コラム

上場より大企業傘下?!成長企業の悩み

鈴木 淳也

日本M&Aセンターエグゼクティブアドバイザー室マネージャー

M&A全般
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企業が大きくなればその分課題や経営者の悩みも多岐にわたります。 「もう一段上のステージに行きたいが、一方で限界を感じている」 「IPOしようか悩んでいる」 「過去の資本政策の過程で株主が分散してしまった」 これらは、中堅企業の社長の皆さんなら悩んだことのある事項だと思います。 解決するためには様々な方法がありますが、実はM&Aもその解決方法のひとつだったりします。 M&Aとは結びつくように見えない中堅企業が抱く課題を、どう解決していけるのでしょうか?

悩み1.もう一段上のステージに行きたい

自社単独での成長に限界を感じている場合、他社買収によって不足している機能を補完したり、規模拡大を追求する方法があります。 これは誰もが想像しやすいと思います。 一方で、思い切って大手企業や投資ファンドの傘下に入るのも有効な手段です。 自社より大規模な企業や投資ファンドの傘下に入ることで、外部の経営資源が活用できる点が一番のメリットです。 他社を買収した場合は自社の経営資源(人材・資金等)を使って買収先企業を経営していくことが一般的であり、自社の経営資源が大きく増加するわけではありません。 外部の経営資源の活用は、急速なステージアップが実現できる可能性があります。

成長の矢印は伸ばし続けたい!

悩み2.IPOしようか悩んでいる

IPOはメリットも多いですが、一方で留意点についてもよく検討しておく必要があります。 ・上場までにかかる期間やコスト ・上場後のロックアップや上場維持コスト ・市場からの成長期待 などです。 例えばIPOの目的が信用力・知名度の向上であるならば、上場企業グループの傘下に入ることでその目的を達成できる可能性があります。 本日の日本経済新聞朝刊1面に、「上場より大企業傘下」という記事が出ています。 EXITをM&Aに求める企業もずいぶん増えてきたということです。

悩み3.株主が分散し収拾がつかなくなってしまった

共同創業や事業承継対策、IPOに向けた資本政策等、様々な理由で株主が分散している企業は少なくありません。 これらを個人で買い集めるのは資金的な負担が大きく、自己株買いをすれば企業から将来の成長資金を奪うことにもなります。 そこで、第三者の下で株式の集約を図るM&Aという選択肢がでてきます。 株式が分散していることで、株主間の意見の相違から経営に影響がでるまでになってしまっているケースもあります。 この場合、株主間での売買による集約は心理的に受け付けなくなっていることも多く、第三者の下で株式の集約を図るM&Aが解決策として有効ということがよくあります。 加えて、企業・株主それぞれがM&Aのメリットを受けることができます。 このように、中堅以上の企業はステークホルダーが多く成長戦略オプションも多岐にわたるため、様々な観点からベストな選択肢を追求していく必要があります。 結果的にその答えがM&Aでないケースもありますが、先入観なくM&Aも選択肢に入れていただくことで、検討の幅が広がりより良い選択ができると思います。
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M&Aがとくに効果を発揮する 4つの主要な経営課題

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著者

鈴木 淳也

鈴木すずき 淳也じゅんや

日本M&Aセンターエグゼクティブアドバイザー室マネージャー

大手証券会社にてM&Aアドバイザリー業務等に従事した後、2012年に日本M&Aセンターに入社。営業コンサルタントを経て、現在はエグゼクティブアドバイザー室にて中堅~大規模のオーナー企業への提案・助言業務に従事。

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