コラム

ビジネス環境ランキング第2位、シンガポールってどんな国?~駐在員だより~

井 直大

著者

井直大

日本M&Aセンター 海外事業部 ASEAN推進課 シニアディールマネージャー/タイ王国駐在員事務所 所長

海外M&A

⽬次

[表示]

マレー半島南端に位置するシンガポール共和国。 マーライオンや、近年は近代的な形が特徴のホテル・マリーナベイサンズで知っている方も多いのでは? 都市国家として成長を遂げる同国内に、当社シンガポール・オフィスが営業しています。日本M&Aセンター初の海外拠点であるシンガポールより、現地駐在員の井 直大(い なおひろ)が“今”のシンガポール情報をお届け!

singapore

ビジネスのしやすさはアジアナンバーワン!

シンガポールで特徴的なのが法人税です。地代家賃や人件費は諸外国に比べ高い水準ではありますが、法人税は最高17%と税制面で優遇されています。 また、法も整備され、言語も英語が通じ、煩雑な登記も不要という面でも、企業にとってビジネスがしやすい国であることは間違いありません。 世界の約190カ国についてビジネス活動における制度的環境を比較評価し、各国のビジネスのしやすさをランキング化した「Ease of doing business index」でもニュージーランドに次いで第2位を記録しています。

日本と実は似ている?!

シンガポールの面積は東京23区より少し広い程度の小さな島国です。マレーシアからの独立後急速に経済発展してきました。治安もよく街中にゴミひとつないのは有名な話ですが、東京と違うといえば渋滞が無いといったところでしょうか。 シンガポールは島内の自動車台数を総量規制しているので特別なことが無い限り渋滞に遭遇することはありません(シェアライドや格安な公共交通機関も発達しています)。 さて、もう一つ日本と似ている点があります。 それは“高齢化”です。 下の図は各国の高齢者(65歳以上)人口比率推移となっていますが、日本に次いでシンガポールが高い比率で上昇していくことがわかります。

世界の高齢化率推移

資料:UN,World Population Prospects:The 2017 Revision 
ただし日本は、2015年までは総務省「国勢調査」。
2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。

2020年、シンガポールは高齢人口比率15%という高齢社会になると予想されています。日本と同じようにシンガポールも高齢化の一途を辿っているんですね。 そこで出てくるのが“後継者問題”です。 シンガポールでも日本同様、「息子は海外で働いていて継がせられない」「全く別の道を歩んでいる」という話を社長からよく聞きます。 日本と異なるのは、スピード感です。 こういった後継者問題について相談いただく社長は50歳代が一番多いです。 日本よりも若い世代の社長が事業承継プランについて考え始めているのがシンガポールなのです。

“会社は子供”の意識は共通

先日、シンガポール企業と日本企業のM&Aの成約式に出席しました。 シンガポール企業の創業者は女性オーナーでした。後継者不在のため、譲渡を決断したのです。 成約式の挨拶の際、彼女はこう言いました。 「私の娘(企業)を、どうぞよろしくお願いします」 国は違えど、会社を我が子のように思う社長の気持ちは一緒ですね。 この言葉を聞いて、M&Aは万国共通の後継者不在企業を救うひとつのやり方だと確信しました。 ほら、シンガポール企業が、身近に思えてきませんか?

国は違えど思いは一緒

当社シンガポール・オフィスでは、このようにシンガポールの後継者不在企業を対象にしたM&Aはもちろんのこと、成長のために海外進出を検討している日本企業へのM&A支援もしています。 今や日本人駐在員3名に加え、現地採用メンバーも増えました。 “M&Aで企業の存続と発展に寄与する” 想いをひとつに、今日も頑張ります!

singapore

シンガポール・オフィスメンバー

海外M&A・クロスボーダーM&Aに関するお問合せ

著者

井 直大

直大なおひろ

日本M&Aセンター 海外事業部 ASEAN推進課 シニアディールマネージャー/タイ王国駐在員事務所 所長

2018年にシンガポールに赴任し、現地の会計事務所ネットワークを構築。タイの中堅・中小企業と日本企業の海外M&A支援を担当。バンコクで海外拠点開設の準備に従事。2021年11月より現職。

この記事に関連するタグ

「ASEAN・クロスボーダーM&A・後継者不在・海外M&A」に関連するコラム

イスラム市場へのゲートウェイ“マレーシア”は魅力満載! ~海外駐在員レポート~

海外M&A
イスラム市場へのゲートウェイ“マレーシア”は魅力満載! ~海外駐在員レポート~

2019年10月18日、PullmanKualaLumpurBangsarにて開催された、「ToGrowaBusinessYOUNEEDEQUITYPLANNING4.0」にて、当社として初めてマレーシアの中小企業オーナー向けにM&Aセミナーを実施いたしました。マレーシア人の参加者は800名超。当社が海外ローカル向けに実施した顧客向けセミナーでは過去最大規模です。マレーシアでM&Aといえば大企業の

クロスボーダーM&Aのリアル ~シンガポールから見た日本企業~

海外M&A
クロスボーダーM&Aのリアル ~シンガポールから見た日本企業~

日本M&Aセンターのシンガポール・オフィスには、4人の現地スタッフ、4人の日本人スタッフの合計8名が常駐している。現在のスタッフ体制が確立したのは、およそ1年前。その中核となる二人のコンサルタント、ジョアンナとイーチェンが、日本オフィスに現状を伝えるべく、2019年7月に来日。シンガポールにおけるM&Aの最新情報をレポートする。(文中:J=ジョアンナ、Y=イーチェン)左:イーチェン、右:ジョアンナ

日本M&AセンターASEANレポート (3)魅力的な多民族国家マレーシア

海外M&A
日本M&AセンターASEANレポート (3)魅力的な多民族国家マレーシア

日本M&AセンターはASEAN第四の拠点として、2020年3月にマレーシア駐在員事務所を開設しました。日本の中堅・中小企業が海外進出するために適した環境が広がっています。ASEANではシンガポールに次ぐビジネス環境の良さと多民族国家で魅力的なマレーシアをご紹介します。多様性と消費市場が魅力的なマレーシア現在、日本を含めた世界各国とASEANとのクロスボーダーM&Aは増加しています。その中でも特に集

日本M&AセンターASEANレポート (5)微笑みの王国タイ

海外M&A
日本M&AセンターASEANレポート (5)微笑みの王国タイ

ASEANにおける中進国であるタイ。戦禍が続いた19世紀から欧米の植民地とならずに独立を守り抜いた歴史が今も国民の誇りとなっています。国民の国王家への敬愛の念が深く、僧侶への敬意も深い仏教大国の一面もあります。「マイペンライ(大丈夫)」の言葉に代表される「微笑みの王国」をご紹介します。世界的な製造国を実現したタイアジアのデトロイトと評される自動車産業の一大集積地として製造業が盛んです。日本企業のA

日本M&AセンターASEANレポート (4)ASEANの大国インドネシア

海外M&A
日本M&AセンターASEANレポート (4)ASEANの大国インドネシア

日本M&AセンターはASEANにおいてシンガポールに次ぐ第二の拠点として、2019年10月にインドネシア駐在員事務所を開設しました。将来のGDP大国として、ASEANの中でも特に大きい成長が期待されるインドネシアのM&Aについてご紹介します。ASEANの大国・インドネシアクロスボーダーM&Aの中でも今後成長が見込まれ、注目されているASEAN。そのASEANの中で、将来の大きな成長が期待できるのが

日本M&AセンターASEANレポート (2)高い経済成長力を誇るベトナム

海外M&A
日本M&AセンターASEANレポート (2)高い経済成長力を誇るベトナム

日本M&Aセンターは2020年2月、ベトナム南部の商業都市ホーチミンに海外3拠点目となるベトナム現地法人を開設しました。ASEANではインドネシア、フィリピンに次ぐ人口規模を持ち、平均年齢も若く、長期的に高い経済成長力が見込まれています。コロナ禍で世界各国がマイナス成長となるなかでも、プラス成長を記録するベトナムの経済成長力は魅力的です。安価な労働力を武器にした高い成長力首都ハノイと商業都市ホーチ

「ASEAN・クロスボーダーM&A・後継者不在・海外M&A」に関連する学ぶコンテンツ

「ASEAN・クロスボーダーM&A・後継者不在・海外M&A」に関連するM&Aニュース

ルノー、電気自動車(EV)のバッテリーの設計と製造において2社と提携

RenaultGroup(フランス、ルノー)は、電気自動車のバッテリーの設計と製造において、フランスのVerkor(フランス、ヴェルコール)とEnvisionAESC(神奈川県座間市、エンビジョンAESCグループ)の2社と提携を行うことを発表した。ルノーは、125の国々で、乗用、商用モデルや様々な仕様の自動車モデルを展開している。ヴェルコールは、上昇するEVと定置型電力貯蔵の需要に対応するため、南

マーチャント・バンカーズ、大手暗号資産交換所運営会社IDCM社と資本業務提携へ

マーチャント・バンカーズ株式会社(3121)は、IDCMGlobalLimited(セーシェル共和国・マエー島、IDCM)と資本提携、および全世界での暗号資産関連業務での業務提携に関するMOUを締結することを決定した。マーチャント・バンカーズは、国内および海外の企業・不動産への投資業務およびM&Aのアドバイス、不動産の売買・仲介・賃貸および管理業務、宿泊施設・飲食施設およびボウリング場等の運営・管

リコー、iPS細胞の分化誘導技術を持つエリクサジェン・サイエンティフィックの株式取得、子会社化

株式会社リコー(7752)は、エリクサジェン・サイエンティフィック(アメリカ・メリーランド州、eSci)の過半数の株式を取得し、子会社化することを決定した。リコーは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズなどの事業を展開している。eSciは、幹細胞関連製品の研究開発・製造・販売および合成mRNAの受託製造を行っているバイオテクノロジ

住友林業、豪州でランドスケープ事業を展開するRegal Innovationsの株式取得、子会社化

住友林業株式会社(1911)は、RegalInnovationsPtyLtd(オーストラリア、Regal)の株式51%を取得し子会社化した。住友林業は、資源環境、木材建材、海外住宅/不動産、住宅/建築業、生活サービス事業を行っている。豪州主要都市では、2009年から住宅事業を展開している。Regalは、ニューサウスウェールズ州を中心に商業・公共施設の外構や緑地帯・公園の設計・施工等を行うランドスケ

三井住友ファイナンス&リースの子会社SMBC Aviation Capital、Goshawkの株式取得、子会社化

三井住友ファイナンス&リース株式会社(東京都千代田区)の子会社であるSMBCAviationCapitalLimited(アイルランド、SMBCAviationCapital)は、GoshawkManagement(Ireland)Limited(アイルランド、Goshawk)の全株式を取得し、完全子会社化することを決定した。買収価額は、約15億米ドルを予定。三井住友ファイナンス&リースは、各種物

エフピコ、三井物産とともにマレーシアLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.の株式取得へ

株式会社エフピコ(7947)は、SCGMBhd.(マレーシア)の完全子会社であるLeeSoonSengPlasticIndustriesSdn.Bhd.(マレーシア、LSSPI)の株式を取得することを決定した。LSSPIは持分法適用関連会社となる。議決権所有割合は40%であり、三井物産株式会社(東京都千代田区)が60%取得する。取得価格は、217百万マレーシアリンギット(日本円換算:約65億円)。

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース