コラム

トラブル事例から学ぶM&A その2

西川 大介

日本M&Aセンター 企業戦略部 企業戦略部統括

M&A全般

⽬次

[表示]

巷では時折耳にする、M&Aに関するトラブル。 「M&Aは三方良しと言っても、実際はどうなの?!」と皆さんも気になる点かと思います。そんな皆さんの不安、トラブル事例をご紹介しながら解説するシリーズ第2弾! こちらは無事にM&A成約まで至ったようですが・・・? 買主: 「対象会社の幹部社員が当社のことを良く思っていないようだ。当社から派遣した役職員との間でやや険悪な雰囲気になっている。」 売主: 「今回のM&A後の新体制に対して、古参の幹部から不安の声が上がっている。『今後の事業運営方針や自分たちの処遇が不透明だ』と詰め寄られた。これでは今いる社員たちがそろって辞めてしまう。取引先からも不安の声が出ている。今回のM&Aを無かったことにできないのか。」 社員や取引先がM&Aについて不満を抱いている非常に危険な状況ですね。このままの状況で社員・取引先が離れていってしまっては、事業価値の源泉は毀損し相乗効果は期待できなくなるしょう。 M&A成立後のトラブルは、時に大きな訴訟問題に発展します。

せっかくつないだM&Aの縁も、切れてしまっては大惨事

トラブル、M&A成立前と後

M&A成立前のトラブルは、調整の余地がありますから専門家による対応によって解決することが可能な場合があります。解決が困難な場合はブレイクとなり、交渉を進めてきた両社にとっては時間的・精神的ロスが生じます。ただし、M&A成立前のため、大きな訴訟問題にまで発展するようなケースは稀です。 一方、成立後のトラブルでは少し事情が異なってきます。調整の余地がないため、大きな訴訟問題に発展するケースもみられます。 M&Aにおいては、トラブルの発生が遅れるほど解決が難しくなり、痛手が大きくなる傾向にあることを覚えておいて下さい。 とはいえ、M&Aプロセスにおけるトラブルの種=リスクを適切に排除しておけばトラブルは発生しませんし、M&Aは両社の成長発展の未来をもたらします。 リスクを排除するためには、豊富なM&Aの経験・ノウハウが必要です。トラブル回避の視点から見ても、専門家を通してM&Aをするメリットは非常に大きいものです。専門家に相談し、しっかりと準備をし、リスクを排除して進めることが重要なのです。

M&Aプロセスで起こるトラブル:周到なPMI準備(ポストM&A)

M&Aは目的ではなく事業戦略実現の手段― つまり、M&A成立初日が本当の意味でのM&Aスタートです。M&A成立初日から当面の融合プロセスのことをPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)と言います。

PMIとは|M&A用語集

初日以降にやらなければならないPMI作業はたくさんあります。その作業の多くは、買主・売主の共同作業となります。 ここで大事なポイントは“M&A成立後にPMIの検討を始めるようでは遅すぎる”ということです。 初めの最も重要な作業は、売り手企業の従業員への本件開示と各種方針・今後のスケジュールの説明です。これに続いて、取引先への挨拶・説明も行います。これらはM&A成立初日から1週間程度以内には完了すべきです。 そのためには、買主側にはしっかり準備頂くことが必要ですし、同時に、売主は買主にどのような方針をどのように説明すると効果的かをしっかり買主に相談することが必要です。 従業員や取引先への説明は、方法・タイミング・関心事を踏まえて対応する必要があります。特にキーマンや重要取引先への説明は計画性をもって慎重に行います。 このようにM&A後をイメージして、求めるPMI対応ができるようなお相手か否かという視点を持つことも、譲渡先選定の一つのポイントかもしれません。

専門家を使って効率的なPMIを

M&Aは多くの経営者にとって初めてのこと。ましてM&A成立後のPMIの経験を豊富に有する経営者は、ほとんどいないでしょう。 専門家がファシリテーターの役割を担うことで両社納得する点での融合が実現でき、経営コンサルティングや事業計画の策定もスムーズに行うことができます。これらすべてを初心者の自分たちでやるとしたら・・・大変なことになるのはお分かりかと思います。 “専門家の存在”がM&A成功の可否を分けるのです。

トラブルのないM&Aのために・・・

経験を積みノウハウを持った専門家を活用して正しいプロセスを踏んでいけば、M&Aにおいてトラブルは発生しません。当社はPMI専門のチームを有し、M&A成立前から準備を進める体制があります。最高のM&Aを成功に導くために、専門家にぜひご相談ください。

PMIについて詳しくはこちら

PMI支援室 宮川のインタビューはこちら

相談は無料!こちらからどうぞ

著者

西川 大介

西川にしかわ 大介だいすけ

日本M&Aセンター 企業戦略部 企業戦略部統括

大手プラントエンジニアリング会社(海外プラント建設)、Big4系コンサルティングファーム(PMI等)、大手証券会社(M&Aアドバイザリー)を経て、2010年に当社に入社。通算20年近いM&A実務経験に強み。現在、上場会社グループに特化してM&Aサービスを提供する部門を率いる。事業ポートフォリオ再構築プランやM&A戦略の立案サポートから、クライアント毎のオーダーに基づく案件オリジネーション、交渉・実行サポートを行う。弊社において、大型案件、複雑案件、及びノンコア切離し案件をリードする。

この記事に関連するタグ

「PMI・トラブル・専門家」に関連するコラム

M&Aの「ラスト1マイル」をどう取り組む?今、みんなが知りたいPMIノウハウ

PMI
M&Aの「ラスト1マイル」をどう取り組む?今、みんなが知りたいPMIノウハウ

2018年の日本企業のM&A件数は3,850件と、これまで最多だった2017年の3,050件を上回り、過去最高を記録しました。PMI(M&A後の企業結合のプロセス)は、M&Aを成功に導くための「ラスト1マイル」の取り組みであり、「PMIなくしてM&Aの成功なし」と言っても過言ではない、非常に重要なものです。この度、株式会社日本PMIコンサルティングでは、3年間のプロジェクト経験をもとに抽出した中堅

法務のプロフェッショナルたちが、中小企業M&Aに関する全ナレッジを結集!

M&A法務
法務のプロフェッショナルたちが、中小企業M&Aに関する全ナレッジを結集!

「株券を紛失してしまった」「実は未払い残業代がある」…会社の規模の大小にかかわらず、M&Aには複雑な手続きが必要です。M&Aの過程では中小企業ならではのトラブルも起きるので、知識がないととまどってしまいます。年間約700件のM&A成約を支援する日本M&Aセンターでは、弁護士・司法書士といった法務のプロフェッショナルたちが7名在籍し、当社所属のコンサルタントに対してきめ細かくスピーディーなサポートを

トラブル事例から学ぶM&A その1

M&A全般
トラブル事例から学ぶM&A その1

巷では時折耳にする、M&Aに関するトラブル。「M&Aは三方良しと言っても、実際はどうなの?!」と皆さんも気になる点かと思います。そんな皆さんの不安、トラブル事例をご紹介しながら解説していきたいと思います!こちらは、M&A仲介会社を入れずに交渉を行ったとある売主さんから聞いた話です。交渉は円満に進んだように見えましたが、最終局面で決裂してしまいました。買主:「買収監査の結果を踏まえて株価条件の引き下

中小企業庁が中小PMIガイドラインを初策定

広報室だより
中小企業庁が中小PMIガイドラインを初策定

事業承継の方法として増加する中小企業のM&Aの効果を発揮するために新指針が打ち出されました。中小企業庁は2022年3月17日、中小PMIガイドラインを初策定しました。PMIとは「PostMergerIntegration」の略語で、M&A後の統合プロセスを表す言葉です。M&Aの目的を実現するための統合の効果を最大化するために必要なプロセスですが、これまで中小企業のM&Aは企業選びのマッチングばかり

「中小PMIガイドライン」初策定へ 中小企業庁

広報室だより
「中小PMIガイドライン」初策定へ 中小企業庁

中小企業において増加するM&Aの効果を高めるために中小企業庁は現在、「中小PMIガイドライン(仮称)」の策定を進めています。PMIとはPostMergerIntegrationの略語でM&A後の統合プロセスを表す言葉です。M&Aによる譲渡企業と譲受企業の相乗効果を発揮するためには円滑な統合プロセスが重要となります。ガイドライン策定には、M&A経験のある経営者やPMIを支援する実務者、学者らによる策

25社譲受して成長するハシダ技研工業の「M&Aは人助け」の凄み

広報室だより
25社譲受して成長するハシダ技研工業の「M&Aは人助け」の凄み

「M&Aは人助け」を信条に2008年から2022年までの間、買い手企業として計25社を譲受した大阪市のハシダ技研工業株式会社。火力発電所に使用されるガスタービン部品は高い技術力から、ゼネラル・エレクトリック(GE)社や三菱重工業など名だたる企業を取引先に持ち、自動ドアの自社ブランドも好調な製造業のグループ企業です。後継者のいない製造業を譲り受けながら成長を果たしています。事業はグループ売上高200

「PMI・トラブル・専門家」に関連する学ぶコンテンツ

コラム内検索

人気コラム

注目のタグ

最新のM&Aニュース