インドネシア アンボン島出張記
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皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員事務所の河田です。
先日、とあるインドネシア企業の現地視察にて、インドネシア東部マルク州の州都であるアンボンに出張してきました。約17,000以上の島で構成されているインドネシアですが、アンボン島もその1つであり、アンボンは、そのアンボン島の主要都市です。
なかなか馴染みが無いという人も多いと思いますので、今回はアンボン島と、今回視察してきたインドネシア企業について写真を交えて簡単にご紹介したいと思います。
人口48万人の州都アンボン、ジャカルタから飛行機で3時間20分
今回の出張の目的は、日本企業への株式譲渡を検討している企業の視察でしたが、まずはアンボン島についての概要を記載してみたいと思います。
インドネシア東部のアンボン島は、海産資源や石油・ガスといった天然資源が豊富なことで知られており、資源や軍事戦略上の要所として、1500年代から欧米列強の支配を受けるなど、長い歴史を持っています。
また、アンボンはマルク州と呼ばれる複数の諸島からなる行政区分の州都でもあります。
アンボン島全体の人口は、約48万人(2023年の調査)であり、兵庫県西宮市や大阪府東大阪市と同規模の人口(2024年1月時点)を誇ります。
ジャカルタからアンボン島に行くには、飛行機での移動となり、スカルノ・ハッタ国際空港からアンボンのパティムラ空港まで約3時間20分のフライトとなります。
また、インドネシアは東西に長い国なので、国内でも時差があります。
ジャカルタはインドネシア西部標準時(Waktu Indonesia Barat/WIB)を採用しており、アンボンはインドネシア東部標準時(Waktu Indonesia Timur/WIT)となり、2時間の時差があります。WITは日本標準時と同じなので、アンボンでは、日本のメンバーと同じスケジュール感で仕事ができるのが便利でした。
日本企業へのリスペクトとトランプ関税の波紋
パティムラ空港に到着したその足で、視察予定であったインドネシア企業を訪問しました。
この会社は、食品関連の加工製造を行っており、製品は主に輸出されています。工場や設備は非常に清潔で、衛生管理もしっかりとされており、業務水準の高い企業です。
オーナーとの会話の中では、日本の食品業界へのリスペクトが高く、日本企業の経営ノウハウや技術支援を受けながら会社を成長させていきたいという強い思いを感じました。
譲渡を希望する背景として、先述のように日本企業から学びを得つつ共に成長したいという理由の他に、やはり昨今世界を騒がせているトランプ関税の影響もありそうです。この会社は、アメリカ企業とも取引をしているため、関税率の上昇に伴う悪影響を懸念しているようでした。
トランプ大統領の就任により、これまでのようにはいかないと考えたことが、日本企業との提携を望む狙いの一つであるのかも知れません。
西洋の雰囲気も感じる活気ある中心部
視察を終え、中心部のホテルへ向かう道中は夕方の帰宅ラッシュと重なり、すごい交通量でした。首都ジャカルタから離れ、渋滞とは無縁かと思っていましたが、ここアンボンでもインドネシアらしい活気は健在です。
街並みは、随所に西洋風の建物が見られ、オランダ統治時代の名残を感じることができました。
アンボン島の住民はキリスト教信者とイスラム教信者ががほぼ半々とのことで、街中ではキリスト教の教会もモスクも見ることができ、この光景もインドネシアならではと言えるかもしれません。
長い海岸線が続くアンボン湾に沿って住宅地が形成されており、多くの地元の人々の生活を垣間見ることができます。街中には若い人や子供も非常に多く、今後も人口が増えていくような活気が漂います。
インドネシアの活気と日本の技術力で共に成長へ
今回は非常に素敵なご縁があり、アンボン島へ出張することができました。
この活気のある都市の成長を加速させるためには、日本企業がこれまで培ってきた経営ノウハウや技術支援が大きな助けになるのではないかと興奮冷めやらぬ思いです。
日本企業にとっては、現地の勢いを取り込み、新たな成長機会への投資となるものと感じます。
若く活気のあるインドネシアの息吹は、私自身の気持ちを前向きにしてくれています。ぜひ、皆さんにもこの活気を感じてもらえれば嬉しく思います。
日本M&Aセンターの海外事業部では、これからも成長著しいASEAN諸国等の投資機会をサポートさせていただきます。