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地域メディアの力で「魅力の宝庫」長崎県を地方創生 長崎文化放送

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長崎県のテレビ局である長崎文化放送は6月16日(木)に開催される「長崎県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を主催します。このカンファレンスは、長崎県地域の中小企業経営者に向けて、「M&A」「DX推進」「生産性向上」などの新たなソリューションの情報を提供することで、地域経済を支える地元企業の成長を促進し、地方創生の促進を目指すものです。

コロナ禍や円安、物価高騰など、地方の中堅・中小企業の経営環境は激変しています。非常に速いスピードで変化する環境に対応し、持続的な成長のために地方の中堅・中小企業は「新たな経営の打ち手」を考えることが求められています。
「長崎県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」では、長崎県の企業や県民の方々に寄り添い地域メディアとして情報を発信している長崎文化放送が、それらの新たなソリューションを提供するリーディングカンパニーとタッグを組み、カンファレンスを通して長崎県の経営者の方々に「新たな経営の打ち手」の情報を提供します。
長崎文化放送株式会社 代表取締役社長 壹岐 正氏に長崎県の地域メディアとして、長崎県の地方創生に対する思いやカンファレンス主催の意図などを聞きました。

長崎文化放送株式会社 代表取締役社長 壹岐 正氏(いき ただし)

1960年福岡市生まれ。成蹊大学法学部を卒業後、テレビ朝日に入社。営業局やスポーツ局を経て、2010年にBS朝日取締役。2014年には番組制作を行う文化工房の社長に就任し、2016年から現職。出島ワーフからのサンセットを眺めながらビールを飲むことが趣味。

「魅力の宝庫なのに魅力の倉庫?」長崎県の課題

壹岐氏)私が社長に就任し、長崎県に来てから約6年が経ちます。長崎県に来て感じたのが、非常に魅力がある地域であることです。江戸時代には、歴史的にも文化的にも長崎は海外との窓口で、鎖国の時代は長崎から最新の情報が全国に発信されていました。また、明治時代の産業遺産と潜伏キリシタン関連遺産の二つが世界遺産に認定されており、どちらも歴史的な価値のある世界遺産です。雲仙も日本初の国立公園に認定された歴史を持ち、国境に接した五島列島や対馬など、離島もあります。文化、歴史、観光といった面で、魅力がたくさんあるわけです。

一方で、その魅力があまり全国に伝わっていないことを感じています。以前、日本銀行長崎支店長のレポートに「長崎は魅力の宝庫だけど、このままでは魅力の倉庫になる」と書かれていました。長崎県の魅力を十分に全国に伝えきれていないということです。この言葉が今の長崎を最も表しているのではないかと思います。長崎県のローカルメディアとして長崎県の魅力を全国に伝えていくことがとても重要であると考えています。長崎文化放送はテレビ朝日系列なので、全国ネットへのコンテンツ提供、インターネットやSNSなどを活用し、全国に長崎の魅力を発信していきたいです。特に、YOUTUBEを始めとしたSNSなど、デジタルの効率的な活用を加速し、長崎の魅力を発信していきます。

コロナ禍のローカルメディアの役割

壹岐氏) コロナ禍では、長崎県の企業も大きな影響を受けました。長崎文化放送も例外ではありません。コロナ禍前は、広告費に依存しており、95%以上が広告の収益となっていました。広告の収益に依存していたところ、コロナ禍になって多くのスポンサーが広告出稿を止めてしまいました。それによって、2020年度の収入が前年比87%となってしまうなど過去にない大打撃を受けました。以前から取り組んできたTV広告依存ではなく、他の収益も増やすため取り組みを加速しています。

コロナ禍で、ローカルメディアとして地域の企業様にできることは、感染者情報など県・市などの自治体から発表される内容を正確な情報を発信することです。また、長崎文化放送もコロナ禍の注意喚起するPRも積極的に行ってきました。
地域の企業を応援する取り組みとして、夕方の報道番組「スーパーJチャンネル長崎」は午後6:15からローカル枠になるのですが、その枠で毎週木曜日に「グッジョブ!」というコーナーをやっており、大変ご好評をいただいています。このコーナーでは、長崎県で起業し頑張っているスタートアップ企業などを取り上げ、その事業や経営者の地域に対する想いを紹介することでコロナ禍の影響を受けながら地域経済を支える地元企業を応援しています。

ローカルテレビ局として地域企業のデジタル化の重要性を伝える

壹岐氏) 長崎市内には、浜町というアーケード街があるのですが、そこは今でも全国的にも珍しく人が多いアーケードです。私が長崎に来た当初の話ですが、そこでは70歳を過ぎた経営者と次世代の30歳~40歳代の若い経営者世代の間でデジタル化に対する認識のギャップがありました。
電子決済化が顕著な例です。アーケード街の年齢層の高い親世代の経営者は電子決済について「そんなのいらんばい」といった感じです。一方で、次世代の若い人たちは、海外からのインバウンド需要を想定し電子決済化を推進しないと海外のお客様が誰も来てくれないことを理解しています。そこでかなりのギャップ、軋轢、葛藤があるんですね。このようにデジタル化を進めたくても、若い世代は親を説得することに苦労しています。経営者の世代交代は進んできているので、電子決済化も進んでいるようですが、まだまだ課題といえます。
親世代の70代の方々は、テレビを視聴される方が多いので、デジタル化の重要性についても積極的に情報発信していくことが長崎文化放送の役割であると考えています。

後継者不在で途絶えてしまう「かんぼこ屋」の伝統の味を守る

壹岐氏) 長崎県内の後継者不在率は、62.1%とおよそ3社に2社の企業の後継者が決まっていない状況です。次世代に経営を引き継いでいく重要性についても県内に情報発信していきたいです。

長崎では、かまぼこのこと「かんぼこ」と呼んでいて、年間消費量日本一です。おそらく、関東の人々は誰も知らないと思います。私も初めて長崎に来たときにかんぼこ屋の多さに驚きました。かんぼこ屋はたくさんありますが、一部の企業を除いてほとんどは地元で消費されており、これから県内の人口が減っていく中で新たな販売チャネルを構築しなくては経営が厳しくなるのは自明です。そういった厳しい経営環境から、ほとんどが家族経営であるかんぼこ屋では、親族に経営を引き継ぐ方がおらず後継者を見つけることが難しいと聞いています。このまま、何もしなければ多くのかんぼこ屋は廃業を選択し、長崎県の地域の伝統の味は途絶えてしまいます。長崎文化放送は、こういった企業にM&Aによる第三者への承継の可能性を伝えることが重要と考えています。

過去に博報堂と高崎市がタッグを組んで海外を含めた様々な広告賞を受賞した「絶メシリスト」という地方創生プロジェクトがあります。このプロジェクトは、高崎市の後継者が決まっていない経営者がこのまま引退し廃業すると失われる地域のお店や食文化を紹介するものです。地域を盛り上げるとともに後継者不在問題にスポットライトを当てる素晴らしい仕掛けとなりました。このような取り組みをローカルメディアとして長崎県でも推進し、県内企業の後継者不在問題について情報を発信していきたいです。

「長崎県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を主催し、地域の企業と新たなソリューションの緩衝材に

壹岐氏) 今回、「長崎県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を開催することで、年齢層の高い経営者の方々はおそらく新しい風を感じることになります。これまで、まったく意識していないような新たなソリューションなので、最初は新しい取り組みの提案に対して引いてしまうところがあると思います。そこを長崎文化放送のようなローカルメディアから情報発信することで、新しい取り組みと経営者の緩衝材になりたいと考えています。地域を支えてくださる企業様に対し、長崎文化放送として微力でもお手伝いや橋渡しの形で何かできればいいなと考え、本カンファレンスを主催させていただきました。是非、地域経済を支える多くの経営者の方々にご参加いただき、「M&Aによる事業承継」「DX推進」「生産性向上」などの新たな経営の打ち手の情報を知ることでさらなる成長のヒントにしていただき、地方創生の一助になれればと考えています。

■長崎県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス

主 催:長崎文化放送株式会社
協 賛:株式会社日本M&Aセンター、株式会社セールスフォース・ジャパン、アマゾンジャパン合同会社
日 程:2022年6月16日(木) 14:00~16:30(予定)
開催方法:会場参加及びライブ配信
会 場:長崎新聞アストピアホール(翔鶴の間)
講演:「M&Aによる事業承継と成長戦略」 株式会社日本M&Aセンター
   「地域事業者がいまからはじめる営業DX」 株式会社セールス・フォースジャパン
   「生産性向上を実現するビジネスマーケットプレイス」 アマゾンジャパン合同会社

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