
[M&A事例]Vol.118 後継者への株式の贈与問題をM&Aで解決。移住先で充実のセカンドライフを満喫
プラスチック製品の製造を手掛けるケー・アイ・ピーは、外部から社長を招聘し事業承継を行いましたが、株式贈与と将来的な成長戦略の課題にぶつかります。その後M&Aによる譲渡を行い、現在は新天地でセカンドライフを送る創業者に話を伺いました。
譲渡企業情報
譲受企業情報
※M&A実行当時の情報
2010年3月、当社がお手伝いしてM&Aを実行された2社をの代表・松本様(北日本計装制御)と草野様(東テク)をお迎えし、M&Aを決意された理由や当時の心境などをお聞きしました。
松本様: 北日本計装制御は、青森県を中心に工場やプラントで管理が必要な、温度・原材料の配合・製品の厚みなどを自動制御するためのプログラムや装置を、オーダーメイドで企画段階から設計・製作・設置・メンテナンスまで一貫して行う計装エンジニアリングサービスを展開しています。「計装」という言葉を初めて使ったのは当社です。
当社のシステムは汎用性が非常に高く、実用分野は多岐にわたります。この計装技術を強みに、大手プラント工場や老舗メーカーなどに対し、システム開発やメンテナンスサービスを直接提供させていただいております。顧客や取引先に恵まれたおかげで、長年安定した経営を続けることができました。
しかし事業承継については、以前から悩みの種でした。娘が2人いますが、2人の嫁ぎ先は他社の後継者であり、あいにく娘の結婚相手を当社の後継者として迎え入れることは叶いません。
では社員から後継者を探してはどうか。当社の社員はそれぞれのポジションで卓越した能力を発揮している優秀な社員ばかりです。しかし今後さらに会社を発展させなければならない責任を背負うことになる、次期経営者としては難しいだろうと考えました。
親族・社員への承継は難しいということになり、自身も70歳に近づいてきたため、従業員と取引先への責任を全うするには会社をさらに発展させてくれる他社へ譲ることが最善策だと思うようになりました。また経理・人事・許認可更新など事務周りを一手に引き受けて長年支えてくれた妻にも、元気なうちに引退して、孝行したいという思いもあったのです。
譲渡する相手についてはまず自分で探したいと考えました。当初は青森県で探索しましたが、思うような相手が見つからず、当社のメインバンクである青森銀行様にM&Aのご相談に行きました。青森銀行様には県内を中心にお相手を探していただきました。
M&Aは、相手を探し始めてもすぐには良縁に恵まれないこともあるそうで、社員や取引先を早めに安心させるためにも、青森銀行様と提携している日本M&Aセンターを通じて、東北地方にこだわらず相手探索を全国で実施してもらうことになりました。
草野様: 東テクは、空調・省エネ機器や制御機器の仕入れ・販売およびこれに関連する据付工事、アフターサービス等を行っています。この他に計装工事ほか各種工事の設計・施工も行っています。
今回日本M&Aセンターよりご提案いただいた北日本計装制御様は、制御機器の受注販売およびその設置工事まで手がけており、当社事業の強化を見込める最適のお相手でした。また青森県ということで東北エリアの強化にもつながります。したがってご提案いただいて即、面談を希望いたしました。
松本様: 東テクの草野会長とは数回面談させていただきました。最初の面談で、経営者マインドやビジネスモデルの考え方などの観点から、お互いに共感できたことが大きなポイントでした。
これまで当社が培ってきた計装技術を、この提携により全国展開できる可能性を感じました。加えて東テク様はすでに東北地方での業務展開をされていたため、東北の風土によくなじんでおられます。その点でも、会社や従業員、お客様とのお付き合いに関しても安心して任せることができると思いました。
また面談に同席した妻も、私と同様に東テク様の考え方に共感しており、東テク様との提携に賛同してくれたことも決断の後押しとなりました。
松本様: 東テク様との提携により、全国から引き合いがくるようになったため、多様なニーズに触れる機会が出てきました。これに対し、既存の技術を応用しながら、社員が率先して提案営業を行うようになったことが大きな変化です。今後入社してくる新入社員にも、先輩社員の姿に憧れを感じ、将来に夢を持ってもらえる会社にしたいと思っていたので、嬉しい限りです。特に若手社員の活躍の場が広がったことを実感でき、元経営者として本当に満足しています。
もう一つ、今回経営者という立場を離れ肩の荷が下りたことで、持病であったぜんそくも改善し、体調がとてもよくなりました。今では趣味のカメラを片手に、夫婦二人で海外旅行を楽しんでいます。 こうした毎日を送れるようになったのも、東テク様という最適なお相手に恵まれて、満足のいく事業承継を実現して引退できたおかげです。ご相談に乗ってくださった青森銀行様、日本M&Aセンターに感謝しております。
草野様: 東テクの販路を活用していただき、北日本計装制御様の高い計装技術を多くのお客様に提供できるようになったため、社員の方々も忙しい毎日を送っているようです。もともと高い計装技術をお持ちですので、その技術を駆使したソリューション提供は非常に大きな強みとなります。今後も当社グループの一員として顧客満足度を高めるために、トータルソリューションプランナーを共に目指してほしいと願っています。
この事例は日本M&Aセンター社長三宅の著書『会社・社員・お客様 みんなを幸せにするM&A』に掲載されています。
プラスチック製品の製造を手掛けるケー・アイ・ピーは、外部から社長を招聘し事業承継を行いましたが、株式贈与と将来的な成長戦略の課題にぶつかります。その後M&Aによる譲渡を行い、現在は新天地でセカンドライフを送る創業者に話を伺いました。
コロナ禍で業界全体に停滞感が広がるなか「新規顧客獲得を実現するには、加工技術の多角化を図るしかない」と企業の譲受けを検討していたハリガイ工業。最終的に選んだお相手は、同じ製造業で異なる技術と事業をもつ企業でした。
2022年2月に初めてのM&Aを実行した株式会社イノベックス。同社は、M&A成約前から譲渡企業側の経理体制の早期整備を意識し、成約から1年超にわたって日本PMIコンサルティングがサポートしました。同社 執行役員 経営企画室管掌 野田 芳明様と、親会社のウェーブロックホールディングス株式会社 経理財務部担当部長 兼 同部 経理課長 牧山 竜一様に、経理体制構築におけるPMI(M&A後の統合プロセス)を進めるうえで特に重視したポイントや、コンサルティングを受けた効果について伺いました。
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