[M&A事例]譲受けからわずか1年で業績好調に。プロセス革新も実現した会社の成長戦略

成長戦略型M&Aの譲受け事例

譲渡企業情報

  • 社名:
    A社
  • 売上高:
    約6億円
    従業員数:
    約5名

譲受け企業情報

  • 社名:
    B社
  • 売上高:
    約150億円
    従業員数:
    約250名

成長政策の一つとしてM&Aを検討していたB社は、今回、同業のA社を譲り受け、1年でプロセス革新を実現し業績も好調に推移しています。初めてM&Aに取り組まれたB社社長に、この1年を振り返っていただきました。

成長政策の一つとして
シナジー効果が見込める
相手を広く探す

――B社はずいぶん前からM&Aによる企業の譲受けを検討されていたそうですね。

譲受け企業 B社社長: 成長政策の一つとして以前からM&Aはテーマとしてありました。事業内容に共通点がある企業や、異なる市場やエリア、顧客をもつ同業者など当社とシナジー効果が見込める先であればと広く探していました。

――日本M&AセンターからA社をご紹介したのが2021年ですので、やっとぴったりくるお相手が見つかったということでしょうか。

B社社長: そうですね。A社は同業ですので事業内容は問題ありませんでした。ただ、当社のM&Aの目的は成長政策ですから、その点では売上数億円規模の会社と単に一緒になっただけではその目的は果たせません

当社が譲受けを決めた理由は3つです。
一つ目は、ECサイト事業を急成長させていたことです。当社でも今後取り組んでいきたいと考えていた領域に力点を置かれていた点が魅力でした。
二つ目は、お客様の層と数です。A社は堅実な経営をされていて、過去にはかなりの成長時期があり多くの顧客を抱えていましたが、バブル崩壊以降は低成長期に入り、顧客のフォローも手が回っていないようでした。そこを当社の営業力でカバーできれば大きく成長できると思ったのです。
三つ目は立地です。当社が営業を強化したいエリアに会社がありましたので、ここに拠点ができることで今後さらに顧客開拓がしやすくなると思いました。

従業員みずからが
変わりたいと思うことで
PMIが加速

――今回、初めてのM&Aと伺いましたが、交渉を進める上で苦労されたことはありますか。

B社社長: M&A後の成長シナリオに対して確信を持てるかという点です。当社はグループ会社ですので、グループの役員会では、M&A後の見通しについて説明を強く求められました。当社のM&Aの目的は会社の成長ですから、そこは先ほど申し上げた譲受けの目的を明確にし、成長シナジーがつくれるという考えが、自身の中でも徐々に確信に変わっていったことで審議・承認をいただけたのだと思っています。

交渉を進めるうえで非常にありがたかったのは、A社社長の従業員に対する強い想いです。従業員の雇用を守ることを一番に考えて、従業員に不利益がなければ譲渡価額にはこだわらないとまでおっしゃったんです。その想いを受けて、私も期待に応えたいと思いました。

――2021年に成約されて、現在はA社の社長も兼務されていますが、まずはどんなことに取り組まれましたか。

B社社長: 従業員に信頼していただくことが最も重要でしたので、今回のM&Aに至った経緯やこれからのこと、不利益になる変更はしないことを面談などで伝えました。制度や規定の見直しも早急に実施したことで、従業員も安心してくれたと思います。その上で取り組んだのが業務プロセスの見直しでした。

――それまではどんな業務環境だったのでしょうか。

B社社長: とにかくあらゆるものがアナログでした。業務は基本、手書きでしたし従業員同士のグループウェアも未導入で、営業はノートPCをもっておらず事務処理のためにわざわざ事務所に戻ってこなければいけませんでした。オフィスも仕切りが多くてお互いの顔が見えず、営業と事務は別々のエリアに分かれて業務をしていましたので、営業あてに電話がかかってきても、席にいるかどうか一目でわからないような状況でした。

――どうやって革新していったのですか。

B社社長: まず、従業員をB社の本社に連れていき働き方や業務を見てもらいました。当社はITツールを積極的に活用してデジタル化が進んでいます。そのオフィスを見て、みんな一様に驚いていました。「これと今とどっちがいい?」と尋ねたら「手書きじゃないほうがいいです」と言ってくれたので、じゃあ一緒に頑張ろうと、そこからは様々な変化にも前向きに取り組んでくれましたね。

業務品質の向上で
生産性が格段に上がり
過去最高に近い利益を実現

――あらゆるものを変えていったそうですね。

B社社長: まずは働き方から変えていきました。全従業員に1人1台ノートパソコンとスマートフォンを配り、グループウェアを導入して出先だけでなく在宅でも仕事ができる環境にしました。勤怠もタイムカードではなくシステムへ移行しました。そのほかにもあらゆる業務をペーパーレス化していきました。急激な変化でしたが、B社のネットワークにも無線で入れるようにしたことで困った時にはすぐにコミュニケーションがとれましたので、問題なく新しい環境に慣れていってくれたようです。

次にオフィスもリノベーションしました。これは社内でプロジェクトを立ち上げて、従業員が自分たちでアイデアを出し合いながら創り上げてくれました。結果、仕切りをなくしてワンフロアでみんなが働けるようにし、余った部屋は来客や会議、従業員の昼食スペースに変わりました。お互いの顔を見て仕事ができるのでコミュニケーションがとりやすくなったと言ってくれています。

――今後のビジョンをお聞かせください。

B社社長: 例年にない特需もあってのことですが、業績は順調で2022年は過去最高に近い利益を出すことができました。A社は営業が数名しかいませんでしたので、当社から事業部長に入ってもらい、この一年、営業力の強化を図ってきました。当社と一緒になったことで、これまでできなかった提案ができるようになったり、取扱商品も増えたりして顧客への提案数も増え、すこしずつ成果につながってきています。

また、B社でもECサイトで新たなウェブマーケティングのアクションを起こしたいと考えています。実はB社の営業が1人、「ECに興味があるのでA社の仕事がしたい」と自ら希望して、今A社で働いてくれているんです。ノウハウを学んでB社の事業部門として成長させてほしいと期待しています。
これからも両社の強みを融合させて、グループ全体でビジョンを実現していきます。

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