北海道のM&A事情とは?産業、企業の傾向を解説(前編)

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北海道のM&A事情
全国津々浦々、各地域に精通したコンサルタントによる「ご当地M&A解説」、前回の九州に引き続き、第2弾は北海道編です。まずは前編からご覧ください。
※本記事では2022年10月に撮影された動画の内容を抜粋・編集してお届けします。

北海道を支える産業

久力: ご当地M&A第2弾ということで、今回は北海道についてお届けしていきたいと思います。早速ですが、まずは北海道について産業など特徴を教えてもらっていいですか

宮本: はい。まず北海道はよく知られている通り、日本列島の総面積22%を占める広大なエリアです。北海道の東西で500キロ南北で400kmございまして、東京・大阪間と同じ距離感ですね。

北海道のエリアは大きく「道北」「道東」「道央」「道南」の4つに分かれます。稚内や旭川は道北、札幌は道央、函館は道南にあります。

北海道というと、食にまつわる産業のイメージを浮かべる方が多くいらっしゃると思います。、道東のエリアだと酪農、十勝だと農業、道北だと林業が盛んです。あと函館やオホーツク海は漁業がメインに行われています。1次産業、特に食に関する産業が強い点は、大きな特徴として挙げられます。

北海道におけるM&Aの特徴

久力: それぞれのエリアで産業も違うと思うんですけど、M&Aという観点でみると、産業にも特徴があるんでしょうか。

宮本: 全国的な傾向と同じく、建設業が多いです。当社北海道エリアでの成約実績の約30%は建設業のお客様になります。続いて調剤薬局、医療介護ですね。

久力: 調剤薬局ですと業界1位のアイングループさんだったり、上場されている調剤薬局、ドラッグストアの大手企業さんがたくさん北海道にいらっしゃいますよね。そういう企業さんは買い手として成約件数が多い感じなんですかね。

宮本: そうですね。それらに続くのが 飲食・食品製造業です。お菓子などお土産品だったり、海産物の加工品などが含まれます。
北海道の食品は、いわゆるブランドとして皆さん認識されている部分があるのですが、「北海道の食のマーケットを獲得したい」と道外の企業が北海道の飲食・食品製造系の企業を買収するケースが多く見られます。

久力: 組み合わせとしては「北海道内の企業同士のM&A」と「道外の企業と北海道の企業のM&A」、どのような比率になるんでしょうか。

宮本: 比率で言うと、半分、半分といったところでしょうか。建設業に限っては北海道内で完結しているケースが多いですね。

久力: ちなみに日本M&Aセンターの北海道内におけるM&Aの成約数はいかがですか。

宮本:直近ですと、年間50件近くのM&Aをお手伝いさせていただいています。リーマンショックの時に年間10件ぐらいでしたので、この12~13年の間にどんどん伸びてきている印象です。 当社の中では全国で7番目ぐらいに位置しています。

久力: M&Aを語る上ではやっぱり「譲渡したい」という会社さんの数が、最初に先行指標になると思うんですけど、(当社と契約をしている)北海道の譲渡を希望されている企業様の数はどのくらいなんですか?

宮本: およそ100社の企業様と契約をさせていただいています(2022年10月時点)。当社の中では全国で4位くらいになります。

久力: 成約数は7位でしたよね。受託件数は4位であるのに比べると、成約数が少ないように感じますが、背景には何があるんでしょうか。

宮本: 北海道で譲渡を検討されている企業様の多くは、道外を向いている企業様が多いというのも理由の1つに考えられます。

久力: 譲渡を希望されている企業様が、北海道外の企業にお譲りしたいというご要望が多いんですね。なぜ道内ではなく道外なのでしょうか。

宮本: 特に、同じエリア内での情報漏洩のリスクについて気にされる経営者の方が多いように感じています。そのため道外でのM&Aを希望されるケースが良く見受けられます。
反対に、道外の本州の企業様から見ると、北海道のマーケットってなかなか見えづらい部分があるという事情が、成約数に影響している印象です。

久力: 最近はM&Aの裾野が広がって、上場企業によるM&Aだけではなくて、中小企業が買収をするケースも増えていると思います。

そうなると、例えば東京の中堅・中小企業さんが北海道の企業の買収を考えた時に、北海道に今まで一度も出ていなかった企業様からしたら、「誰が北海道に行くの?」とか「一緒になった後にどうやって協業していくの?」とか、ちょっと距離があるのかもしれませんね。もともと支社など拠点を北海道にお持ちだと、また事情は違ってくるのかもしれませんが。

宮本: おっしゃるとおり、既に北海道に拠点をお持ちの会社さんは、積極的に検討される傾向にありますね。

久力: 北海道でのビジネスの魅力を知っているし、人材も確保できているから他社と組みやすいということですよね。後編もどうぞご覧ください!


※本編の動画はこちらからご覧いただけます。

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