管工事業界のM&Aと事業承継の動向・案件情報2025年最新版
管工事業界に関する最新のM&A動向をご紹介します。 近年の市場推移やトピックス、業界再編にまつわる情報、管工事業界の周辺業界を含めたM&A・事業承継の事例をわかりやすく解説しています。 また、日本M&Aセンターが取り扱う最新のM&A案件、当社仲介によりM&Aを実行された経営者様の事例、 各業界の動向やM&A(第三者承継)への理解を深めるセミナー情報などもご紹介します。
更新:
管工事業界の
M&A案件(売却・事業承継案件)
一覧を見る
売却の無料相談
買収の無料相談
⽬次
管工事業界の概要とM&A動向
管工事業界には、建物の冷暖房、換気のための空調設備を設置する空調工事や、建物の給排水あるいは下水道、汚水処理工事などの衛生工事を行う事業が含まれています。
大手企業の中で例を挙げると、オーテック、新日本空調、テクノ菱和、協和日成などを本サイトではこの業界に分類しています。
管工事業界における
M&A活用のメリット
管工事業界におけるM&A活用のメリットをご紹介します。
- 譲渡側のメリット
-
- 管・空調工事やビルメンなどの隣接業界の大手中堅とグループを形成することにより、顧客にワンストップサービスを提供できる
- 後継者問題を解決できる
- 事業意欲旺盛な会社との協業により、相互に発展することが可能
- 適切な会社に譲渡すれば、社員の雇用は保証され、成長機会も増える
- オーナー社長は個人保証や担保提供から解放され、ハッピーリタイアができる
- 個人保証や担保提供から解放されたうえで役員等として継続してかかわることも可能
- 譲受け側のメリット
-
- 営繕系の隣接業務への新規進出
- 売上規模・シェアの拡大・地域補完が見込める
- 事業多角化・新規事業への参入
- 人材の獲得・技術力の向上
- シナジーの創出
- バリューチェーンの補完・関連事業領域の拡大
- リスク分散ができる
- コストの削減・財務力強化(仕入れコスト、管理部門コスト、物流コストなど)
管工事業界で
M&Aを実行する際のポイント
管工事業界でM&Aを実行する際に注意すべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 労務問題
- 未成工事支出金の資産性
- レガシーコスト
- 直請・下請比率
- 一社偏重
- 過去の受注調整
など
ここでは一般的なポイントをご紹介させていただいておりますが、実際には、個別事情を勘案すると大きく変わります。また、業界によっては独自の規制や商習慣が存在するため、M&Aの仲介を行ううえで、それぞれの業種・業界の特性を正しく理解していることが非常に大切です。日本M&Aセンターでは各業界に精通したコンサルタントが所属しているため、専門性の高いサービスを提供させていただくことが可能です。
当社では秘密保持を厳守のうえ、個別相談を無料でお受けしています。当社は全国に拠点を展開しております。気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
管工事業界における
M&Aの価格相場
管工事業界のM&Aにおける価格や相場感について説明いたします。まず、中小企業のM&Aには明確な相場が存在せず、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まることが特徴です。M&Aの価格は、業種や企業の規模、人材の質、財務状況、ブランド力、将来性、市場環境など、多岐にわたる要素によって変動します。そのため、個別の状況を考慮しながら価格が算出されることになります。
M&Aの価格算定にはいくつかの評価方法がありますが、その中の一つに「取引事例法」があります。取引事例法は、過去のM&A事例の中から、事業内容や地域、財務指標が似ている企業の売買実績を基に価値を評価する方法です。取引事例法において重要なのは、類似の取引事例を参考にすることですが、類似条件を見つけるためには、相当数の事例を蓄積する必要があります。非上場企業のM&Aの多くが非公開情報であることから、他社の実績を参考にすることはハードルが高い方法でもあります。その点、日本M&Aセンターでは、M&Aにおいて成約実績10,000件超、M&A成約件数で世界No.1*のギネス世界記録™に5年連続で認定されるなど、豊富な実績があります。事業内容や地域、財務指標に基づく似た会社の売買事例を選定し、一定のルールに従って公正な価値評価を行うことが可能です。こちらから当社の株価算定シミュレーションを体験することができます。
※ギネス世界記録™:M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業 2020~2023年に続き、5年連続でギネス世界記録™に認定
次に、より高い評価を得て会社を高く譲渡売却するためには、よりシナジーのある買い手を見つけることが重要です。M&Aの最終価格は、売り手企業と買い手企業の交渉によって決まるため、買い手が「この会社が欲しい」と思う要素を増やしていく必要があります。例えば、現在、管工事業界の市場では人材不足が全体的な問題となっており、若くて優秀な人材を採用できる利点がある場合、買い手企業にとってM&Aの魅力が増します。
さらに、コンプライアンスやガバナンスに関する問題も重要な要素です。具体的には、顧客とのトラブルが存在しないか、社会保険への適切な加入状況が確認されることが求められます。これらの問題があると、潜在的な費用や負債として見なされ、価格交渉において不利な要因となり得ます。これらの要素が事前にクリアである場合、買い手企業も安心してM&Aを進めることができ、価格交渉もスムーズに進行しやすくなる傾向があります。
最後に、M&Aを成功させるためには、総合的に企業の魅力を高める努力が欠かせません。これは、価格評価への影響だけでなく、交渉の流れにも深く関わる要素であるといえるでしょう。
なお、実際には個別の業種や取引環境等によって価格相場は変動しますし、場所や経営状態によっても大きく左右されます。初期的なご相談や、簡易的な株価診断は無料にておこなっておりますので、よりくわしく評価や課題について聞きたい方は、弊社コンサルタントから詳細をご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
売却の無料相談
買収の無料相談
株式会社日本M&Aセンター
業界別M&Aレポート編集部は、日本M&Aセンターの社員によって執筆・運営されています。各業界・業種のM&Aや事業承継に関する情報、トピックをお届けします。
管工事業界の
最新M&A事例を解説
近年に実施されたM&Aから管工事業界の事例をご紹介します。建設業は、GDP、就労人口、国内生産額において、いずれもその割合が高い重要な基幹産業です。事業者数も多いため、M&Aが積極的に行われています。
産業廃棄物・環境関連サービス×総合・建築工事・ゼネコン
三機工業、廃棄物処理事業の邦英商興を買収
- 譲渡企業
- 邦英商興株式会社(愛知県名古屋市)
- 譲受け企業
- 三機工業株式会社(1961)、三機グリーンテック株式会社(神奈川県大和市)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡 実行時期:2025年8月1日
2025年5月1日、三機工業株式会社は、国内グループ会社である三機グリーンテック株式会社が、邦英商興株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約を締結したことを発表しました。
三機工業は、三井グループの大手総合設備建設企業で、建設設備をはじめ、社会インフラに関わるさまざまな事業を展開しています。
三機グリーンテックは、三機工業のグループ会社で、廃棄物処理施設の設計・施工・メンテナンス・運転管理を行っています。
邦英商興は、東海地域中心に、廃棄物処理事業等を事業展開しています。
環境システム事業の1つの柱である廃棄物処理事業では、今後、老朽化した処理施設の更新需要が見込まれています。これに的確に対応するため、邦英商興とのシナジー効果を最大限発揮するとともに、事業部とグループ会社が一体となり、さらなる事業の拡大を図るため、本件M&Aに至りました。
管工事×電気通信工事
北陸電気工事、管工事業の日建を子会社化
- 譲渡企業
- 株式会社日建(神奈川県横浜市)
- 譲受け企業
- 北陸電気工事株式会社(1930)
M&Aの概要
スキーム:株式譲渡 実行時期:2023年12月5日
北陸電気工事株式会社は、2023年11月30日開催の取締役会において、株式会社日建の株式を取得し、子会社化することを決定。12月5日に株式の譲渡が行われました。
北陸電気工事は、1944年設立の総合設備会社。北陸を地盤とし、電気工事、管工事、配電設備等の電力供給設備に係わる電気工事の請負施工などの設備工事業を主たる事業として事業活動を行っています。
日建は、1981年設立で、神奈川県をはじめとする首都圏有数の設備工事業者として、空調・給排水管などの管工事を主体に、電気工事など幅広く事業展開してきました。
北陸電気工事は、日建を子会社化することにより、北陸電気工事グループの関東圏での事業拡大を検討しており、M&A(合併・買収)を生かして商圏を広げる狙いがあります。
北陸電気工事は中期経営計画「アクションプラン2024」の中で、2023年3月期に448億円だった連結売上高を2025年3月期に600億円に増やす目標を掲げています。本件M&Aが、達成に大きく寄与するものと期待されています。
管工事業界の
M&Aニュース
管工事業界のM&Aニュースを表示します。
-
2025.7.1
高砂熱学工業、タイの設備関連会社3社を買収
-
2025.5.9
ダイダン、子会社のダイダンサービス中部を吸収合併
-
2025.5.1
三機工業、廃棄物処理事業の邦英商興を買収
-
2025.3.31
藤田エンジニアリング、建築工事などの群工を買収
-
2025.3.26
日本電技、子会社のNDテックと台東設備を経営統合
-
2025.3.10
ヤマト、土木工事業の上毛建設を子会社化
-
2024.9.6
ダイダン、シンガポールPresico Engineeringの株式30%を追加取得・子会社化へ
-
2024.6.21
アクアライン、ミネラルウォーター事業を河上薬品商事に譲渡
-
2024.4.1
日本電技、空調計装工事施工の台東設備を買収
-
2023.11.13
アイナボホールディングス、会社分割により物流部門をアクセスに継承へ
管工事業界の
M&A仲介実績
日本M&Aセンターが仲介・支援して成約した管工事業界のM&A案件をご紹介します。
※現在、2025年9月までの実績を掲載しています。次回の更新(2025年10月~12月分)は2026年1月30日以降の予定です。
| 譲渡・売却企業 | 譲受け・買収企業 | |
|---|---|---|
| 2025年9月 | 土木工事(北海道・東北) | 建築工事(九州・沖縄) |
| 2025年9月 | 土木工事(東海・北陸) | 建築工事(東海・北陸) |
| 2025年9月 | 土木工事(東海・北陸) | 土木工事(関西) |
| 2025年9月 | 電気通信工事(東海・北陸) | 電気通信工事(関西) |
| 2025年9月 | 管工事(北海道・東北) | 電気通信工事(関東) |
| 2025年9月 | プラント関連(九州・沖縄) | プラント関連(九州・沖縄) |
| 2025年9月 | 建築工事(関東) | 内装工事(東海・北陸) |
| 2025年9月 | 内装工事(関東) | 内装工事(関東) |
| 2025年9月 | 外装工事(関東) | 外装工事(関東) |
| 2025年9月 | 建設設計(関東) | 建設設計(九州・沖縄) |
管工事業界の
最新のM&A事例インタビュー
当社の仲介によりM&A・事業承継された管工事業界の事例を、経営者様へのインタビュー形式でご紹介します。
-

M&Aの話を聞いた社員が奮起し社長就任。売上増で社員の賃金アップも実現
譲渡:北海道苫小牧市、北海道勇払郡 管工事、水道施設工事
譲受け:北海道札幌市 経営コンサルタント業、総合建設業、不動産業、保育業、IT業、製造販売業、ガソリンスタンド業管工事業を行う日栄工業と矢野電器は、経営コンサルティング会社の武ダホールディングスにM&Aでグループインしました。M&A 後の現在について話を伺いました。
-

M&Aから2年半。苦しいコロナ禍も2社で乗り越え今期最高益へ
譲渡:兵庫県赤穂市 プラント向け製缶板金
譲受け:滋賀県大津市 プラント配管設計・工事業吹田鉄工と坂海工業所は提携後、コロナ禍の影響で厳しい状況が続く中、共に実績を積み重ね、成長を遂げてきました。2年半経った現在、話を伺いました。
-

事業環境を一変させた東日本大震災。M&Aで新たな事業の柱を求める
譲渡:
譲受け:福島県いわき市 管工事業発電所や大型プラントで溶接事業を行うエンドーウェルディングは、福島第一原子力発電所の事故により、事業環境が一変します。同社にM&A の背景を伺いました。
管工事業界の
セミナー情報
当社では、M&Aや事業承継をはじめ、経営に役立つさまざまセミナーを開催しております。ぜひご参加ください。