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納得できる事業承継のために今できること

事業承継

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ここにあるアンケート結果があります。 オーナー経営者へ実施した「事業承継の際に想定される問題」アンケート(財産白書2012年版/[著]青山財産ネットワークス、P&E Directions)の結果トップ5は下記の通りでした。 第1位 事業の将来性が不安 第2位 後継者が会社を経営するのに十分な力量がない 第3位 相続税などの税金の負担が重い 第4位 個人保証の承継負担が重い 第5位 先代経営者の影響力が強すぎる この結果を見ても、事業承継については、会社の成長、後継者、税金など多方面から考えていく必要があることがわかります。 さらに、経営者は様々な専門家から「持株会社の設立」「自社株株価の引き下げ」「相続税納税資金の準備」「後継者問題解決のためのM&A」「不動産を使った節税」等々、事業承継に関係した様々な提案をバラバラに受けています。 このように多方面からバラバラな提案を受けていては、一体何をどこから着手したらいいのか分からず混沌とするため、多くの経営者の方にとって事業承継は“取り組まなければならないが、何をすればいいか判断しづらいもの”であり、受身になってしまうのではないでしょうか。

ベストな事業承継をしてみんなが納得する事業承継を

ベストな事業承継をするために

事業承継は一度しかありません。誰だって事業承継で失敗したくはないでしょう。だからといって慎重に考え、先延ばしにしていてはタイミングを逃してしまい、“ベストな事業承継”はできません。 最悪のケースは、事業承継自体ができなくなってしまい会社の存続に大きな影響を与えてしまうことです。 ではどの手順で事業承継を考えていけばよいのでしょうか? まずは事業承継の全体像と手法を理解しましょう。 “全体像の理解”は、事業承継の解決方法である「親族承継」「社員承継」「M&A」の選択肢全てを知ることからはじまります。 さらに各手法、相続税・贈与税等の税金の仕組みや納税資金、会社の株価も税務上とM&Aの株価などの基本的なことを知ることで、3つの選択肢を比較検討でき、考えるべきポイントが整理されます。 株式の承継について、例にあげましょう。 事業承継は、経営を承継することと同時に、株式を承継する必要があります。その際、「親族に株を譲る場合」「社員へ譲る場合」「M&Aの場合」では、株価が異なってきます。この株価について知るだけでも、判断の助けになるのです。

家族と話そう

事業承継の全体像と手法を理解したら、お子さん・家族と話し合いの場を持つことをお勧めします。 その際、会社の状態、事業の将来性、財務内容、株価、承継方法などをできるだけ家族と共有した上で話し合いをもてれば、より、核心にふれた話し合いができると思います。 子供に承継させたい場合でも、自分の考える会社の事業承継プランを正確に伝えたうえで子供の意思を確認することができれば、より方向性を明確にできます。 失敗できない事業承継だからこそ、相手の思いを正確に知ることが一番の近道になります。

社員承継、M&Aの場合は?

社員に譲る場合でも、株価をいくらにするかというテーマもありますが、それ以上に社員が株式を買い取る資金をどのように準備するのか?という課題があります。 サラリーマンでは用意できない巨額な資金になることも多く、それを準備する覚悟も確認しなくては先に進みません。 M&Aを選択した場合のシミュレーションとして、「どんなお相手がいるのか?」「M&Aの株価はいくらなのか?」「次期社長は誰がやるのか?」等、事業承継の全体像が分かっていると、次に考えるべきポイントが浮かんできます。

全員が納得できる事業承継

会社が存続し、次世代まで続いていくことは経営者の何よりの願いです。 そのためには場当たり的な対応ではなく、事業承継全体を知り、プロセスを経ながら検討していくことにより、経営者、会社・社員、ご家族と関係者全員が納得できる事業承継が可能になります。 ぜひ、2017年末に今後の会社のあるべき姿を考えながら、事業承継についても今一度考えをブラッシュアップしてみてください。 2018年2月に予定しているM&Aカンファレンスでは、“事業承継の全体像”を理解し、納得する事業承継のための検討手順を講演をする予定です。 具体的な事例も織り交ぜながら、なるほど!こういう考え方もあるのかと、あたらしい発見をしていただける場にしたいと思っております。ぜひ皆様ご参加ください!

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長坂が副社長を務める「事業承継ナビゲーター」について詳しくはこちら

著者

長坂 道広

長坂ながさか 道広みちひろ

株式会社事業承継ナビゲーター取締役

創業期の日本M&Aセンターに入社。未上場企業のM&Aという日本で未開拓だった市場で25年間M&A仲介に携わる。 日本M&Aセンターの上場も経験するが、M&Aだけではなく、関係者が喜べるあらゆる承継手法を提供できるよう、2016年日本M&Aセンターと青山財産ネットワークスの協力により「株式会社事業承継ナビゲーター」を設立。

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