札幌市のM&Aの動向は?事業承継の事例や北海道のM&A件数の推移を解説
⽬次
- 1. 1:札幌市のM&Aの動向
- 1-1. 札幌市のM&Aトレンドとは?
- 1-2. 札幌市の特徴
- 1-3. 札幌市の中小企業が抱える課題
- 2. 2:札幌市のM&A事例
- 2-1. 日動(北海道札幌市)とシティビルサービス札幌(北海道札幌市)のM&A
- 2-2. フルテック(北海道札幌市)とワイズ・コーポレーション(東京都中野区)のM&A
- 2-3. 北海道歯科産業(北海道札幌市)とオールデンタルマート(北海道札幌市)のM&A
- 2-4. 北海道M&A事例インタビューはこちら(北海道M&A3選)
- 3. 3:『北海道企業向けM&A DATA BOOK2024』のご案内
- 3-1. 著者
こんにちは。日本М&Aセンター北海道営業所の岡田陽平です。
当コラムは日本М&Aセンターの北海道営業所が北海道M&A・北海道事業承継の最新情報を執筆しております。
今回は「札幌市のM&A動向と事業承継の事例」についてご案内させていただきます。
1:札幌市のM&Aの動向
札幌市は北海道の経済を支えている大都市であり、M&Aの動向も活発な地域です。
そもそも北海道は後継者不在率が高く、約7割の企業が後継者不在と言われております(全国4位)。事業承継の課題を感じている企業も多く存在する札幌市ですが、M&A動向としては以下の通りです。
札幌市のM&Aトレンドとは?
- 後継者不在の解消(事業承継型M&A)
- 上場企業など大手企業傘下へのグループ入りによる経営基盤の安定化(成長戦略型M&A)
- 販路や事業規模を拡大させるためのM&A
- 創業者利益の獲得のためのM&A
また、後継者不在率が高い北海道はM&A件数も全国上位であり、全国6番目にM&Aが行わられている地域です。
中小企業庁 「M&A支援機関登録制度実績報告等について」より
札幌市の特徴
北海道札幌市は人口196万5305人(2024年4月時点)が住む北海道内では最も多くの人が住む地域です。
また札幌市は道外と比較した際もエリアにおける総人口のランキングでは上位に位置しており、全国の市区町村の中でも4番目に多くの人口が住む地域です。
経済産業省作成の「令和3年経済センサス・活動調査」によると中小企業数は43,655社、大企業数は181社あります。他の政令指定都市と比較しても札幌市は東京23区、大阪市、横浜市、京都市に次ぎ、5番目に多くの企業が存在している都市です。
北海道は農林水産・観光資源が豊富であることから主に農業と観光業が多く、食料品や鉄鋼業、石油製品関連業が多いのが特徴です。中でも札幌市は上記に加え、第3次産業が中心となり、小売業、飲食業、サービス業も経済を支えています。
札幌市の中小企業が抱える課題
上記の通り、札幌市は多くの中小企業、大企業が多く存在している市ですが、これだけ多くの人口が住んでいるのにもかかわらず、「人手不足」の課題を感じている企業が多く存在しています。
2024/04/10 株式会社帝国データバンク 札幌支店「人材確保・育成等に関する札幌市内・近郊企業アンケート調査」より
帝国データバンクの発表によると、札幌市内・近郊企業アンケート札幌市内・近郊企業 239 社に対し行った、自社の従業員数の充足度についてのアンケートでは「不足している」と回答した企業が7 割を超えており、4 社に 3社は「人が足りない」と感じている状態です。
特に建設業では9割の企業が人手不足の課題を感じていると回答しており、その他の以下の業界でも「不足している」と答えた企業の割合が高いです。
- その他(金融、不動産を含む:81.8%)
- 小売:71.4%
- サービス:70.5% 等
2:札幌市のM&A事例
札幌市はこれまでに数多くの企業がM&Aを行ってきました。M&Aを成功させた事例が多く存在している為、最新のM&A事例を紹介します。
日動(北海道札幌市)とシティビルサービス札幌(北海道札幌市)のM&A
実施時期:2024年5月
対象M&Aニュース:https://www.nihon-ma.co.jp/news/20240530_1-1215/
日動は、分譲マンション事業(ブランド名:ラ・クラッセシリーズ)、賃貸事業(貸家・貸ビル、家具家電付賃貸マンション、マンスリーマンション、賃貸斡旋)、管理事業(分譲マンション・賃貸マンション・公営住宅・施設管理事業)等を行う。
シティビルサービス札幌は、賃貸管理業を中心にビル・マンションの資産保有、賃貸仲介店舗ピタットハウス(札幌市内4店舗)を展開している不動産会社です。
フルテック(北海道札幌市)とワイズ・コーポレーション(東京都中野区)のM&A
実施時期:2024年1月
対象M&Aニュース:https://www.nihon-ma.co.jp/news/20240115_6546/
フルテックは、自動ドア装置の販売・施工・保守サービス、ステンレスサッシ・製作金物製造販売及び付帯関連する事業、駐輪システムの販売・管理・運営、駐輪ラックの販売、喫煙所システム「トルネックス」の販売、建具工事業・機械器具設置工事業・とび土工工事業を行う。
ワイズ・コーポレーションは、組込み系制御基板の開発・設計・製造 、コンピュータ応用機器のシステム企画・開発設計・製造、集中管理システム、マルチメディア関連、情報通信、PC応用製品、ソフトウェアの受託開発・製作を行う。
北海道歯科産業(北海道札幌市)とオールデンタルマート(北海道札幌市)のM&A
実施時期:2023年4月
対象M&Aニュース:https://www.nihon-ma.co.jp/news/20230320_7693/
北海道歯科産業は、北海道を地盤とする歯科医療用機器・歯科材料の販売会社。 診療に必要な歯科材料等の移送、歯科器械のメンテナンスやWebセミナー等による歯科医療情報の提供、新規開業のための不動産物件紹介(宅地建物取引業)等の業務を行っている。
オールデンタルマートは、2008年に設立された歯科医療用機器・歯科材料の販売会社。 主に札幌市とその近郊の歯科医院および歯科技工所などを主要顧客としている。営業エリアが同じであること、また業歴相応の顧客数を有していることから、本件M&Aにより仕入や販促企画の共通化・営業の効率化などを推進し、顧客サービスの更なる向上を図る。
その他当社の事例も以下よりご確認いただけます。
北海道M&A事例インタビューはこちら(北海道M&A3選)
後継者不在、制度不足、設備の老朽化…。空調用ダクト部材製作で道内一円を網羅している企業が、従業員の幸せを願い決断したM&A
3:『北海道企業向けM&A DATA BOOK2024』のご案内
上記でご紹介した事例はあくまで一部であり、多くのM&Aが行われています。
一方で札幌市をはじめ北海道は後継者不在率が高い為、今後もM&Aが増え続けることが予想されます。
その上でM&Aはあくまで後継者問題を解決する手段であり、経営課題を解決する選択肢の一つです。
当社は引き続き情報を適切に伝え、課題解決を支援する仲介者として今後も北海道営業所から最新の業界情報等をお届けさせて頂きます。
北海道のM&Aへのご関心、ご質問、ご相談などございましたら、下記にお問い合わせフォームにてお問い合わせを頂ければ幸甚です。 買収のための譲渡案件のご紹介や、株式譲渡の無料相談を行います。 また、上場に向けた無料相談も行っております。お気軽にご相談ください。
1.北海道企業を取り巻く事業環境と各種データを用いた考察
2.2023年度日本M&Aセンターの北海道成約データから見えるM&Aトレンド
3.北海道企業がM&Aを選択する理由とは?
4.M&Aを実際に実施した北海道企業のインタビュー
5.2024年度北海道M&Aマーケットの未来予測
いかがでしたでしょうか?
今後も北海道支社から最新の業界情報をお届けさせて頂きます。
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