10周年を見据えて歩む次の一歩―日本投資ファンド出資者総会を開催

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2026年5月28日、日本M&Aセンターグループの日本投資ファンド(J-FUN)が出資者総会を開催しました。第一部・第二部の総会に加え、昼の部では特別講演および投資先経営者によるプレゼンテーション、夜の部では交流会が行われ、多くの関係者が参加する充実した一日となりました。

投資先企業の成長を

第一部では第1号ファンド、第二部では第2号ファンドの出資者総会が行われました。

第1号ファンドは2018年の設立から9年目を迎え、コロナ禍という環境変化も乗り越えながら運営を続けてきたことに触れ、「投資期間中に大きな外部環境の変化があった中でも、着実に成果を積み上げてきた」と振り返りました。実績面では、これまでに複数の投資回収(EXIT)を実現しており、直近でも新たなEXITが見込まれるなど、投資成果の着実な具体化が進んでいる状況が共有されました。

また、単なる投資実行にとどまらず、これまで課題としていた追加投資(アドオン投資)にも本格的に取り組み始めていることに言及し、「投資先企業の成長をさらに加速させるフェーズに入ってきている」との認識が示されました。

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ファンドの状況について報告するJ-FUN 専務執行役員  貝瀬 和人氏

続く第2号ファンドについては、2024年の立ち上げから順調に投資が進み、すでに複数の案件に投資を実行していることが紹介されました。加えて、これまで十分に取り組めていなかった分野への投資も進展し、ポートフォリオの広がりが生まれている点が強調されました。

さらに、ロールアップ(追加買収)の実施など、地域特性を踏まえた成長戦略にも触れ、「地域に根差した企業価値向上を実現するための取り組みが本格化している」と語られました。

日本投資ファンドの特徴として、出資者である地域金融機関との連携の重要性が改めて強調されました。融資面での協働に加え、ビジネスマッチングや人的交流(出向)を通じて、単なる投資関係にとどまらない深い関係性を築いていることに触れ、「地域金融機関の皆様とともに中堅・中小企業の成長を支える存在でありたい」との想いを代表 大槻 昌彦さんの挨拶でも言及。 総会全体を通じて、同社が投資リターンのみならず、地域経済への貢献という視点を重視したファンド運営を行っていることが改めて報告される内容となりました。
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総括を行う日本政策投資銀行 企業投資第3部長 内田 敏春氏

特別講演「AI時代に企業や地域金融が向き合うべき価値とは」

昼の部では、京都大学 経営管理大学院 特定准教授の南 正太郎先生による特別講演が行われました。

テーマは「AI時代の地域金融と人間価値」。

生成AIの急速な進展を背景に、これからの企業や金融機関に求められる価値創出のあり方について、多角的な視点から解説が行われました。
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特別講演で登壇する京都大学経営管理大学院 特定准教授 南 正太郎先生

講演ではまず、業務や企業活動を「α(アルファ:独自性を持つ付加価値)」と「β(ベータ:誰でも実行可能な領域)」に分けて捉える考え方が示されました。AIはβ領域を効率化し、業務の標準化を加速させる一方で、競争優位性の源泉となるα領域は、人の経験や判断、信頼関係といった要素から生まれるものであると説明されました。

また、「AIに投資するだけでは付加価値は生まれない」という指摘のもと、最終的な意思決定や責任は人間が担う必要があることが強調されました。特に、AIが生成する情報が増えるなかで、判断力そのものの重要性がこれまで以上に高まることが示唆されます。

さらに、南氏は企業活動の中で蓄積されるノウハウや判断プロセスといった無形の資産(暗黙知)は、AIによって価値を顕在化されると同時に、その管理のあり方が重要な経営課題になる点にも言及。生成AIの活用は単なるIT投資ではなく、経営戦略の中核として捉える必要があるとの提言は、多くの参加者にとって示唆に富む内容となりました。

企業活動におけるAIの活用についての最新の知見を発表いただきながら、AI時代において「何を人が担い、何をAIに任せるのか」という本質的な問いを投げかける講演となりました。

成長戦略の実践と変革の現場から―投資先経営者が講演

続いて、投資先企業の経営者によるプレゼンテーションが行われ、各社の取り組みや成長に向けた方向性が共有されました。

株式会社ファーネス
代表取締役 伊澤 進祐様
ファーネスからは、事業の現状と今後の取り組みについて紹介がありました。
同社では追加投資(アドオン投資)を通じた事業拡大が進められており、新たな事業領域への展開に向けた取り組みが進行しています。こうした取り組みを通じて、単体成長にとどまらない企業価値の向上を目指している点が共有されました。
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ファーネス 代表取締役 伊澤 進祐様


株式会社テクノスター
代表取締役 岡森 克高様
テクノスターからは、事業構造の転換と今後の成長戦略について発表が行われました。
同社では、従来の受託型ビジネスからソフトウェア領域へのシフトを進めており、新たな経営体制のもとで中長期的な成長を見据えた取り組みを推進しています。
事業ポートフォリオの見直しとともに、企業としての競争力を高めていく過程が伝わる内容となりました。
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テクノスター 代表取締役 岡森 克高様

夜の部 交流会・座談会―多様な関係者がつながる場として

夜の部では交流会が開催され、出資者、関係者が一堂に会しました。
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地域金融機関からのJ-FUN出向者による座談会

会場では活発な意見交換や情報共有が行われるとともに、「J-FUN出向者による座談会」も実施されました。地域金融機関からJ-FUNへの出向経験者が、J-FUNでの業務やそこで得られた知見について語り、実務に基づく学びが共有されました。

参加者同士のつながりが広がるとともに、今後の連携の可能性を感じさせる機会となり、会場は終始活気にあふれる雰囲気に包まれていました。

本イベントは、日本投資ファンドの出資者である全国の地域金融機関の皆さんとファンドの取り組みを共有するだけではなく、投資先企業の成長や、AI時代における価値創出のあり方など幅広いテーマを考える場となりました。
日本投資ファンド(J-FUN)は、再来年2028年に設立10周年を迎えます。今後も、投資を通じて中堅・中小企業の成長を支援するとともに、地域金融機関との連携を深めながら、地域経済の発展に貢献してまいります。

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