢を増やしながら、独自の価値観や生き方を体現してほしいと思っています。


病院より学校の有無のほうが、移住の決定要素になる

―NPO法人SOMAは具体的にはどういう活動をされているのですか。

SOMA

大辻さん(左)は、SOMAに参加する前は、ベネッセで遠隔授業事業をたちあげたのち、
島根県の隠岐島前高校でICT教育ディレクターとして高校の「魅力化」に取り組んでいたそう。

大辻:土佐町にある高知県立嶺北高等学校の「魅力化プロジェクト」を推進しています。

公立高校は全国に現在3600校ありますが、1年間に60校も統廃合されています。
「魅力化」は、特に統廃合が進む離島中山間地域などで、その地域・学校でなければ学べないような独自のカリキュラムをつくり、生徒が集まる魅力ある学校にする取り組みです。

病院と学校の有無が与える影響を調べた北陸大学藤岡慎二教授の研究によれば、学校がないほうが、病院がない場合に比べてUターン率が10%も下がるそうです。移住者は若い世代なので当然かもしれませんが、それだけ学校を魅力化し人を増やすことは重要なのです。

魅力化についてはまだスタートしたばかりで来年度以降本格化していく予定ですが、早くも成果が出てきていて、来年度嶺北高校には県外から11人も入学することが決まりました。


瀬戸:ほかには、農協の直売所を改修してつくったコワーキング・コスタディスペース「あこ」を拠点に、学びの場を提供しています。

SOMA3



あこは、入ってきた人が自由に使える空間です。地域の人が仕事をしていたり、子供が勝手に宿題をしに来たりしていて、コミュニケーションが生まれます。
地元の年配の方が中を覗かれて、「ここは何?」と聞かれることもありますが、「なんでもしていい場所です!」と答えています(笑)。

様々な分野の専門家やスポーツ選手を招いて講演会を開くこともあり、中学生~80代まで幅広い層が参加してくれます。
3世代に同時にリーチすると、子供がなにか刺激を受けてチャレンジしたいと思った時に、親もその上の世代も賛成してくれて挑戦しやすい環境が整いやすい。これは4000人の町だからこそできることですね。


SOMA4

入ってきた人が自由に使える「あこ」は、“なんでもしていい場所”

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