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事業承継を考える日 2018年12月14日

後継者は大学で育てる時代!?「事業承継科目」が人気

家業の後継者といえば、かつては自社で育てるのが主流だった。今は後継者自らが、経営者になるために必要なことを学ぶため大学に通う例が増えているという。
早くから事業承継科目を開講し、ビジネススクールとして世界的に高い評価を受けている名古屋商科大学ビジネススクール 栗本博行教授にインタビューした。

名古屋商科大学ビジネススクール 栗本博行教授


父親である経営者と後継ぎの息子が親子で通うという例も

―名古屋商科大学ビジネススクールでは、社会人向けに「事業承継科目」を開講しているそうですね。受講するのはどのような人ですか?

ファミリービジネスに何らかの形で関わる方々です。大手企業で働きながら親の会社を継ぐ準備をしている人、結婚相手の家業を継ぐことになった人、子供に会社を継がせたいと考えている経営者、父の会社を継ぐ予定の女性など、様々なバックボーンを持つ方がいます。父親である経営者と後継ぎの息子が親子で通うという例もありました。

子供に会社を継いでほしいが、事業の将来性を考えて躊躇したり、子供としっかりコミュニケーションをとれていなかったりする経営者は多いと感じています。そういった方々にとっては、この授業の受講が親子の対話のきっかけとなり、会社の方向性を考えるうえで役に立つと思います。

―実際にどのような授業を行っているのですか?

経営の基本であるマネジメントや会計、マーケティングなどをテーマに学びます。最も重視しているのはケースディスカッションです。実在する企業の事例が綴られたケースを用い、経営者としてどういう判断をすべきか、どんな戦略をとるべきかなど議論し、深い分析力や経営判断力を身に着けます。生きた経営課題を学ぶため、明日から実務で活かせるような内容になっています。
事業承継といっても、ただ会社を継げば良いわけではないですよね。変化するこの時代の中で、経営の舵を取り会社を成長させるため、新たな戦略も取り入れなければならないので、イノベーションやM&Aについても学びます。


父親である経営者と後継ぎの息子が親子で通うという例も

「家業を継ぐから経営を学びにきた」人が少なくないことに気づいた

もともとMBAを開講していたのですが、受講生が増えるにつれ「自分は家業を継ぐから経営を学びにきた」という方が少なくないことに気づき、2008年から「事業の承継と革新」という授業をスタートしました。開講してから、事業承継問題の深刻さとニーズの高さを実感し、科目を増やしたり新たにゼミを開講したりしています。

日本は今、後継者不在率が66%と極めて高く、経常利益が黒字にも関わらず廃業を考えている企業は64%にのぼるというデータがあります。後継者がいないという理由だけで日本の中小企業が廃業してしまうのはもったいないことですよね。後継者育成を通じ、この現状を何とかしたいと思っています。

受講生に1人として同じ境遇の人はいませんが、家業に何らか関わるという部分は共通しているため、受講生同士の横のつながりは濃くなります。なかなか同じ悩みを共有できる人には出会えないでしょうし、幅広い業種・年齢の方がいるので、経営者としての視野が拡がる貴重な場になっているようです。

名古屋商科大学ビジネススクールは東京・大阪・名古屋で開講している


学生時代から、父と同じ道に進む覚悟

―栗本教授ご自身も3代目の経営者だそうですね。

父の姿を見て育ち、学生時代から自分も同じ道に進む覚悟をしていました。将来についてよく話をしていた母の影響もあると思います。一般的に、男同士よりも母親が間に入ったほうが話しやすいこともありますからね。今は父と弟とともに経営をしているため、ファミリービジネスに携わる人たちの心情など理解できる部分は多いかもしれません。

事業承継は経営者にとって1番始めに考えるべき重要な仕事です。50代や60代になってから焦って考えるのでは遅く、親族承継をするにせよ、M&Aをするにせよ、早めに準備をしておくことが重要です。経営において意識しなければならないこととして、「起業家マインド」「価値観の共有」「リーダーシップ」「受託意識」の4つが挙げられますが、中でも「受託意識」というのは、会社を自分や株主のものと捉えるのではなく“次の世代のもの”と捉えることであり、きわめて重要な考え方です。次世代のためと考えることで、経営判断も変わってきます。日本は世界的に見ても長寿企業が多いのですが、それはこの「受託意識」が強いことも理由の一つでしょう。

実は、事業承継において最もハードルが高いとされていることのひとつが、後継者である子供が、「自分は父のようにはできない」と悩むことです。しかし、リーダーシップのスタイルは違っていて当然であり、むしろその違いはチャンスです。おそらくこれはM&Aでも同じですよね。すべてを真似る必要はなく、それぞれの良さを出していけば良いのです。自分の良さを活かし、足りない部分を補うために、こういった授業を使ってもらえればと思います。

―ありがとうございました。
「父のようには・・・」というのは、M&Aの現場でもよく聞く後継者の悩みです。
同じように事業承継支援に携わる側の当社としても、想いは同じ。
あらゆる面で後継者を応援する体制が日本全国にできつつあることを、もっともっと発信することが大事だとあらためて感じました。

日本M&Aセンターでは、これからも「経営人材教育」についての情報発信をしていきます!お楽しみに。

名古屋商科大学ビジネススクール 事業承継科目を含む科目一覧はこちら

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