海外M&Aは、本当に「大企業だけのもの」なのか ― シンガポール現地法人コンサルタントに聞く、中堅企業の海外挑戦
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ベトナム・シンガポールで40件超の案件に携わったコンサルタントが語る、中堅企業でも挑める海外M&Aの現実と、成否を分ける現地支援の力とは。
海外M&Aは、本当に「大企業だけのもの」なのか
「海外企業の買収なんて、体力のある大企業の話だ」「言葉も商習慣も違う国で、日本のやり方が通用するはずがない」。海外M&Aという選択肢を前に、多くの経営者がまずこう考えます。
円安と国内市場の縮小に危機感を抱きながらも、この二つの先入観が最初の一歩を止めてしまう。
その前提は、実際に海外の現場でM&Aを成立させてきたコンサルタントの話を聞くと、いくつも覆されます。
日本M&Aセンターのシンガポール現地法人でM&A支援にあたる黒沢健吾は、ベトナム・シンガポールで日本と海外双方の案件に携わり、これまでに40件を超えるM&Aに関わってきました。
「国が変わっても、M&Aの本質は変わらない」
海外M&Aへの不安の多くは、「海外だから特殊で難しい」という思い込みから生まれます。しかし、黒沢が現場で実感してきたのは、その逆でした。
相手の考えを理解し、双方の意見を調整しながら合意形成へ導く——この仲介者としての型は、国が違っても変わらない普遍的なものだといいます。
もちろん、言語や制度の違いは現実に存在します。だからこそ重要なのは、その違いを埋める実務の厚みです。黒沢は赴任後、現地の法律・会計・税務・商習慣を学び直すことから始め、初めて自ら主体となって案件を成約させるまでに1年半をかけました。「海外だからできない」のではなく、現地の実務を分かる人間が伴走できるかどうかが、成否を分けるのです。
現地の懐に、誰が入るのか
買収や提携を検討するとき、経営者が最も知りたいのは「相手企業のオーナーの本音」です。
数字や条件の裏にある、譲渡への迷いや、事業への思い。これは書類だけでは決して見えてきません。
海外企業の買収で、買い手の経営者が最も恐れるのは「相手の本当の姿が見えないまま、契約してしまうこと」ではないでしょうか。
財務資料や提示条件の裏にある、オーナーの譲渡への本心、社員の受け止め、現場の実態——こうした情報は、相手の懐に入り込んだ人間にしか見えてきません。
黒沢はある案件で、仕事の話にとどまらず食事を共にし、相手オーナーの価値観や人生観にまで耳を傾けながら関係を築いていきました。その信頼は、相手企業のオーナーと社員が黒沢の誕生日にサプライズパーティーを開いてくれるほどのものだったといいます。
ここまで相手の内側に入れる人間が間に立てば、買い手は「表向きの情報」だけで意思決定を迫られずに済みます。相手の本音を引き出せることは、そのまま買い手にとっての交渉力と、買収後の想定外を減らす力につながるのです。
「最後の一秒まで諦めない」――案件を"まとめきる"力
海外M&Aで経営者が抱く最大の不安は、「時間とコストをかけて、結局まとまらないのではないか」という点でしょう。
昨年、黒沢が担当した案件では、契約締結前日の昼になっても契約内容がまとまっていませんでした。延期になってもおかしくない状況で、彼は現地スタッフに「最後の一秒まで諦めずにやろう」と声をかけ、夜遅くまで交渉を続けた末に、締結までたどり着きました。
成立の一歩手前で終わらせない—— この粘りは、日本M&Aセンターが日本で培ってきたスピード感と「やり切る」姿勢を、そのまま海外の現場に持ち込んだものです。
"現実的な選択肢"かどうか、データで確かめる
日本M&Aセンターは2026年、海外事業の開始から10周年を迎えました。シンガポールをはじめとするASEAN各国に現地法人を構え、現地の実務を分かる人材が、日本企業一社一社の海外挑戦に伴走しています。
海外M&Aは、決して大企業だけのものではありません。
とはいえ、いきなり相談に踏み出すのは早い——そう感じる方も多いはずです。まずは、判断材料を手元でそろえることから始めてみませんか。
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