[M&A事例]譲渡で社員が安心して働ける環境を残せた。
会社の価値をさらに高め海外展開を加速させたい

株式会社カービューティープロのM&A事例

譲渡企業情報

  • 社名:
    株式会社カービューティープロ(東京都)
  • 事業内容:
    車のコーティング事業、コーティング技術者の育成、液剤の供給等
  • 売上高:
    約4.7億円
    従業員数:
    21名
    ※国内外約500店舗でフランチャイズ展開

譲受け企業情報

  • 社名:
    SPK株式会社(大阪府)
  • 事業内容:
    自動車部品および自動車用品の企画・販売
  • 売上高:
    約419億円(連結)
    従業員数:
    389名(連結)

※M&A実行当時の情報

カーコーティング事業を一大産業に育てたいが、後継者がいない。会社の将来を考え、早くからM&Aで譲渡することを視野にいれていた小口洋史氏が、ここなら任せられるという確信を得た相手企業と出会うまで――。

将来性のある事業だからと
早くから譲渡を意識していた

譲渡企業 株式会社カービューティープロ 小口様: 「後継者をどうしよう」
還暦を過ぎたころからそれが私のテーマになってきました。
カービューティープロがやっている車磨き=カーコーティングというのは隙間産業であり、まだ「産業」とはいえません。逆にいえば、これから一大産業に育っていく可能性を秘めています。
意外に思われるかもしれませんが、女性が活躍しやすいという点も、伸びる要素だといえます。重い機械を使うわけではないので、体力は必要ありません。それに、開業すれば時間は自由ですから、小さい子どものいる方など、時間に制約のある方などにも働きやすい仕事だといえます。車1台磨いて8~10万円、月に5台磨けば50万円近く稼ぐことも可能です。
将来性があるのは間違いないので、あとはしっかりした人が事業を引き継いでくれれば、もっと発展すると思っていたのです。ただ、身内や社内には、この人なら大丈夫という人物が見つからず、私は早くから、いずれは経営力のある他の会社にカービューティープロを譲渡しようと考えていました。

プロのコーティング技術で美しさを長期間保つ

プロのコーティング技術で美しさを長期間保つ

ある日、長年取引のあるメインバンクの信用金庫の職員にそんな話をすると、それなら当金庫と連携している会社があるので、ここに相談し一緒に話をきいてみましょうと紹介されたのが、日本M&Aセンターでした。訪ねてきた照井さんに会社の状況や後継者を探していることなどを伝え、候補探しをお願いしました。
正直にいえば、本当に当社に興味をもつ会社が見つかるのか、最初は半信半疑でした。でも、そこは餅は餅屋です、数日後には、数社のリストが手元に届きます。
重要なのは、相手企業のトップの本気度、そして人柄です。この事業のことをよく理解し、大きく育てようという意欲があり、なおかつ、いまいる社員も大事にしてくれる人でないと、会社を譲る気には到底なれません。そこで、リストの会社の社長に直接会って確認することにしました。

しかし、この人ならカービューティープロを任せてもいいという社長は、そう簡単に見つかりません。リストにあったのはどれもオーナー企業ということもあって、社長はみな個性が強く、私の考えに耳を傾けるよりも、自分の意見を通したいというタイプばかり。学校にはさまざまな境遇の人が入ってきます。その一人ひとりに寄り添うことが大事なのです。自分たちのやり方に合わせろでは、誰もついてきません。
紹介されたある会社では、こんなことがありました。
社長の後ろについて工場の中を見学していると、「おい、こんなところに傘を置いているのは誰だ。すぐに片付けろ」と、突然社長がそこにいた社員に声を荒げたのです。
私なら、お客さまの前でそんなことは絶対しません。そんなことはあとでやればいいことだし、注意するならお客さまのいないところでするべきでしょう。
こういう考え方の違いを目にすると、たとえどんなに高い金額を提示されても、この人には会社を譲りたくないと思ってしまうのです。

<M&A スケジュール>

提携仲介契約の締結
2018年11月16日
TOP面談
2021年3月30日
基本合意契約の締結
2021年4月22日
最終契約日
2021年7月2日

面談を重ね、ついに
巡りあった理想の相手

その後も日本M&Aセンターからは数社の紹介がありましたが、なかなかこの人ならという社長とは出会えずにいました。それでも次々と候補が挙がってくる。さすがM&Aの専門企業です。
そして、相手探しを始めてから数年後の2021年、ついに理想の後継者が私の目の前に現れました。それが、今回のお相手です。

相手の社長はもともと大手商社で自動車部品関連の仕事に携わっており、車全般に精通しているので、カービューティープロにどれほど将来性があるかちゃんと理解されています。また、海外駐在を経験しているところにも魅力を感じました。というのも、私はカービューティープロのサービスをゆくゆくは世界に広げていきたいと考えており、すでに中国上海、タイ、シンガポール、香港とはすでに話も進めているところだったからです。
加えて、東証一部上場企業(現:東証プライム市場)だけあって財務状態はしっかりしていますし、規模も大きい。何より優秀な人材をたくさん抱えています。
M&Aというと、株式はできるだけ高く買ってもらいたいが、経営には口を出してほしくないという人が多いのかもしれませんが、私はそうではありません。もう歳も歳ですから、お金にはそれほど執着はないのです。逆に、人はどんどん送り込んでほしいと思っています。新しい人たちの斬新な発想がカービューティープロの価値をさらに高めてくれるはずだからです。

2021年7月に成約式を行いました。時間がかかったのは、アメリカにおける商標権の調整が長引いたからです。
社員には成約後に伝えました。多少の驚きはあったようですが、心の底ではみな満足していると思っています。それはそうですよ、もう78歳の社長が死んだら自分たちの給料はどうなるのだろうと心配しなくてよくなったのですから。
今回、会社を譲渡して実感したのは、譲渡先が上場企業ということで与える安心感です。カービューティープロは国内外約500店舗でフランチャイズ展開をしています。オーナーたちは、私に何かあったらどうなるのかと不安だったことでしょう。上場企業に譲渡したことでその不安が一掃されたのです。それは社員も同じです。先日も社員と食事をしましたが、「安心して仕事ができます」と喜んでくれていました。

夢は自社のサービスを世界に広めていくこと。写真は香港のカービューティープロ

夢は自社のサービスを世界に広めていくこと。写真は香港のカービューティープロ

引退後はフィリピンでの
マングローブ植栽をライフワークに

40歳のときに私は東京城南ロータリークラブの会員になりました。
ロータリーは事業と専門職および地域社会のリーダー約120万人が集まる組織で、200を超える国や地域に3万3000以上のロータリークラブが存在している、そう聞いていたのですが、実際に入ってみると、定期的に集まっては食事をし、世間話をして帰るだけ。それが私には不満でした。
国際的組織と謳っているのですから、世界とつながる活動をするべきだろう。
そう思った私は海外のロータリーと交流を深めるようメンバーに働きかけました。その成果のひとつが、フィリピンのロータリーと姉妹クラブになれたことです。
初めてフィリピンを訪れると、ロータリーのメンバーはとんでもないお金持ちばかりでしたが、国自体は貧しく、そのうえ地球温暖化の影響で毎年のように洪水、豪雨、熱波などに見舞われ、そのたびに深刻な被害を受けていることがわかりました。
そこで、姉妹クラブとして何かできないか頭をひねり、マングローブの植栽というのを思いついたのです。
マングローブは、地球温暖化の主要因と言われる二酸化炭素を吸収し、蓄えることができるので、地球温暖化対策に効果的だけでなく、高波や津波などの自然災害から人々の生活や生態系を守る役割も果たしてくれます。また、植栽事業は地元の雇用創出にも有効です。

フィリピンのご自宅

フィリピンのご自宅

カービューティープロの社長を引退した今、ロータリークラブでやっていたフィリピンのマングローブ植栽を、ライフワークの中心に据えようと思っています。すでにフィリピンには自分用の家や車も用意しました。友人もたくさんいます。これからは生活の中心をフィリピンに置いて、3カ月に1度のペースで日本に戻ってこようと思っています。
日本は物価が上がる一方ですが、フィリピンは物価も安く医療の水準も高い。ゴルフ場もたくさんありますし、島国ですから釣りも楽しめます。セカンドライフを楽しむにはいい国です。例えば、私はまもなく80歳という年齢ですので、運転もつらくなってきていますが、フィリピンならドライバーを雇用することができますし、メイドさんも2人雇用しています。海外を含めて住む場所を変えることは、残りの人生を豊かに過ごす一つの選択肢としてお勧めです。

日本M&Aセンター担当者コメント

提携統括事業部 金融法人部 シニアチーフ 照井 正道
(株式会社カービューティープロ様担当)

提携統括事業部 金融法人部 シニアチーフ 照井 正道(株式会社カービューティープロ様担当))

日本M&Aセンターの強みを活かし、多数の譲受け候補先から素晴らしいお相手を紹介できました。小口様が思い描く成長を実現できる上場企業と一緒になったことで、事業承継の課題を解決すると同時に、ご両社それぞれの強みが大きな相乗効果を生み出すご縁となりました。今後も引き続き、ご両社のさらなる発展をお祈りいたします。

※役職は取材時

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