レッドオーシャンとは?ブルーオーシャンとの違い、勝ち抜くための戦略を解説

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レッドオーシャンとは

レッドオーシャンとは、多くの企業が参入し、新たに参入する企業も多く、競争が激化している市場・領域を指します。

多くのライバル企業が激しい戦いを市場(海)の中で繰り広げていることから、レッドオーシャン(赤い海)と呼ばれています。

レッドオーシャン戦略は、多くのライバル企業との競争に勝ち残って、ライバル企業のシェアや利益を奪い取っていくための企業戦略とも言えます。

反対に、競争相手がいない、あるいは少ない状態をブルーオーシャンと言います。

つまり、レッドオーシャンとブルーオーシャンの違いは競争の程度にあり、それぞれ真逆の状態であるため、取るべき戦略は大きく異なります。

レッドオーシャン市場の例

レッドオーシャン市場の具体例としては、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電が挙げられます。

ひと昔前まで、日本の家電メーカーが中心だった洗濯機をはじめ白物家電の市場には、世界中の企業が参入するようになっています。
特に低価格を武器にした、アジア系企業の新規参入が著しく増加しました。このように、現在では白物家電市場のレッドオーシャン化がさらに激しくなっています。

ブルーオーシャンとは

一方、ブルーオーシャンとは、市場に競合相手がほとんどいない状態を指します。ライバル企業が存在せず、晴天の海のように見えることからブルーオーシャン(青い海)と呼ばれています。

まだ誰も開拓していない市場を切り開いて参入したり、既存の市場において、これまでと全く異なる新たな付加価値を顧客に提供する戦略を「ブルーオーシャン戦略」と言います。ブルーオーシャン戦略は、市場の境界を広げ、需要を創造することで、競争を超えることを目指します。

ブルーオーシャン市場の例

ブルーオーシャン市場を開拓した例として、低価格・均一価格で手軽に利用できる低料金理容チェーンが挙げられます。

かつて理容店の料金は、カットする髪型や店舗によって料金がバラバラで数千円かかることが一般的でした。

しかし調髪だけに特化し、顔剃りやシャンプーをしないことで低価格での利用を可能にした店舗が登場し、新たに「低価格理髪店」という市場を開拓しました。

ただし、現在では類似したサービス・価格帯のお店が増加したことから、低価格理髪店の市場はレッドオーシャン化しつつあると言えるでしょう。

ブルーオーシャン戦略とニッチ戦略の違い

ブルーオーシャン戦略と似ている戦略に、ニッチ戦略があります。ニッチ戦略もブルーオーシャン戦略と同様に、競合他社との競争を前提としない戦略です。

ニッチ戦略は、既存の市場内で狭いセグメント(ニッチ)をターゲットにする戦略です。企業は、特定のニーズや要求に特化した製品やサービスを提供することで、競合他社との競争を避けます。ニッチ戦略は、市場の一部に焦点を当て、特定の顧客セグメントの要求を満たすことで、競争優位性を確立します。

要約すると、ブルーオーシャン戦略は新しい市場を創造し、競争を超えることを目指す一方、ニッチ戦略は既存の市場内の特定のセグメントに焦点を当て、競争を回避することを目指すという点で異なります。

レッドオーシャン市場のメリット・デメリット

レッドオーシャン市場
レッドオーシャン市場のメリットやデメリットについて詳しく解説します。

レッドオーシャン市場のメリット

メリット シェアを確保できれば、多くの利益が見込める

レッドオーシャン市場には、多くのライバル企業が存在します。
裏を返せば、そこには既に高い需要が存在するため、競争が激しくなっているとも言えるでしょう。
そのため、市場の中で優位性を打ち出し、高いシェアを確保できれば、多くの利益を上げることが期待できます。

また、需要が顕在化している市場であるため、トップシェアでなくても利益を上げやすいという特徴もあります。

レッドオーシャン市場のデメリット

デメリット① 参入後の生き残りが困難

レッドオーシャン市場の最大のデメリットは、たとえ参入を果たしても、競合が多く生き残りが難しい点が挙げられます。
ライバル企業が多く、市場における序列・順位が長年決まっている市場では、既存の企業が新規参入を敬遠する傾向が強く見られます。

ライバル企業が多いため、競争に負けて市場から撤退せざるを得ない可能性も、十分に考えられます。

デメリット② 多額のコストがかかる

レッドオーシャン市場で生き残るためには、他社との差別化をするために、大規模な広告戦略を実行したり、外部の専門家からコンサルティングを受ける必要があります。このように生き残り戦略を実行するためには、多額のコストが発生するケースがあります。

ブルーオーシャン市場のメリット・デメリット

ブルーオーシャン市場
続いて、ブルーオーシャン市場のメリットやデメリットについて解説します。

ブルーオーシャン市場のメリット

メリット① 市場のルール・慣行を作っていきやすい

ブルーオーシャン市場では競合他社が少ないため、市場に参入するためのハードルが低いと言われています。
参入障壁が低ければ、今後の新たな市場のルール・慣行を新規参入した企業自身が作っていける可能性もあるでしょう。

メリット② シェアの確保がしやすい

競合企業が少ないため、市場のシェアを伸ばしやすいと言えます。
市場における自社の存在価値や注目度を上げて、多くの顧客に購入・利用してもらう戦略を展開すれば、シェアや利益を確保しやすくなるでしょう。

ブルーオーシャン市場のデメリット

デメリット① 市場を見つけるのが困難

ブルーオーシャン市場のデメリットは、他の企業が気付かないような、市場自体を見つけることが非常に難しい点です。

そのため、自社で新たにブルーオーシャン市場を新たに創り出すケースも考えられます。例えば、フリース衣料品の市場は、ユニクロが新たに創造したブルーオーシャン市場と言えるでしょう。

デメリット② 需要喚起に時間やコストを要する可能性がある

ライバル企業がほとんど存在しない市場においては、その市場の存在や利用価値が、顧客によく伝わっていない場合が多いため、顧客のニーズを引き出すのに時間がかかる場合があります。

こうした顧客の需要を喚起するために、例えば大規模なキャンペーンなど、多額の広告費用がかかる可能性がある点はデメリットです。

レッドオーシャン市場でも勝ち抜くための成長戦略

競合企業が多数存在しているレッドオーシャン市場において勝ち抜く成長戦略について、わかりやすく解説します。

ライバル企業の調査

レッドオーシャン市場で成功しているライバル企業の分析を定点的に行うことは、基本でありながら、重要な成長戦略のひとつです。
激しい競争市場において、どのような戦略を実行してライバル企業が成功しているのかを調査・分析することは、自社の成長戦略の策定に役立つでしょう。

また失敗しているライバル企業の原因を調査・分析することで、自社の優位性の打ち出しにもつながります。

差別化戦略

レッドオーシャン市場における成長戦略で重要な要素は、競合他社との差別戦略です。
他の企業との差別化は顧客の興味を引き付ける重要な戦略です。

差別化戦略は、自社の製品・サービスの優位性を顧客にアピールすることでもあります。自社の製品やサービスを利用することで、他社の製品・サービスでは得られないメリットがあることをしっかりと顧客に伝える必要があります。

また、既存の市場を分析・細分化することで新たな顧客のニーズや自社の優位性が活きる市場を開拓し、土俵を変えて戦うことも差別化につながります。

ブランド戦略

レッドオーシャン市場の成長戦略としては、ブランド戦略も非常に有効です。
ブランド力は、中長期で形成される無形資産のひとつです。ブランド力を高めれば、他社との違いや存在価値を顧客に示すことが可能になり、顧客離れも起きにくくなると考えられます。

ただし、ブランドの形成、そして認知や浸透には時間を要することが難点です。そのためM&Aを通じて、既に高いブランド力を持つ企業や事業を自社に取り込む方法も考えられます。また、ブランド力向上のマーケティングに長けたコンサルタントなど外部の専門家に、自社ブランド力強化のコンサルティングを依頼することも、選択肢として考えられます。

価格競争力の強化

自社の製品・サービスの価格競争力の強化も、成長戦略における大切なポイントのひとつです。
価格競争力の強化とは、単に提供している価格を引き下げれば良い、というものではありません。もちろん価格を下げれば競争力は向上するかもしれませんが、激烈な値引き競争を引き起こしてしまうおそれがあります。

重要な点は、同じ価格であっても、製品やサービスのクオリティを向上させることだと考えられます。質が向上して顧客の満足度がアップすれば、その製品やサービスを長期間にわたって利用することが期待できます。

終わりに

レッドオーシャンとは多くのライバル企業が参加している市場であり、ブルーオーシャンとは競争がほとんどない市場を言います。レッドオーシャン市場にもブルーオーシャン市場にも、それぞれメリット・デメリットがあります。

レッドオーシャン市場でも、差別化戦略やM&Aの活用によるブランド戦略などの成長戦略を実行して生き残っていくことが可能です。レッドオーシャンの波を乗り越えるためには、自社が属している市場を調査・分析して適切な戦略を選択することが非常に重要です。

日本M&Aセンターでは、M&Aをはじめ様々な経営課題の解決に向けて専任チームを組成し、ご支援を行っています。詳しくはコンサルタントまでお問合せください。

著者

M&A マガジン編集部

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