会社売却先シミュレーション

札幌臨床検査センター、MBOを実施で非公開化へ

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札幌臨床検査センター株式会社(9776)は、同社の株主を、同社の大株主である伊達アセットマネージメント合同会社(北海道札幌市、以下:伊達AM)及び株式会社エスアールエル(東京都港区、以下:SRL、伊達AM及びSRLを総称して、残存株主ら)のみとし、札幌臨床検査センター株式を非公開化するための手続として株式併合を実施すると発表した。

その後、札幌臨床検査センターの株主を伊達AMのみにすることを企図して、SRLの保有株式の全てについて札幌臨床検査センターが自己株式取得を実施する予定。

札幌臨床検査センターは、東京証券取引所スタンダード市場及び札幌証券取引所本則市場に上場しているが、所定の手続を経て上場廃止となる見込み。

本件は、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環。

札幌臨床検査センターグループは、臨床検査の受託事業、調剤薬局事業、医療機器販売・保守事業、臨床検査受託事業における検体集荷・物流に関する事業を展開している。

伊達AMは、株式の保有並びに運用業務等を行っている。
SRLは、受託臨床検査事業、健診機関の運営受託・健康増進サービスを行っている。

背景・目的

医療業界の競争環境下で勝ち抜くためには、株式を非公開化し、株主のリスク負担を回避しつつ、以下のような各施策を機動的に実践することが有効な手段であるとの結論に至った。

  • 臨床検査体制の強化、DX推進による生産性の向上
  • 調剤薬局各店舗への投資及び店舗数の拡大

株式併合の内容

  • 併合する株式の種類:普通株式
  • 併合比率:札幌臨床検査センター株式について、169,414株を1株に併合する。
  • 減少する発行済株式総数:3,119,720株
  • 効力発生前における発行済株式総数:3,119,738株
  • 効力発生後における発行済株式総数:18株
  • 効力発生後における発行可能株式総数:72株
  • 1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額:
    本株式併合により、札幌臨床検査センターの株主は残存株主らのみとなり、残存株主ら以外の株主の皆様の保有する札幌臨床検査センター株式の数は、1株未満の端数となる予定。

単元株式数の定めの廃止理由

本株式併合の効力が発生した場合には、札幌臨床検査センターの発行済株式総数は18株となり、単元株式数を定める必要性がなくなるため。

日程

整理銘柄指定日:2026年1月13日
売買最終日:2026年2月13日
上場廃止日:2026年2月16日
単元株式数の定めの廃止日:2026年2月18日(予定)
株式併合の効力発生日:2026年2月18日

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