
[M&A事例]Vol.105 人気商品をもつ食品会社2社が手を組み それぞれの強みを活かした新商品開発に挑む
佐賀県小城市にある竹下製菓株式会社は、有名アイスクリーム「ブラックモンブラン」の製造などを手掛ける会社です。同社は、2020年10月にアイス製造会社のスカイフーズ株式会社(埼玉県幸手市)を、2022年1月に主力商品「生クリームパン」をはじめとするパン製造の株式会社清水屋食品(岡山市)を譲り受けました。竹下製菓の3代目、竹下真由社長に、積極的に資本提携を進める理由をお聞きしました。
譲渡企業情報
譲受企業情報
※M&A実行当時の情報
2009年3月、当社がお手伝いしてM&Aを実行された2社をお迎えし、M&Aを決意された理由や当時の心境などをお聞きしました。
藤本様: 藤清グループは主に蒟蒻(こんにゃく)・豆乳・湯葉の製造を行っております。創業は1905年、これまで100年以上の永きに亘りお客様からのご支援をいただいております。
私は4代目として社長に就任し、蒟蒻に加えて新たに豆乳・湯葉の製造を開始し市場参入を果たし、これまで順調に経営を継続することができました。しかし息子は経営者ではなく医学の道へ進むことを決断したため、後継者対策としてM&Aを検討するようになり、京都銀行様及び日本M&Aセンター様にご相談をさせていただきました。
藤本様: 実は、私自身が家業を継ぐにあたって他に選択肢が存在しないということに抵抗を感じておりました。しかし家業を承継する以外の道に進むことは、私の時代には難しいことでした。実際に家業を引き継いだ後も、先代以上に業容を拡大するということは大変な苦労を伴いましたので、「息子には家業のしがらみを気にせずに好きな道に進んでほしい」という思いがありました。このため、息子が誕生した際にもこれまでの歴代社長の名前にあった「清」という漢字をあえてつけませんでした。そのころから、ぼんやりと息子への承継以外の選択肢を意識していたのかもしれません。
ただ実際に譲渡を行うという決断に至るまでには、様々な葛藤があったのは事実です。私から京都銀行様へ最初のご相談をさせて頂いたのが2006年7月頃でした。それから企業価値評価を定期的に行っていただき、実際にお相手を探し始めていただいたのは2008年2月頃でしたので、M&Aが本格的に動き始めたのは1年半程度経ってからです。そして、2009年3月に成約しましたので、ご相談から成約までは実に2年半の期間がかかったわけです。従業員のことを考えると、家業をお譲りする条件・お相手に妥協は許されないと考えていましたから、早くからご相談をさせていただいてよかったと思います。
大倉様: 月桂冠は「健をめざし、酒(しゅ)を科学して、快を創る」を企業コンセプトとしています。これまで培ってきた清酒事業を深耕するとともに、清酒以外のアルコール事業にも力を入れています。さらにアルコールにとらわれない新規関連事業の開拓・展開も進めています。
そんな中、京都銀行様及び日本M&Aセンター様から藤清グループとの提携についてご提案をいただきました。面談を重ねるうち、同じ京都府内で近隣の企業であり、かつ「地下水」を使った食品製造業という共通点があることがわかりました。当社の新規事業の展開の一つとして、この提携は有効な戦略であると確信を持ったからです。
藤本様: 藤清グループも創業から100年超の歴史を持つ老舗企業ですので、「先代にも自慢できるような優良な企業に譲り受けていただきたい」と希望しておりました。その点、月桂冠様は372年の歴史を持つ誰もが知る優良企業です。そのようなお相手からご興味を持っていただいたことに感謝をし、積極的にお話を進めていただきました。
また株式の100%ではなく98%を月桂冠様に譲渡し、残り2%程度を私の息子と娘に持たせていただきました。ほんの少しでも株を持たせることで、「藤清グループは藤本一族が築き上げてきた歴史ある会社」であるということを彼らに認識してほしいという気持ちからです。老舗としての企業文化が似通った月桂冠様であるからこそ、このようなわがままも聞いていただけたのだと思っています。
藤本様: 現在、私は引継ぎのために顧問として経営のお手伝いをさせていただいております。従業員もそのまま雇用を続けていただいており、安心して経営をお任せしております。
大倉様: 藤清グループ様は蒟蒻・豆乳・湯葉のすべての製品について、消費者からの厚い支持を獲得しています。よって、藤清グループの社名・商品ブランドは一切変更を加えず、基本的にはこれまでどおりの運営を続けていくことにしています。今後は我々の清酒製造におけるノウハウを活用しながら、さらなる品質の向上をともに目指し、これまで以上に消費者の満足を獲得できる企業グループに発展させたいと考えております。
佐賀県小城市にある竹下製菓株式会社は、有名アイスクリーム「ブラックモンブラン」の製造などを手掛ける会社です。同社は、2020年10月にアイス製造会社のスカイフーズ株式会社(埼玉県幸手市)を、2022年1月に主力商品「生クリームパン」をはじめとするパン製造の株式会社清水屋食品(岡山市)を譲り受けました。竹下製菓の3代目、竹下真由社長に、積極的に資本提携を進める理由をお聞きしました。
「プラチノ」は30年以上地域に愛されてきた老舗洋菓子店。60歳を目前に後継者不在に直面した田勢克也社長は、事業承継とさらなる成長のために譲渡を決意しました。50代から検討したことで時間をかけて納得のお相手と出会う事ができたとM&Aを振り返ります。
社長を入れて従業員は6人という小さな会社ながらも、顧客視点に立ち、よりよい住宅を適正価格で提供することに徹し、地域に信頼を築いてきたM・G建装。創業者である松本昭文社長が、コープさっぽろとのM&Aを決意した、その思いといま————。
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