[M&A事例]Vol.142 互いを尊重し合いながら経営ビジョンを作成。社会的使命を追求し、共に全国展開を目指す
リネンサプライ業のエスオーシーは、「民間救急」事業のアンビュランスを譲受けました。異業種2社がM&Aに至った背景、PMIについて話を伺いました。
譲渡企業情報
譲受企業情報
※M&A実行当時の情報
2008年8月、当社がお手伝いしてM&Aを実行された2社をお迎えし、M&Aを決意された理由や当時の心境などをお聞きしました。
竹村様: ハートランド・データは、車載・家庭用オーディオ、カーナビ等向け組込みソフトウェア開発を主な事業としています。メーカーからの要望を反映させ、さらに独自の創意工夫を加えたソフトを組み込んだデモ機を作って提案し、技術・ライセンスを売るというビジネスを展開しています。 おかげさまでこのビジネスを立ち上げてから多数の大手メーカーとの取引も獲得し、独立系の企業として26年間の実績を積んできました。無借金状態で業績も安定しており、さらに社内にいる娘婿に後継者候補として期待していました。 ただ、これからも国内で堅実に経営して行く限りは単独でも存続できますが、当社の今後を見通したとき、私一人の経営努力ではもとより優秀な娘婿が継いだとしても資本力や海外ビジネス展開のノウハウ不足については多少不安を抱えていました。 そこで、大手企業と提携し、そのバックアップのもとにさらなる当社の発展を実現できたらと思い、M&Aによる会社の譲渡を考えるようになりました。経理を任せている妻にもM&Aを理解してもらうため、妻と一緒に日本M&Aセンターが主催する「 中小企業経営者のためのM&Aセミナー」に参加し、M&Aとはどのようなものか話を聞くことにしました。セミナー後は2人とも、会社を譲渡して経営の後ろ盾を得るという意見は一致しました。そこで日本M&Aセンターに相談し、実際にM&Aの相手探しを依頼することになったのです。
南舘様: 当社は、医療・介護パッケージソフトウェアの専門メーカーとして事業を拡大し、お客様のニーズに即した製品・サービスを提供し続け、「安心・信頼のワイズマン」という評価を得て参りました。 今回、日本M&Aセンターと提携している岩手銀行さんからハートランド・データ譲受けのお話をいただいた際、すぐに秘密保持契約を締結し、ぜひトップ面談をお願いしたいとお返事しました。その理由としては次の通りです。 当社の医療・介護パッケージソフトは法制度に需要が左右されるという多少のリスクがありました。よって、このリスクを補完するもう一つの柱となる事業を探しており、その過程で組込みソフトウェア事業への進出について大変興味を持っていました。岩手県に高性能部品メーカーなどの工場進出が年々増えていたこともあり、関わりの深い組込みソフトウェア事業の需要も増加すると考えたからです。行政のバックアップを受けて大学や専門学校を中心とした組込みソフトウェア開発者の育成も活発になっています。 こうした状況から、高度な組込みソフトウェア技術を持つハートランド・データをご提案いただいたときに、直感的に当社のM&A戦略にとって重要な存在だと感じました。
竹村様: 日本M&Aセンターの担当者からワイズマンさんのM&A戦略を具体的に聞いたところ、大変面白いシナジーが生まれそうだと感じ、すぐにトップ面談を承諾しました。実際にお会いしたところ南舘社長は非常に温和で親しみやすい方でした。もちろん経営者としても非常に優秀で、当社とのシナジーや今後の発展などについて直接話し合っていくうちに、私が望むハートランドの将来展開についてもワイズマンさんと一緒ならば実現していけるだろうと確信しました。 また、様々なM&A交渉の中で見せてくださる南舘社長の誠実さや意気込みも心強く、ハートランドとワイズマンはこれから困難があっても互いに補完し合うことができるパートナーになっていけると感じたからです。
竹村様: 経営に対するバックアップ体制が整ったことで、当社のこれからの成長は社員とワイズマンさんに任せ、私自身は引退を決断しました。これまで、業績も順調だったこともあり新しい仕事にはあまり手を広げず、どちらかというと堅実に経営してきました。 今ではその分、ワイズマンさんの協力のもとに思い切ったプロジェクトの提案がでてくるなど、社員も活性化しているようです。この様子であれば、私たち夫婦が願ったとおり会社の発展を実現してくれるだろうと嬉しく思うと同時に、さらなる期待を寄せています。
南舘様: しばらくはそれぞれの事業を拡大することに努力していくことになりますが、将来はハートランドの持つ組込みソフトウェア関連の高い技術力により事業基盤を確立し、社員一丸となってグループとしての総合力強化を目指していこうと考えております。
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