中小企業が直面する事業承継の課題とは?失敗しないための対策を解説

事業承継
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現在、日本の中小企業の半数以上が後継者不在という深刻な課題に直面しています。経営者の高齢化が進む中、事業承継は企業存続の重要なカギとなっており、適切な対策を講じなければ黒字経営でも廃業を余儀なくされる可能性があります。事業承継を成功に導くためには、自社の状況に最適な方法を選択し、計画的に準備を進めることが不可欠です。
本記事では、中小企業が抱える事業承継の課題と、事業承継の3つの方法、事業承継に失敗しないための対策について詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 中小企業の事業承継における大きな課題は後継者不在で、半数以上の中小企業で後継者が決まっていない。
  • 事業承継の方法には、親族内承継・従業員等への社内承継・第三者への承継(M&A)があり、中でもM&Aは、後継者不在の解決策として注目度が高まっている。
  • 事業承継に失敗しないためには、できるだけ早く計画的に準備するほか、M&A仲介会社などM&Aの専門家に依頼することが大切。

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⽬次

中小企業での事業承継の課題は?

事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことを指します。単に代表者が変わるだけでなく、資産・負債・従業員・技術・ノウハウ・顧客関係など、企業の価値を構成するあらゆる要素の引き継ぎが含まれる重要なプロセスです。特に中小企業では、経営者個人のスキルや人脈に依存している部分が大きいといえるでしょう。

近年では、経営者の高齢化とともに後継者不在が深刻な課題となっています。中小企業庁「2025年版 中小企業白書(HTML版)」(2025年)によると、2024年の後継者不在率は52.7%となっており、調査開始以来最低値を記録したものの、いまだに半数以上の中小企業で後継者が決まっていない状況です。

この背景には、国民の5人に1人が後期高齢者(75歳以上)となる2025年問題があり、超高齢化社会となった現在、人材不足はさらに深刻化しています。また、経営者が子供に継がせたくないと考えていたり、少子化の影響で経営者に子供がいなかったりするほか、子供がいても事業承継に関心を示さないケースが増加しており、事業承継が困難になっているのが現状です。

技術力があり収益性が高くても、事業承継ができずに廃業を選択せざるを得ない優良企業もあります。その結果、雇用の喪失や地域経済への悪影響など、日本経済にとって大きな損失となっているのです。

事業承継の3つの方法

事業承継をスムーズに行うためには、事業承継の方法とそれぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に合った方法を検討する必要があります。ここでは、事業承継の3つの方法について解説します。

親族内承継

親族内承継とは、経営者が自分の子供や孫、兄弟などの親族に会社を引き継ぐことです。自社株式を所有することで経営権が引き継がれます。

親族内承継のメリットとしては、関係者から心情的に受け入れられやすいことや、後継者教育を行う準備期間を十分に確保できること、相続等による所有と経営の分離を回避できることなどがあります。また、経営理念や企業文化も引き継ぎやすく、取引先や従業員からの信頼も得やすいという点もメリットです。

一方、デメリットとしては、経営に適性のある親族がいるとは限らないことや、後継者の決定や経営権の集中が難しいこと、相続税などの税務負担が発生する可能性もあることなどが挙げられます。さらに、親族間での後継者争いが生じるリスクも考えられるでしょう。

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親族内承継|事業承継ガイド

従業員等への社内承継

従業員等への社内承継とは、親族や血縁関係のない役員・従業員に会社を引き継ぐことです。例えば、長年にわたって企業で働き、経営陣として実績を積んだ人材に経営権を委譲するケースなどが挙げられます。

メリットとしては、会社・事業に精通した人材にスムーズに承継できることや、経営者としての資質・適性を事前に見極めることができること、従業員のモチベーション向上につながることなどがあります。また、これまでの企業文化や経営方針を維持しやすい点もメリットです。

しかし、必ずしも従業員の中に適任者がいるとは限らない点は、デメリットといえるでしょう。さらに、後継者には株式取得のために多額の資金が求められることや、個人債務保証を引き継ぐリスクなどが挙げられます。

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第三者への承継(M&A)

M&A(Mergers and Acquisitions)とは企業の合併・買収のことで、外部の第三者企業への引き継ぎを指し、中小企業の後継者不在の解決策として普及しつつあります。

M&Aのメリットは、後継者を広く外部に求めることができることや、個人保証や個人資産の担保提供から解放されること、創業者利益を確保できることのほか、買い手企業のノウハウやネットワークを活用した事業拡大が期待できることなどが挙げられます。

ただし、希望する条件に合致する相手を自力で見つけるのが困難だという点はデメリットです。そのほか、企業文化やシステムの統合を丁寧に進める必要があることや、経営方針が譲渡先に委ねられること、親族や従業員、取引先などの利害関係者に対して十分な説明が必要であることなどが考えられます。

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事業承継に失敗しないための対策

事業承継に失敗しないためには、しっかりと対策を考えて実行することが大切です。ここでは、事業承継を成功に導くための具体的な対策について解説します。

できるだけ早く計画的に準備する

事業承継は完了までに数年間を要することを想定し、できるだけ早い段階で事業承継の方法と後継者を検討しておくことが重要です。帝国データバンクの「事業承継に関する企業の意識調査(2021年8月)」によると、後継者が決まってから移行までにかかる期間は「3年以上」と回答した割合が51.9%となっています。スムーズな事業承継を行うためには、早期に着手することが大切です。

また、事業承継後の目標や具体的なスケジュール、役割分担などを示した事業承継計画表を作成し、後継者や従業員、関係者と共有することも重要です。計画表には、承継時期、後継者育成プログラム、財務面での準備、法務手続きなどの詳細なロードマップなどを記載します。

まずは日本M&Aセンター「事業承継ハンドブック」などで事業承継の概要を理解し、自社に適した準備を始めることをおすすめします。

経営状況や経営課題を把握し、改善する

事業承継に失敗しないようにするためには、自社の強みや弱み、財務状況、経営課題を正確に把握することが不可欠です。客観的な分析を行い、現状を正しく理解することが成功への第一歩となります。

課題を把握したら、企業価値を高めるための取り組みを積極的に進めましょう。具体的には、収益性の改善や、財務体質の強化、組織体制の整備のほか、業務プロセスの標準化などが挙げられます。これらの取り組みを行うことで、後継者が事業を引き継ぎやすくなり、承継後の成長基盤を強化できます。

目的に合致した相手かどうかを見極める

M&Aで事業承継を検討する場合、買い手企業の経営理念や企業文化の親和性、事業戦略の方向性などを総合的に評価し、目的に合致した相手かどうかを慎重に見極める必要があります。単に条件面だけを確認するのではなく、長期的な視点での相性や事業シナジーの可能性も検討しましょう。

また、従業員の雇用維持や取引先との関係継続、経営者の個人保証の解除、地域への貢献継続など、自社が重視する条件も明確にしておきます。これらの条件を事前に整理し、交渉の際に伝えることが大切です。

適切なM&A専門家を選定する

中小企業がM&Aで事業承継する場合、経営者の個人保証や簿外債務の処理、税務・法務面でのリスク対応など、複雑な課題が存在するため、専門家の支援は不可欠です。

M&A仲介会社などM&Aの専門家に依頼することで、適正な企業価値の評価、買い手企業の選定・交渉、各種契約書の作成、税務・法務面でのリスク低減などが可能になります。経験豊富で信頼できる専門家を選定し、そのサポートを受けることで、スムーズに承継できるでしょう。専門家選定の際は、実績や専門性、手数料、サポート体制などを総合的に検討することが重要です。

スムーズな事業承継を行うには自社に合った方法を選択することが大切

事業承継は、親族内承継・従業員等への社内承継・第三者への承継(M&A)という3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な事業承継方法を選びましょう。事業承継方法としてM&Aを検討しているのであれば、M&Aの専門家に協力を依頼することで、リスクを最小限に抑えられます。

日本M&Aセンターは、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関です。豊富な実績を持つ専門チームがワンストップでサポートします。事業承継をご検討の際は、ぜひ日本M&Aセンターの無料相談をご活用ください。

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よくある質問(FAQ)

中小企業の事業承継ではどのような課題がありますか?

中小企業の事業承継における大きな課題は後継者不在です。中小企業庁「2025年版 中小企業白書(HTML版)」(2025年)によると、2024年の後継者不在率は52.7%となっており、半数以上の中小企業で後継者が決まっていない状況です。また、経営者が子供に継がせたくないと考えていたり、少子化の影響で経営者に子供がいなかったりするほか、子供がいても事業承継に関心を示さないケースが増加しており、事業承継が困難になっています。

詳しくは「中小企業での事業承継の課題は?」をご確認ください。

事業承継にはどのような方法がありますか?

事業承継の方法には、親族内承継・従業員等への社内承継・第三者への承継(M&A)があります。中でもM&Aは、後継者不在の解決策として注目度が高まっている承継方法です。それぞれメリット・デメリットがあるため、自社に合った方法を選ぶことが大切です。

詳しくは「事業承継の3つの方法」をご確認ください。

事業承継に失敗しないようにするには、どのような対策が必要ですか?

事業承継に失敗しないためには、できるだけ早く計画的に準備することが大切です。また、経営状況や経営課題を把握し、改善することで、後継者が事業を引き継ぎやすくなります。M&Aで事業承継を行う場合は、条件面だけでなく、経営理念や企業文化、事業戦略の方向性などを確認し、目的に合致した相手かどうかを見極める必要があります。これらをスムーズに行うには、M&A仲介会社などM&Aの専門家に依頼することも検討してみましょう。

詳しくは「事業承継に失敗しないための対策」をご確認ください。

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著者

M&A マガジン編集部

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