【イベントレポート】スタートアップにM&Aという選択を!注目の若手起業家が語るM&A戦略

広報室だより
更新日:

⽬次

[非表示]

2023年4月27日から29日までの3日間にかけて東京ビッグサイトで開催されたスタートアップ向けのイベント「Climbers Startup JAPAN EXPO 2023」。日本M&Aセンターも当イベントに参加、イベント初日にはM&Aをテーマにした講演に登壇いたしました。講演では創業わずか2年、急成長を遂げるなかM&Aによって上場企業グループにジョインしたバーチャルレストラン(USEN-NEXT GROUP)の牧本 天増 代表取締役社長をお招きし、実体験をもとにスタートアップ企業におけるM&A活用の可能性についてお話しいただきました。


日本M&Aセンター 業種特化1部 IT業界専門グループ リーダー 竹葉 聖、バーチャルレストラン(USEN-NEXT GROUP)牧本 天増 代表取締役社長

【セミナー】急成長を遂げながらM&Aを決断した経営者の戦略を語る

「急成長スタートアップ企業における“IPO”ではなく“M&A”という選択」をテーマに、日本M&Aセンターの支援でM&Aを実行したバーチャルレストランの牧本 天増 代表取締役社長と、本件担当のM&Aコンサルタントである日本M&Aセンター 業種特化1部 IT業界専門グループ リーダー 竹葉 聖が登壇。リアル、オンライン含め数百名の方が耳を傾けました。


バーチャルレストラン 牧本 天増 代表取締役社長

非連続な成長の実現には、資金よりも顧客基盤が必要だった

牧本氏が代表を務めるバーチャルレストランは、実店舗の営業の隙間時間に、他の飲食ブランドを利用してフードデリバリーができる飲食店の副業システムの仕組みを提供しています。牧本氏は同社を大学在学中に起業し、わずか創業2年で数億円の利益を生み出す事業に育て上げました。事業は順調に推移していたものの、さらなる事業の拡大を達成するためには「経営体制の強化や新たな顧客基盤の開拓が必要だった」と当時を振り返ります。
「日本一、世界一の企業になること」を目標に掲げる中で、次の成長戦略としてIPO(新規上場)かM&Aを検討。それぞれのメリット・デメリットを考える中で、同社にとって必要なのは資金ではなく、日本全国の飲食店を含む顧客基盤であることに気づき「IPOでの資金調達はさほど魅力に思わなかった」と回顧します。IPOで資金調達をし、0から営業活動をして顧客基盤を広げていくよりも、すでに豊富な顧客基盤を有している大手企業のグループにM&Aで加わりリソースを利用した方が「時間をかけずに盤石な顧客基盤や経験豊富な人材の獲得ができ、自身の掲げる目標への最短ルートになると考えた」と、M&Aを決断した背景を語りました。

M&Aにあたって牧本氏が重視したのは、①グループに加わっても裁量を保てること、②現状のスピード感を維持して経営決断ができることの2つでした。譲受企業であるUSEN-NEXT HOLDINGSと手を組むことによるシナジーが見込まれたことはもちろん、代表取締役社長 CEO 宇野 康秀氏の経営者としての魅力も譲渡を決意するきっかけになったといいます。「宇野さんはTOP面談の際、ずっと僕の話に耳を傾けてくれて9割以上は僕が喋っていました(笑)また面談から2週間後、しかも僕の誕生日に株価などの条件が記載された意向表明書を出してくれました。このスピード感と心意気に気持ちを鷲掴みされ、宇野さんについていきたいと思いました」

手放すことが惜しい時ほど、相手も魅力に思っている

M&Aの交渉中、急成長を遂げるなかで会社の決定権を手放すのを惜しいと感じ、「何度もM&Aを中断するか迷った」と当時の心境を振り返りました。その際、日本M&Aセンターの担当コンサルタントから「自分がその事業手放すのが惜しいと思っている時こそ、相手もその事業が最も魅力的に映っている時ではないか?」とアドバイスを受けました。成長している今だからこそ魅力的な企業と巡りあえる、M&Aに踏み切る重要性を再認識するきっかけとなりました。
牧本氏は「将来的には宇野さんの後を継いで、USEN-NEXT GROUP を引っ張っていけるような経営者となることが今後の目標です」と決意を語り、大盛況の中講演は幕を閉じました。

本セミナーのアーカイブ配信はこちら
5月15日18:00まで。視聴には参加登録が必要となります。

【ブース出展】スタートアップ企業がM&Aの可能性を知るきっかけに


左から業種特化1部 IT業界専門グループ七澤 一樹、鈴木 雄哉

3日間にわたり出展したブースでは、IT・スタートアップ企業専門チームのコンサルタント6名が対応。IT業界のM&A動向に特化した書籍「The story [IT業界編]業界を勝ち抜くために知っておきたい秘密 業界動向・業界再編・M&A」を参加者に手渡しながら、M&Aを活用した経営戦略についてお伝えしました。
本イベントを通して、スタートアップ企業が事業の成長を模索するうえで、M&Aが有効的な手段となりうることをお伝えする機会となりました。

「Climbers Startup JAPAN EXPO 2023」は、日本最大級のビジネスカンファレンス「Climbers」のスタートアップに特化したイベント。約200社が出展し、3日間でのべ8,500名が来場。オンラインでも受講が可能なカンファレンスには10,000名以上が参加しました。(各併催展を含む。)

著者

M&A マガジン編集部

M&A   マガジン編集部

日本M&Aセンター

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「株式譲渡」に関連するコラム

株式譲渡とは? 基本の仕組みと税制改正によるM&Aへの影響を解説

M&A全般
株式譲渡とは? 基本の仕組みと税制改正によるM&Aへの影響を解説

株式譲渡は、中小企業のM&Aにおいて多く用いられる手法の1つです。中小企業の譲渡オーナーにとって魅力的だった株式譲渡益の税務優遇は、2026年度の税制改正により縮小し、売却後の手取りが「従来より減少する」方向で影響が想定されています。そのため税制適用の2027年を前に、中小企業M&Aでは「いつ譲渡するか」の見極めが今後ますます重要になると考えられます。本記事では、株式譲渡の基本や税制改正による影響

企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

M&A全般
企業買収とは?買収スキームやメリット・デメリットを解説

事業承継や業界再編への対応策として、企業買収の動きが今後ますます加速することが考えられます。本記事では、企業買収の基礎を整理した上で、その種類やメリット・デメリット、具体的な流れなどについて解説します。この記事のポイントM&Aによる企業買収は、経営陣が他社の株式を取得し、経営権を獲得する手法で、目的には競争力強化や事業多角化がある。企業買収には友好的買収と同意なき買収があり、前者は経営陣との合意を

M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&A全般
M&Aが失敗する要因とは?対処法や事例も紹介

M&Aの失敗には、投資対効果の未達、のれんの減損損失、デューデリジェンスの不備、人材流出などがあります。原因や失敗事例を通して、対策法を解説します。M&Aは企業成長を加速させる成長戦略の一つですが、必ずしも期待どおりの効果が得られるとは限りません。当初の目標を下回り、失敗とみなされるケースもあります。M&Aを成功に導くには、失敗事例を知って対策を講じることが不可欠です。本記事では、M&Aが失敗とみ

買収とは?合併やM&Aとの違い、種類、プロセスを解説

M&A全般
買収とは?合併やM&Aとの違い、種類、プロセスを解説

買収は、企業の成長や事業承継の手法として広く活用されています。売り手側にも買い手側にもメリットがある一方で、リスクもあるため注意が必要です。本記事では、買収と合併、M&Aの違いをはじめ、買収の種類やプロセスをわかりやすく解説します。この記事のポイント買収とは、対象企業の事業や経営権を取得することで、「事業買収」と「企業買収」に分けられる。買収には「友好的買収」と「同意なき買収」があり、一般的に中小

M&Aのスキームの種類とは?それぞれの特徴やメリット、選び方を解説

M&A全般
M&Aのスキームの種類とは?それぞれの特徴やメリット、選び方を解説

M&Aは、企業の成長戦略や事業承継の手段として広く活用されています。M&Aは、事業承継や経営資源の補完、新規市場への参入など、さまざまな目的で実施され、その目的や状況に応じて選択すべきスキーム(手法)は異なります。本記事では、代表的なM&Aスキームである株式譲渡や会社分割、事業譲渡、株式交換のほか、第三者割当増資、合併について解説します。この記事のポイントM&Aは、その目的に応じて、株式譲渡・事業

買収されるとどうなる?会社の存続や社員にもたらす変化とは

M&A全般
買収されるとどうなる?会社の存続や社員にもたらす変化とは

買収されるとどうなる?生じる変化とは企業買収されると、会社の存続のほか、社員や取引先への影響が懸念されますが、中小企業のM&Aでは株式譲渡のスキームで、会社の法人格がそのまま存続するケースが一般的です。譲受け企業(買い手)の方針にもよりますが、会社の法人格だけでなく、事業用の機械設備、取引先、顧客、従業員などもそのまま引き継がれるケースが多く見られます。友好的買収がほとんどを占める中小企業のM&A

「株式譲渡」に関連する学ぶコンテンツ

「株式譲渡」に関連するM&Aニュース

IHI、米連結子会社のIHI Power Servicesをキューデン・インターナショナルへ譲渡

株式会社IHI(7013)は、連結子会社であるIHIPowerServicesCorp.(米国カリフォルニア州)の全株式を、九州電力株式会社(9508)の連結子会社である株式会社キューデン・インターナショナル(福岡県福岡市)の子会社であるKyudenInternationalAmericas,Inc.(米国)に譲渡することを決定した。IHIPowerServicesは、米国市場において発電所向けの

さくらさくプラス、子会社のVAMOSを同社代表取締役に譲渡

株式会社さくらさくプラス(7097)は、連結子会社である株式会社VAMOS(東京都武蔵野市)に対する債権放棄並びに株式を同社代表取締役社長に譲渡することを決定した。本件株式譲渡により、VAMOSは、さくらさくプラスの連結の範囲から除外される。さくらさくプラスは、子ども・子育て支援事業を行っている。VAMOSは、大学・高校・中学受験生に対する指導、学習塾の経営を行っている。背景・目的さくらさくプラス

アクセルマーク、完全子会社であるスパイラルセンスを譲渡

アクセルマーク株式会社(3624)は、完全子会社であるスパイラルセンス株式会社(東京都千代田区)の全株式を譲渡することを決定した。アクセルマークは、広告事業、トレーディングカード事業、IoTヘルスケア事業、ブロックチェーン関連事業を行っている。スパイラルセンスは、ゲーム・アプリ開発、XR開発、WEB制作/システム制作を行っている。背景・目的アクセルマークグループは、グループ全体の事業ポートフォリオ

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース