事業承継セミナー

JSR、TOBが成立し上場廃止へ

更新日:

JICC-02株式会社(以下「公開買付者」)が 2024年3月19日から実施しておりましたJSR株式会社(4185)の普通株式、本新株予約権及び本米国預託証券に対する公開買付け(TOB)が 2024年4月16日をもって終了した。

本公開買付けの結果、2024年4月23日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、JSRの親会社及び主要株主である筆頭株主に異動が生じる見込みとなった。

JSRは、半導体材料やディスプレイ材料を扱うデジタルソリューション事業や、合成樹脂事業などを展開している化学メーカー。

本公開買付けの結果

JSRは、2024年4月17日、公開買付者より、添付資料「JSR株式会社(証券コード:4185)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ」に記載のとおり、本公開買付けの結果について報告を受けた。
本公開買付けに応募されたJSR株式等の総数が買付予定数の下限以上となりましたので、本公開買付けは成立している。

異動予定年月日

2024年4月23日(本公開買付けの決済の開始日)

異動が生じる経緯

JSRは、2024年4月17日、公開買付者より、本公開買付けの結果について、JSR株式 175,272,231 株の応募があり、応募されたJSR株式等の総数が買付予定数の下限(138,507,100 株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、その全てを取得することとなった旨の報告を受けた。

この結果、本公開買付けの決済が行われた場合には、2024年4月23日(本公開買付けの決済の開始日)付で、JSRの総株主の議決権の数に対する公開買付者の所有する議決権の数の割合が 50%超となるため、公開買付者は、新たにJSRの親会社及び主要株主である筆頭株主に該当することとなる。

これに伴い、公開買付者の親会社である JIC PE 共同投資ファンド1号投資事業有限責任組合も、公開買付者を通じてJSR株式を間接的に所有することとなるため、JSRの親会社に該当することとなる。

異動する株主の概要

① 新たに親会社及び主要株主である筆頭株主に該当することになる株主の概要
名称:JICC-02 株式会社
所在地:東京都港区虎ノ門一丁目3番1号

異動前:ー
異動後:属性)親会社及び主要株主である筆頭株主
議決権の数(直接所有分)1,752,722個(175,272,231株)議決権所有割合(84.36%)
→大株主順位:1位

② 新たに親会社に該当することになる者の概要
名称:JIC PE 共同投資ファンド1号投資事業有限責任組合
所在地:東京都港区虎ノ門一丁目3番1号

異動前:ー
異動後:属性)親会社(株式の間接保有)
議決権の数(合算対象分)1,752,722 個(175,272,231株)議決権所有割合(84.36%)

今後の予定

決済の開始日:2024年4月23日(火曜日)

公開買付け後の方針等及び今後の見通し

本公開買付け後の方針等につきましては、公開買付者が 2024年3月18日付で公表した「JSR株式会社(証券コード:4185)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」に記載の内容から変更はない。

公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」)を実施することを予定している。対象者株式は、2024年4月17日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されているが、本スクイーズアウト手続を実施した場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止になる。なお、対象者株式が上場廃止となった場合は、対象者株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできない。

化学製品製造(製薬・トイレタリー除く)業界のM&A・事業承継の動向はこちら

化学製品製造(製薬・トイレタリー除く)業界のM&A売却・事業承継案件

日本M&Aセンターでは、化学製品製造(製薬・トイレタリー除く)業界をはじめ、譲渡案件情報を常時ご紹介しております。ご興味のある案件がありましたら、ぜひお問い合わせください。

JSRに関連するM&Aニュース

JSR、半導体薬品メーカーのヤマナカヒューテックを買収

JSR株式会社(4185)は、ヤマナカヒューテック株式会社(京都府京都市、以下「YHC」)の全株式を取得し完全子会社化することでYHCと合意し、2024年5月15日に株式譲渡契約を締結した。JSRは、研究開発・技術革新力を核に、新規材料開発、品質管理、サプライチェーンマネージメント等を行う。YHCは、半導体材料・光ファイバー材料等の高純度化学薬品の製造販売を行う。目的半導体デバイスの進化は、リソグ

産業革新投資機構、JSRを買収及び株式非公開化へ

JICC-02株式会社(東京都港区以下、JICC-02)は、JSR株式会社(4185)の株券等を公開買付け(TOB)により取得することを決定した。買付等の価格は、普通株式1株につき4,350円。買付代金は、903,917,267,550円(買付予定数207,797,073株に、1株当たりの買付価格を乗じた金額)。買付予定数の下限は、138,531,400株。JICC-02は、JSRの株券等を取得お

JSR、韓JSR Electronic Materials Koreaを完全子会社化へ

JSR株式会社(4185)は、韓国におけるJSRの電子材料事業の販売代理店であり、PERICorporation(以下、PERI)とJSRの合弁会社であるJSRElectronicMaterialsKoreaCo.,Ltd.(以下、JEMK)を、完全子会社化にむけPERI保有株式60%全てを買収する株式譲渡契約を締結した。JSRは、半導体材料やディスプレイ材料を扱うデジタルソリューション事業や、合

JSR、子会社Crown Bioscience Internationalを孫会社化、米ライフサイエンス事業を再編へ

JSR株式会社(4185)は、子会社であるJSRNorthAmericaHoldings,Inc.(アメリカ・カリフォルニア州)に対して、完全子会社であるCrownBioscienceInternational(アメリカ・カリフォルニア州)の全株式を現物出資により譲渡する。さらに、JSRNorthAmericaHDからJSRの孫会社であるJSRLifeSciences,LLC(アメリカ・カリフォル

ENEOS、JSRより合成ゴムの製造・販売を含むエラストマー事業を買収へ

ENEOS株式会社(東京都千代田区)は、JSR株式会社(4185)と、合成ゴムの製造・販売を含むJSRのエラストマー事業を買収することについて、契約を締結した。ENEOSは、石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)の精製および販売、ガス・石炭の輸入および販売、石油化学製品等の製造および販売、電気・水素の供給を行っている。JSRは、デジタルソリューション事業、ライフサイエンス事業、エラストマー事業、合成

この記事に関連するタグ

「TOB」に関連するコラム

TOB(株式公開買付け)とは?目的など概要をおさらい

M&A全般
TOB(株式公開買付け)とは?目的など概要をおさらい

TOB(株式公開買付け)とは?TOBとは、株式公開買付け(TakeoverBid)の略で、対象企業の経営権取得を目的に、株式の買付価格や期間、株式数などを公告し、取引所外で多くの株主から大量に買付ける手法を指します。一般的にTOBを仕掛ける買収側を「公開買付者」、実施される側を「対象者」と呼びます。東京証券取引所の市場再編やPBR(株価純資産倍率)改善要請を背景に、成長を意識した買収、上場企業への

同意なき買収(敵対的買収)とは?対応方針や事例を解説

M&A全般
同意なき買収(敵対的買収)とは?対応方針や事例を解説

同意なき買収(敵対的買収)とは同意なき買収とは、経営権の獲得を目的に、対象会社の経営陣や株主などの合意を事前に得ることなく行う買収を指します。英語のhostiletakeoverに相当する買収が含まれます。同意なき買収が行われる背景には、企業の成長戦略や競争力強化の動機、株主の期待、経営陣と株主との対立、市場状況などが挙げられます。同意なき買収(敵対的買収)の事例直近、国内で行われた同意なき買収に

ポイズンピルとは?2種類の手法やメリット・デメリット、導入事例を解説

M&A全般
ポイズンピルとは?2種類の手法やメリット・デメリット、導入事例を解説

上場企業の株主が経営陣と経営方針などを巡って対立した結果、会社の支配力を強める目的で株式を買い進める場合があります。これが、「敵対的買収」です。しかし、敵対的買収に対して経営陣も何もしないわけではありません。経営陣と敵対する株主の動きを防ぐため、敵対的買収に対する様々な防衛策を発動して対抗します。その買収防衛策のひとつがポイズンピルです。本記事では、ポイズンピルの概要、メリットやデメリット、実際に

MBIとは?MBOとの違いやスキーム、活用するメリットを解説

M&A全般
MBIとは?MBOとの違いやスキーム、活用するメリットを解説

経営状態が振るわない企業に、外部の専門家を送り込み経営の立て直しを行う方法をMBIと言います。本記事ではMBIのスキームやメリット・デメリットを紹介するとともに、似た名称であるMBOやTOB、LBOとの違いについても説明します。MBIとは?MBIとは、投資家・ファンド・金融機関等が企業を買収し、経営権を握った後に経営の専門家を送り込み、企業の立て直しや、企業価値向上を図る買収形態の一つです。企業価

日立のM&Aプレスリリースから読み解く!価格交渉の背景とは?

M&A全般
日立のM&Aプレスリリースから読み解く!価格交渉の背景とは?

日本M&Aセンターの中で特に業界での経験豊富な二人のスペシャリストが、世の中の企業のM&Aの動き、プレスリリースを中心に解説する「M&Aニュースサテライト」。今回は前回に引き続き日立製作所による日立物流の売却をテーマに解説します。(本記事ではYouTube動画の概要をご紹介します。)日立製作所と日立物流が正式発表へ西川:前回(日立製作所が日立物流を売却へ!M&Aの狙いとは)につづき日立物流パート2

上場企業オーナー経営者の主要株式の売却について

M&A全般
上場企業オーナー経営者の主要株式の売却について

上場企業オーナー経営者の企業承継のためには、非上場企業とは異なる金融商品取引法(以下、「金商法」という)に基づき、株式公開買付け(TOB)によることが殆ど不可欠である。発行済み株式の3分の1超の株式の売買を伴うケースでは、オーナー経営者が予め特定の買受人(以下、「承継予定者」という)と相対で株式を売却する場合でも、TOBによることが金商法上必要になる。そこで、検討すべき実務上のポイントを、以下に説

M&Aニュース検索

注目のM&Aニュース

最新のM&Aニュース

日付別M&Aニュース

2024年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930

月別M&Aニュース

注目ニュースワード