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【セミナーレポート】起業家の新たな選択肢 プライベートIPOの新潮流 (2/21東京)
「起業家の新たな選択肢 プライベートIPOの新潮流 ~IPOだけがゴールではない!~」が、去る2月21日ANAインターコンチネンタル東京にて開催されました。
本セミナーではAmazon経営書ランキング17週連続No.1を獲得したベストセラー『起業の科学 スタートアップサイエンス』の著者であり、シリアルアントレプレナーとして日本とシリコンバレーで4社起業した経験を持つUnicorn Farm CEO 田所雅之氏をお招きし、起業家の新たな選択肢としてのプライベートIPO(M&A)についてお話しいただきました。
IPOではなく、プライベートIPOという選択
これまで投資家として1,600社以上のスタートアップのデューデリジェンスをおこなった田所氏。同氏は「会社のスタートアップのライフサイクルを理解すること」がIPOにおけるポイントであると強調しました。
多くのスタートアップのケースとして、以下のような段階を経て成長をしていくと紹介しました。
1.サービス、プロダクトがカスタマーの支持を得ている状態(PMF:Product Market Fit)を達成している状態
そのサービスがターゲットカスタマーの十分な支持を得られるかどうかというフェーズであり、多くのベンチャー企業がこの状態にまで達することができずにいる。
PMFを達成していないまま過剰な資金調達や無理な顧客獲得を行ったベンチャー企業の多くが失敗している。
2.そのサービスが十分な収益性を獲得できるフェーズ(Unit Economicsの健全化)
顧客獲得コストやサービス単価からそのビジネスが十分な収益性を確保していくフェーズ。
通常サービス開発の初期は投資がかさみマイナスからの成長となるが、そのビジネスが十分な収益を生み出すことで、収益は「Jカーブ」と呼ばれる成長曲線を描いていく。
3.月次収益(MRR)や総流通総額(GMV)、1顧客あたりの平均収益(ARPU)などKey KPIを磨きあげるフェーズ
ビジネスが安定して成長し、数年後にIPOをするための「エクイティストーリー」を描くうえで、ビジネスにとって最も重要な経営指標を成長させていくフェーズ。
4.IPOを目指すフェーズ
市場環境や経営陣の準備などIPOに向けて最後の準備をしていくフェーズ。
IPOを行うと「社会の公器」となるので、上場企業の社長として今後10年以上勤めていく覚悟が経営者に求められる。
ベンチャー企業が成長していくそれぞれのフェーズで、次のステージにチャレンジするか、成長のためにM&Aをするか、様々な選択肢があるとして、田所氏はそれらを下記のフローチャートにまとめました。
最低でも10年間、事業に100%以上コミットできるか
実はM&Aはどのフェーズでも行うことができます。
例えば、アーリーステージでM&Aを行った場合、人材やノウハウを提供する「Acqui-hire」となります。
そして、経営者が最終的に上場を目指していくか、プライベートIPO=M&Aを行うかどうかは「経営者が今から最低でも10年間事業に100%以上コミットできるかどうか」にかかっています。田所氏はその上で、上場を目指すか、M&Aを行うかという選択肢について、下記の4つのマトリクス分類を紹介しました。
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Needed: PMFを達成できているかどうか
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Can: Unit Economicsを達成しているか
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Get Paid: ビジネスモデルがあるかどうか
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Want: 上場企業の経営者になりたいか
田所氏は「この4つの枠の中に収まるようでなければIPOという選択肢を取らなくてもよい)とした上で、GoogleにM&Aで買収されたSCHAFT(ロボットベンチャー企業)や、FacebookにM&Aで買収され大きな成長と遂げたinstagram、昨年70億円でDMMに買収され大きな話題になったCASHなど、M&Aによって大きく成長した事例を紹介しました。
「日本では『IPO神話』と呼ばれ多くの企業がIPOを目指しているが、実際にIPOまで到達できるのは上場しやすいといわれる日本でも数%なのが事実。また事業は自分自身との対話なので“この事業を人生すべてをかけてやりたいかどうか”という点で悩みがあるようならM&Aは非常に有効な手段となる」とセミナーを締めくくりました。
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