リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版

リネンサプライ・クリーニング業界のM&A

リネンサプライ・クリーニング業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、リネンサプライ・クリーニング業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。

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⽬次

リネンサプライ・クリーニング業界の概要とM&A動向

リネンサプライ・クリーニング業界は、衣料品や繊維製品の洗濯・仕上げサービスを提供する業界であり、事業内容により「リネンサプライ業」と「クリーニング業」に大別されますが、広義では同じ「洗濯業」に分類されます。
主に一般消費者(個人)を対象に、衣類や布製品の洗濯・シミ抜き・保管などのサービスを提供する個人向け(BtoC型)のサービスと、ホテルや病院、飲食店などの事業者向けに、リネン類(シーツ、タオル、ユニフォームなど)の洗濯・管理・リースなどを行う法人向け(BtoB型)のサービスがあります。
個人向けでは、駅前や住宅街にある店舗型のクリーニング店が一般的ですが、近年は宅配・ネット注文型の「宅配クリーニング」も台頭しています。法人向けでは、一般的なクリーニング業と異なり、定期的かつ大量のリネン管理を必要とする業務用ニーズを担っています。 大手企業では、ダスキン、白洋舎、ナックなどが有名です。

項目 個人向け(BtoC) 法人向け(BtoB)
対象顧客 一般消費者(家庭) ホテル・病院・飲食店・工場などの法人
取引単位・頻度 不定期・小口の取引(都度利用) 定期的な大量取引(契約型)
価格帯・単価 単価は安いが高付加価値化が可能 安定的だが価格競争が激しい
納品・回収 店舗または宅配(個別) 専用車両・ロジスティクスを使用
設備規模 中小規模の店舗または地域工場 大型工場・ライン処理
法規制・衛生基準 主に家庭用、衛生基準は任意レベルが多い 医療・食品などの厳格な規制に対応
(例:HACCP)
労務体制 店舗対応やパートタイムが多い 工場勤務、ルート配送など組織的
収益モデル 単発・季節要因に左右されやすい(フロー型) 継続的な契約ベース(ストック型)
主な業務内容 • 衣類の一般クリーニング
• 特殊素材・高級衣料のクリーニング
• 靴・バッグ・布団のクリーニング
• 季節保管サービス
• 宅配・アプリ注文による集配サービス
• リネン・タオル類のレンタル・洗濯・回収
• 医療機関向け白衣や患者衣のクリーニング
• 飲食店・食品工場向けユニフォームの衛生管理
• クリーンルーム用特殊衣類のクリーニング

リネンサプライ・クリーニング業界の近年の市場動向

本業界では、人手不足と設備投資の負担が課題となっています。リネンサプライ業は多くの人手と設備を要する業種であり、深刻な人手不足が課題です。また、省人化・自動化に向けた設備更新が必要ですが、初期投資が重く、中小企業にとっては経営の重荷となっています。
また、法人向けのリネンサプライ業は、宿泊・医療需要に左右される構造になっています。ホテル・観光業や医療機関の稼働率と密接に関連しているため、コロナ禍の影響で観光業が落ち込んだ2020〜2021年には業績が一時的に悪化しました。その後はインバウンド需要の回復とともに徐々に持ち直しつつあります。
そして、医療・食品業界向けの法人サービスでは、国際的な衛生基準(ISO13485やHACCPなど)に対応する必要があり、こういった衛生基準の厳格化が負担になるケースがあります。対応できない中小企業は市場からの撤退やM&Aの対象となるケースが増えています。

リネンサプライ・クリーニング業界の
最新のM&A動向

リネンサプライ・クリーニング業界では、市場の成熟や後継者不足を背景に、M&Aによる業界再編が活発です。大手が中小企業を吸収することで、スケールメリットやエリア拡大を図る動きが加速しています。
また、地域密着型の中小事業者が、BtoCとBtoBを両立しているケースが増えています。たとえば、店舗での個人受付と、飲食店向けの業務用クリーニングの両方を受託するなど。大手企業も、個人宅配と法人契約を同じ物流・工場で効率運用することで、スケールと利益率の向上を狙っています。M&Aは、確立された企業やビジネスモデルを取り込むことで、イチから事業開拓する必要性がなくなり、短期間での事業拡大やシェア拡大が可能です。リネンサプライ・クリーニング業界のような市場において、自社単独での成長だけでは限界があるため、M&Aは競争力を維持し成長を加速させるための有効な経営戦略となります。

リネンサプライ・クリーニング業界における
M&A活用のメリット

リネンサプライ・クリーニング業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。

譲渡側のメリット
  • 価格競争力の強化
  • 後継者問題を解決できる
  • オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
  • 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
  • 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
  • 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
譲受け側のメリット
  • サービスの広域化
  • 売上規模・シェアの拡大が見込める(規模の経済)
  • 事業多角化・新規事業への参入
  • 人的リソースを獲得できる
  • バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
  • リスク分散ができる
  • 財務力強化・コストの削減(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コスト等)

リネンサプライ・クリーニング業界で
M&Aを実行する際のポイント

リネンサプライ・クリーニング業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。

  • リース契約の有無(設備関連)
  • 売上の構成比(特定顧客依存度)
  • フランチャイズ契約やテナント契約の条件
  • 事業所や工場の許認可状況
  • 衛生認証の有無(医療・食品など)
  • 労務状況(非正規比率、外国人雇用など)
  • ガバナンス・管理体制

注意点の一例を上げると、リネンサプライ・クリーニング業の機械設備の多くはリースで導入されており、バランスシートに現れにくい債務があります。そのため、リース契約の内容を確認する必要があります。
また、売上の構成比をチェックし、特定の取引先への売上依存度が高い場合、契約継続リスクを精査する必要があります。
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

リネンサプライ・クリーニング業界における
M&Aの価格相場

リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。

※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定

あなたの会社の評価額はいくら?

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あなたの会社が現在どう評価をされるか、ぜひ見てみませんか?

次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、リネンサプライ・クリーニング業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。

なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

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業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。

リネンサプライ・クリーニング業界の
最新M&A事例を解説

リネンサプライ・クリーニング×バス・鉄道
JR西日本、ジェイアール西日本リネンの全株式を鉄道リネンサービスに譲渡

譲渡企業
西日本旅客鉄道株式会社(9021)、株式会社ジェイアール西日本リネン(大阪府大阪市)
譲受け企業
鉄道リネンサービス株式会社(大阪府大阪市)

スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年3月31日

M&Aの概要

2024年5月29日、西日本旅客鉄道株式会社(以下:JR西日本)は、 鉄道リネンサービス株式会社との間で、JR西日本が保有する株式会社ジェイアール西日本リネンの全株式を鉄道リネンサービスに譲渡することに合意し、株式譲渡契約を締結したことを公表しました。本件の株式譲渡契約は2024年5月15日に締結され、株式譲渡は2025年3月31日に実施されました。

JR西日本は、西日本を中心として旅客鉄道等を運営する日本の鉄道事業会社。流通業、不動産業も行っています。
ジェイアール西日本リネンは、JR西日本のグループ会社。リネン類、寝具類、作業衣等のリネンサプライ事業等を行っています。
鉄道リネンサービスは、ホテル、JR旅客車及び交通機関全般のリネンサプライ事業等を行っています。近畿圏を中心にリネンサプライ事業を長年にわたり展開しており、グループのリネンサプライ業務の最大委託先として、豊富な実績とノウハウを有しています。

ジェイアール西日本リネンと鉄道リネンサービスとの連携により、 両社のノウハウを結集し、より質の高いリネンサプライ事業を展開していくことが、顧客や従業員、地域・社会にとって価値向上に繋がると判断したため、今回のM&Aに至りました。

リネンサプライ・クリーニング×リネンサプライ・クリーニング
白洋舍がグループ内再編を実施

譲渡企業
共同リネンサプライ株式会社(東京都大田区)
譲受け企業
株式会社白洋舍(9731)

スキーム:会社分割、合併 実行時期:2023年10月1日

組織内再編の概要

2023年4月26日、株式会社白洋舍、およびその連結子会社である共同リネンサプライ株式会社は、会社分割と吸収合併による組織内再編を決定しました。

白洋舍は、衣類や水周りなどのクリーニングサービスを行っています。
共同リネンサプライは、東京と大阪の2拠点で、リネンサプライ事業、ユニフォームレンタル事業、クリーニング事業を行っていました。

共同リネンサプライの東京支店と大阪支店とを会社分割(新設分割)し、2023年7月3日、大阪支店を新設会社(新設「共同リネンサプライ株式会社」)へ承継しました。

白洋舍が共同リネンサプライ株式を追加取得することにより、共同リネンサプライを完全子会社化した後、白洋舍を吸収合併存続会社、共同リネンサプライを吸収合併消滅会社とする吸収合併を2023年10月1日に実施しました。これにより、東京支社は白洋舎に統合されました。

白洋舍はグループの組織再編を通じ、関西圏における競争力強化を図るとともに、白洋舍と商圏が重複する東京事業を白洋舍に集約し、経営資源の集中と業務効率化の実現を図ります。

リネンサプライ・クリーニング×調剤薬局
総合メディカル、東京リネンサービスを子会社化

譲渡企業
東京リネンサービス株式会社(東京都板橋区)
譲受け企業
総合メディカル株式会社(東京都千代田区/福岡県福岡市)

スキーム:株式譲渡 実行時期:2023年3月6日

M&Aの概要

2023年3月6日、総合メディカル株式会社は、東京リネンサービス株式会社の全株式を取得し、完全子会社化しました。

総合メディカルは、医業経営コンサルティング、医療モールの開発・運営、医療機関への医師紹介、医師の転職・開業支援等を行っています。
東京リネンサービスは、医療機関、介護・福祉施設およびその入居者向けの各種リネンサービス提供、福祉用具・紙おむつ等の販売を行っています。

病院や施設で使用するシーツやタオルなどのリネン製品を提供・管理するリネンサービスは、衛生管理が重要な医療分野で欠かせない存在です。本件M&Aにより総合メディカルは、東京リネンサービスが持つリネンサービスの強みを、グループの既存事業へ組み合わせていきます。また、グループの営業基盤を東京リネンサービスと共有することで、シナジー効果創出を図ります。

リネンサプライ・クリーニング業界の
M&Aニュース

リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aニュースを表示します。

リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aニュース一覧

リネンサプライ・クリーニング業界の
M&A仲介実績

日本M&Aセンターが仲介・支援して成約したリネンサプライ・クリーニング業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。

譲渡・売却企業 譲受け・買収企業
2025年9月 理美容(北海道・東北) セールスプロモーション(関東)
2025年9月 測量・地質調査(中国・四国) 建築工事(中国・四国)
2025年9月 測量・地質調査(中国・四国) 舗装工事(九州・沖縄)
2025年9月 産業廃棄物処理(東海・北陸) 産業廃棄物処理(関東)
2025年9月 産業廃棄物処理(関東) 産業廃棄物処理(関東)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 会計事務所(関東)
2025年9月 エンターテインメント(中国・四国) エンターテインメント(中国・四国)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 自動車小売(関西)
2025年9月 理美容(九州・沖縄) 理美容(関東)
2025年9月 法人向けサービス(関東) 理美容(関東)

リネンサプライ・クリーニング業界を含むリース・レンタル業およびその他サービス業のM&A仲介実績一覧

リネンサプライ・クリーニング業界の
最新のM&A事例インタビュー

当社の仲介によりM&A・事業承継されたリネンサプライ・クリーニング業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。

リネンサプライ・クリーニング業界のM&A事例インタビュー一覧

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